自分の好きなこのすば小説が1つ削除されていたことに悲しいです。
ようやく冬を超すための資金を獲得し、休暇を手に入れたユウヤ。それから、1日の大半を家の地下の作業に費やしており、そして休暇最終日になっても、ユウヤは作業を続けていた。ちなみにこの日でちょうど5徹夜目である。
「……ミギマワシ……コレデアトハ……」
「………ユウ?大丈夫?いつも以上に片言が酷くなってるわよ?」
「ウン、ダイジョウブ。モウアトスコシデオワルカラ」
「……全っ然大丈夫じゃなさそうなんだけど」
顔色がパッと見るだけでも悪いということが分かる状態だ。肌もカッサカサになっている。
いい加減に休憩して欲しいと思うリエスだが、そんなこと言って止まる者ではないし、ここで無理矢理止めると、後々不機嫌になってスゴく面倒くさくなる。故に放置した。
「止めないけど、いい加減休憩しなさいよ?明日で休暇も終わるんだから」
「ワカッテルワカッテル。アト十分モアレバオワルカラ」
「…こりゃウィズちゃん大変だわねぇ……」
これから世話をかけることになるウィズのことを思い、ため息をつく彼女であった。
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ー次の日ー
「あ、おはようございますユウヤさん!お久しぶりでs………ってええええええ!?」
ウィズはやってきたユウヤにいつも通り挨拶しようとしたが、彼の姿を見て驚いた。現在、ユウヤは顔が所々汚れ、作業服が焦げたりしており、そして目が虚ろな状態になっている。(肌だけリエスが治した)
「ウンウィズ。オハヨウ」
「おはようじゃないですよユウヤさん!!どうしてそんなにボロボロなんですか!?」
「ジツハキュウカチュウニモノヅクリガンバテイタ。ツイサッキマデブットウシデヤッテタ」
「さっきまで!?スゴいお疲れじゃないですか!!もう休んでください!!」
「デモ、ボクガイナイトオミセノヒトデガタリナクナル」
「まず自分の体調を気にしてください!!私と違ってユウヤさんは人間なんですから、休みが必要です!!」
「キュウカナラ、サッキマデトッテタヨ?」
「休暇前よりボロボロな状態になっててむしろ悪化してるじゃないですか!!休暇1日追加です!!いいから休んでください!!」
それでもなお、ユウヤは仕事しようとしていたが、ウィズの渾身の説得に負けて休むことになった………のはいいのだが。
「分かりましたかユウヤさん?」
「ウンワカッタ。イマカライエニカエ────ア、コレダメダ」
「え、ちょ、ユウヤさぁ───ん!?」
説得に応じた直後、限界を迎えたのかバタリと倒れてしまった。
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ーウィズー
「全く…ユウヤさんは時々おかしな事をするんですから……」
ユウヤが倒れたあと、ウィズは彼を運んで予備の布団で寝かせた。今ではグッスリと眠っている。
「……ここまでじっくりと寝顔を見たのは初めてですね…」
普段、ユウヤはあまり無防備な姿を見せないため、ここまで近いところからラフなユウヤを見るのはあまりない。
ユウヤ本人は自覚がないようだが、普段から自分の弱いところを見せないように振る舞っているとウィズは見ている。実際、彼女もユウヤさんが怪我をしたり弱音を吐いてる姿をあまり見たことがない。
何故そこまでして負の部分を見せないようしているのか。気にはなっているが、自分の様に知られたくない過去があるのならあまり人の過去を詮索するのもいけないと思っているため、結局聞けず仕舞いである。
ウィズはユウヤさんの寝顔を眺め、手を握りしめる。
「ユウヤさん。たまには私のことも頼ってくださいね」
ユウヤがお店に来てくれたあの日から、彼女はお店の経営や食生活、スキルと幾度も助けてくれた。彼女が仕入れた商品もいくつか買ってくれた。
(…「あんまり使えないポンコツ品を何度も買ってくるな」とバニルさんと似たような不評を言われたこともありましたね。絶対売れるのに……)
だがリッチーとなったウィズの生活を、明るく照らしてくれたのは間違いなく彼のおかげだと思っている。
(こんな私のために、お節介なほど助けていただいているのは感謝しかありません。だからもし、貴方が困っているなら、私は真っ先に助けます)
自分をこうして人間扱いしてくれる、そんな優しい彼のために。
「………あったかい……」
人でなくなったリッチーにはもう感じられない、人の温かさに彼女は知らずのうちに夢中になっていた。
「ウィ~ズちゃ〜ん。な〜にユウとベタベタしちゃってるの〜?」
「ほぇぇえ!?ち、ちちちちちち違います!!べ、べべ別にベタベタなんて!!」
突然、後ろからリエスに声をかけられる。ウィズも彼女のことはユウヤからよく聞いている。彼に憑いている呪いであり、希望であること。そして、生き続けるしかない苦行が彼にかかっていることも。
ウィズは彼女のことを、話の割におちゃらけた性格で、軽い口調で話す、コミュ力の高い明るい人だと思っている。
そのため話しかけやすく、すぐに仲良くなった。が……
「そう言って〜。ギュッと手握ってるじゃない。本人が寝てるときにそんなことするなんて、ウィズちゃん結構スケベ?」
「な、なに言ってるんですかリエスさん!こ、これはその……体温!体温を測ろうと………!」
「体温を測ろうとして、ユウの温もりを堪能してるんだものね〜」
「ち、違います!!勝手に捏造しないでください!!」
……こんな風に、主にユウヤ関連でたまに彼女を揶揄ってくる。それには彼女もやめて欲しいと思っている。
「え〜?そう言ってこの前、ユウがうっかり置いていった服を」
「わあああああああああああー!!」
すぐ近くで眠っているユウヤの事にも目をくれず、ウィズは大声を出して遮った。
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「…ゥウ〜……ン………」
瞼をゆっくり開けると、窓から差し込む光が自分を照らしてくれている。だんだん脳が活性化していくのを理解していると、茶色のアホ毛が目に映る。
「あ、起きたんですね。ユウヤさん」
「ウィズ……ここは?」
「お店裏の別部屋です。ユウヤさんが倒れたので、私が運んで看病してたんですよ」
「そうか…すまない」
ただでさえ人手が少ないのに、赤字による借金で店の利益がほとんどない。そんな中で、自分を看病してくれたことにユウヤは申し訳なさを感じていた。
それを否定するように、
「気にしないで下さい。私の仕入れた商品を皆さんが理解出来ず、購入してくれずに利益が出ないのが原因なので」
と、ウィズは答えた。
「ユウヤさん、自分の体調のこともしっかりと管理してください。私にあれだけ言っておいて、自分が体調を崩すなんて示しが付きませんよ?」
「……面目ないです」
「ユウヤさんの集中力が高いのは良いことですが、そこで自分の体調を疎かにしてまで、作業を続けるのは良くないことですよ。そんなときに限って、いざというときに万全の状態で動けなくなりますし」
「……分かりました」
その後、ウィズの説教は半時くらい続いた。一部人のこと言えない部分があったが、今回悪いのは自分なので、黙って聞いていた。
「さて、まだまだ言いたいことはありますが、今日はここまでにしておきましょう。このあと徹夜で作業とかしないで下さいよ?」
「分かった」
「じゃあ、気をつけてお帰りください。明日に体調がよくなったら、お願いしますね」
「了解したよ」
そうして今日は1日終わった。このあと地下で何か作業でもしたかったが、それはウィズの言葉を無下にすることになる。なので、食事をして勉強したあと、0時を回る前に眠りについた。
「…て、手を握っていたことがバレなくて良かったです………フヘ……//」
……その頃、ウィズはユウヤが寝ている間にした行動に気付かなかったことに安心しており。
『全く……ウィズちゃんはいつになったら気付くのかしら……初心者ゆえに、相手の行動に善意以外あまり感じていないのがねぇ…………そしてあのヘタレはいつになったら行動起こすのかしら……』
更にその頃、リエスは2人の行動や認識に何か悩んでいた。
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それから2日後、ユウヤはすっかり体調が元通りになり、休んだ分を取り戻すように魔導具店で働いていた。
そしていつも通り魔導具を棚に並べていると、チリンチリン、とベルが鳴って入店を知らせる。
入って来たのは家を建てるときにお世話になった不動産屋の男だった。
話を聞くと最近、数々の物件に悪霊が出没して住み着くという困った事が起こっているらしい。冒険者ギルドに依頼をしても、何度も何度も現れるのでキリがない。
なので、アンデッドのスペシャリストのウィズに頼みに来たが、生憎ウィズは不動産屋と同じ理由であちらこちらへ引っ張り出されていていない。見かねたユウヤが代わりに受けようと提案する。これに不動産屋の男は快く了承してくれた。
案内された場所へ向かうと、そこはかなり大きなお屋敷だった。元々貴族が別荘として建てた物件らしく、ユウヤの家の2、3倍近くはあった。屋敷の中は長年人が住んでいなかったにも関わらず、目立つ汚れなどは見られず、綺麗な状態だった。
見るだけで高価と分かる家具が数々の部屋に設置されており、下手に触るのを思わず躊躇ってしまう。別荘の一つとして買おうかと考えていたが、ここまで高価だと元の家具を気にせず部屋を自分好みに改造するのは罪悪感が湧き出る。非常に残念だが諦めた。
新たな別荘を何処にしようかと悩んでいると、玄関の方から声が聞こえる。もう悪霊が出たのかと玄関へ赴く。
「え、ユウ?なんでここに」
が、玄関にいたのは最近話題の問題児パーティことカズマ達だった。冒険者登録でユウヤに金を借りようとしたときからほっとけないと思っていたが、行く先でこう何度も何度も出会うと、自分も厄介事に愛されているんじゃないかと錯覚しそうになる。
話を聞くと、最近の悪霊騒ぎで幽霊屋敷と評され、買い手が付かずに困ったいたところでカズマ達が依頼に来た。そこで、大家は今回の除霊が済んだ暁には報酬として悪評が消えるまで無料で住んでもいいと発した。早速荷物を持って引っ越して来たところ、先に入っていたユウヤが音に気づき、ここに来て今に至る。
「なるほど。じゃあ実質カズマ達の家になるのか」
「まぁ、この屋敷の悪評が消えるまでだけどな。それでも、残りの冬を越すために頑張って資金集めしなくなるから、楽で良いんだけどな」
「まだ安心出来ませんよ、カズマ。ユウセンセが来ているということは、悪霊以上のバケモノが出てきてもおかしくないです」
「やめろよ、そんな不安になること言うな。……まぁユウはかなり強いし、それ以上に対アンデッドのエキスパートのアクアがいるんだ。大丈夫だよな?」
当然だ、とユウヤは首を縦に振る。並大抵のアンデッドなら光狐ですぐに倒せる。聖職者のように効率よく浄化することは出来ないが、それでも遅れをとることは一切ない。
水の女神に関しては聞く方が無駄だろう。女神という立場に加え、アークプリーストとしての腕も一級品のため、アンデッドの前には敵なしだ。
………まぁ、本人が霊視でこの屋敷には貴族の隠し子の少女が幽閉されていただの、大人ぶった事が好きで甘いお酒を飲んでいたからお供えにお酒を用意しておいてだの、ペラペラとテレビに出てくるインチキ霊能力者みたいな事を口走り始めたときには、全員胡散臭い詐欺師を見るような視線で眺めた。
「……なあ、どう思う?何でそんな余計な設定や名前まで分かるんだってツッコみたいんだが。……あいつ、本当に大丈夫なのか?俺、もしかして安請け合いしちまったのか?」
「「………………」」
他二人はカズマと同じ不安を抱えていたのか、質問には答えなかった。
「………一応、ボクも何とかしてみるから問題はない…はず」
断言したかったが、幽霊の感知などは人間(ハーフだが)である自分が、女神である彼女にはかなわないと知っているため、曖昧な返事になった。
それが少し慰めになったのか、三人は少しだけ表情が晴れた。
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ー夜半過ぎー
その日は屋敷に泊まることにした。一緒にいるのも悪いかと思い外で野宿しようと考えていたところ、めぐみんが「ユウセンセを外に泊まらせるなんてとんでもない」と屋敷の中で泊まるように強く言ったのが決定打だった。
1泊するだけなので、自分は屋敷でも余り使わなさそうな、奥の小さな部屋を借りて休むことにした。
現在はめぐみんとボードゲームを興じている。
「むむぅ……相変わらずセンセが得意とする、予測不能な戦法で動かした駒の役割が全然分かりません」
「ボクは昔から頭を使うボードゲームはよくやってたな。姉さんが遊び好きで、それに巻き込まれて何度もやっていた。姉さんが勝つまで最長16時間連続もプレイしたときは、体のあちこちが硬くなってキツかった……」
「そ、そんなにお姉さんとしてたんですか。随分と負けず嫌いですね」
「手を抜いて勝っても、あの人は絶対納得しないからな。何度試合放棄したいと思ったか……」
そんな会話をしつつ、このまま何事も無ければいいと考えていた。
「あああああああああああ!!!」
……水の女神の悲鳴を聞くまでは。
「……これはアクアですね。何かあったんでしょう」
「正直行きたくないんだが……仕方ない、見に行くか」
向かう途中、同じく悲鳴を聞いたダクネスとも合流し、悲鳴があった場所へ向かう。
そこへ到着すると、空になった酒瓶を抱きしめて涙目になっている水の女神と、先に到着したのかカズマの姿があった。カズマは呆れた表情をしていたが。
「……なんだ、一体何の騒ぎだ?」
「もう結構遅い時間なんだから勘弁してください。何事ですか?」
「近所迷惑になるからやめてくれ。で、何があった?」
カズマの説明を聞くと、取っておいた酒を悪霊に飲まれたのが原因で、除霊するだの言ってるの騒いでるそうだ。
うーん実にくだらない。
説明を聞いたあと、部屋に戻ろうとするユウヤ達を後ろで水の女神が罵倒しているが、酒をあまり好まないユウヤには酒好きの気持ちが分からないので、どうでも良いと聞き流した。正直その程度の悪さなら放置しても良いと思う。
自分と同じことを考えていたのか、他三人も動じることなく戻っていった。
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あのあとボードゲームでユウヤが勝利し、連勝記録2537回を更新したあと、時間も23時を回りそうだったので終了した。部屋に戻ったあとは布団を敷いて目覚ましをかけてすぐに寝た。
そして健康な人ならノンレム睡眠に入り、ぐっすりと深い眠りについている深夜1時を回る頃。
『《………》』
「…………?」
ユウヤはバッチリと起きていた。隣に突如出没した少女と共に。
本来ならつい数十分前まで眠っていた。だが、頬を伝わる違和感の感触に眠りが浅くなり、やがて寝ぼけた眼を開けると、ツンツンと頬を触る少女がいた。戸締まりを忘れたのかと確認すると、ちゃんと閉まっている。
では一体誰なのか。考えていると、少女の体が少し透けているのが見えた。そして服は庶民が着るような生地ではなく、貴族が着るようなピッチリとした服を着ている。
ふと水の女神の話を思い出す。この屋敷は貴族の隠し子が幽閉されており、若くして病に付して両親の顔も知らずに一人寂しく亡くなったと。つまり、この子が話の幽霊だとユウヤは理解した。
『《………》』
幽霊の少女がこちらへジッと目を向ける。なんて答えようかと考えていると、先程の話で水の女神が色々と言っていたことが頭に浮かぶ。確か名前は……
「……アンナ。君はアンナか?」
『《……………!?》』
少女は驚いたようにユウヤを指差す。自分が見えているのかというように。
「やっぱりそうか。知り合いのアークプリーストが、この屋敷には貴族の隠し子の霊がいるって言っていたんだ。もしかしたら君がそうなのかと思ったんだ」
それを聞くと、少女はウンと肯定するように頷いた。そしてぴょんぴょんと周りを、時々ユウヤの肩や頭に乗っかって動き、嬉しさを表現する。
水の女神が言っていたことは、初めはかなり胡散臭かったが、実は全て正しいことを言っていたとこれで分かった。流石女神。
冒険の話を聞きたいか、と尋ねると、アンナはいいの!?と言いたげな表情を浮かべて嬉しそうに笑った。
早速ユウヤは話し始める。最初は前の世界でサラマンダーの討伐をした話をした。
そうして話を続けていると、急な出来事で遮断される。
「アクアー!アクア様ああああー!!」
カズマの悲鳴が聞こえてきた。
それにアンナはビクリと震えて宙を浮くが、ユウヤが大丈夫。気にしてないで、と言葉をかけると、安心したのか床に降り立ち、震えも止まる。
何があったのか気になるが、自分が行かなくても何とかなるだろうと考え、アンナに続きを話す。
ー翌朝ー
ゆっくりと瞼を開ける。
知らず知らずのうちに眠っていたらしい。隣にいたアンナもいなくなっていた。
またここに来て話を聞かせてあげよう。
話を楽しそうに聞いていたアンナの姿を思い浮かべ、ユウヤはそう考えた。
朝食はカズマの料理をご馳走させてもらった。家庭の温かい味が地球にいた頃を思い出させる。
そしてめぐみんとボードゲームを興じ、いつも通り勝利したあと、我が家へ帰った。
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「謝罪は?」
「すみませんでした」
「「「………………」」」
数時間後、冒険者ギルドで水の女神が体を90度折り曲げて謝っていた。隣ではカズマ達も申し訳なさそうな顔をしている。
何故こんなことになったのか。
理由は簡単。この幽霊騒ぎの原因が水の女神のせいだからだ。
この前の墓地での一件で、水の女神が共同墓地の迷える霊達の浄化を代わりにすることになった。そして言われた通り度々浄化をしている。ここまでは良かった。
だが、努力を怠る教えのアクシズ教の女神がそんな習慣すら長続きするわけがなかった。
だんだんと面倒臭くなってきた水の女神は、共同墓地に広域の神聖属性の結界を張った。墓場の住み場所を無くしてやれば、勝手に空気に散っていって居なくなると考えたから。確かに共同墓地からは居なくなった。代わりに街の中の、人の空き家に住み着くようになってしまったが。
つまりこの騒ぎの訳は、手抜きした水の女神のせいで墓場にいられなくなった霊が、街中に迷い込んで来たのが原因だ。
屋敷を手に入れたのも意図してなかったとはいえ、完全にマッチポンプである。
「もう共同墓地の神聖結界は壊しておいたし、別にボクも一回のミスをとやかく言うつもりはない。けど、与えられた役目くらい面倒臭がらず、しっかりと果たして欲しいとは思っている」
「…………はい」
水の女神は申し訳なさそうな顔で、素直に頷く。
「次はちゃんと共同墓地に行って浄化作業をすること。いいか?」
「………………はい、本当にごめんなさい」
「あと、不動産屋にも謝りに行くこと。これ詐欺みたいなものだからな」
「分かりました」
その後、カズマ達は不動産屋にもしっかりと謝りに行き、不動産屋の男の温情で、屋敷にしばらく住むことを条件に許してもらった。
リエスがユウヤの掛け声無しでも店内に実体を持って出現出来るのは、地下と同じ原理だからと理解してください。
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