ゼンカイジャーを最近見ました。
終始ギャグ展開多くて気分明るくなるから、鬱の予防に役立つな(笑)。
「ふー………」
「はい。お疲れ様」
ありがと、と渡されたペットボトルを受けとると、中の水をごくごくと飲み干す。半分ほど残して少し遠くに置くと、再び工具を手にとり作業に取りかかる。
「で、今は何を作ってるの?」
「空気洗浄機。地上の家に作ってあったのは壊れたから、新しく作ってるんだよ」
「だったら地下にも作って欲しいんだけど」
「もちろん。そのつもりでいま二つ作ってる。完成したら、パイプで繋げて効率良く洗浄出来る様になるぞ」
「流石分かってるぅ♪」
地下で本格的に過ごして分かったが、ここは地上に比べると多少空気が濁っている。魔法である程度緩和されてるし、空気が汚くても1ヶ月は平気で過ごせるとはいえ、数週間も過ごしていると気になってくる。これで空気洗浄機の必要性を改めて感じた。
「ところで、もうすぐ7時になるわよ」
「うわっ、もうこんな時間か。そろそろ飯の準備するか」
「は~い。上行こっか」
作業部屋を出ると、服を着替えて朝ご飯を作り出す。途中起きてきたウィズも合流して手伝い、三人で進めていく。
なお、時々ユウヤとウィズが一緒に協力する場面になったとき、リエスの隣からゾワッと寒気がするが、最近の出来事で脳が疲れているからだろう、とユウヤは無意識に思っているのは別の話。
「「「いただきます」」」
朝のご飯はステーキに海藻サラダ、なめこ汁。主食はパンか米かお好みである(ちなみにユウヤは米、ウィズはパン、リエスは両方を選択することが多い)。
「何ででしょう……私、ユウヤさんの家に居候になってから、食生活が前に比べて大きく改善された気がします……」
「そりゃ砂糖水にティッシュを詰めただけの食生活に比べりゃそうだろうよ」
「ウィズちゃん、それ食事って言わないから。下手すれば軽いイジメだからね」
「さ、流石に今の私でもあれはどうかと思っていますよ!いまは水洗いしたもやしがお金がないときの最低限のご飯ですから………な、なんですかその目は!」
二人は哀れみの目を向ける事を止める事はしなかった。炒めることもなくただ水洗いした状態のモノを食べているのだ。それは料理だが、生食、さらにもやしだけとはハッキリ言って普通の食事ではない。
「(なぁ……いくらなんでも貧乏が過ぎないか?)」
「(街の人達からは貧乏店主だの言われてるけど、実際合ってるよねぇ……本人の自業自得と言ったらそれまでだけど)」
「(ボクがたまに余った料理持っていくけど、あれすらご馳走にありつける目をしてたな。大げさだと思ってたけど、そりゃ貧乏飯に比べれば十分ご馳走だよな………)」
「(ウィズちゃん……)」
「ふ、二人とも。その生温かい視線を向けるのは止めてください!なぜだか私が可哀想な人……リッチーに思えるじゃないですか!」
「うん、そうだよな。ボク達の認識が甘かったよ」
「赤字が出たとき、ご飯は私達が持ってきてあげるからね。だから安心して」
「あのぉ!!」
その後、二人は生温かい目線を向けたまま食事を続け、ウィズはもどかしく思い顔を赤くしたまま食べ続けた。
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「よーし、これで………」
「「「完成(です)ー!!!」」」
店が焼失してから2週間後、建設を進めて遂に店が完全に復活した。これでやっと店の営業を始められる。
中へ入ると、見慣れた光景が映る。たった2週間居なかっただけだが、何故かもう懐かしさを感じる。
「お店が完成しました………これでまた商品を売り出す事が出来ます……」
「多分ウィズちゃんが仕入れた商品は売れn」
「よーし、早速ボクの家に準備しておいた商品を運ぶか!」
余計な事を口に出そうとしたリエスを手で塞ぎ、声を大きく出して誤魔化す。ウィズはキョトンと首を傾げているのを見るに、聞こえなかったようだ。
地下から商品を運んで店の棚へと並べる。腕輪やらイヤリングやらポーションやらマナタイトやら。
………と、そこである商品がリエスの目に入り、手に取ってじっくりと見る。
「……何これ?水晶玉?」
「こんなスピリチュアルなモノってウチの店にあったか?………ウィズ?」
「ふぇ?」
店を掃除していたウィズが手を止める。
「これ、仕入れた?」
「あぁそれですか。はい!私が新商品として仕入れました!!」
正解だ。この店主が懲りずにまた仕入れたモノらしい。
「……もう嫌な予感しかしないわね。マトモな感じだと思えないわ」
「ちなみにこの魔道具の効果は?」
「これは2人1組で魔力を注ぐ事で、互いの恥ずかしい過去を映像として暴露させて絆を深めるという、徳が高い水晶玉の魔道具です!どうですか?これは絶対に売れまs」
「売れてたまるか」
「えぇ!?」
水晶玉を持った手をおもいっきり振りかぶり……ギリギリ踏みとどまって力を弱め、地面に置いた。
「こんなもんが売れてたまるか。なんでお互いの恥ずかしい過去をバラしてまで仲良くなれると思ってるんだか。それで許せるのは熟年夫婦とかそのくらいだ。でもそこまでいったら、これ以上仲良くなる必要ないし本当にいらなくなる」
「そ、そんなことありません!初対面の方でも、お互いに恥ずかしい過去を話せば、秘密無く関係を築く事が出来るじゃないですか!ですから絶対に売れますよ!!」
「尚更売れてたまるか!初対面でここまでバラせば、お互いドン引きして恥ずかしい思いをして、仲良くなるどころか気まずくなってしらけるでしょうが!!」
声を大きく荒げると、ウィズも意固地になって憤慨し、言い争いに発展する。
「なんでユウヤさんは分からないんですか!!私と趣味が合うのに!!少しくらい分かっても良いじゃないですか!!」
「ボクはあくまで攻撃系の魔道具くらいしか興味向かないから他にはあまり向かないんだよ!!というか気付け!こんなニッチなモノは売れる訳がないだろうが!!あーもう何で商才がないんだよこのポンコツ店主!!なんでそんなに変な特性が付いてんだ!」
「言いました!言いましたねユウヤさん!!私、ユウヤさんはバニルさんみたいにそんな蔑称を言わないって思ってたのに!!」
「毎度毎度学ばずに売れない商品を仕入れてくる店主にはいい加減何か言いたくなるわ!!」
「二人ともいい加減に夫婦喧嘩やめなさいよ」
「「リエス(さん)は黙ってろ(て下さい)!!」」
「わ~、息ピッタリじゃない」
その後も言い争いは止まらず、店に人が入ってくるまで続いた。
なお、その間に騒ぎを聞き付けたご近所さん達が様子を見に来たが、リエスが「気にしないで下さい~。いつもの痴話喧嘩ですので~」と説明すると、全員納得し、ニマニマとした笑みを浮かべながらその場を離れていった。
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店に人が入ってきたため、言い争いは後にして話を聞く事にした。
やや小さめの眼鏡をかけ、黒髪ロングであり、王都特有の公務員の服装が印象的な、目つきが険しい女性。そう、前にカズマを国家反逆罪の疑いで署に連行したセナだ。
表情を全く変えずに淡々と話すセナ。その生真面目な態度は王都で出会ったときから知っている。
……まぁ問題が、仕事中の態度から頭の硬く融通の利かない人物だと同僚や冒険者達から誤認され、異性からモテないのが本人曰く悩みらしい。(ユウヤは酒飲みに半場無理矢理付き合わされたとき、本人からその愚痴を聞いた)
「さて本題なのですが、最近キールのダンジョンから謎のモンスター達が湧き出しているのです。我々はこの件を重く見ております。そこで、昔から王都で活躍し、アクセル一のハイウィザードと呼ばれているユウヤさんにご協力をお願いたいしたいのですが………」
セナによると、アクセル近くにあるダンジョンに謎のモンスターが噴出している。動いている者に反応し、近づくと自爆する。その特性故に冒険者ギルドも困っているため、その対処を頼みたいとの事だ。
そして話を聞くに、その犯人は分かった。この件の実行犯はバニルだ。そしてその謎のモンスターというのも、バニルが作り出した人形だろう。
事の発端はバニルが久々に店に帰ってきた日まで遡る。
ユウヤはバニルに説明した。魔王軍幹部を辞めるためにどうすれば良いのか。
まず何か騒ぎを起こして存在を認知させる必要がある。だが、他の人達を殺す様なマネは絶対にさせるわけにはいかない。ユウヤは作戦のために他人を犠牲にする方法は嫌いであり、バニルも人間が減るのはあまり気持ちいいものではない。よって死傷者が出る様な大事は却下だ。ではどうすれば良いのか。
そこで洞窟やダンジョンなどで居座り、バニル人形を作り出して「見慣れないモンスターが涌き出ている」という騒動を起こすことを提案した。これなら毎度場所を訪れて騒ぎを起こす手間が省け、方法を一々考えなくて済む。
そうして説明したところ、バニルからは「……副店主、貴様は考え方が柔軟だな。我輩も学ぶものがある」と珍しく普通に称賛された。その後あれこれ話し合った後、善は急げとすぐに出発した。
そんな事だから、何処かで実行しているとは考えていたし、あんまり遠くには行っていないとは思っていたため、キールのダンジョンにいるのはある程度予想していた。
「それで……受けてもらえないでしょうか?報酬は弾みますし……」
様子を窺う様に聞いてくるセナ。だがユウヤは首を横に振って断った。表向きの理由はこれから用事があるとしたが、裏の理由はこの件の主犯なので、実行犯に深く関わりたくないというのが本音である。
そう話すとセナは残念そうに、だが名残惜しそうにチラチラと視線を向けながら店を出ていった。
そして出ていったあと、再び睨み合いに発展し、一触即発な状態になったとき、ガチャリと扉を開く。
「こ、こんにちは~……お久しぶりです店主さん………ってユウお兄さん!?どうしてここに!?」
紅魔族随一の常識人にして随一のぼっち、ゆんゆんが店内へ入ってきた。
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「へぇ~。ユウお兄さんってここで働いていたんですか」
「あぁ。四年前からここで働かせてもらっている。いまは副店主も任されてるぞ」
「ふ、副店主!?……まぁユウお兄さんですし………」
「それで納得しちゃうんですね………まぁ私も分かっちゃいますけど」
ウィズも納得していた。それで納得されるのはなんだか釈然としないため、ユウヤは自分をどう思っているのか聞くと。
「紅魔族の間では、ユウお兄さんなら何でも出来ておかしくないって言われてますからね」
「おい待て。そんな噂流れてたのか。ボクを完璧超人か何かと思ってないか?」
「紅魔族の魔獣を一人で倒したのを見れば、あの人達は誇大解釈して何でも出来るって思い込んでもおかしくないですよ」
「この中二病部族め」
紅魔族は知能が高く、戦闘力は普通の人間に比べるとだいぶ高いが、その有能性を上回る程に中二病がとてつもなく残念だ。一度中二病が発動すると、静めるのに中々時間がかかる。普段は気にしないが、大事な場面で空気を読まずにぶち壊しにする事もある。それで何度ストレスが貯まったことか。
「それで。今日は何しに来たんだ?」
「あ、えっと……そ、その。店主さんにお礼を言いに来て……」
「お礼ですか?」
そこで一旦言葉を切り、息を吸うと。
「あ、あのときはありがとうございました!最後は失敗しちゃいましたけど、店主さんが渡してくれたポーションのおかげで敵を追いつめる事が出来ました!なのでその、そのお礼を………」
深々と頭を下げてお辞儀した。
「いえいえそんな。お役に立てたなら……」
「おい待て。一つ聞こう。渡したポーションの効果は?」
「ポーションですか?それは魔力を向上させる代わりに、魔法の範囲が広がって自分にも影響が出てしまう事ですけど……」
「………ハァ」
「な、なんですかタメ息なんかついて」
「やっぱり、ウィズは仕入れる商品のセンスないなって」
「なっ!?ひ、酷い!!」
それからゆんゆんそっちのけで二人は言い争い始め、ゆんゆんはこの状況に慣れないのかオロオロし出した。
とそのとき。
「て、店主さん?ユウお兄さん……」
「おーい二人とも。この商品は何処に置けば……?」
尋ねに店の奥からリエスがやって来た。ゆんゆんとバッチリ目が合うと、数秒間沈黙する。
「えーっと、君は?」
「は、初めまして。私、ゆんゆんって言います」
「私はリエス。よろしくね」
挨拶のあと、軽くテンプレのような仲良くなる会話を始めた。好きな本、好きな食べ物、好きな趣味等々……。
「へ、へぇ……一人トランプが……」
「は、はい。やる人が全然いないので……小さい頃から大体一人でやってました」
「………ゆんゆんちゃん。次にトランプやるときは私も誘ってね」
「えっ!?い、良いんですか?いざ来たときにちょうど何かやってて迷惑になるんじゃ……」
「良いから良いから。そんなの一旦気にせずに来ていいわよ」
途中、とても重たいぼっちエピソードを聞き、ユウヤが思わず同情してしまう理由が既に半分以上分かってしまった。リエスも普段人を弄るSっ気な顔を引っ込め、若干引きつらせて答える。
「……ところで、この状況どうしますか?」
「あぁ~良いの良いの。どうせこのあと仲直りするんだから」
「……仲、良いんですね」
「巷じゃ夫婦呼ばわりされてるくらいだしねぇ~」
「ふ、ふふふふふ夫婦!?」
「あ、でも本人達の前では言っちゃダメだからね。友達との約束だよ?」
「は、はい!……と、友達………そうだよね……私とリエスさん友達だもんね……」
友達との約束と言えばケロッと信じる、だらしなく笑うゆんゆんにチョロいと彼女は内心呆れて思ってしまった。
やがてゆんゆんが挨拶して店を出ていくときも二人は気づかずに続けており、リエスが挨拶して見送った。
「………悪い。辛辣に言いすぎた」
「いえ、その、私ももう少しユウヤさんのアドバイスを聞くべきでしたので………」
その後、落ち着いて対話を経て言い争いを納めた二人。が。
「お、痴話喧嘩終わったの?」
「「誰が痴話喧嘩を(なんて)!!」」
「やっぱ二人とも仲良いじゃない(笑)」
否定するも、リエスのニマニマとした顔は変わらず、居心地悪さを感じる二人だった。
ー 一方その頃 ー
「我輩はこの地にいる、働けば働くほど貧乏になる不思議な特技を持つリッチーと人間とアンデッドのどっち付かずな半端者の友人なのだ。だがこのポンコツ店主には苦労していてなぁ………目を離すとすぐに借金を作って赤字を増やす。いまは一部店主と趣味の合う、頭が若干おかしい副店主のおかげで少し減ったが、それでも状況は中々変わらず………店には常に借金がある状態だ。黒字になる方が少ないのである」
「……なんか、お前もユウもウィズに苦労してんだなぁ………」
魔王軍幹部の見通す悪魔と、アクセル一の問題児パーティのリーダーが出会っていた。
キュアアルカナシャドウのグッズが全っ然ねぇ……
あと執筆全然進まない。このままじゃ投稿頻度が終わる。
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