カズマ達と初対面です。ちなみにユウヤは目で対象がどんな種族かを見ることが出来ます。(自分の意思で発動する)
ユウヤが久しぶりに冒険者ギルドに帰ると、冒険者達から色々な目線で見られる。
陰ではアクセル一のハイウィザード、ぼっち、強者とか呼ばれている。耳が良いので全部聞こえているのだが。
ぼっちなのは、そもそも多くの他の冒険者がレベルに付いていけていないことが原因だ。ユウヤが受ける依頼は高難易度のものが多いので、他の冒険者達が付いて行こうとすると逆に足を引っ張ってしまう。
そうなってトラブルが起こった際、助ける時間を無駄にしたくないので、結局ソロで依頼を受けている。
「すみませーん」
そうして軽食を食べていたとき、ユウヤを尋ねてくる声が聞こえてくる。振り返ると水色の髪の女性がそこにいた。
その顔を見た瞬間、喉に詰まらせて咽せた。
「(なんでここに女神がいる。しかも水の女神でアクシズ教の神の)」
以前に幸運を司る女神、エリスの姿を見たというのに、また別の女神に会うことになるとは。駆け出しの街に2人も女神が集まるとは、管理は一体どうなっているんだと天界に問いただしたくなった。
「ちょ、急にどうしたのよ。あ、もしかして私の美貌に驚いたのね?照れるわ〜」
「(何言ってるんだコイツ)」
思い違いの言葉を聞いて冷静になり、水を飲んで整えると、質問に答える。
「ボクに何か用ですか」
「あ、そういえばそうだったわ。……そこの者、宗派を言いなさい!我が名はアクア。そう、アクシズ教団の崇める御神体、女神アクアよ!汝、もし私の信者ならば……冒険者登録をするために金を貸してくださると助かります」
「……あの、ボク無宗教ですけど……」
「それなら、お試しでもいいから今すぐアクシズ教に入信してくれれば良いわ!早速手続きを……って何するのよ!!」
やり取りの中、ジャージを着た高校生くらいの男がアクアを引きずって行った。そうしなくても悪しt……アクシズ教には絶対に入信するつもりは無いが。
「お前は馬鹿か。あんな風に詰め寄って行って行けると思ってたら大間違いだ。あの人めちゃくちゃドン引きしてたじゃねぇか。なに勝手に入信させようとしてんだよ。それでも女神かお前」
「アクシズ教は事あることに入信させようとするのが基本よ?だから別に問題無いわ」
「問題大有りだわ!!」
そう。これがアクシズ教がカルト狂扱いされている理由。あの手この手で入信させようと行動を仕掛けてくるので、無宗教の一般人には大迷惑だ。
更にアクシズ教本拠地のアルカレンディアは無法地帯。アクシズ教を信仰している教徒しかいないので、誰もストッパーがいない。悪質狂徒達を振り切って突破するのは簡単で無く───と、そこまでで頭が痛くなってきたので、考えるのをやめた。
だがそれはそれ。困っている人がいるなら助け合うのが駆け出しの街だ。ユウヤは水の女神を名乗ったアクアが引きずられた場所まで近づくと、押さえているジャージ男に8000エリスを渡した。
「えっ、良いのか?」
「困っているなら助け合いだから。これで足しにして」
「良いの!?ありがとう親切な人!貴方にアクシズ教の恵みがありますように!!」
それは祝福ではなく呪いになりそうだからやめて欲しい。
残った軽食を食べている間、自分と同じ日本出身のジャージ男が気になり、二人が冒険者登録しているのを横目に見ていた。
ジャージ男の方は幸運値がかなり高く、知力も平均より高いが他は全て普通というステータスだった。
しかし、水の女神の方はほとんどのステータスが高く、ギルド一同がちょっとした騒ぎになっていた。まぁ仮にも女神である彼女が弱かったらそれこそ問題である。ユウヤはそこまで驚かなかった。
が、問題が幸運値と知力が平均よりも低いらしい。つまり不運で頭の悪い残念な子ということだ。頭のヤバいやつらしかいないアクシズ教の噂通り、その女神も問題児だった。
軽食を食べ終えた後、これ以上関わりたく無かったので、ユウヤは足早に冒険者ギルドから去って行った。
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店へ戻ると、さっきの出来事をウィズに話す。
ウィズはアンデッドのリッチーだ。もしあの女神と出会ったら、ロクなことにならないと思ったため、早めに共有しておくことにした。
「アクシズ教の女神様…あぁ………うわぁ……」
話を聞いたウィズは頭を押さえてしまった。やはり人ならざる者であるアンデッドと女神は相性が悪いらしい。
「いえ、その……知ってると思いますが、アクシズ教団は頭のおかしい人達ばかりで、下手に関わらない方が良いと言われてるので……それでその女神様となるとどんな嫌なことが起こるのかなと………」
ユウヤも首を縦に振って頷いた。納得しかない。今日の行動を見ただけでよく分かる。
「大丈夫。もし浄化されそうになったら、力づくでもボクが止めるから安心して」
「で、できれば穏便に済ませて欲しいですが……ありがとうございます。もしそうなったら頼りにさせてもらいますね」
ニコリと笑って答えた。ウィズのこの笑顔を守るためなら、女神を敵にする覚悟をユウヤは決意した。
「ま、それはそれとして。話変わるけど、良い商品を見つけたから買おうと思ってるんだ。その分のお金を貰って良いかな?この前ボクが稼いだ分の利益から、余裕持って出ると思うけど」
「あ、え、その……」
ユウヤが聞くとウィズが顔を逸らして吃っていた。その仕草から嫌な予感がしたが、聞かずにはいられない。
「……ウィズ?この前渡したお金は?」
「そ、その……ユウヤさんがこの前お金の袋を渡して店を出た次の日、私が新商品を仕入れて、一つ残らず使ってしまいました」
「……ちなみに何を買ってか聞いていいか?」
「あ、爆発するポーションを買いました」
「ならまだ売れそ」
「450万エリスはする」
「『ボルケーノ』ッ!」
手から炎を発射する。
当たったウィズはプスプスと煙を上げて床へ横になるが、ユウヤは無視してどう支出を元に戻そうか悩んでいった。
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それから2週間の間、ユウヤは依頼に加えてダンジョンに潜り、素材を集め店の支出を減らしていった。
そしてアクセルへ戻り、もうすぐギルドへ着くときのことだった。
「ふっぐ……えっぐ……生臭い…生臭いよぉ………」
「よ、よ〜しよし。この依頼は失敗ってことで風呂で洗い流すぞ。駆け出しの俺達が、馬鹿デカいカエルだと甘く見て相手するのは早かったんだ……」
……水の女神が、粘液塗れの状態となってジャージ男に介護されてる様子があった。
水の女神は丸呑みでもされたのか、足まで全身をジャイアントトード特有の粘液がギトギトの状態で歩いており、彼女の後ろには粘液の跡が付いていた。
前の世界では自分も初心者の頃モンスターに苦戦したことがあったな、と思い出し、粘液を踏まないようにけんけんぱでギルドへ入って行った。他の冒険者からはその行動をドン引きされていたが。
アクアのことをユウヤ達が喋っているときは「アクア」。
地の文のときは「水の女神」と書くのでご了承ください。