お久しぶりですね。
人生Pの『言の葉』聞いてたら何故かしーたんを連想してしまい、突発的に書き上げた話です。
逆行もの? 救われない話注意報。
15ルートエンド概要を見ているほうがわかりやすいかも?
繰り返す、もしもの話
―――……嗚呼、やっと終われると思った。
なのに何故だ?
「シスイ兄さん?」
目の前にいるのは幼い子供の姿。
子供特有の赤みがかったふっくらとした白い頬、肩で切りそろえられたさらっとした流れるような黒髪、理知的でありながらも幼さを感じさせる黒く大きな瞳。
そうだ、年齢を違えようとオレは知っている。
これは、イタチだ。
まだおそらく4つか、5つぐらいの頃のうちはイタチ。
「……なんで」
手が震える。
意味がわからない。
わけがわからない。
これがあの時であるはずがないのに、これがあの時である筈がないのに。
復興しようとしている木の葉の里を見下ろすようにオレとイタチが立っている。
目線は低い。自分の手は小さく、それは間違いなく10代前半の少年の手だ。20代後半の大人が持つ手とは厚さも大きさも何もかも違う。服装も、先ほどまでの記憶とは食い違っている。
そして眼下に見える木の葉の様子、これはかつて目にした懐かしい……この光景を、この情景をオレは知っている。
こんなことって、こんなことってあってたまるかよ!
これはあの時だ。オレがその生涯の目的を目前の子供に見いだしてそれを誓ったその場面だ。
何故だ、なんでこんな時に戻っているんだ。
幻覚か、幻術か。
いや、違う、そんなわけがない。大体そんなことをする意味がない。これから処刑しようという相手にこんな過去の幻術を見せることに一体なんの意味がある。大体オレが幻術ならそうと気付かない筈がない。
いや、そうじゃない。違う、違う、違う!!
オレの処刑は
オレはあの日、全てを済ませて死刑を受けるために木の葉に出頭した。
全て望み通りだった。
全て願いは叶えていた。
イタチは時期火影に決まって、うちはオビトも輪廻眼も葬り、大蛇丸も仕留めて、何も憂うことはない、何も他に望むこともない。望みは叶えた。全て叶えた。これから先、イタチが失明するんじゃないか、それだけが気がかりだったけれど、それでも眼のうち片方はイタチに残してくれるようダンゾウへと嘆願した。
その後のことは、生者が決めることだ。それ以上はこれから死ぬオレには関わりないと。
歴史とは未来ある若者たちが、残された者が紡いでいくものなんだからと。
だから俺の死でうちは虐殺事件もなにもかも幕を卸したと思ったのに。
これで漸く全て終わったとそう思ったのに。
なんで、どうして目の前に幼い頃の、あの時のイタチがいるんだ。
あどけなく幼い風貌。
当然だ、彼女はまだ4歳なのだから!!
(巻き戻しだ)
やめてくれ。
(名をつけるなら、これこそを逆行とそう呼ぶのだろう)
止めてくれ。
こんな馬鹿なこと嘘だと言ってくれ。
オレはやり直しなんて望んでいない。
「……! シスイ兄さん! 待っててください、すぐ医療忍者を呼んできます!」
喉の奥が逆流する。
目の前が見えない、真っ暗だ。
ガリガリと自分の爪の音だけが聞こえる。
そんな中、そんな……焦るようなイタチの声だけが聞こえたような気がした。
―――逃避しようと現実は変わらない。
世界は無情で美しく残酷だ。
寝て目が覚めようと何も状況は変わらない。
……医者には何故自傷したのかと咎められた。
意味がわからなかった。
そんなものした覚えがないとそう言うと、医者はため息をつきながら「ならば君は幻術にでもかけられていたとでもいうのかね? うちは一の幻術使いと名高い君が?」と言われ、指された指先にあったのはオレの首元。包帯が巻かれて尚血が滲んだ姿があった。
「覚えていないんです」
そう言うと、医者は「なら一度精密検査でも受けなさい」とそう言いながら退院を促した。
そしてイタチは「……何かあったのなら言って下さい」とそう複雑そうな目で見ながらオレに言った。
嗚呼、と返しながらどこか現実離れしている他人事のように感じた。
結局、ストレス性障害だろうと、そう結論が出た。
忍びを辞めるか、と医者には言われたがそれには曖昧な笑みを浮かべながら首を振った。
大体やめてどうするというのだ。
今更、過去に戻ったところでこの血まみれの手が綺麗になるわけでもないだろうし、既にこの時点でオレはあいつを含め多くの人の命を奪っているのだ。それにもうすぐ九尾事件が起こる。ここで止めるのはただの逃げだ。
「……どうした、イタチ?」
最近じっとイタチに見つめられることが増えた気がする。
「……いえ」
複雑そうな理知的な黒い眼は一体何を視ているのだろう。ひょっとしてオレに見えていない何かが見えているのだろうか。そう思って時々怖くなる。……馬鹿じゃないか、それじゃイタチを神童だからと遠巻きで見る奴らと同じだ。でもどうしてかもう以前のような距離でイタチを見ることも出来ない。
それは大人になったイタチを知っているからなのか、この世界のイタチは女の子であると今度こそ真から理解してしまっているのも無いとは言い切れないんじゃないのか。
馬鹿な話だ。
例えそうだとしても、このイタチはまだ5つの子供だというのに。そんな目で見るのはこの場のイタチに対しても失礼だ。巻き戻った以上、それまで積み重ねてきたオレとイタチの関係もかつてからリセットされているんだから。
そうこの子供は……オレがいつしか女として惹かれていたかつての女性の過去の姿かもしれないが、それでもこの時点ではただの可愛い妹分で聡いだけの子供に過ぎない。
イタチはイタチ。
たとえ慕情を抱いた
ここにいる相手をないがしろにするのは失礼な行為だ。あれは未来と同時に既に過去なのだから。
それでも……。
『お前が、私の気持ちを決めるな。眼を反らすな。お前は……あなたは見えながらにして盲目だ。誰を私に重ねてあなたは私を守ると言った』
そうかつてそう己に嘆願するような声音で怒鳴った女性の姿がどうしても被ってしまって、やりきれなかった。
……二度目の終わり、いや前世も含めれば三度目の終わりも呆気なく訪れた。
別天神を放つのを一瞬躊躇った。それだけで、オレの未だ小さな身体は呆気なく九尾の攻撃に晒され九尾の爪が振る舞われ、飛ぶ。
ヒュウ、ヒュウと擦れたような息と共にゴボリと口から大量の血が流れて枯れ木のように転がった。
……確実に致命傷だった。
生きているのが不思議なくらいの。でもそれもきっと長くは保たない。多分おそらくもう数分もすれば完全にこの命は尽きるだろう。
知らず、苦しい呼吸の中笑う。
本当にオレはドジだな、こんなところでマヌケに死ぬなんて。
本当はこんなところで死ぬわけにはいかないのに……。
だってオレがここで死んだらなんでこんな所にうちは一族の子供がいたのかって思われる。
益々一族が疑われる。
あいつに……イタチにだって迷惑をかけてしまう。
たとえどんなに世界を違えようと、それでも妹分として愛した少女が、泣きながら両親を殺めるような未来は……嫌だな。
でも無理だ。血を失いすぎて指1本すら動かない。
ここで終わる。
これが今度の終わりだ。
(願わくば、少しでも安らかな人生でありますように)
あいつはオレの為にも泣いてくれるのだろうか。
……さよならすら言えなかったのが、苦しかった。
…………?
なんで、どうしてオレの意識は消えていないんだ。
今度こそ終わったはずだ。
オレのうちはシスイとして3度目の人生は、九尾に殺され11歳で幕を閉じた。
その筈なのに。身体が……軽い?
「シスイ?」
あどけないと呼ぶには理知的な、それでも子供の声がオレの名を呼ぶ。
その声をよく知っている。まさか、でもそんな馬鹿な。
目を見開く。そこにいたのは……。
「どうか……したのか?」
そうどことなく戸惑ったような心配を黒い眼に宿しながらオレを見上げる7歳ほどのうちはイタチの姿だった。
「…………ッ」
思わず言葉を無くすが、忍びとしての性が周囲の様子から状況を読み取ろうと開始する。
親子で喜びを称え合う声。懐かしき木の葉の忍者アカデミー。
見覚えのある巻物を腕に抱えたイタチの姿。やはりその外見は7歳ほどのそれで……ああ、そうこれは卒業式だ。
他の誰でもない、うちはイタチの卒業式。
「なん……でも、ない」
そうやって言って口元に笑いを乗せるまでに酷く勇気がいった。
イタチは何か言いたそうな顔をしている。絶対に異変に気付かれている。なのにそれを取り繕う余裕がない。喉が渇く、カラカラだ。誰もいないのなら叫びたい。どうしてオレはここにいる。
今度も、今度こそオレは死んだ筈なんだ。どうして巻き戻っている。やめてくれもうたくさんだ。
これは一体なんの罰なんだ。
オレが他人の生を奪って成り変わって生きてきたその代償だとでもいうのか。
ならばどうすれば赦される。
どうすればオレはいいというのだ。
「まあ、シスイくんどうしたの!? 本当に酷い顔色よ。おばさんが連れて行ってあげるから医務室にいきましょう」
どこか他人事のように現実感なくミコトさんのそんな声を聞いた。
途端、殺した時の情景がフラッシュバックする。
もつれる舌で床に身体を落としたまま必死にオレの名前を呼んだ女性。その夫にあたる男の首ごと斬り殺した。
その感触、匂い、全てがまざまざと蘇り、喉の奥から酸っぱいものがこみ上げる。
自分の手が真っ赤に染まっているように見えた。その白い手に触れてはいけない。
触ってはいけない。
「……っあ」
気付けば女性の手を叩き落としていた。自分の指先はガタガタと震えている。
今までこの人……イタチの母であるミコトさん相手にこんな対応オレはとったことがない。手を叩き落とされた女性は吃驚してオレの顔と叩き落とされた手を何度も見た。
(駄目だ、何か言わないと不審に思われる)
そう思うのに血の気がどんどん引いていって、益々震えが止まらなくなる。
「オ、オレその……か、風邪気味みたいで、移るといけませんし触らない方が良いですよ。イタチの卒業式も終わりましたし、もう帰りますね」
そういって引き留められる前に逃げるように家へと向かった。
最中、ガリガリ、ガリガリと何か引っかけるような音がしていたが、それがなんなのか、考える思考力すらその時のオレには無かった。
そうして時を重ね、オレは様々な終わりを経験していった。
あるときは、うちは一族と共に滅びる道を選んで、うちは一族虐殺の夜にイタチに殺された時もあった。
そしてあるときは、原作通りと呼ぶべきだろうか、ダンゾウの襲撃を避けきれず殺されて目を奪われるそんな終わりもあった。
またあるときは1度目のうちはシスイとしての人生と殆ど同じ道を辿ったが、オビトを葬ったあとゼツに取り憑かれそうになり、里を守るため、自爆してゼツごと息絶えた。
……オレは狂ったのではないだろうか。
オレは本当にこの世界を生きているのだろうか。
そう思うほうが間違いじゃないのだろうか。
『頼む、答えてくれ……』
うちはシスイには会えない。
1度目の生以降、本当のうちはシスイにはコンタクトが取れなくなった。
眠っていた筈の本物のうちはシスイは、今度こそ消滅してしまったのだろうか?
(それはつまり……)
この身体に魂はオレ1人だけ。
(……オレが殺したも同然だと)
「はは……あっはっはっははッ!!」
「……シスイ?」
もう泣きたいのか、笑いたいのかすらわからない。
全てグチャグチャで滅茶苦茶で、オレは一体なんなのかすらわからない。
嗚呼、そうとも、誰か知っているというなら教えてくれ。
頼む。
「…………けて……」
言ってはいけなかった筈の言葉が口から漏れているのに、なのにそれすら上手く認識出来ない。
目の前には大人になったイタチの姿。
なんでここにいるんだ、どうしてそんな顔をしてオレを見ているんだ。
どうして視界が歪んでいるんだ。
どうして鼻水が止まらない。
どうして息が苦しい。
ガリガリ、ガリガリ。
嗚呼、これはなんの音だった。
わからない、わかれない、思考がグチャグチャだ。
「シスイ、大丈夫だ」
大丈夫なものか。
そもそもオレはオマエに触る資格なんてなかった筈なのに。
「シスイ」
なんでオマエの声がするんだ。
「ここにいる」
まるであやすようにオレの背をポンポンと叩きながら、少し低い女の声が告げた。
「言ってみろ」
それに答えるわけがない。答えれるわけがない筈だったのに、なのにその切れ長の赤い目を見た途端オレはボロリと言葉を吐きだしていた。
「ずっと繰り返しているんだ」
嗚咽混じりの擦れた声で。
「ずっとずっと堂々巡りだ、どうすればオレはお前を救える。どうすればこれは終わる、どうすれば一族は助かった、どうすれば良いんだ……!」
……既にまともな言語になっているかすら怪しかった。
「オレは何度でも繰り返す。何度も何度も死ぬ度に過去に戻って、戻るポイントすら毎回違って、何度だって死んで違う結末で、なのに終わらない。終われない。オレの何が間違っていたんだ、どうして終わらない。何度オレは彼らを殺せばいい、何をすれば赦される。どうして終わらない。終われない。オレは何度死ねば良いんだ、なあオレが悪いのか……!? ああ、違うオレが悪いに決まっている、なんでクソ、なんで、どうしてオレは
「……それを抱えていたのか」
そういって痛ましいものを見るかのように、赤の瞳は黒曜石の色へとスゥと変わっていく。
「シスイ……大丈夫だ」
そう言い聞かせるような声が優しくて意味が分からなくて混乱する。
「大丈夫」
肩より長い艶やかな緑の黒髪、細面の白い肌、通った鼻筋に美しい面立ちは、凛としていながらも女としての色香も湛えている。その肉体も、くノ一としての研鑽を積んだ引き締まった身体ではあるが、同時に成熟した女のものだ。おそらく年齢は20歳前後……そんな、女として成長したイタチがそこにいた。
これはなんだ、夢なのか、現実なのか。わからないままに指がカタカタ震える。
嗚呼、ここを知っている。
そうだ、此処をオレは知っている。
ここは南賀ノ神社、既に朽ちた場所。辺りは暗く、空には星が踊っている。
「もう、悩むな」
それに続く言葉がなんであるのか、どことなく悟っていながらオレはやはり気付けないでいる。
「私が……ついている」
その台詞を言うときだけ女の言葉が震えていた気がした。
女のしなやかな白い手がオレの背にまわり、どこか甘やかな匂いと体温が包み込む。
なにもかも現実感のない世界の中、その体温の暖かさとドクドクと女の胸から伝わってくる心音だけが、これが現実であることを訴えているようだった。
静かに女の唇が重なる。
その感触を想像したことがないといえば嘘になる。でもそれは一生知らないで終わる筈のものだ。オレが知っていいものではない筈だった。
「……駄目だ」
暖かい女の身体、匂い。陶酔しそうなまでに脳の奥がクラクラする。
それでも、どこか遠くから警告音がずっとガンガンと響いていた。
「…………それは駄目だ、駄目なんだ、イタチ」
「……忘れろ」
それに続く言葉は今は全部、だろうか。
思えば遠くにきた。
もう目の前の女性も己も子供ではない。男女が1つ所ですることなど1つだけなのだろう。
でもそれを理解してはいけないのだと、壊れかけた脳の奥からガンガン響き続ける。
それと裏腹に身体が熱い。自分だけを見ている切なそうなその目が、嬉しいのか、悲しいのか、苦しいのかすら今のオレにはわからなかった。
……そうして夜が明ける。
……。
……………………。
久しぶりに穏やかに覚醒をしたような気がする。
ずっとこのところ、過去に自分が殺した内容の夢しか見なかったし、どこから夢でどこまでが現実かもわからなかった。
今も、そう。
既に薄々と悟ってはいる。
ひょっとして己はとうに狂っているのではないかと。
それに気付いたのは、3度目の生だったか、4度目の生だったか。
それほどに時間がかかった時点で自分は本当に阿呆なんだと思ったものだ。
……それでも大切なものはあったはずなのだ。
命さえ惜しくないものが、この世にはあった。
その1つで、象徴ともいえるのがうちはイタチだった。
彼女が治める木の葉の里を見て見たいと、その下で子供達が笑う未来さえ手に入れられれば何も惜しくないのだと。それは本心からの願いだった。
オレにとって。
願いや夢というものをあまり持ったことのないオレにとって、それこそが叶えるべき唯一の望みだった。
他はなにもいらない。
自分がその中の一員として生きていく気もない。
それは唯一の綺麗な夢だったから、汚い穢らわしいものには近づけたくもない。
……確かに惹かれていたのは事実だろう。
でもそれと男女の仲になりたかったかといわれればそれは別問題なのだ。
好きだからこそ、そんな仲になることは望まなかった。
幸せになってくれればいいと思った。
幸福な未来を辿ることを望んだ。
それがオレの本心であり願いだった。
「……ぇ」
……確かに本心だったんだ。
満ち足りたような、幸福感は一瞬で覚めた。
白い滑らかな肢体、けぶるような黒い髪、朝日の中照らされた美しい女は今切れ長の目を瞼の下に隠している。
その玲瓏たる美貌も、姿もわからない筈がないだろう。
その肌にあってはならない筈の情交の痕が見えることも、特有の倦怠感もわからぬ筈がない。
……でもそれは、己と彼女の間でだけはあってはならないことの筈だった。
「あ、あぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
声にならない悲鳴が漏れる。ガリガリ、ガリガリと、鉄の匂いに混じって煩いほどに爪をひっかく音が鼓膜を振るわせる。右も、左も、上も、下も、もう何もかもがグチャグチャで吐き出すものすらないのに喉の奥からは酸っぱいものが何度も何度も何度も何度も何度もこみ上げてくる。
(よりによって……ッ)
そんなのありえちゃいけなかったのに。
そんなのあってはいけなかったのに。
(オレが……ッ! オレが!!)
「シスイ……? 待て、止めろッ!!」
グチュッ。
自分の両目を抉りだし、それを声のするほうへ放り投げ、オレは駆けた。
真っ黒の視界、真っ黒の闇、真っ黒の世界、もう何も視なくていい。
もうなにもかまわない。
これを、この男を、罪深い罪人を、
許せない、許さない、赦すものか。
一度や二度の死など生ぬるい。
砕いて消えろこのケダモノめがッ!
そうして走って、走って、火口の匂いを感じて漸く足を止めた。
活火山。まだ生きた溶岩の山。
さあ、地獄の業火へと罪人を薪にくべろ。
……願わくば、今度こそ、終わりますように。
1000年の苦しみに合いますように。
「シスイッ! 待て、やめろ!!」
炎に飲まれる瞬間、そんな誰よりも大切だった筈の女性の声が届いた気がした。
了