機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー   作:SS好きのヨーソロー

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PHASE 11 友のための力、紅き戦盾

 

 

 

佐清に化けた宇宙人。

 

それは西蓮寺の体に触手のようなメカを伸ばし反応を楽しんでいた。

西蓮寺のくすぐったいような、そんな甘い声。

 

あぁ、確かに可愛らしい。

情欲に駆られると言っても過言ではない。

 

男としての本能と共に、"俺の評価"を思い出す。

こいつと同じ立場。

こいつと同じ状態。

 

こいつのようなことを、俺が西蓮寺に。

 

あぁ、ああ・・・・・・。

心底、嫌悪をする。今すぐにでも殺してやりたい。今すぐにでも俺の手で、全てをぶっ潰して。

 

差し違えてでも・・・・・・。

 

 

「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!」

その声は、リトのものだった。

血相を変えて走ってきたのだろう。

その目はまっすぐ佐清と西蓮寺に向けられている。

 

「おやぁ。・・・結城リトくん、随分と早かったじゃないか。

・・・もう少し、遅くてもよかったんだがねぇ。

こう色々楽しめたってもんなのに」

そう言いながら腹部から胸部にかけてのラインを撫でる触手

西蓮寺のくすぐったい声を聞いてはきひひ、と欲をひけらかすような笑み。

 

「ッッ、テメェ!!春菜ちゃんに!!!」

結城リトの怒りはごもっともだ。

怒りをエネルギーに変えて彼は偽佐清に走り出す。

 

「おっとぉ・・・・・・!!!」

ゴゴゴゴッ、と何かが変わる気配。

 

佐清だった姿とは打って変わり文字通り化け物、宇宙人の顔に早変わりしていった。

「ッ・・・・・・!!」

流石のリトもその状況に気がついたのだろう。走っていた足を止め相手の様子を伺っている。

「くくく、宇宙人は見慣れねえかぁ?

まあ、無理もねえなぁ。

 

俺はギ・ブリー。佐清という男の姿を借りてたのさ。

さあて、結城リト。ララから手を引いてもらおうか?

ララと結婚してデビルークを継ぐのは俺だ。テメェなんかじゃねえんだよ・・・キヒヒッ!!」

確か、こいつは戦闘能力自体は持たないという。

 

がしかし、実際に佐清が履いているのと同じ靴の皮を貫通するほどの力はある。

人間よりも力は強いのだろうか。

 

「・・・・・・テメェ、春菜ちゃんを巻き込んでまで結婚してえかよ」

「当然だ。ララはクソガキだが、見た目は好みだからなぁ。

俺好みに調教もできるしついでにデビルークもゲット。

こんないいチャンスなかなかにないぜぇ?」

「・・・・・・・・・テメェにとっては、2人とも道具かよ」

「おいおい、結城リト。まるで俺が悪いみたいに」

 

「あぁッ!!最悪だッ!!!!!!!!!」

目を見開き、叫ぶリト。

それはまるで決意を宿したかのようなものだった。

 

それを見て少し後ずさるギ・ブリー。

・・・やはり、単体での戦闘能力は低いと見ていいか。

 

と同時にララがリトを見つける。

 

「リト〜!!って春菜!?

ギ・ブリー!春菜に何してるの!!」

「・・・ララ。俺のものになれ。さもなくばここにいる奴全員が地獄を見ることになるだろう」

『貴様!ララ様を脅して・・・』

「いいから俺のものになれ!!さもなくば・・・」

 

「うるせえよ、バケモン。・・・・・・その子から手ェ離せ!」

それに対抗するのはリト。

 

「貴様、俺が怖くないのか!?」

「ああ怖いよ!けどな・・・テメーに好き勝手される方がやだね!!」

「黙れ!!黙れ黙れ!!貴様は力も持たないだろう!!貴様の友とやらはどうした!あいつが助けてくれなければ何もできないだろう!!」

「それこそ黙れってんだよ!!!

ケンイチがどうした!!

あいつにばっか頼ってられるか!!

 

あいつが言ってたんだよ。想いだけでも、力だけでもダメだって!!

 

力が無くても!俺はテメーに負けられねえんだよッ!!」

 

命を捨てる覚悟、まっすぐな決意を抱き走り出す。

 

 

「っっっ!!ご、ごめんなさい!ごめんなさい!!」

その気迫に押され、情けなくも謝るギ・ブリー。

 

その正体はバルケ星人とやららしい。

擬態スキルは高いが戦闘能力が全くない種族らしい。

件の結城リトでさえも哀れんだ目で見ていた。

 

 

「哀れな目で見るなよ・・・!!」

ギ・ブリーならぬバルケ星人は触手を高速発射させる。

 

確かにそれに当たればダメージはいくだろう。

 

さて、我慢したんだ。ここまで耐えたんだ。

 

許してもらおうか?

 

「・・・ま、とりあえず爆ぜとくんだな」

右腕から放たれたランサーダート。それはまっすぐ飛んでいき触手を爆ぜさせる。

 

「っ?!な、なんだ!?」

驚くバルケ星人

 

その場にずっと居た、透明な場所。

 

ミラージュコロイド・ステルスを解除し漆黒の鎧を顕現させる。

 

「ケンイチッ!!」

「お前の叫び、最高に格好良かった。

 

やっぱお前だわ。これくらい熱いやつが親友だと俺も鼻が高い」

 

「お、お前か!!猿山ケンイチ!!」

「おう、クソ宇宙人。どーやら俺の名前もそこそこ有名みてえじゃねえか。

 

んで、なんだ。・・・随分と楽しそうだったなぁ。

いわゆる触手プレイ?

西蓮寺ん身体色々弄り倒しやがってよ。

 

なぁ、どんな気分だった。気持ちよかったか?テメー体育の時も女子の身体じろじろ眺めやがってよ」

「お前に言われたくはない!!

 

俺と同類のくせに!!

対お前用の準備くらいはしているんだ!!」

最後の抵抗か、やつは特殊な空間に俺たちを誘う。

 

『なっ!?こ、ここは!!』

「ペケ、知ってるのか?」

『ええ、ここは異能召喚空間。様々な生物や機械を呼び出すための特殊空間です!!こいつ、いつの間にそんなものを・・・!!』

 

「あっはっはっはっは!!!!!油断したなぁお前ら!!これから地獄を見るぜぇ!?」

 

いつのまにか数多くの機械獣を召喚しているバルケ星人。

つまり、最初から狙いはこれだったんだろう。

 

「・・・・・・ふぅ。おいリト、ララちゃんのそばにいてやれ」

「ケンイチ・・・・・・」

「俺はなぁ、今ひっさしぶりに頭に来てんだわ。

 

あぁもう俺のキャラとかおふざけとか、どうでもいいわ。心底どうでもいい。死のうが生きようが、好かれようが嫌われようが、もうどうだっていい。

 

けどな、おいバルケ星人とやら。

 

・・・てめー、女の子に手ェ出してんだ。

そして、俺の親友をコケにしてくれたな?

楽に生きれると思うなよこのクソボケ」

 

ブリッツを解除し次のMSを構える。

 

速攻で蹴散らすために、機体は決めてあった。

 

「モビルスーツ!!アーマードスタンバイ!!」

 

纏うは紅き戦盾

 

親友を守るために。

 

主人公の親友(アスラン・ザラ)が扱ったMS

 

GAT-X303イージスガンダム、見参

 

「別の機体だと!?」

「あぁそうとも。

こいつはGAT-X303イージス

親友と戦った悲しい機体だ。

 

ならば、今俺は親友のために戦おうッ!!

 

さあ来いッ!!全て蹴散らしてやる!!!!」

装着完了と同時にスラスターを噴き浮上する。

 

機械獣からはミサイルが大量に飛んでくるが侮る勿れ。

イージスの名の通り頭部のセンサーが全てを把握する。

イーゲルシュテルンと共にイージス用の60mm高エネルギービームライフルを用いて相殺していく。

「おうらぁっ!!!」

すれ違い様脚部のビームサーベルで切り裂けばそれを踏み台にまた跳躍

的確に撃ち抜いていく。

空中で複数機にロックされればイージスの魅力の一つとも言える巡航形態になる。

巡航形態で引きつければ

 

「そこっ!!スキュラで焼き切れろッ!!!」

機体を思い切りドリフトさせGに耐えると正面に捉えて

580mm複列位相エネルギー砲スキュラを迷いなく発射。

機械獣たちを焼き尽くしながらMS状態に変形、残りの機体を両腕両足のサーベルでバラバラにしていく。

 

「なぁ・・・っ?!」

流石に想定外の行動に驚くバルケ星人

 

その頬スレスレをビームライフルが飛んでいく。

 

軽い焼きついた音と痛みで涙を流すバルケ星人。

 

 

「バルケ星人。・・・貴様の調べが足りなかったな。

 

俺はお前のような気色の悪い人間だ。それは認めよう。

 

がしかし。俺の親友やクラスメートに危害を加えるならば俺は容赦しない。

 

特にだ、俺の親友を侮辱したな。

俺への侮辱は見逃そう。

しかし、俺の親友・・・リトに対する侮蔑は何があっても許さん。

 

さあどうする?ビームライフルで撃たれるか?先ほどのスキュラという赤いビームを撃たれるか?それか頭のバルカン?ビームサーベルでもいいぞ???」

相手を睨みながら距離を詰める。

 

恐怖に慄いたのか彼は完全降伏をした。

 

「・・・ララちゃんたちの手前、俺も貴様を殺すことは遠慮してやるさ。

 

けれど、今度同じことをしてみろ。

その時は確実に始末する」

首元にビームサーベルを構えれば素早く頷くバルケ星人

 

「・・・・・・さて、ララ。こいつの後処理を頼もうか」

「えっ、あ、うん!!じゃーじゃーワープくん!

 

・・・もうやめといた方がいいよ、ギ・ブリー。

本当に命が足りなくなるから」

ララはそういうとバルケ星人をそのまま地球外へ追放していった。

 

 

一件落着、というか戦闘終了だ。

 

「・・・・・・・・・ったく、気の悪いやつだ。なぁリト?」

「あ、あぁ・・・そうだな」

一瞬戸惑いながらも頷くリト。少し怯えさせてしまったか。

やはり、まだまだだと痛感させられる。

 

 

 

『パワーオフ ディアクティブモード』

装甲がグレーになり、解除すると膝を地面に付く。

 

「ちっ・・・・・・やっぱり体力使うわなぁ」

「お・・・おいケンイチ!大丈夫なのか!?」

「トーゼン。なんもねえっての。それよりかは西蓮寺の方が大丈夫か心配になる。

リト、大切な人なら最後まで守ってやれ」

「わ、わーってるよ。・・・お前は?」

「流石に西蓮寺とは面識があんまりだからな。その辺でテキトーに休んでくるわ」

というわけでその場を離れる。特に俺は西蓮寺と親しいわけでもない。俺が助けたとか俺が関わったと聞いても怪しいもしくは不審がるだけだ。保健室に邪魔するってのも怖いしな。

 

 

「ま、なんだ。かっこいいリトを見れて何よりってやつかね?」

選ばれたり、主人公のようないい思いはできないが主人公のかっこいいところは見れる。それは俺というキャラの特権だろう。

それに俺はあいつの親友なのだ。その親友のためにこの力が使えたのは気分もよい。

全くいいものを見たもんだぜ。

 

そんなことを考えながら、ひっそり屋上でコーラを飲みながらのんびりするのだった。

 

 

 

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