機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー 作:SS好きのヨーソロー
アビスガンダム。ブリッツガンダムでの出撃後、俺は疲労が溜まり屋上で膝をついてしまった。
「がはっ・・・・・・!!!」
血を吐き出してしまう。目がチカチカして足元うまく動かない。
「ケンイチ!?どうした!?」
慌てて俺に駆け寄るリト。
ふらつきつつ、なんとか右手で静止する。
「おう・・・なんとか、な。
流石に疲労がきたかもしんねぇ。複数回MSに変身して、しかも地味に高性能機体を連続で変身しちまったもんだから・・・負担がな」
「な・・・・・・、お前ならなんでそんな無茶を・・・」
「しゃーねえだろ、ララちゃんだけじゃねえ。西蓮寺達だって何があるかわからなかったんだ。
それに結局カメラだけだったけどリトが女子に見つかってもやばかっただろ??」
「そ、そうだけどよ・・・・・・」
「だから、気にすんなって。
まぁ流石に保健室で寝てくるわ・・・」
なんとかふらつきつつも保健室に行き、ベッドに横になる。誰もいないがリトがきっと先生に話は通しておいてくれるだろう。
横になって休み、気がつけば放課後。
リトが保健室に迎えにきた。
というか珍しいことに佐清、西蓮寺が一緒だった。
「猿山、体調は大丈夫かな?」
「佐清先生・・・・・・」
「結城から事情は聞いた。どうやら弄光の盗撮騒ぎを防いだのは君たちだったらしいな。」
どうやらリトが正直に伝えたらしい。
ロボットに変形できる部分ではなく、プールに飛び込んだところだけを伝えたらしいが
「すみませんでした。プールを覗くつもりはなかったのですが、弄光先輩のプールに何かを仕掛けたという発言が聞こえ、やむを得ず」
「そういえば何か水飛沫が起きていたのだが関係はあるか?」
「いえ、俺たちもそれについてはわかっていません。ただ混乱に乗じて避難はしました」
「そうか・・・それをよいとは言えないが仕方がないことか」
「ええ、あの時に俺かリトが見つかれば疑われるのは俺たちでしたし」
「だろうね。しかし出開から聞いたよ。守るために身体を張ったそうじゃないか。彼は無事だったし、彼自身猿山が弄光に対してかなり厳しい目を向けていたと言うからな。
そんな中お前を断じるなんて出来ないさ」
どうやら佐清はこちらの立場も尊重してくれるらしい。
教師としてありがたい限りだ。
「お気遣いありがとうございます。
それと西蓮寺はどうしたんだ?」
「あぁ・・・私は結城くんが先生に話してるところを聞いちゃって・・・。私自身盗撮がちょっと怖いって思っちゃったから。結城くんと猿山くんに感謝したくて」
「そっか・・・優しいな西蓮寺は。
感謝はリトにだけで構わないぞ、俺は彼の英断について行ったに過ぎんのだし」
「それでもだよ。猿山くん、ありがとう」
「・・・はは、何かむず痒いな」
わざわざ礼を言おうとするあたり彼女は優しいのだろう。
礼を言われて不快にはならないが、どこかむず痒い感覚だ。
「さて、ご両親に迎えをきてもらうこともできるが」
「あぁ、すみません。両親は忙しく基本的に俺だけが一人暮らしなんです。
まぁ最悪這いつくばってでも帰りますし・・・あ、保健室でずっといるのも邪魔でしたね。すみません」
最悪MSの力を最大限使って無理やり家に吹っ飛べばなんとかなる。そうなれば四つん這いでも家に入れるし
「あぁいや違う、無理に動くな。・・・なるほど、親御さんは忙しいか。
さてどうしようか・・・」
「あ、佐清先生。ならケンイチ俺の家に連れてきますよ」
「本当か結城、助かるが・・・・・・」
「えぇ、俺んちも親はいないけど妹がいるし、俺もいるから」
「さ、流石にリトの家にお邪魔するのは申し訳が・・・・・・」
「ごめん、さっき美柑にメールした。そしたらさっさと連れてこいだってよ」
「えぇ・・・・・・・・・俺何、殺されるの??
女の敵だとか言われるの???」
ウプッ、てなりながら絶望する俺。
美柑ちゃんにとって俺とか羽虫でしかないんだから勘弁願いたい
「そう言うところだよ・・・・・・ったく」
「猿山は自己評価の悪さが目立つな。
教師の俺の前で言うな、あまり心地良くはない。
俺も西蓮寺も部活があって同行できないからな。タクシーを手配してくる。
そうだ西蓮寺、猿山の荷物を取ってきてあげなさい」
「あ、はい!わかりました!」
そうして動く二人。
関わることのなかった二人との絡みが余計に混乱する。
「・・・・・・気持ち悪ぃ」
吐き気を覚えつつ、リトの肩に掴まる。
そのまま西蓮寺から荷物を受け取り、タクシーに乗り込む。
リトの家に到着し、見たのは仁王立ちの美柑ちゃんだった。
まだ俺死にたくないよ。
「もうほんと!!猿山さんのばか!ばかばかばか!」
リトの家のリビング、美柑ちゃんは怒ってます!と言う効果音がついてるほど怒っていた。
花澤香菜さんのボイスでバカバカ言われるのはこれまた悪くないと言うかもはやご褒美とも言えるが、流石に状況が掴めなくなってくる。
「み、美柑ちゃん。落ち着いてくれ・・・言い訳をさせて欲しい。俺は別に女性の水着を見たかったわけじゃなくて・・・」
「ほんと、リトとか他の人のためってわかるけど自分を傷つけすぎだよ。
ねぇ猿山さん、何がそこまであなたを動かすの、なんであなたは自分をそこまで恨むの・・・」
気がつけば、彼女の目には涙が浮かんでいた。
「お前のことを美柑に話した時、すぐにお前が無茶をしたって気がついてたよ。俺の妹は察し能力高いんだよ。
・・・お前や俺が下心あって動いたわけじゃないことをすぐに察するし、お前が自分のことを顧みず無茶をするってわかったんだ」
「・・・やれやれ、まいったな。
ごめんよ美柑ちゃん。君を心配させてやろうってわけじゃなかったんだ。
あの時の俺の動き的に最適解があれにすぎなかっただけなんだ」
「・・・・・・じゃあ、猿山さん」
そういうと美柑ちゃんはこちらへと近づいてくる。
はて、どうしたのだろうか?
そう思っていると感じたのは優しい抱擁だった。
「えっと・・・・・・」
「貴方が許さないなら、私が褒めます!
猿山さんはよく頑張りました・・・だから、休んでいいんですよ」
そう言い背中を摩る美柑
その優しさが、その温もりが。
前に述べた、己の妹に似ていて。
「ん・・・ありがとう、そう言われると弱いな」
目頭に熱を感じつつ、唯今はその優しさを感じていた。
「いやぁすまない、リトに情けない姿を見せてしまったな」
「気にするなよ。少なくともケンイチが悪く言われる筋合いはないし、俺たちはいいことをした。
佐清だってそれを褒めていた。それでいいんじゃねーの?」
「はは、そう言ってくれるとありがたい」
「とりあえず猿山さんは絶対安静!
・・・今日は唐揚げでも作ろうと思ったけど、食べれます?」
「おっ!?マジで!?グゥレイト!唐揚げとか大好物だぜ!」
最高だぜ!と思わずグゥレイト!と言ってしまった。
とりあえず美柑ちゃんからは安静を言われているし、腕時計でMS情報を見つつ、かなあ。
「あ、そうだケンイチ。ずっと気になってたんだけどその腕時計ってロボット装着以外に何ができるのー??」
ソファでずいっ、と近づいてくる彼女を避けながら説明をした。
「こいつは基本装着以外に
・アイテムボックス機能
・衣服召喚
・衣服洗浄
・登録ポイントにワープ
くらいかな。PCに繋いで色々設定を弄ってるんだけど、他の要素も拡張できるっぽい」
「えー、すっごい!なんかまるで万能ツールだねぇ」
「機能だけはな。君のそれは改造だって出来るだろ。
この腕時計、貰い物というか託され物なんだよ。
神様から託された」
「か、神様ってお前・・・」
リトが苦笑いするが、俺だって苦笑いしたい。
「いやリト、宇宙人がいる世界だぞ、神とか悪魔がいてもおかしくないってば」
「・・・・・・確かに」
納得しちゃったよこの子。
「そっかー・・・貰い物なら何か新しく作ったり開発は難しいの??」
「おう、俺はララちゃんみたいに天才じゃないの。ゼロから何かを開発するのは無理よ」
「んーーー、そうかあ」
ララちゃんがどうしたものかと頭を悩ませていた。どーしたんだ一体
「いやねー?ケンイチってリトといること多いでしょ?リトと私をお守りしてくれるでしょ??だからいつでも家に来れたらいいかなぁって。どこかを起点にワープポイント作っちゃえば楽かなって」
「こらこら、なんだその結城家への配慮のかけらもない思い付きは。いやだろ、家帰ったら見知らぬ・・・とは言わんけどクラスメートがいる家って」
すると美柑ちゃんとリトが悩んでいた。
「・・・ララ、それありだけどちゃんとしたワープにしてくれよ、毎回服脱げるとか美柑に悪影響だし」
「ララさん、私の部屋に繋ぐとかはやめてよ?・・・別に猿山さんなら嫌じゃないけど恥ずかしいし多分猿山さんが自分を責めるから」
おっとぅ、おかしいな。二人ともそこまで嫌がってないぞ???
「もっちろんだよー!
ケンイチ、登録するから腕時計貸してくれない???」
「い、いいけどぶっ壊すなよ?」
念の為設定からデータバックアップだけ行うと腕時計を外してララちゃんに預ける。
しばらくして戻ってきた腕時計。
時空間ワープ機能がついていた。
「はい、これでケンイチの腕時計withおうちワープくんだよ!
腕時計つけながら行き先を念じてドア開けたらケンイチの家に繋がってるよ!」
とのことなので実際に開けたら俺の家だった。
うん、俺の家だった
「・・・・・・・・・マジか」
とりあえず荷物を置いてまたドアを開ける。
リトの家だった。
「・・・おかえり」
「お、おぉ。ただいま?」
こうして、俺はいつでもリトの家に行けることとなったのだった。
二人ともなんで嫌がらないんだろう。
「(親友がいつでも来れる、か。こんなことになるとは思ってなかったけど楽しいな。久しぶりにゲーム引っ張り出そうかなぁ)」
「(わ、私の部屋に登録とかじゃなくてよかった・・・い、いや別に見られても私は嫌じゃないしきっと猿山さんならすぐに退いてくれそうだし・・・・・・。照れてくれるのかな)」
「(・・・いやー、原作から乖離しすぎだろ。どうなるかわかんねえもんだなこれ。
まあいいや、PC持ってきたし飯待ってる間に機体の設定でもするかね)」