機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー 作:SS好きのヨーソロー
とある休日、俺はララちゃんが腕時計につけてくれた新機能「おうちワープくん」で自分の家の玄関からそのままリトの家の玄関に行き、リトの家へとお邪魔していた。
「・・・こいつ、便利だな普通に」
ララちゃんの発明品協力ということで警戒したが衣服が脱げることもない。
ベースが俺の腕時計ということもあるし、それ関係だろうか??
「猿山さん、いらっしゃい」
「あぁ、こんにちわ美柑ちゃん。お邪魔します。
あぁ、そうだそうだ・・・ちょっと待ってな」
俺はカバンを下ろし荷物を整理する。
ファスナーを開けると、中の袋を彼女に渡そうと差し出す
「はいこれ、クッキーを焼いたんだ。
以前差し入れをすると言ったろ?簡単なものになるが・・・」
これを見せると美柑ちゃんも少し明るそうに反応してくれた
「わ・・・すごい。猿山さんお菓子も作れたんだ!」
「はは・・・、単なる趣味だよ趣味。こんなものでよければ」
「こんなものじゃないよ、猿山さんが用意してくれたんだもん。
あ、飲み物淹れますね!コーヒーでいいですか?」
「あぁ、助かるよ」
そういうと美柑ちゃんはキッチンへと向かう。ほんとこの子できた子だよなぁ。
「よーケンイチ。・・・・・・なんか複雑だよ俺、兄としてどう反応すりゃいいんだろうな」
「どうした藪から棒に」
「いや、なんか美柑が遠いところに行く気がして・・・」
「あぁ・・・確かに女の子の成長って早いっていうもんなぁ。
いつか俺も臭いからヤダリトの親友のおじさん、とかそういうこと言われるんだろうなぁ・・・とほほ」
現実は悲惨である。将来的におじさんとか言われるのは流石に辛いかもしれない。
これ、兄妹とか親友に妹がいる男の運命よなぁ。
俺も前世の妹は成長するたびに疎遠になったし。
「・・・・・・もうお前はそのままでいてくれ、頼むから」
リトはお手上げという感じで手を挙げてた。
「・・・・・・なんの話だ?」
俺はそれに関してなんも理解できなかった。
「もう!リトは変なこと言わないの!///
さ、猿山さんも気にしなくていいから!///」
美柑ちゃんは顔を真っ赤にして怒るし。
よくわからんがまあ気にするなというならば気にしない。
相変わらず彼女の淹れるコーヒーも美味かったりする。
俺の作ったクッキーを摘みつつ、ララはというと臨海学校の準備をしていた。
俺の学校では臨海学校があり、宿泊し実際に海で遊ぶことができるので学生にとっての一大イベントの一つだった。
まあかくいう俺も宿泊、学校とは別のイベントというのもあってかなりワクワクしているのは否定できない。
ただ何というか、荷物がたくさんあるんだよなぁ。ゲーム機やら本やらバナナやら。楽しいという言葉に等しいものがこれでもかってくらい詰められてる。
「おーい・・・持って行く量調整しろよ・・・」
「というかよくそんな量カバンに入ったね・・・。向こうで何も買えないじゃないの」
リトと俺でやれやれ、と苦笑いしているとララちゃんはえへへ〜、と笑っていた。
「だって楽しみなんだもーん!」
まったく、と微笑んでいる中美柑ちゃんが苦笑いしてた。
「お楽しみのところ悪いけど、臨海学校中止になるかもね。・・・うまうま」
クッキーをもぐもぐ食べながらいう美柑ちゃんが思わず可愛いと思ってしまったのは不可抗力だ。君原作でアイス食ってたよね???
まあ俺のその反応はどうでもいい。
リトとララちゃんが驚いた反応をした後、テレビを見るとその理由が映し出されていた。
テレビの画面にはよくある天気予報の画面が流れており、日本列島の沖縄から四国にかけての部分に台風が存在している。
スーツを着たメガネのアナウンサーは冷静にその台風の進路を解説していた。
どうやらこのままでは目的地に直撃。臨海学校が嵐の暴風耐久訓練に変わろうとしていた。
俺のようなMSを纏ったり戦う者の訓練にはちょうどいいかもしれないがまあそんな冗談は通用するわけもなく。
民間人が台風に巻き込まれて死亡したケースも少なくない。大型バスならばまだそこまで影響はないかもしれないが軽トラックや軽自動車、自動二輪などは風で普通に飛ばされる。
あちらこちらから鉄の塊が飛んできて頭上に降り注ぐ、なんてことを考えたら臨海学校の中止だってあり得なくはない。
流石に生徒の安全を第一に考えるとすれば臨海学校の中止は必然とも言える。
そういえば骨川教諭も台風の進路について注意深くニュースを見ているように言っていた。
おそらくは教師陣は台風発生のタイミングで延期や中止になった時のことを考えていたのだろう。
「・・・まじか、これ直撃じゃねえか。流石にこれはきついな」
リトもニュースの内容を見れば顔を顰めていた。ここまで来ると流石に事態の深刻さを理解してくれるだろう。
台風ばっかりはどうしようもないよなぁ。
「・・・行くよ!ペケ!」
『ハイ!』
するとララちゃんはドレスフォームになって飛行を開始する。
リトもスカートを掴んでしまって共に飛んでいった。
「あぁもう行くしかないかね!荷物置かせておいてくれ!」
すると俺は庭に行き腕を突き立てる。
「ストライク!アーマードスタンバイ!&セレクト!エールストライカー!」
GAT-X105+AQM/E-X01 エールストライクガンダムになるとそのまま跳躍し飛行する。
身体装着型のMS。
これにより単体のスラスターで飛行が可能となるのだ。
そして何と言ってもエール。
これは応援のエールではなく主翼のエール。
フランス語から来ているらしい。
大型可変翼と高出力スラスターにより高速でララちゃんの横に張り付いた。
「わー、それザスティンと戦ったときのやつだよね??」
「あぁ、こいつがあれば何とかな。
リト、こっちに掴み直せ。安定しないだろ」
「わ、悪い・・・」
リトを両腕で掴むとそのまま飛行する。
それと同時に周囲の索敵も開始する。
「どうしたんだケンイチ」
「いや、もし今回移動先に宇宙人がいればどうしたものかと思ってな」
「いやぁ、単なる台風だぜ??」
「わかってるとも。ただ俺のこのMSに対応するための機械獣を用意したギ・ブリーだっていた。
念には念をってやつさ」
正直宇宙人が俺たちの臨海学校を延期中止させるメリットはある。
彩南高校に限定すれば活動範囲が絞り込めるからだ。
だからこそ、念には念を。
到着すると、吹き荒れる風に水飛沫。台風が近づいてきている証拠だった。
ララちゃんは早速発明品で風を吹き飛ばそうとするが当然日本の台風には何ら影響はない。
『元々イタズラ用の小道具だけでしたからね・・・・・・』
「うぅ・・・リトや春菜たちとお泊まりしたかったのに・・・」
「そりゃお前・・・俺だって残念だけどさ」
涙目のララちゃん。
風を纏うナニカがビームを撃ってきた。
『ッ!?ララ様!!」
「えっ、きゃあ!?」
急な攻撃に驚くララちゃん。
「もらった・・・・・・!!!」
ニィッ、と笑う敵。
わかっていたとも。
「させるかッ!!!!!」
スラスターを噴きすぐにララたちの前に立つとシールドを突き立てそのビームを防ぐ。
「なにっ!?」
「対ビームコーティングのシールドだ!舐めてくれるなよ!!」
マウントしていた57mm高エネルギービームライフルを撃つ、が風に逸れて消えた。
風に逸れて消えた!?
「ペケッ!解析頼む!!こいつおそらく風を操れるぞ!」
『お待ちください!!・・・ケンイチ殿!こいつは風人族!風を纏い操れるのです!』
「いかにも。僕は風を纏う種族。風のフーレイさ!
ハハハッ!まさか僕の存在を予測するとはねぇ。
そこのMSと言ったか。キミぃ、ずっとセンサーで僕を捕捉してたな?」,
「・・・このタイミングで宇宙人が襲撃するメリットはあったからな」
「頭がいいやつは好きだ!だが残念!ニホンのタイフウ?を味方につけた僕は最強なのだよ!」
このフーレイとやらは風を圧縮し弾丸にするとこちらへと撃ってくる。
「チッ・・・!!」
シールドとフェイズシフト装甲で何とか防ぎながらも回避をする。流石に直撃しすぎるのは機体が保たない。
エールのスラスターで回避しつつ、頭部イーゲルシュテルンを撃ち続ける。
物理攻撃ならば多少は影響があるのか風、雲が晴れる。
「おいおいどうした!その弾幕だけじゃ倒せないぞッ!!」
チッ、そりゃそうだな・・・!!
流石にイーゲルシュテルンだけじゃどうしようもできない。
「わかっているさ!セレクト!ランチャーストライク!!」
ストライカーをランチャーストライクに換装。
すぐさま右肩のコンボウェポンポッドを活用。
120mm対艦バルカン砲、350mmガンランチャーを撃ち続ける。
風を少し晴らせると遠慮なく320mm超高インパルス砲アグニを撃つ。
「だからビームは・・・ぐぁっ!?」
敵の身体を掠めて効果あり
たまたま動かれたことにより掠った程度だがやはりか。
「やっぱりだな、お前の風の加護でビームを防げるかもしれないがそれが晴れて仕舞えばビームも防げまい!!」
「どういうこと?ペケ」
ララちゃんがはてなを浮かべて聴く。
『あぁ!なるほど!。風人族は確かに風の加護で強力な攻撃も防げるのです。しかし実弾だと貫通してしまう。
故にあえて実弾兵装で攻撃後、晴れた部分にビーム砲を撃ち込んだ!そういうとですね!
そ、それにしても・・・このアグニという砲撃はかなり危険ですね。威力が高い』
ペケの言う通りだ。このアグニは超強火力で同じGAT-XシリーズのGAT-X102デュエルガンダムの右腕を簡単に溶かすこともできるし、資源採掘コロニーヘリオポリスの外壁をバターのように溶かしてしまうこともできる。
だからこそエネルギー消費がバカにならず、ストライクは連発が出来ない。SEED作中ではアークエンジェルの補助電源をコネクタに接続して砲撃をするのが基本となっていたが身体装着によりエネルギー切れがない。
つまり無法にも撃ち続けることが可能だ。
がしかし
「っ・・・ふぅ・・・・・・ふぅ」
俺は敵を睨みつつ、荒々しい呼吸を落ち着かせていた。
そう、エネルギー切れはない代わりに体力を消費する。
つまり疲労が蓄積されてしまうということだ。
アグニの砲撃となると一撃が重い。故に連発すれば体力がなくなりフェイズシフトダウンするという始末。
いやこれ結局エネルギー切れと変わらないじゃねえかよ。
冷や汗を拭いつつ、またコンボウェポンポッド牽制攻撃からのチャンスにアグニを撃つ作戦に移行する。
ジリ貧、体力消耗が激しいがこいつを倒せばララちゃんを守れる。そして臨海学校編も問題なく始まる。
いわゆる原作のエピソードを進めるための作戦なのだ。
「やるしか・・・ねえ、な!!」
「おい、ケンイチのやつやばいんじゃないか・・・!?ストライク、ってやつになってるせいで顔が見えないけど明らかに動きが・・・」
『えぇ、そうでしょうね。・・・あのエネルギーを推察したところ元々の威力はきっと宇宙船くらいは撃沈する威力。ララ様が最初に使われた飛行艇も破壊できるほどのものでしょう。それを装甲が包んでるとはいえ生身で撃ち続けると考えれば疲労は想像するに難しくありません』
冷静に説明するペケ。その内心は疑問に包まれていた。
なぜケンイチがそこまで無茶をするのか。なぜララ様のために・・・リト殿のためにそこまで動いてしまうのかと。
「・・・・・・私が、私が臨海学校に行きたいって、わがまま言っちゃったから」
申し訳なさそうな声。
それを聞いて、俺は思わず否定してしまった
「俺もだよララちゃん。
俺も行きたいんだ。・・・だって泊まりだぜ?水着だぜ!?
可愛い女の子たちの泳ぐ姿!みるしかねえっての!!」
俺は彼女の横であえてお調子者ムーブをする。
そうさ、俺はそういう立場なんだ。
そのお調子者の立場なんだ。
だからこそ、臨海学校を迎えたいし。
だからこそ、美少女であるララちゃんは無事に守られるべきなんだ。
「お前に僕が倒せるとでも?」
「やるしかないだろうッ!!
俺が
結城リトの親友である限り!!
この力が使える限りッ!!!!」
はたからみればこれは単なる強がりかもしれない。
それでも動かなきゃいけない。
「ケンイチ!!待って!」
俺の動きを止めるように、ララちゃんが声をかける。
「どうしたララちゃん?」
「ケンイチ、相手の懐に入り込んで物理的に切れる武器ってない??
ビームサーベル?だっけ、あれだと最悪防がれると思うから実体の剣があれば・・・」
ララちゃんは珍しくも俺の戦闘についての確認をしてきていた。
「・・・ある。ストライクのバックパック、ストライカーパックの一つにソードストライカーってやつがある。
対艦刀シュベルトゲベールってのがあって、そいつはビーム刃をON/OFF切り替え可能だ。
あとはロケットアンカーのパンツァーアイゼンってやつもある。
こいつは敵の拘束とかもできる装備なんだが・・・・・・どうした??」
「・・・私も動くよ」
「ララちゃんが!?危ないって・・・」
「それでも!!
それでも、ケンイチだけに全て背負わせるのは違うもん。
・・・確証はないけどね、試したいことがあるの」
「・・・・・・わかった!頼む!!」
機体のスラスターを噴き敵に近づく。
「はははっ!!ララ・サタリン・デビルークから来てくれるのはありがたい!!」
「絶対・・・絶対春菜とリトと。
そして、ケンイチと臨海学校に行くんだからッ!!!」
「お前に何ができる!」
「セレクト!ソードストライカー!」
「台風のバカぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
彼女から出た圧が、声が。
その風を消した!
その真ん中に現れるフウレイ!!
「なっ!?なんだと!?!?!?」
驚くフウレイ。
流石に焦ったのか逃げようとする。
「逃しはするかッ!!
ロケットアンカー、パンツァーアイゼン!!捕えろ!!」
腕のアンカーが敵を確実に捕らえる。
「っ・・・しまっ」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!」
対艦刀シュベルトゲベール、それを構えて猛接近。
その身体に刃を突き立てるッ!!!!!!!!!
風の激しい爆発音を鳴らし、敵を倒した俺のストライクとアシストをしたララちゃん。
それを祝福するかのように、太陽は燦々と輝いていた。