機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー 作:SS好きのヨーソロー
台風の日の激戦。
ストライクガンダムで疲弊していた俺はリトの家へと帰還した。
美柑ちゃんにはまた何か無茶したでしょと読み解かれるレベル。俺はそんなにもわかりやすいのだろうか??
「わかりやすいだろお前、顔に出てる」
「まじで????・・・うっまこれ」
唐揚げを食べながらそんなことを話す。
この唐揚げほんとめちゃくちゃ美味い。お肉にまで味染み込んでるし衣がサクサクしてるんだよな。もはやザクザク。
「確かに顔に出てる!美味しいって顔がすごいもん」
そう言いながら笑うララちゃん。いやいやこれは仕方がないやつだよ。
「いやー、まじで。うますぎるぜこの唐揚げ。永遠に食ってられるレベル」
本当はこの唐揚げでビールとかハイボール、レモンサワーを飲み干したいんだけど残念かな、未成年である。
転生して一つ問題点は酒とタバコがダメになったことだよな。
けど不思議なことにこの身体だと別に我慢はできる。
飲みたいけどね!!!!!
「もー・・・猿山さんってほんと大袈裟だよ」
美柑ちゃんは謙遜してるが謙遜する理由もない。
「いやいや、謙遜する理由はないぜ美柑ちゃん。こんな美味い唐揚げなかなか無いってば。毎日食いたいレベルだもん」
なんかコレステロールとかやばそうだけど。これは美味すぎるのが罪。
「・・・ば、バカ。変なこと言わないでよ」
顔を赤くしながら俯く美柑ちゃん。・・・はて、何か不適切だったろうか。
・・・・・・あ、そうだった。流石に先ほどの発言は気持ちが悪かったか。
ただでさえ俺は美柑ちゃんに嫌われている。
・・・ってことは流石に無いにしろ、俺単体で話しかけられても嫌ではあるだろう。
ちょっと自惚れが過ぎたかもしれないな。
「すまん美柑ちゃん、美味しすぎてついな。君を不快にさせるつもりはなかった。
美味しかった!ご馳走さん!」
味噌汁を飲めばそう感謝をし皿をシンクに入れる。
「あ・・・まって・・・・・・・・・」
さて、そろそろお邪魔する理由もない。
おっと、最初からお邪魔をするなよと憤慨される気持ちもわかるが許してくれ、美味い飯には目がないもんで。
「リト、明日の朝また玄関前で会おう。ララちゃんも、楽しみすぎて寝れない、とか無いようにな。
・・・美柑ちゃんも、今日もありがとう。それじゃ」
そう言いながら俺は玄関から、自分の玄関へとワープするのだった。
「・・・・・・なんなのさ、猿山さん」
「悪いな美柑。・・・あいつ、鈍感なんだよ。鈍感というか、そもそも絶対認めないというか」
「ねえリト。・・・ケンイチってたまにとても怖くてとても寂しい顔してるよね。
私、ケンイチのその目・・・ちょっと嫌かも」
『ララ様。・・・きっと彼は優しいのですよ。優しく、自分にとても厳しい。
あの目は覚悟を決めた戦士そのものです。』
「戦士・・・・・・?」
「えぇ。なぜかわかりませんが、彼は学生にしておくには勿体無いほどの覚悟を決める。
・・・リト殿の親友だと常々宣言しているがそれについて一種の誇りというか、矜持を感じられる。
ザスティンがギド様の親衛隊であることを誇りに思うように・・・・・・』
重い空気が流れる。
「・・・ふざけんな、あいつは俺の親友なんだ。
上下とか、あるわけないのに」
場所は変わり、自室。パソコンでデータをまとめつつ俺は最終準備をしていた。
「原作では俺が西蓮寺とペアになり、途中離脱する代わりにリトが来て進展、か。全く嫌気がさす。
リトの物語だし邪魔をするわけには行かないな」
やれやれ、とため息を吐く。本当にしんどい物だ。
それに・・・臨海学校ともなるとチャンスだと狙ってくるやつも多そうだ。
念の為に量産機も動かせるようにしておくか。
・・・連合製MSだけでなくZAFT製量産機、ここら辺も使えるようにしときたい。
ザフト製MSといえばやはりジン、ゲイツ、ザクウォーリア系。バクゥやディン、ゾノ、グーンあたりも使えると楽だったりする。ザフト機は実弾兵装があるのでG兵器相手には相性が良くないが宇宙人相手なら効果があるはずだ。
昨日のフーレイ、プリューマ率いる軍事施設、そしてザスティンにもイーゲルシュテルンが効果があることはわかっている。ならば実弾兵装・・・それこそジンのD装備なんかも効果があるだろう。
それに体力が問題なければ機体を乗り継ぐこともできる、これは戦闘においてブリッツからイージス、スカイグラスパーからストライクダガー、アビスからブリッツと複数回乗り換えも経験しているので可能だろう。
それをすれば、かなり無茶苦茶だが連続出撃も可能だ。
視野に入れて運用した方が良いだろう。
「・・・流石に追い込んでおきたいとはいえ休憩せねばまともに身体も動かんな。大人しく寝ておくか」
本当はシミュレーションやなんやらでトレーニングしておきたいところだが連戦ともなると流石に疲労が溜まってきているし、明日は朝からリトと合流する予定だ。それをグロッキーな状態で過ごせば帰って迷惑になりかねない。
シャワーを浴びホットアイマスクをつければベッドに寝転がる。
いつの間にか疲労により意識は遠のくのだった。
「・・・んんんんっっっ!!よーーく寝たぁ・・・!!」
気がつけば朝の6時。本日は朝にはバスがグラウンドに集まりそのまま向かうので本来よりも早く動く必要がある。
まあ今くらいの時間に起きればリトの家に赴いても余裕はある。
地下で軽く運動をしつつ、汗をシャワーで流すと携帯に着信履歴がある。
主は美柑ちゃん?・・・珍しいな、何かあったのだろうか。
こちらから掛け直すと2、3コールほどで電話がつながる。
『あ、もしもし猿山さん?ごめんなさいこんな朝早くに』
「おはよう美柑ちゃん。どうかしたかい?」
『うん・・・猿山さん、もう朝ごはんは食べた?』
「いや食べていないよ。面倒だし抜いても良いかなって」
『あっ、もう。面倒がっちゃだめだよ。それに猿山さん体動かすんだし。
えっと、その・・・あのね、もし迷惑じゃなかったらうちで朝ごはん食べて行かない?』
もじもじ、としている感じが声から伝わってくる。
これはなんというか想定外・・・でもないな。
リトと親しい関係故にできた信頼とも言えるだろう。
「いいのかい?・・・助かる、美柑ちゃんのご飯は美味しいからなぁ。
着替え終えたらすぐに向かうよ」
ということでそそくさと着替えてリトの家に向かう。
「やぁ、おはようリト。ララちゃん」
「おう、おはようケンイチ」
「おっはよー!!ねえねえケンイチ!今日からだね!楽しみだね!!私あんまり寝れてないや〜!」
その割には元気そうなララちゃんについ微笑む
「ははっ、ララちゃんらしいな。俺も楽しみであんまり寝れていないんだ。
それと美柑ちゃんもありがとな、わざわざ」
「い、いえ!!・・・あの、猿山さん。
一言言っていいですか?」
「あ、あぁ・・・どうした?」
その言葉につい息が止まりそうになる。何かやらかしただろうか、何か失敗しただろうか。
「・・・・・・私、猿山さんが思ってるほど猿山さん嫌いじゃないですよ。
むしろ、・・・すk、し・・・信頼してます!!だから、その・・・自分のこと悪く言わないでください」
そう声をかける彼女の雰囲気は、どこか真面目に感じられた。少なくとも嘘はついていない、本心とわかる。
それに、勇気を出したのだろうか、少し震えてる様子も確認できた。
流石に俺でもわかる。この子からは嫌われていない。リトの親友という理由もあるだろうが、俺個人としてもだ。
「・・・ありがとう。俺個人を信頼してくれていると捉えてもいいのかな?」
「・・・・・・はい」
こくん、と頷く少女に目を合わせて安心させるように微笑んだ。
「すまない、俺は基本お調子者故にな。基本嫌われている、もしくはネタとして扱われていると思っているから君からの信頼も気がつけなかった。
けれど嬉しい。とても誇りに思うよ。
ありがとう美柑ちゃん」
ニコリと微笑み頭を撫でる。勇気を出してくれたのならばこれくらいの誠意は見せねばならないだろう
「は、はいっ!えと、その・・・あとですね。
呼び方なんですけど、その・・・ケンイチさんって呼んでも、いいですか???」
こう上目遣いで言われればさすがの俺でもダメージがくる。いや本当に。ガチでダメージがくる。可愛いと吐き気がくる。別に嫌われていないだろうが罪悪感がやばい。
「あ、あぁ。・・・少し照れくさいけど、君の好きなように呼んでくれ」
「は、はいっ!えへへ・・・・・・待っててくださいねケンイチさん、すぐに用意しますから!」
そうてくてく歩く彼女を見つつ俺はリトに向けてため息を吐く。
「リト・・・君にこんなことを言うのは不適切だが、君の妹は色々と思わせぶりがすぎないか。
俺は彼女の通う小学校の男児たちの情緒が心配になるぞ・・・」
「・・・いやもう本当俺何も言えねえや。最悪頼むぞ」
「何がだよ、頼むなよ。まだ前科持ちにはなりたくねえよ」
本当心臓に悪い。ああいう思わせぶりはリトにやる動きだろ、なぜ俺なんだ。吐き散らかすぞ。
「まあでも、あれだ。ケンイチは美柑に嫌われていない、だから自分を悪くはいうなよ。俺だってお前が悪く言われると不愉快だし」
「むず痒いというか、慣れんなぁ・・・・・・」
まあ少なくとも親しみがあるならば良いだろう。嫌われるよりかはマシだ。
「そうだよ!ケンイチのこと悪くいう人がいたらぶっ飛ばすもんね!」
『ララ様、暴力はいけませんよ。穏便に始末するんです』
「ララちゃんもペケもありがとうな、怖いけど」
ということで美柑ちゃんの用意した朝食をいただくとそのまま学校に向かう。
さあ、青春の1ページ
臨海学校編が始まりを迎えようとしている。