機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー   作:SS好きのヨーソロー

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PHASE 21 SEED覚醒、親友の想い

 

 

 

 

 

学生の一大イベントの一つ、臨海学校。ToLOVEる原作でも一つのターニングポイントとして重要視されている臨海学校編

その中でも、俺こと猿山ケンイチも大きな出来事を抱え込んでいた。

 

大軍による襲撃。

宇宙人は大軍で女性たちを襲い楽しみ最終的にララを婚約者に迎え政権獲得を狙うと言う目論見。

 

そのためならば兵力を持って男たちは始末し、女たちは捕まえると、そう言ってみせた。

 

そんな敵たちを前に、俺は抗っている。

 

「・・・はぁっ、はぁっ!!!」

 

敵はどうやら完璧に勝ちたいようで。不安要因の俺をまず完璧に消したいようだ。

 

大軍で俺を囲み、襲撃という構造。

すでに二十機以上の機体が襲ってきており、それらを片っ端から潰している。

 

「はははッ!!実にいい!!実にいいぞ地球人!!」

余裕綽々な宇宙人は見下すように笑い砲撃の手を緩めない。

 

D装備を出したいが、機体の方がもう完全にボロボロだ。

煤焦げており、MA-M3 重斬刀はもうへし折れて打突武器に、MMI-M8A3 76mm重突撃機銃 は銃身が焼きつき、もうこれも打突武器にしかなり得ない。

 

「これで終わりだな!!」

爆撃に囲まれて、ついに装甲も解除となる。

 

「これであのバカが婚約者なこともあるまい!!」

 

「バカ・・・・・・だと。おい・・・宇宙人、誰がバカだって?」

 

「はっ!!結城リトだよ!あの勘違い野郎さ!!

あの女もバカだ、なんであんなクズを好きになるか・・・・・・」

 

その一言で、十分だった。

十分すぎた。

 

「まあ、間違いは正してやらねばならん!!あのクズに釣り合うことなどないと!!!!!証明せねば・・・っ!!!」

 

言い切る前に、その男は俺の足蹴りで吹き飛ばされていた。

 

「がぁぁぁぁっ!?!?」

 

がは、とよろけた敵。もうそんなことはどうだっていい。

 

「・・・テメェ、さっきから黙って聞いていれば・・・バカだのクズだの・・・・・・・・・言いたい放題言いやがって。

 

ざっけんなよゴミクズが。

テメェがリトを語ってんじゃねえええええええええええええええええッッッッ!!!!!!!!!」

腹の底からの怒鳴り声。

 

それと同時、頭の奥の方の感覚。

それは、すなわち割れる感覚。

 

種が割れる時、それはある意味で一種の進化。

 

Superior Evolutionary Element Destined-factor=優れた種への進化の要素であることを運命付けられた因子

 

頭文字を取ってSEED。

種が割れる時、爆発的な進化を迎える。

 

「っ・・・この感覚!なんで・・・ってのはどうでもいい!!まずはッ!!!!!」

 

種割れによりSEED覚醒状態になった俺は身体の回復に反応した。

 

動ける、火事場の馬鹿力で問題なくMSも起動できる。

「SEED持ちがこの機体ってのもなかなかに面白いがまあいい!!

ZGMF-1017 ジンD装備!アーマードスタンバイ!!」

 

もう一度ZGMF-1017 ジンを展開する。今度は期待通りのD装備だ。

「なんだその装備は!?」

「拠点攻略用D装備。DESTRUC-TION:破壊てな。そぉらっ!!くらえ!!!」

 

両腕持ちのM66 キャニス短距離誘導弾発射筒と脚部接続のM68 パルデュス 3連装短距離誘導弾発射筒を発射。

上空から砲撃しつつ不必要になれば質量武器としてぶん投げる。

 

次はM69 バルルス改特火重粒子砲。カートリッジ式ビーム砲で三発しか撃てないという代物だが宇宙人の相手たちにはそれでも脅威だ。

3点に砲撃するとこれも敵に投げつける。

 

「くそっ!!貴様!!卑劣なッ!!」

「卑劣ぅ!?バカ言え!貴様らがリトたちを手にかけると豪語していたことに比べると生ぬるいッ!!

 

もう一度!!ZGMF-1017 ジンッ!!アーマードスタンバイ!!!」

今度はノーマルの出撃。

 

SEED覚醒により疲労感は感じつつも基本的に頭が軽くなるような感じだ。

 

砲撃を軽々しく回避しこちらも重突撃機銃でひたすらに撃ち続け、接近に持ち込み重斬刀を振りかざす。

 

「残るは隊長機ッ!!貴様だけだ!!」

最後の一機。今回の騒動の原因となる隊長機の宇宙人。そいつを見据えて張り叫ぶ。

 

「ちぃっ!!単なる地球人のクセにやりおる・・・・」

敵は苦々しい言葉を吐きつつこちらを睨む。

それがどうした、だからどうした。

 

「テロリストだなんだとか言われてる機体だが、ZAFT製MSの底力お見せしようッ!!

 

ZGMF-1017M2 ジンハイマニューバ2型!!アーマードスタンバイッ!!!!!」

そう言い変身するのはSEED destinyに出てくるジンの改良機ハイマニューバを再設計した機体。

 

元々がスラスター強化などが入ったハイマニューバなのだ、それの2型ともなれば運動性能は大幅に強化されている。

 

武装としてMMI-M636K ビームカービンを構えて射撃する。

 

近距離用射撃武器で接近しながらの攻撃ならばかなり威力の出るものだ。

 

外装を破壊しながらもカートリッジ式の残弾がなくなれば接近武器に持ち替える。

 

 

MA-M92 斬機刀

日本刀型の実体剣である。

鞘から引き抜くと両手で握り込み敵に突っ込む。

 

「や、やめろっ!!くるな!!!」

 

逃げようとする敵、だがしかしッ!!

 

 

「遅いッ!!!!!

 

覚悟ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッッ!!!!!」

 

ぜりゃぁぁぁぁぁぁッッッッ!!と気合いの叫びと共に接近、振り抜いた斬機刀は簡単に敵の最後の機体も斬り落とした。

 

爆炎が起こる中、血振りの構えをし鞘に納刀する。

 

「悪く思うなよ。

俺も覚悟を決めこの場に立っている」

 

冷たい目はまるで何かと決別するように。

 

ただまっすぐその燃え盛る地獄を見つめていた。

 

 

 

首謀者が消えたことに伴い、その特殊空間も消え失せて俺は元の肝試しの森林へと戻ってきていた。

 

それと同時に俺もZGMF-1017 M2ジンハイマニューバ2型の変身を解除する。

 

「っつぅ・・・・・・!!」

SEED発現による疲労はないのだが、発現に伴いMSを複数回連続出撃させたと言う特殊な行動が疲労を蓄積させてしまっていた。

 

それもそうだ。そもそもが機体を纏って動くゆえに機体のエネルギーが体力消費に変わっているのだ。

 

体力があるだけ無限に耐えれるが、逆に言えば稼働するたびにしんどくなる事実。

 

「流石にこの感覚はやべえなぁ」

体の平衡感覚も少しおかしくなりそうだ。目眩もしている。

 

まだだ。まだ、終わっていない。

肝試し・・・リトや西蓮寺・・・ララちゃんたちの様子を見ねば。

もしも安全でなければまだ戦わなければならない。

 

しばらく歩けば光が見えてくる。

 

階段を躓きながらも進み、最後の段で転けてしまう。

 

「おー!!二組目・・・と、猿山くん単体ですか!!

転けてしまいましたねぇ」

校長がこっちこっち!と元気に反応する。

なんとか踏ん張り立ち上がる。

 

そこには両手に華のリト。

 

まったく、羨ましい限りだ。

 

 

 

あぁ・・・神様。

ありがとう、力をくれて。

俺に抗う勇気をくれて。

 

嫌われ者だとしても、たとえ認められないものだとしても。

 

たとえ、この世界から不要だとされても。

 

今、この時だけは。

 

「よかっ・・・た・・・」

 

「ちゃんと・・・守れたん、だな」

 

ただそれだけが嬉しくて。

 

 

 

 

「「「ケンイチ/猿山くんッ!!!!!!」」」

「ッ!?高美ちゃん!!すぐに人呼んで!!運ぶからッ!!」

 

この体は、限界を迎えていたようで気がつけば意識は暗転しそのまま倒れ伏せていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・・っ、ここは」

ぱちくり、と目を開ける。そこはどうやら見覚えのない部屋だった。

 

ここはどこだ。気絶から復活したのか頭もやけに痛い。

 

「ケンイチ!大丈夫か!?」

そう言い顔を覗き込んでくるのは親友の結城リト。

「よかった・・・猿山くん急に倒れるから・・・」

横にいる西蓮寺も覗き込んでいる。

 

「・・・ここに先生はいないか?」

「うん、いないよ」

 

そう答えたのはララちゃんだ。なら問題ないな

 

「・・・宇宙人がな、大軍引き連れて襲撃してきてたんだよ。

だからおれが迎撃したってわけ」

「っ・・・お前、1人でか?」

「そらそーだろ。ザスティンに助け求めても遠いし無理だし。

それに俺自身がやらなきゃならんことだし」

流石にこれでザスティンに助けを求めるならば流石に筋の違う話だろう。ゆえに当然のことである。

まあ流石に堪えたがな。かなり疲れてしまったのはここだけの話だ。

 

「・・・ほんと、なんなんだよお前。

お前が倒れた瞬間、本当に嫌な気分になったんだよ。

どうしよう、って本当に生きた心地がしない。お前は戦闘を終えてその度に笑ってるけど、俺はそれどころじゃなかったんだよ・・・」

 

そう沈痛な顔をするリトについ苦笑いする、一体どうしたと言うんだ。

西連寺が当然のような顔をする。

「私も。倒れた時にびっくりしたよ。猿山君がどう思っているかはわからないけどさ、友達が傷ついて何とも思わない人なんていないよ・・・・」

 

「・・・・・・・・すまん、二人とも。心配かけたくなかったのに逆に迷惑かけちゃったな」

申し訳ない、と謝るが逆に怒られた。

「うっせ、謝るなよ。お前がいたからこそ安心できたんだよ・・・・・いつもありがとうな」

「うん、ありがとう。猿山君のおかげで恐怖、大分和らいだよ」

 

にこりと微笑む二人。原作ではそれは俺に向けられるものでないのはわかってはいるが何ともまあ、心地の良いものであった。

 

学校側、旅館側にも軽い謝罪と状況報告を済ませた。

一応軽い貧血で一瞬意識を失ったということで話を通してある。

校長も折角の思い出つくりであるし、特に体調面で問題ないのであれば参加しても良いという感じであったため助かった。流石に始まってすぐに自宅に強制送還は遠慮したかったのでセーフである。流石に参加してすぐに帰還とか最悪でしかないからな。

 

身体を動かし、旅館の部屋へ着くと窓側の椅子に腰掛ける。

 

ふぅ、かなり疲れてしまった。

 

「なあケンイチ、まだ大浴場空いているみたいだしいかないか?」

「お、いいね。俺も汗を流したかったんだ。いこうか」

ということで二人で早速大浴場へと向かう。

浴場でシャワーを浴び、銭湯につかるとさすがに声が漏れてしまった。

 

最初の頃のふざけた喧騒は無くて落ち着いた、言い換えれば俺達だけの時間。

気心知れた親友との時間とも考えるとなかなかどうして心地よさを感じてしまう。

 

「さすがに今の時間は落ち着いてるなー」

「そうだな、ゆっくり入れていい気分だ。ああ・・・・・・ふざけるのが嫌いなわけではないがね」

「知ってる。お前はお調子者って感じだもんな」

「へへっ、そういうこった」

「けど、きっと本心じゃこういう落ち着いた環境の方が好きだったりすると」

「・・・・・・おいおい、人の心を読むんじゃありませんよ」

「お前がわかりやすいからだろ。こう見えて何年一緒に居ると思ってんだ」

ジト―っとした目で見てくるリト

「確かにな―」

 

「だからさ。・・・・時々思うんだ、ケンイチが自分を極度に嫌っていることを」

「ッ・・・・・・・・・・」

「俺はお前じゃないし、お前のことをちゃんとわかっているとは言えないけどさ。

俺単純だから全然察せないけどさ。

それでもやっぱ、嫌なんだよ。ケンイチが悪く言われること。

・・・・・お前のはおふざけだろ?本気で他人を傷つけないじゃないか。

誰かに言われたか?だれかお前を悪く言ったか?

もしも誰かに言われたなら俺に言えよ。俺がそいつに直談判してやる。」

そういう彼の眼はかなり本気で。俺は思わず戸惑ってしまった。

 

 

「お、おいおいリト、それが例えば先輩ならどうするんだよ」

「関係あるか、そんなクソみたいなやつ先輩なんて思ってやらねえ」

「なら女子は?実際俺を不快になる奴もいるだろ」

「もちろんお前が悪い事もあるからお前にも起こる。それはそれでお前を悪く言う女子にまで親切にする理由はないよな」

 

そういうリトの目は思ったよりも本気だった。

あかんこいつキレたらマジで振り切っちまうタイプだからやべえ。

「気持ちは嬉しいが落ち着け。お前は心優しいのがいい所だろ。俺を理由にその優しさを憤怒に変える理由もねえよ」

「ははっ、基本はそんなキレないって。けどケンイチ、お前だって俺が何かあれば同じことになってるじゃんか。前のギ・ブリーの時とかさ。同じなんだよ」

 

「同じかあ・・・・・・」

「そーだよ、だって俺たち親友だし」

にひっと笑うリト。

原作ファンからすれば、不快極まりないだろうが・・・・・

まあ、ここは俺が存在する一つの世界だ。

好き勝手やらせてもらおうか。

 

 

 

 

「ああ、そうだな。俺とリトは親友よ」

 

 

 

 

露天の下、二人の少年は互いの思いの丈を語り合い笑いあったという。

 

 

 

 

 

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