機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー 作:SS好きのヨーソロー
帰りのバスの中、俺は窓の景色を見ながらボケー、っとしていた。
というか頭で考えことをひたすらしているような感じだった。
古手川唯との遭遇。これは本当に予想外だった。ここまでの展開は漫画展開と同じはずだ。
アニメでは同じクラスではあるがここでは他クラスな設定のはず。
それに古手川唯にとって猿山ケンイチは地雷でもあるはずだ。
あの子からすれば俺は極悪人レベルになるわけなのだが。
あといわゆるXとか見ると大体よろしくないイラスト出てくるよな。黒おっさん多いけどたまに俺がいる。
父さん、母さん。俺はまだ罪は犯してないです。人権をください。
「・・・・・・あの子、見た感じ毛嫌いしている感じではなかったが・・・、顔に出していないだけ?
いや、それはないな。かなり顔に出やすいと言うか分かりやすかったはずだが・・・・・・」
自分が想像していることとかなり乖離している事実に頭を悩ませる。
いや、でも実際展開がかなり歪になるのは仕方がないことでもあるか。
俺と言う存在が戦闘能力を保持したことにより原作に比べて宇宙人の攻める割合が伸びてきている。
すでに原作にはない襲撃を複数経験済みだ。
これは俺のせいということになるのか?
そうなれば辛いところだがスタンスは変えなくても良いだろう。俺が戦えば終いだ。
「なあケンイチ。あの子、って別のクラスの古手川って人か?」
「あぁ。彼女の話は噂程度に聞いたことがある。とても清廉潔白な方で情事を毛嫌いしている。
多分男からの接触はかなり嫌がるだろう。リトも不必要に関わることはないと思うぞ、君の場合ラッキースケベで不快にさせそうだ」
「お前な、あれだってわざとじゃないんだよ」
「余計にタチが悪い。ちなみに俺の場合は性格が災いして多分水と油。絶対に分かり合えない」
「そこまではっきり言うって珍しいな。嫌いなタイプか?」
「いやぁ、嫌いじゃないよ。見た目も可愛らしいし生真面目さが目立つところはあるが風紀を誰よりも重んじている、融通の効かなさは確かに短所かもしれないが社会一般的に見て良い人だろう。ただ俺がこんなおふざけだから相性が悪いってだけ」
「あぁ、お前が決めつけてるだけね。お前のその部分はそっくりだぞ、生真面目な部分とか」
「やめろバカ、古手川に失礼だろ・・・」
「・・・・・・そこまでくるとすげえよ。まあいいや、なぁケンイチ、お前荷物置いたらうち来いよ。飯食おうぜ」
とここでありがたいお呼び出しがかかる。
ありがたいことこの上ないが美柑ちゃんがご迷惑になっていないかと言う問題がある。
「美柑ちゃんは迷惑に思わないか?急にこれば困るだろう」
「その美柑からのお誘い。あとザスティンも呼んでる」
「・・・・・・・・・ザスティン殿が?」
その瞬間胃の中のものが逆流し始めた。
ザスティン殿がわざわざ俺を呼ぶということは少なくともデビルーク関係だ。何か不手際をやらかしただろうか。
ジンで暴れた時に何か怪我をさせた?
イルカの時に乳房をわざとではないが見てしまったこと?
いや、それか事故とはいえ女子部屋に乗り込んだことか??
いや、違うな
「・・・・・・楽しみすぎたか」
「は?」
「・・・・・・いや、俺はMSを纏う責務があるのに楽しみすぎたのかもしれないなという。本文を履き違えていたか・・・」
軍人がストライキをするなと言うやつと同じで、自分の役目を果たしていないのに遊ぶのは何事か!!というやつだろう。
「なわけないだろお前バカか。さっきも俺言ったよな、なんでお前が全部背負う必要があるんだよ。俺ララの親父さんが言ってたお前が俺の従者って発言今でも許してないからな、俺とお前親友。上下なし。親友!!アーユーオーケー?」
「お、おーけーおーけー・・・」
いかんいかん、悪い癖が出た。リトがちょっとマジでキレ始めたからやめておこう。こいつを怒らせるのは怖い。
「とにかく怒られるとかじゃないだろうしなんかあれば言えよな。殴り飛ばすから」
「君の場合割と真面目にやりかねんから怖いんだよな。まあいいや、俺も美柑ちゃんには土産を渡したかったしちょうどいい。帰ったらすぐ向かうよ」
ということで帰ってこれば荷物を置いてすぐにリトの家へと向かう。
玄関を開けて中に入ればエプロンを着た美柑ちゃんがすぐにこちらに駆け寄ってきた。
「あ、ケンイチさん!おかえりなさい!」
そしてそのままぎゅっ、と抱きついてくる。
うん、抱きついてくる!?
「お、おう。ただいま美柑ちゃん」
一瞬ギョッ、としたがすぐに理性を働かせた。よく持ち直したえらいぞ俺。例えるならば砂漠で接地圧を修正したストライクと同じだ。マジで俺偉いな。接地圧が逃げるなら合わせりゃいいだろ!!とキレるはキラ・ヤマト談
「えへへ、楽しかったですか?」
「あぁ、まあ大変だったけどな。
そうだ、美柑ちゃんにお土産があるよ、色々買ってきたんだ」
「え、いいんですか?
やった・・・。じゃあご飯作ってるんでお風呂入っちゃってください!
泊まって行くんでしょ?」
まさかの発言に思わずえっ!?ってなる
おいリト、お前この子に何吹き込んだ
「・・・わ、悪い。お前も疲れてるだろうし、ここだとリラックスできるし遊べるし泊まったらいいと思うって言っちゃってよ」
どうやらリトが泊まれば良い、と反応したようで美柑ちゃんが期待しちまった、って感じか。
「い、いやお前俺はな・・・・・・」
めんどくせぇことに、と思って美柑ちゃんの目を見るとちょっと悲しそうだった
「・・・泊まらないんですか?」
「・・・・・・・・・家に帰るの面倒だし、泊まるわ」
「!!!!」
すごい分かりやすいほどに顔がパァ、って明るくなった。マジで一体全体何がどうやってこうなったんだよ。怖えよ
「・・・・・・すまん、助かる」
「気にすんな、とりあえず風呂入ろうぜ」
リトと風呂に浸かりながらため息を吐いた。
「ごめんな・・・」
「謝んなよ、俺だって別に嫌なわけじゃないし。・・・美柑ちゃん本当に俺のこと信頼してくれてるんだな」
「いやあれ信頼っていうよりかは好意に近いと思うけどな・・・」
リトが遠い目をしていた。
「好意って、お前な・・・俺相手だぞ。猿山ケンイチだぞ。
嫌われる理由はあれど好かれる理由は・・・OKわかった、わかったからやめろ怒んな。お前のキレる時の顔結構怖えんだよ」
「なら自分を悪くいうなよ」
「いやぁ、言いたいことはわかるけどさ・・・」
「あれか?美柑が守備範囲外とか???」
「・・・小学生。尚且つ親友の妹が守備範囲内な男もどうかと思うんだよな俺。ちなみにお前に殺されるの覚悟でいうと美柑ちゃんに寄られるとドキドキする。あの子可愛いし心臓に悪い」
「お前の顔見たらわかる。苦労してるなぁって・・・」
「お前ちょっと楽しんでるよな、リト。なぁ???」
兄者から何も怒られないしこれどうすりゃいいんだよ、わけわかんねえよ。
ちなみに今日のご飯は美柑ちゃん特製ハンバーグだった。
ハンバーグってあんな肉厚にできるんだな。美味すぎて泣いちまった。こんな子と結婚できる将来の男ォ!羨ましいぞ貴様ァ!!とイザーク風の男でキレておくことにしよう。
まあ十中八九キレる相手はリトになる。兄よ受け入れろ。
「すまないなケンイチ殿、急な呼び出し」
「いや、それには及ばないが何か不手際をしただろうか・・・」
「あ、それリト殿から聞いたぞ。頼むから自分を犠牲にするのだけはやめてくれ。悪く言わないでくれ本当に。ケンイチ殿はデビルークでも重要な存在として認知されている。君に何かあれば本国がうるさいのだ」
「ちょっと待てェ!どういうこった!?」
「知らぬのも無理もないが、デビルークは銀河統一している国もあって注目されている。
故にララ様が狙われているのはわかるな?」
「あぁ、そうだな。そのための俺のMSの力だ」
国の人気者故に危険もたくさんある、そのための俺の守るためのMSの能力と言える。
「そう、そこなのだ」
深く頷くザスティン殿。
それは何かを噛み締めるような感じだった。
「そのデビルークの王女を、王女の婿君を守ってくれている。
しかも婿君の親友とは言え軍も何もない単なる一般人、それも子供が命を賭けて守ってくれている。
それゆえに国では貴殿の名が知れ渡っているのだ。
友のために女性を守る英雄だとかなんとか。
ララ様の妹君たちも貴殿にあってみたいと言っていたぞ」
妹君、ってナナ・アスタ・デビルークとモモ・ベリア・デビルーク!?!?!?!?待て待て待て流石に展開が変わりすぎちゃいないか!?
「ま、待て待てザスティン!!俺はそんな英雄だとか言われる立場の人間ではないぞ、英雄の名には程遠い存在だが!?」
「本人としてはその評価になるだろうが、国では人気なのだ。
あぁ、それもあってな。ギド様からケンイチ殿に話がしたいと言われている」
すっ・・・・・・と端末をとるとまさかの本当にギド・ルシオン・デビルーク・・・ララちゃんのお父様であった。
『よぉ、猿山ケンイチ。貴様の話はザスティンからよく聞いているぜ』
「・・・えぇ、まさか俺の話が上がっているとは思っても見ませんでした。ララちゃんのお父上のギド・ルシオン・デビルーク様ですね。・・・改めて猿山ケンイチです。
此度は彼女らを何度も危険な目に合わせて申し訳が・・・」
と謝罪の言葉を口にしようとしたが先に王に止められる。
『謝るな、猿山ケンイチ。
お前は頭を下げるべきではねえぜ、むしろ俺やザスティンの方が頭を下げるべきだ。婿の親友とは言えお前は無関係な市民だ。そんな奴を危険な目に合わせる、そこにお前の責任は生じねえよ。
それに、聞いてるぜ。何度も助けてくれているとな。
今回お前に連絡したのはそれが理由だ。おいザスティン』
「はっ。・・・ケンイチ殿、こちらを」
そういうと小型のアタッシュケースを取り出すザスティン。
「・・・・・・・・・おい、おい待てこれ、いやいやいや」
まさかの大金だった。
『お前の国だとこの紙幣?が金銭で使われているらしいな。これくらいの額ならば簡単に出せる。
何度も力を貸してくれているしこれくらいはな』
そう言っているが額が。おいちょっと待てこれいくらある
「・・・・・・さ、300万!?」
そう驚くとギド王もしかめ面をしていた。
『あぁ。・・・もう少し出しても良いと思ったんだがザスティンがうるさくてな・・・』
「いやそっち!?!?!?」
まさかのもっと払う予定だったのかこの人。
「当然ですギド様。ケンイチ殿はまだ学生の立場。確かにお気持ちはわかりますが日本という国の学生にはこれでも多い額なのですから」
『そうはいうがオメー、出す理由はあるだろ?』
「ええ。ですから我々ができる限りのサポートはします」
『おう、頼むぜ。俺はこの国のことについては詳しくねえからな。
さて、俺の目的は終わりだ。何かあるか猿山ケンイチ』
「・・・・・・俺は、ララちゃんのことはどうでも良いと言いましたよ、以前に。
俺はリトのためだけに戦っていると。
それは王からすれば俺は邪魔なはずでは・・・」
『フッ。・・・驚いたぜ、あの時はよ。
俺様に楯突く馬鹿がいるとは思わなかった。
しかもお前、今もそうだが・・・必要とあらば俺と一戦交えるつもりだろう?』
「・・・勝機はないけど、必要とあらば・・・な」
『充分だ。テメーみたいな覚悟の決まってるバカは好きだぜ。
それに、お前ザスティンとやり合ったとも聞く』
「あの時はMS・・・纏ってるロボットに助けられたからですよ」
『・・・日々慣れて強くなっていくんだろう?
はははっ、おもしれぇ。猿山ケンイチ!いつか手合わせしようぜ?テメーの力楽しみにしている。
だからテメーも鍛錬を怠らねえことだ。これからも娘と婿共々気にかけてやってくれ。じゃ、俺は寝るぜ』
そう豪快に笑うとギド様は通信を切る。
「・・・なぁザスティン殿、民間人である俺にこの大金は荷が重いぞ」
「これでも頑張って調整したのだ・・・・・・」
俺はこの大金の現実をどうしようかと頭を悩ませるのだった。