機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー 作:SS好きのヨーソロー
話し終えた俺たちのそばにララちゃんたちが来た。
「ザスティンとなに話してたの???」
「・・・俺のデビルークでの扱いだ。
俺はどうやらデビルークで人気者らしい」
そういうとリトがギョッとしていた。
「け、ケンイチが!?」
「らしい。・・・ララちゃんの妹君?も俺のこと言ってたんだって」
「あー!ナナとモモ!!うっそー、ケンイチの話広まってるの?
まー無理はないよね!ケンイチすっごく頼りになるもん!」
「・・・リト、お前は当然婿として知られてるわけであるんだが、俺も何故か君らの守護者として知られてるらしい。
・・・俺そんながらじゃないのにな」
そういうとリトはあぁ、と納得していた。
「確かにケンイチは俺たちを守ってくれているもんな・・・」
「うむ。それに宇宙のならずどもを撃破している。宇宙貢献でも知られるのは無理もない。
婿殿、貴殿も少しは鍛えたほうが良いぞ?」
「・・・・・・あぁ、わかってる」
思うところがあるのかリトは真面目な顔になっていた。
「まあまあ、そんな顔すんなよ。俺はリトに何かあってはいけないから戦うだけだし」
「・・・わかってる。けどさ、俺の親友が俺のために必死になって戦ってくれるのに俺は何もできない、何も持ち合わせていない。
それが、一番しんどいんだ」
「リト・・・・・・」
それをみる美柑ちゃん。
「・・・・・・悪い」
そう言いながら自室に戻るリト。
「・・・・・・・・・・・・」
俺は、何も言えなかった。
考えがうまくまとまらない。
変に熱く汗もかいてしまう。
気持ちの悪い感覚から逃げたくて、シャワーを浴びていた。
流す汗。心地の良い温水は思考をより深く働かせる。
彼が悩んでいるのは明らかだった。
あの顔を、あの表情を俺は確かに理解している。
あれは力を持ち得ない者の悩みだった。
持ち得ないと言ってもそれが悪いわけではない。
リトにはリトの魅力がある。あいつは主人公で性格だっていいしかっこいい。どこも悪い所なんてないのだ。あっていいはずがない。リトを悪くいうこと自体が許されないことなんだ。
そんなことを感じながら、身体を洗っていると浴室のドアが開かれた。
ドアが開かれた!?
「えっ!?け、けけけケンイチさん!?!?」
「み、美柑ちゃん!?」
声質で美柑ちゃんだとわかる。
驚いた感じの声の花澤香菜さんの声。
いやそんなことを言っている場合ではない。
なぜだ、どうしてだ。そんな困惑の言葉を浮かばせつつ俺も焦っていると美柑ちゃんの足が泡と湯で滑らせてしまったのだろう。バランスを崩していた。
「わ、わわわっ!?!?」
焦ってこちらへと来る美柑ちゃん。
光景としてはすでにアウト極まりないが流石にこれを回避すれば美柑ちゃんが浴槽にダイレクトアタック。流血事件待ったなしたのですかさずこちらが受け取る体制になる。
と言ってもそれを反射的にしてしまってるわけで。
まあバランスを崩した質量物体を受け止めてバランスを保つのは難しい。
つまり・・・
「っつう・・・・・・・・・・・・」
俺が浴槽に激突したというわけだ。
角のところに背中を強打した。
もうその時点で骨折れるんじゃないかってくらいクソ痛い。
いや普通に痛え。内心ガンダムになってフェイズシフト装甲展開すればよかったな、と後悔するくらいにはとてもとてもクソ痛かった。
まあそれはまだ良いのだ。痛いだけだし。
問題は、今この目の前に広がっている光景にある。
皆々様、視界が悪い状態で目の前が壁に包まれている時人は何を見ていると理解するのだろう。
あんまりこれ考えちゃまずいのかもしれないが今俺の前は見えない壁にぶつかってる感じだ。柔らかい壁。肌色の壁。つまりそういうことである。
「んっ・・・ちょ、まってケンイチさん・・・だめ///」
美柑ちゃんのくすぐったいような、そんな甘い声が聞こえて危険度が一段上がった。
例えるならアークエンジェルアタックが何段階も上がる感じ。
そんでイザークさんやディアッカさんたちにやられるわけですね。
狡猾で残忍な人「こいつをやるぜ!」(逮捕令状)
うるせええええ!迂闊で残念の間違いだろうがクソッ!!!
ディアッカ君の登場でとりあえず落ち着けた。お前散々俺の金毟りやがって。
しかもニコルの時でも負けるからな。
ストライクアタックとかまともに通らないしストライクライドなんてした時はレバーをへし折りたくなる。最後のあのうるさい音はなんやねん。
2度と打つかよスマスロSEEDッ!!!
あとスロットは新作出るらしいがその前にSEEDしっかり見返してもらって。
とか言ってる場合じゃないですよねわかってますはい本当に詰んでます。
「わ、悪いっ!!まさか君が入ってくるとは思わなんだ」
がば、と見えてはいけない部分を手で隠し自分は目を瞑った。
いやアニメ漫画視聴者としてはこの光景目に焼き付けたいと思う気持ちも理解できるが普通にアウトなんだよこれ、だってこれ無印だろまだ!ダークネスならまだわかるけど!!
あと俺猿山!!猿山ケンイチ!!!!
終わった!!割とマジで詰んだ!!本当に死ぬ!!!!!!!!!
「わっ、わ、わたしこそごめんなさいっ!!その、あの、ケンイチさんが入ってると思ってなくて・・・」
彼女を見てるわけじゃないが、どうにも気恥ずかしそうにされているのがわかる。
いかん、本当にやらかした。
「・・・・・・すまん、不愉快にさせな。泡だけ落としたいのでシャワーを使わせてくれ」
神経を研ぎ澄ませると空間を想像する。さっきの俺が倒れた位置的にシャワーの場所はここだろう。と予測できるところに手を添えるとシャワーをつかむ。
泡を落とし、薄目でぼやけながらもルートを確認するとすぐに出ようとする。
「ま、待って・・・・・・!!」
その俺の動きを止めたのは、意外にも美柑ちゃんであった。
その声はおずおずと言った感じ。
やはり見られたことの不愉快さが色々と問題なのだろう。
「すまん美柑ちゃん。不快にさせるつもりはなかったんだ。この後はすぐに家に帰るし君に会わないから安心してくれ」
当然だ。仕方がないにしろこれは家主の娘・・・親友の妹に手を出したと言っても過言ではない。
事故?そうだ。これは不幸な事故。しかしその不幸な事故が起きた時点で男に生きる資格はない。
・・・のだが、残念なことに俺はまだやらねばならないことがある。
「・・・・・・本当に、ケンイチさんのバカ」
そういうと、俺の腕を掴んだ美柑ちゃん。
「美柑ちゃん・・・?」
「・・・気に、しないでいいよ。確かに恥ずかしかったし驚いた。見られて嬉しい・・・とは、言わないけど。
貴方が思ってるほどに、嫌じゃない。
・・・だから、私のことを決めつけるのはやめて。
・・・それとさ、こうすれば大丈夫だから湯船浸かったら?」
顔を真っ赤にする美柑ちゃん。
バスタオルを巻いているいわゆる不二子ちゃんとかがやってるやり方で風呂に入ろうとしている。
こ、これなら問題はない??いや、そもそも絵面がやばい気がするし。
「・・・私のことが、嫌いならいいのよ」
しゅん・・・と悲しそうな目をする美柑ちゃん。
父さん、母さん。手は出してないから許して欲しい。あと人権の宅配を頼みたい
湯船に浸かれば、やはり身体は力が抜けてリラックス状態になる。某新世紀の葛城さんなんかも命の洗濯と言っているように湯船に浸かるのは大切なことだ。
特に日本は風呂に煩いらしい。
最近は銭湯なんかいけてないし、そろそろ行きたいもんだなぁ。
「・・・か、身体洗うから見ないでよね?」
顔を真っ赤にしているであろう美柑ちゃんに苦笑いする。
「当然だっての。まだ俺は前科持ちになりたくないのよ。なんなら目にナイフ刺してもいいくらい」
アーマーシュナイダーでぶった斬ってやろうかな。何も見えなくなるけど
俺は高校生で相手は小学生。
その時点でアウトなのはアウトなのだ。
え?顔がアウトだから死ね?確かにネットでボロクソに叩かれてた。
俺の前世の知り合いも名前を聞くだけでしかめ面するレベル。
人権が無さすぎて笑えない、基本的人権を求めても良いだろうか?
いつになったら人権届きますか???
「・・・・・・私は別に、ケンイチさんならいいのにな」
何か呟いたのは聞こえたけど、シャワーの音でよく聞こえなかった。
え??ガチで恨まれてる????
「・・・ん、空けてくれてありがと」
反対の方に美柑ちゃんが入る。
本当に絵面がひどい。
「・・・・・・しかし、君も君でよく受け入れたな。君からすれば俺は不審者というか危険な奴で・・・・ごめん俺が悪かったからそんな泣きそうな目にならないでごめんってば」
「だってケンイチさん自分のこと悪く言いすぎ。・・・・・・・リトのことも考えてあげてよ」
「リト?」
予想外の人物の名前に困惑する。
何故リトの名前が・・・・
「リト、ケンイチさんがいつも無茶してぎりぎりで戦ってるって知ってるよ。
この前だって、『アイツが苦しんでるのになんで俺は何もできないんだろう』って本当に悲しんでた。ケンイチさんってリトの事親友だと思ってるだろうけどさ、どこか特別扱いというか・・・・自分とは完全に違う感じで扱ってるよね。
・・・リトのためなら、ケンイチさんは死んだっていいとすら思ってるでしょ」
まっすぐ見てくる目から逃げられない。
それはすなわちこの子の言っていることが深く刺さるからだ。
「・・・ああ、リトのために。君のために。
守れるなら、この身体くらいくれてやると、そう思っている」
それは否定しきれない事実。
誰かを守りたい、その目的があるから俺は戦える。
戦えてしまう。
「・・・・・・なら、約束して。
死なないで、ちゃんと私のところに帰ってきて」
そう言いながら抱擁する美柑ちゃん
「・・・私を、ひとりにしないで」
涙目の彼女の頭を撫でてやれやれ、と苦笑いをする。
こんなのは俺のキャラじゃないだろうに。
けれど、死んででも勝って、そして何がなんでも生き返る。
それが俺の目的に追加されるのだった。