機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー   作:SS好きのヨーソロー

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PHASE 32 誕生日回、親友に送る鋼鉄の誓い

 

 

 

 

とんでもなく忙しく、そしていて楽しい原作回を終えて。俺はいつも通り結城邸にお邪魔をさせてもらっていた。

 

リトは早々と用事があるから出て行ったわけで、今こちらにいるのは俺、美柑ちゃん、そしてお父様の結城才培氏だ。

 

「改めて猿山ケンイチです。以前はろくに挨拶もできずに急に出て行ってすみませんでした」

 

まずはしっかりと頭を下げて一礼する。

以前とは才培氏のアトリエにお邪魔したときのことだ。

 

あの時は機械小人族のプリューマを迎撃することが目的で離脱したのだった。

 

理由が理由だが不躾な態度を取ったのも事実。

と思っていたが帰ってきたのはやれやれというため息だ。

 

「はぁ〜・・・・・・おい、ケンイチ。それは本来俺がお前に謝らないといけないことじゃないか?」

「と言いますと?」

「リトは宇宙人に狙われているんだろ、だがらお前が代わりに戦っている。

 

そう俺は推察した。それにあの時青い服を着てたな。その時のお前の目は確かに命をかける目だった。

俺も漫画家の端くれ、何度も命をかけて戦う奴らを描いてきた。

 

そんな目にはっきり似ていた。まああの時は気にも止められなかったがな。

改めて謝るな、そして感謝させてくれ。ありがとうな」

がっしり、とその手を掴まれる。

 

いかんいかん、目頭が熱くなりそうだが耐えなければ。今回は俺の目的ではないのだから。

 

「・・・えぇ。ありがとうございます」

「おう、少なくとも美柑はお前のことを信頼してる。それだけは忘れないでくれ」

「ち、ちょっとお父さん!///」

 

「・・・ありがとう、美柑ちゃん。それだけで嬉しいよ」

改めて身が引き締まる思いだ。こんなことを思ってくれているならば俺も頑張らなければなるまいよ。

 

「で、今回はあれか。リトの誕生日か」

「ええ、俺も親友の誕生日は大きく祝ってやりたいですから。

美柑ちゃんたちは料理するんだろう?

で、ララちゃんは希少な花の採取だっけか」

「うん、レアな花が咲いてるところに行くんだー!

ケンイチも何か渡すの?」

「あぁ、そのつもりだけどどうしようかなと・・・・・・」

実際なにが良いとかは考えたことがない。

 

ゲーム、とかでもありだとは思うけども・・・。

 

「ならさならさ、少し手伝ってほしいことがあるんだ」

「ん?どうしたんだ?」

 

徐にララちゃんはとある設計図を取り出していた。

 

「・・・これって」

そこに描いているのは、俺のアーマード・ウォッチと似た設計の腕時計型デバイスだった。

 

「前にケンイチにデータもらったでしょ?リトが戦えるような力を、私も用意してあげたかったの」

「・・・ララちゃん、それはあいつを戦いに巻き込むんだぞ」

「でも、ケンイチだって巻き込まれたよね。・・・本来なら、巻き込まれないはずなのに・・・」

 

「それは・・・・・・」

確かにそうだけども、と思っていると意外にもそれに同意したのはザスティン殿だった。

 

「ケンイチ、ぜひ私からもお願いしたいのだ。ララ様はリト殿の誠実さを高く見ておられる。

しかし、リト殿自身は貴殿との力の差を嘆いていた。

いわば、おのれには力がないと見せつけられている。

それは当人からすれば悲しい事だろう」

 

二人からの猛プッシュ。しかし親御さんや妹さんはどう思うんだ。と目を向けるが二人ともうんうんと頷くだけだった

 

「リトのやつが根性身につけるのは親としてはいいことだな」

「うん、リトもケンイチさんの横に立てた方が嬉しいだろうし」

 

親御さんたちの許可もある、となればこちらも本音を語ってしまって良いだろう。

 

 

「・・・・・・すまん、実を言うと俺もリトが力を持つことを願っていたんだ。

 

守りたいという気持ちもある。けど、俺とあいつは親友で・・・。

俺の纏う機体の中には実際に親友同士が乗ってた機体もあってさ。

 

いつか、あいつが俺と一緒にMSまとって戦えることを期待しちまってた」

 

俺にとってのあいつは誠実な親友。

 

キラにとってのアスランだ。

 

あいつにとっての俺がキラなら、どれほど嬉しいか。

そう思って止まないのは仕方のないことだと思いたい。

 

「だからさ、これを作るのを手伝ってほしいの。これだけはしっかりとしたものを作りたいから」

 

普段とは違う、真面目なララちゃん。その想いは深く理解できる

 

「あぁ、了解だララちゃん。あいつに相応しいいい時計を作ってやろう」

その言葉に強く頷く。あいつが使うってんならしっかりしたものを作ってやらねばなるまい。

 

先行しララちゃんの開発部屋に入れさせてもらった。

 

「ごめんねー、ちょっとまだ完成してないからバタバタしてるけど」

「あぁきにするな、作業できりゃなんでも良いし」

俺は徐にその辺にすわりパソコンを開く。

 

そんでさっきの設計図の確認だ。

ふむ、とくにこれと言って問題はないが・・・

「どう?一応参考にして私なりに描いたんだけど・・・」

「うん、これと言って問題はないと思う。ララちゃん自身メカ作るのが得意だろ?

 

あとは・・・そうだな、ここの回線組み込みは要らないかも。

装着プロセスはこっちの信号で読み取ってるから多分二重になって少しだけ遅くなるかもだから・・・。あとはそうだな、ここにこの線付けたして・・・俺のウォッチと通信できるようにするのもありか」

「ケンイチもすごいよねー!」

「いやぁ、俺はこういうのはてんでわからないよ。

この仕組みも設計図を読んで理解しただけだし」

と言いつつ、嬉しい誤算というかありがたい話でキラのようにすぐにOSを書き換える程度の知識はくれたようだ。

 

それのおかげで事務処理のスピードは確かに格段に上がった。

 

「ララちゃん、君の採取は手伝いに行った方がいいか?」

「えー・・・嬉しいけど大丈夫!自分で見つけたいし!」

確かに彼女の言う通りだ。自分で見つけねば意味もないか

 

「すまん、確かにそうだったな。

だが万が一君に何かあれば親御さんやリトに顔向けができない。

俺のジンを僚機に何機か付けていいか?」

「え、むしろいいの!?」

「もちろんだ。探すのは君中心、何かあった際の助けになれば良い。

ペケも何かあればジンに指示を出してくれ」

『何から何まで、本当に助けになりますケンイチ殿』

「気にするなよ、俺がやりたくてやっただけだからな」

と言うわけでSDのジンを何機かララちゃんの護衛任務に向けて連れて行かせる。これで何かあれば役に立つだろう。

 

「じゃあこいつは俺が作っとくよ。資材と作成ツール借りるな」

と言うわけで万能ツールを借り機材を加工する。

本体自体は素早く完成したので後はOSの設定と調整だ。

 

仕方がない、今日はズル休みしてしまうか。内容は予習してるし問題ないしな。

 

 

 

 

「・・・今日、ララもケンイチも休みかぁ」

「あれ、今日は二人とも休みなんだ」

「そうなんだよ・・・。ララは用事あるつってケンイチも調子良くないみたいだし・・・」

「そうなんだ・・・猿山くんはほら、きっと大丈夫だよ。・・・たまにのサボりじゃない?」

「あはは!確かにそうかもな!」

「・・・(はぁ、やれやれ。理由考えなよ猿山くん。

どうせ何か用意しようとしてるんだろうけど、普段から無茶するんだからそりゃ心配するよ・・・・・・)」

 

やれやれと内心でため息をつく西連寺

 

「(・・・でも、少しだけ心配だな。・・・猿山くん、無理しかしないし)」

 

西連寺春菜が心配しているこの心情を、きっと彼は理解することはない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・いやぁ、今日はなんか嬉しい1日だったな。クラスメートやけに優しいし、春菜ちゃんからジョウロもらえるし」

るんるんで帰るリト。ドアを開けた瞬間皆々がクラッカーを開ける。

 

「「「「リト!誕生日おめでとう!!!!」」」」

「・・・・・・へ?」

「・・・お前、やっぱ誕生日忘れてたな?」

やれやれと苦笑いする才培さん。

 

「まあわからんでもない。あ、もうそんな日かってなるよな」

うんうん、と同意する俺。俺の場合もうすぎてるし。うむ。

 

「リトにね!誕生日プレゼントがあるの!!」

そういわれ、驚きつつも嬉しそうなリト。ララちゃんに言われ庭に来てみれば生えているでっかい花があった。

花というかもはや牙とかある時点で一種の化け物じゃないかなぁ・・・・・・・

 

リトも思わず苦笑いになってるし。うん、そりゃそうなるよな。

困惑するのも無理はないわな。

 

「えっへへ、これその惑星にしか咲いていない花なんだ」

困惑していたリトもそれの意味が分からないほど馬鹿じゃない。プレゼントが想定外のもので困惑はあれどララちゃんがリトを思ってのプレゼントをよこしたというのは察しているだろう。

 

幾分か表情も嬉しそうだ。

「さて、親友。もちろん俺からも君にプレゼントがある。といってもこれはララちゃんが持ち込んだ設計図を作りあげて各種調整をしたにすぎんものだけれどね」

そういいながら箱を渡す。

 

その箱には、とある腕時計が入っていた。

 

MSという鋼鉄の鎧を纏い愛する者たちを守るための力。

 

我が親友(結城リト)にこれを授ける』

 

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