機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー   作:SS好きのヨーソロー

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PHASE 34 自身の立ち位置、賭けねばならない命の重さ

 

 

 

 

 

 

 

ストライクとイージスの激戦を終えて、俺とリトはシミュレーションを終える。

 

シミュレーションルームから出ると、俺たちは地面に倒れ伏せた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・リト、お前やっぱセンス良いな。

本当に、イージスをあんなに上手く乗りこなして・・・」

 

「はあ・・・はぁ・・・・・・・・・、ははっ。頭ん中がクリアになってさ。

あと、なんでかわからないけど・・・アスラン・ザラが、キラ・ヤマトと戦った時の景色が頭に浮かんできたからさ。

ああ、こう戦えばいいのかってなって・・・あとはそのまま・・・」

 

「俺もだ・・・。俺も、キラの景色が浮かんできたから・・・・・・。

どうだ、アスランの操縦は・・・。結構参考になったんじゃないか?」

 

「うん・・・だいぶな。けどなんか、今だから思うけど・・・・・・怖かったな。本当にお前を倒してしまいそうで」

 

「・・・あぁ。けどほら、俺たちは実際に死なねえし。

にしても、お互いマジだったなぁ」

 

なんて笑っていると、凄く。凄くおっかない気配を感じた。

 

「・・・リト。今俺はさっきの戦闘よりもおっかない気配を感じた。

気のせいか?これは気のせいなのか?現在進行形で感じてるこの恐怖はなんなんだ??」

「・・・・・・奇遇だな、ケンイチ。俺も感じてる。なんなら今も感じてる」

 

俺とリト、身体を起こす。

 

そこには般若の気配を感じさせる少女がいた。

 

結城美柑、ブチギレである。

 

 

「リト。ケンイチさん、正座」

 

「お、おいおいどうした美柑?」

「笑ってんのに怖いぞ・・・」

「・・・聞こえなかった?そこに正座」

ニコニコ、と笑っている

 

「お、おー。可愛い顔が怖いぞー?美柑ちゃん」

「そ、そうそう!怖いってば、あはは・・・・・・」

 

「3度目だよ?・・・正座」

 

「「はい」」

言い逃れも言い訳も何もかもできない。

反射的に俺はこの子に勝てないと察した。リトもそうだったのだろう。お互いに正座すれば美柑ちゃんの方へと向いた。

その速度はもはや神速と言っても過言ではない。身体が反射的に動いていた。

 

人間ってほんとに反射神経ってあるんだな。

 

なんて思っていると、美柑ちゃんが爆発した

 

「リトも!!ケンイチさんもっ!!なにを考えてるの!?本当に!!

わ、私・・・!!私本当に!!本当にどっちかが死んじゃうって!2人とも死んじゃうって思ったんだからね!?」

 

そう言いながら美柑ちゃんの目は涙を浮かべていた。

 

大袈裟な、なんて笑いたかったが流石にそんな空気でもない。

 

「やだよ。私を置いていかないでよう・・・・・・」

あかんガチ泣きに入ったこれはまずいほんまにまずい。

「お、おい美柑!落ち着けって・・・な?俺なんともないし」

そう言いながら美柑ちゃんを抱きしめるリト

 

「・・・・・・うぅ、ケンイチさんも」

泣きじゃくりながらこっちをみる美柑ちゃん。

いや俺もかよ!?って顔になったけどリトの顔見て察した。

あ、これマジのやつですね

 

「よーし、おいで。・・・大丈夫、リトも無事だしもちろん俺も無事だ。君を1人にはしないから」

 

 

側から見れば男子2人が女子小学生を抱きしめてるとか言う超とんでもない事案光景である。

ぶっちゃけすごい自虐して精神統一したいけどそれすると美柑ちゃんがぶっ壊れるのと多分リトがブチギレるので出来ない。

 

俺のキャラじゃないのになぁ。

 

 

 

 

 

 

ザスティンもすごい苦笑い。

なんでだ???

「・・・・・・あのなぁ、お二人とも。戦闘ログを見たまえ、そしてララ様の顔を見たまえ」

 

ララちゃんも涙目でした。

 

え?どうしたかって?同じことしたよ。

 

だから俺のキャラじゃねえって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・確かにこれはトラウマなるわな」

「おう・・・俺とケンイチ怖すぎないか?」

「間違いない」

美柑ちゃんの特製唐揚げを食べながら映像見てた。いやほんまにこれ閃光の刻の状態だ。

 

お互いハイになっていたとはいえこれは確かにトラウマになるわな、見てる方

 

これを夕方に放送していたってんだからやばいわなガンダムSEED

 

確かに目の前でこれ繰り広げられたら嫌だわ。

 

「・・・・・・ケンイチさん、今日構ってください」

俺の裾を引っ張る美柑ちゃん

「え?今日?」

「・・・・・・寂しいです」

原作、と言うよりかは本来ならば彼女はもう少し我慢というか何も言わない感じだったが・・・。

いかんな、こりゃ。相当堪えたか。

 

 

「しょーがないわねー・・・リト、付き合いなさい。ゲームすっぞ」

「おん。引っ張り出すわ」

というわけでゲームの用意をする。

 

「・・・さ、美柑ちゃん。俺とリトがいるし寂しくねえよ」

「・・・えへへ、はい!!」

嬉しそうに微笑む美柑ちゃんと仲良くゲームをするのだった。

 

 

夜も遅くなり、俺はそろそろ自分の家に帰ることにする。

美柑ちゃんは久しぶりにリトに甘えている様子で兄妹仲睦まじい、と言うよりかは美柑ちゃんが甘えてた。

 

リトのやつ妬ましいぞ貴様ァ!と心の中でイザークしておくとしよう。

美柑ちゃんはまあ、原作通りリトのことが好きなんだろう。いい光景だ。

 

ならばこれ以上俺はその場にいるべきではない。

「ではリト、また明日な。美柑ちゃんもおやすみ」

 

 

 

 

 

 

 

そう述べて俺は家に帰ればシミュレーションルームに行く。

 

 

 

「・・・よし、良いものも見れた。原作キャラの絡みってやつか。ならば俺は・・・!!」

 

守るために強くなる。故に鍛える。

 

ストライクを纏い対装甲コンバットナイフ・アーマーシュナイダーを手に取り的に走り出す。

 

スラスターを噴き斬ればすぐに横に移動。

75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルンを正確に撃ち込む。

反撃のミサイルを砂漠時のキラのように華麗に避ければ的を蹴っ飛ばす!

 

 

そんなトレーニングをしている中だった。

 

「・・・相変わらずだな、ケンイチ殿は」

そこにいたのはザスティンだった。

 

「ザスティン殿・・・?」

「・・・君は、本当に自分が嫌いなのだな」

急な物言いについ素っ頓狂な声が出る。

「はぁ?藪から棒になんだ??」

「・・・先ほどのだ。

君はリト殿にとっての邪魔者、そう判断しているな」

「・・・・・・・・・あぁ、それがどうした?」

「否定することもなく肯定のみか。

貴殿だって美柑殿と親しいだろう」

 

その発言を聞いて、思わず吐き気を催した

 

「っ・・・ザスティン殿、下手なことを言うな」

「やはり。・・・君は女性との仲を言われれば嫌悪を抱く、自分に。

 

・・・君は、君の内に秘めている自己否定感にいつも苛まれている。そのせいか、相手がどのように君を肯定しようとも認めることはなく、その度に自分を否定する。堂々巡りとはこのことだろう?」

ザスティンの発言に俺の神経が逆撫でされていく感覚になる。

 

何を知ったふうに。

 

何をわかったふうに。

 

 

誰からも、認められないんだよ。俺は

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・ザスティン。俺は誰からも認められるわけにはいかないんだ。

 

俺はそんな立場の人間ではないんだ。

 

俺は悪だ。だからこそ正しく強くなり、皆を守らねばならないんだよ」

 

「・・・・・・君をここまで嫌悪させるものは何だというのだ。

まあ良い、構えたまえケンイチ。

 

私は貴殿に世話になっている。

 

が君は子供だ。故に、私が大人として貴殿に胸を貸して差し上げよう。まあ鍛錬だと思ってくれれば良いさ」

 

そう言うザスティンに、俺は構える。

 

構えなきゃいけないんだ

 

「・・・グランドスラムッ!!装備ッッッッ!!!」

これはプラモデル版のオリジナル非公式武器ではあるが、旧設定ではストライク用の大剣であり、簡略化されたコンバットナイフ アーマーシュナイダーが採用された後はバスターに取り回されるはずの武器、とされている。

 

ザスティンは大剣を当然のように振り回す。

ならば、俺だってグランドスラムの一本くらいは振り回さなきゃならんだろうが。

 

「はぁぁぁぁぁっっっ!!」

スラスターを噴けばグランドスラムを突き出し刺突武器のように運用する。そのまま刺し貫こうとする戦略だ

 

「ほぉ、大型の剣か!しかしそれは大ぶり故に動きが決まっているぞ!!」

簡単に回避して次にこちらの腹を斬らんとするザスティン。

 

「そんなことは百も承知!!うおりゃぁぁぁっ!!!」

 

剣の重みなど無理やり耐え抜き俺はスラスターを上に、跳躍。

 

空中で思い切り手首を折る勢いで振り上げるとザスティンの斬撃を受け止める。

 

チッ!!足が地面についてないからスラスター頼りになりきついが・・・耐えて見せろっ!!

 

 

相手が攻撃をいなし、身体を逸らすと勢い余って俺の体は前に進む。とすぐに身体を反対向きにまわし今度はしっかりと地面に着地。

 

地面を叩き削る勢いで思い切りグランドスラムを振り下ろす。

 

「こなくそおおおおおおおおおおおッッッッ!!!」

 

ドゴォッッッッ!と激しい砂埃を起こすとやはりそこにザスティンはいなかった。

 

 

っ!!斬撃が来る!!!

「フェイズシフトォッ!!耐えろおおおおッッッッ!!」

腹にめいいっぱい力を入れれば強い斬撃を耐える。無理やりに耐えるっっ!!

 

「次ィッ!!イーゲルシュテルン!焼き付くまで撃ってやる!!」

なんとかバックで飛び退きながら頭のイーゲルシュテルンをフルオート、走りながらグランドスラムを振り回す。

 

重いだとか、きついだとか、そんなものはどうだって良い・・・!!

 

勝てないなら。

 

手が届かないなら。

 

皆から嫌われるならばッッ!!!!

 

「死してなおぶっ倒すッ!!!!!」

 

ブォンッッッッ!!!とグランドスラムを思いっきり投げ飛ばし、ストライカーをスタンバイする。

 

「セレクトォッ!エールストライカー!!」

 

AQM/E-X01エールストライカーを装備し一気に加速、ラックから二本のサーベルを射出しつかむとビーム展開。

 

ビームサーベル二刀流、防御を取らない構えで相手に接近をする。

 

「防御はどうした!!格好の的だぞ!」

「だからどうした!!お前にまともに防御なんて通用するかよ・・・ッ!!!!!」

この構えは案外理にかなっている。

デビルーク、いや銀河でもかなりの強さを誇るザスティンだ。

一般人のクソガキが防いだところでどうにかなるもんじゃない。

 

ならば、機体に縋ることしかできない弱者ならば。

 

フェイズシフト装甲を信じて、己が肉を斬らせてでも一撃叩き込むッ!!!

 

 

「やってやらぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッ!!!!!」

痛い。斬撃がフェイズシフト装甲を削り取る。

 

止まるな、手を動かせ。足を動かせ。

 

あいつからみれば茶番だ。

 

それでもッ!!

 

それでも、リトを守るためにッ!!!!

 

俺が女の子たち(ヒロイン)を傷つけないようにッ!!!

 

 

 

 

最悪の光景、己が醜態は一つのトリガーを引き起こす。

 

 

S E E D 覚 醒 ! !

 

 

視える、全てがスローモーションで。

 

視える、全ての斬撃のモーションが。

 

視える、相手の次の動きの予測線が。

 

 

動ける、この魂がまだ朽ちてない限りッッッ!!!!

 

 

フェイズシフト装甲は攻撃を受けすぎて限界が来てディアクティブモードになる。

 

だからどうした。身体はまだ動く、動くだろう!!!!

 

 

攻撃(ストライク)の名を冠するものとして。

 

主人公の機体を纏うものとして。

 

 

止まるな。最後の一瞬まで!!!

 

 

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

二本のアーマーシュナイダーを手に取り重荷になるエールストライカーをパージ、盾を相手に投げ飛ばし、俺は走り跳ぶ。

 

そのままザスティンめがけてナイフを、突き刺すッ!!!

 

 

 

「見事ッ!!!

よくぞここまで抗って見せた!!!」

 

 

俺の突き刺したナイフ。

 

そして俺がザスティンから受けた斬撃。

 

すべての蓄積、ダメージの累積。

 

機体は、もうとっくに限界を迎えていた。

 

 

激しい爆音と起こる爆風

 

燃え盛る炎、機体を赤く染め焼く熱

 

 

 

やはり、死すべき覚悟を以てしても・・・・・・俺は強者になりえることはない。

 

それだけがただ事実として、そこにあるだけだった。

 

「どうして、俺は・・・・・」

 

強くなろうと思っても、どれだけ死ぬ気で体を動かしても、届かない。

立ち入れない、強者の世界。

 

戦闘だけでない。リトのように熱く心優しい強さだって持ちえない。

 

自分には、何もかもが根本から足りていなかった。

 

 

本当に、強くなるのなら。

 

俺は、死ぬ気で・・・・いや、死ぬ気ではまだ、どこか自分に甘えている。

 

 

真に強くなるためならば、俺は覚悟を以て死なねばならない。

 

 

いつか来るであろう、俺の終わり。

 

それまで抗い続けなければならない。

 

この忌み嫌われる道を進むと決めた時から、安息なんてものは許されてはいないのだから。

 

 

 

 

 

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