機動戦士ToLOVEるSEEDー猿山ケンイチの受難ー   作:SS好きのヨーソロー

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PHASE 5 ストライク、友を守る騎士の姿

    

 

 

デビルーク惑星の王女らを守る親衛隊隊長ザスティン。

彼はララ・サタリン・デビルークを取り返すためにリトへとその刃を向ける。

 

そう言う展開は仕方がない。それについてはなんら文句はない。

その立場になれば姫君が何処の馬の骨ともわからない男に騙されている。だとかそう言うことになるのも無理はない。だが、己の感情を出すならば迷惑もいいところである。

ララ嬢に好かれる、それはまあ物語として成り立つし、みていて面白い

 

しかし、それで命狙われるのもなんだか違う話だ。

 

「貴様・・・猿山ケンイチ!!」

「お名前覚えていただき光栄だ、ザスティン殿」

「貴様、部外者だろう!!」

「そうだなぁ。俺は部外者だ。

リトが誰と幸せになろうが関係ないし、俺からすればララ嬢のことは関係もない赤の他人だ。

 

しかしね、ザスティン殿。

 

俺は、結城リトの親友なんだよ。

こいつが危険な目に遭い、それで命危機迫るなら俺は戦う。そのための力。

 

だからこそ、抗わさせて貰うよ。

 

結城リトの親友(GUNDAM)としてね。」

装着した機体はGAT-X105ストライク

それにAQM/E-X01エールストライカーを装備したエールストライクである。

 

これはストライクの機動力確保の機体であり、原作では宇宙用機体であるにも関わらず短時間であれば地上での旋回、飛行も可能と言うもの。

ビームライフルやビームサーベルを使うに1番適した基本フォームといっても過言では無い。

 

そうして、今この場に顕現せし纏いしストライクは飛行も問題なく可能で、機動力も底上げしている。

 

例えば背中を後ろに転けたとしても。

このようにスライド飛行ができる!!

 

「くっ!?早い!!」

「俺とて無闇に攻撃を受けるつもりはない!歴戦の実力者に挑むんだ、ずるいだとか卑怯だとかは御法度願うぜ!!」

ぐいんっ!!とその身体を垂直に。そして、上空へと躍り出ると57mm高エネルギービームライフルと75mm対空自動バルカン砲塔システム イーゲルシュテルンを起動。

 

実弾を頭部から放ち、その隙間に的確にビームライフルを撃ち込んでいく。

 

「チッ!!猿山ケンイチ!そのストライクとやらの力侮れん!!」

対するザスティンも流石の実力者だ。

一目で頭部バルカンが実弾だと理解するとすぐさま剣で斬り裂く。

ビームはその性質上かなり脅威になることを知っているのか短い挙動で全て華麗に避けていく。

「くっ、流石に実戦慣れしている!」

「貴様らのような甘い環境ではな!」

「友人がいれば死地なんて、これしきのこと!!」

ビームサーベルの思わぬ予想外のことでザスティン殿の刃と鍔迫り合いができてしまう。

これはあまり嬉しくない出来事だ。

がしかし、それを理由に逃げ出すやら降参やらは言語道断!

後ろに2人がいるんだ、ならば下がる理由もない!

 

「おおおおおッッッッッ!!!」

エールのスラスターを思い切りふかしサーベルを連撃で振り回す。猛攻とはまさしくこのこと。

ザスティンを防御の流れに持って行かせる。

 

「甘い、甘いぞ猿山ケンイチ!貴様の連撃なんぞ他のものに比べれば」

「わかってるわボケぇっ!!!」

次の瞬間、ストライクの対ビームシールドで思い切り殴り上げる。

 

「お前に勝てないことは百も承知じゃ!!抗いさえできればッ!!」

殴り上げた身にビームライフルを連射。

体制を立て直したザスティンはそのまま華麗に空中で障害物を使い巧みにバックステップ回避。

そのまま地面に降り立った。

だがそれを逃すと思うか?

 

「おうらぁっ!!!!」

一気に眼前に躍り出るとストライクの足で膝蹴りをかます。

 

「ぐあっ!?」

「ザスティンッ!!!!!」

よろけるザスティンとそれを案じるであろうかララちゃんの声。

 

彼女からすれば、ザスティンは大切な身内で。

ザスティンはリトの敵で。

でもララはリトのハーレムの一人で。

 

どう転んでも、俺的には美味しくない展開だ。

 

じっ、とララの方に顔を見せる。

怯えた様な、なんとも言えない顔。

あぁ、そうだ。

それを見て、俺は迷いを捨てることができる。

もう、どうなったっていい。はなから居場所なんてものはないのだから。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッッッッッッッッッッ!!!!」

ブースター全開、足を突き立てて思い切りザスティンの背後に回ると蹴り上げる。

 

「ちぃっ!!!!」

「それでもぉぉぉッッッッ!!!」

原作を知っていたとしても。

ララちゃんが俺を嫌ったとしても。

リトが俺を毛嫌いしたとしても

そもそもの扱いが酷いのならば、今更どうだっていい。

 

それでも!!!

「リトの害になるならば即刻ここから立ち去れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!」

背負う、全て背負う、原作を壊した罪を、全てのヘイトをッッッッ!!!!!!!!!

ザスティンの大剣を身体を逸らし回避する。

この体制じゃビームサーベルは扱えない。だからこそ・・・

モビルスーツの腕で、その肉体を殴り飛ばす!!!

 

 

ガキィィィンッッッッ!!!!

と人間の身体が出すにはいささか機械的すぎる鎧の音が鳴る。

放った拳は相手の鎧を打ち身体を吹き飛ばす。

不安定な落下をしたがエールストライクのスラスターでなんとか体勢を持ち直す。

 

はぁ、はぁ・・・・・・と息を吐く。空気はまるで宇宙や砂漠戦を経験したキラ・ヤマトさながら。

額には汗が流れ、肩は呼吸する度に上がっている。

ビームサーベルを、そしてアーマーシュナイダーを構えれるようにして。いつでも継戦できるように構えている。

 

「もう、やめろよ!!」

叫んだのはリトだった。

「急に俺ん家に来て!変なことに巻き込まれて!!親友が変身して!!そいつが命かけて!!

ふざけんな!!俺は普通に生きたいんだよ!!親友と!!もう巻き込まないでくれよッ!!!!」

 

そう叫ぶリト。

それに共感をしたのはララちゃんだった。

 

「・・・私も、普通に生きたい。普通の生活をして、普通に恋をして。普通に友達と遊んで。

・・・わたし、リトなら本気で結婚していいと思ってる。

ケンイチだって。私、ケンイチのこと信頼できるもん。私のこと、任せられるよ・・・」

 

それは、信頼にしてはやけにでかいものだった。

俺がヒロインの一人に任せても良いと言われる。それの時点でイレギュラーであり原作を知るものからすればよろしく無い光景なのかもしれない。

内心心苦しくもある。俺はそんなキャラじゃないし、立場でも無いのだから。

 

「・・・・・・・・・・・・」

リトとララちゃんの言葉を黙って聞いていたザスティン。

しばらくして、やれやれと口を開くのだった。

 

「・・・・・・ララ様のお気持ちを尊重できず、王に仕えることしかできずに恥ずかしい。

ララ様のお気持ち、よくわかりました。私の口では微力かもしれませんが王には私から話しましょう。

結城リト、ララ様のことをよろしく頼むぞ」

「は、はぁ!?!?」

「それと猿山ケンイチ殿。貴殿の腕前見事であった。その腕でどうかララ様を守ってやってくれ」

「俺の行動理由はリトだ。親友のために戦う。

けどまぁ、それがララちゃんを守ることに通ずるなら何が何でも守ってみせるぜ」

ふっ、と微笑み同意する。

 

「ララ様、良い人に巡り会えましたな」

「うん、そうなんだ!!」

 

かくして、親衛隊隊長ザスティンの襲来は俺のストライクでの奮戦とリトの熱意をもって解決に動くのだった。

 

『パワーオフ ディアクティブモード』

 

フェイズシフトが切れ、無通電力モード、ディアクティブモードになる。

 

がこん、と離れたバックパック。

エールストライカーは粒子になって消え、自分の身体がそのままゆったりと地面に倒れ伏せるのだった。

 

「猿山ッッッッ!!!!!!!!!」

あぁ、やっぱり。

上手くはいかない、よなぁ・・・・・・・・・

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