らんま1/2 ~男溺泉の最強師匠、手違いで乱馬の「公認彼氏」になり、天道家公認で夜の営み(武術)に励んでます~ 作:この俗物怪物くん
前回、七瀬はるかによって昇降口が戦場と化し、
九能帯刀が人間の形を保ったギリギリの何かになったわけだが……。
今朝、その九能が 干物化して登校してきた。
しかも床下収納から発掘されたっぽい顔である。
これはもう事件だ。ミステリーだ。生態系の危機だ。
そこへ追い討ちをかけるように、はるかが放った爆弾ワード──
「昨日の夜は帯刀と二人きりで激しい運動してたから」
これによって教室は大爆発、男子は暴走、女子は赤面、
なびきは現金を数え始め、乱馬だけは真顔で「稽古か」とか言い出して地獄絵図。
そして読者のあなたは、
「今日はどんな誤解が量産されるんだ……?」
と思っているかもしれない。
安心してほしい。
誤解は量産型どころか、フルオートで射出される。
朝の通学路に、風林館高校名物の男がいた。いつもなら着物をはためかせ、木刀を肩に担ぎ、世界の中心は自分だと言い張る勢いで歩く九能帯刀である。
だがこの日の九能は違う。背筋はぐにゃりと曲がり、片足を引きずり、顔色は床下収納から発掘された干物レベルだ。背後に「どよ〜ん」という文字が見えても、誰もツッコまない自信がある。
通学中の生徒たちは、その異様なオーラに本能的に道を譲った。自然と左右に人の流れが割れ、九能専用レーンが出来上がる。
「うう……階段……上りたくない……」
地面に吸い込まれそうな声がもれた。筋肉痛が全身を占拠し、腕を少し上げるだけで悲鳴が走る。太ももは一本一本が独立国家気取りで反乱を起こし、ふくらはぎには昨夜の素振りの回数が刻まれている。
その頭上から、さらに騒がしい声が落ちてきた。
「おーい九能センパイー!」
屋根の上から赤い影が飛び降り、くるりと一回転してから、九能のすぐ横に着地した。早乙女乱馬である。
「七瀬はどこだ?今日こそ勝負させろって伝えとけよ!」
乱馬は朝から元気いっぱいに叫んだ。声が無駄に爽やかだ。
九能の耳には、かろうじてその音が届いている。届いてはいるが、脳が情報処理を放棄していた。目は半分閉じたまま前方のどこかを見つめている。
「…………」
沈黙。木刀の柄に添えた手がぷるぷると震えているが、威嚇ではなく筋肉の悲鳴である。
「おい無視すんなよ。七瀬だよ七瀬。あの気取った師匠を出せ!」
乱馬は返事がないことに腹を立て、九能の周りをぐるぐる回り始めた。黒髪と赤いチャイナが円を描き、人型ハエができあがる。
「昨日の続きだ。今度は一発くらい当ててやるからな!」
本来なら、ここで九能の決まり文句が飛ぶ。
「黙れ早乙女!貴様を木刀の錆にしてくれる!」
というやり取りがセットだ。ところがこの朝は違った。
九能は、ゆっくりとまぶたを持ち上げ、口を開くまでに三秒ほど時間をかけてから、かすれた声を絞り出した。
「……早乙女……すまない……。頼むから、静かにしてくれ……。今の僕には、蚊を追い払う力も残っていないのだ……」
「はあ?」
乱馬は回転を止め、九能の正面に立ちふさがった。真正面から見た九能の顔は、ギャグを超えてホラー寄りだ。目の下のクマは二日酔いサラリーマン級、唇はカサカサ、頬はげっそり、髪の毛はいつも以上に暴れている。
「何言ってんだよ。昨日の負けがそんなにショックか?」
「負けなど、どうでもよい……。問題は、その後だ……」
九能は遠くを見る目になった。昨夜の河原、ひたすら続いた素振り、ダッシュ、水浴び、風呂、再び素振り。思い出しただけで体中の筋肉が過去の自分を責めてくる。
そこへ、後ろから涼やかな声が割り込んだ。
「おやおや。朝から良い見世物じゃない」
天道なびきである。財布の匂いには誰よりも敏感だ。腕を組み、顎に手を当てて二人を眺める。
「九能ちゃん、乱馬くんにあれだけ絡まれても言い返さないなんて。お腹でも壊したの?それとも変なものでも食べた?」
軽く笑いを含んだ声色だが、九能は突っ込みを返す余裕すらない。ただ、ギギギと機械仕掛けのような動きで首をこちらへ向ける。
「……天道なびき……か……。僕は今、できることなら指一本、まぶた一枚すら動かしたくないほど疲労している……」
「へえ?」
「筋肉という筋肉が悲鳴を上げ、細胞一つ一つが休息を求めている……それだけなのだ……」
ドラマチックなモノローグを残し、九能はふらりと前へ倒れた。そのままの勢いで昇降口の下駄箱に上半身を預け、見事な土下座体勢に近い形で突っ伏す。
「お、おい先輩?」
乱馬が肩を揺さぶるが、九能から返事はない。かすかに聞こえる規則正しい呼吸だけが、辛うじて生存を主張していた。
なびきはその様子を眺め、心の中で手帳を開く。
あのはるかって子、昨日から話題だったけど……一晩でここまでボロボロにするとはね
目を細め、同時に別の計算も始める。
『九能家・地獄特訓一泊二日の真実』レポート、写真付きで一冊千円。保護者向けには「子どもを鍛える正しいスパルタ」とタイトル変えれば二千円いけるかも
登校ラッシュの中、そんな黒いビジネスプランが静かに育っていくのだった。
一年F組の教室は、ホームルーム前のいつものざわめきに包まれていた。男子は机をくっつけてカードゲーム、女子は週末の予定を相談し、教科書を開いている人間は絶滅危惧種である。
その空気の中、教室の扉が開いた。
「おはよう」
七瀬はるかが入ってきた。声は爽やかだが、首を軽く傾けながらコキコキと音を鳴らしている。肩をぐるりと回し、関節の動きを確認している様子だ。
その瞬間、乱馬が勢いよく椅子を引いて立ち上がった。
「おう七瀬!待ってたぞ!」
椅子が後ろの机にガンと当たり、教室の視線が一斉に乱馬へ向く。その視線をまるっと無視して、乱馬ははるかの机の前までずかずかと詰め寄った。
「とにかく勝負だ!今すぐ屋上いこうぜ!」
机に鞄を置く暇すら与えないやる気である。クラスのあちこちから、「朝から元気だなぁ」という呆れと感心が入り混じったため息が漏れた。
はるかは、困ったように眉をわずかに寄せ、肩を軽くすくめた。
「乱馬、昨日の今日で何も掴めていないなら、戦っても時間の無駄よ」
「うぐっ……」
乱馬の胸にクリティカルヒットだ。言い返したいが、事実なので反撃しづらい。昨夜は確かに反省会をしようとしたが、途中でお風呂とご飯と睡魔に負けた。
はるかは自分の席に鞄を置き、首を左右に回した。ポキポキと小さな音が鳴る。
「それに、私も昨日の夜はずっと帯刀と二人きりで激しい運動をしていたから、体がガタガタなの。少し休ませてくれない?」
一瞬、時間が止まった。
次の瞬間、教室全体に目に見えない「ピキーン」が走る。
「……今、なんて?」
「二人きりでって聞こえたよな」
「夜の激しい運動って単語がさらっと出た」
「ちょっと誰か録音してないの?」
男子たちの脳内では、健全ではない方向の映像が高速生成されていく。女子たちも女子たちで、視線を交わしながら表情だけでディスカッションが始まっていた。
「ねえ今の、完全にアウトっぽくなかった?」
「言い方の問題が大きいと思う」
「九能先輩、さっき死にそうな顔で登校してたよ」
「廊下で見た。幽霊かと思った」
「あの状態で『激しい運動』を想像すると、いろいろヤバい」
そんな中、空気を読まない男が一人。乱馬である。
「あ?運動?九能と?……ああ、稽古か」
乱馬は、すっきりした顔で手を打った。
「ずりーぞお前らだけで!俺も混ぜろよ!」
教室の空気が、一気にカオスに振り切れた。
「お前、今の流れでそれ言う度胸すごいな」
「混ざる気満々宣言出たぞ」
「鈍感っていうか爆弾っていうか」
あかねは慌てて立ち上がり、机を叩いた。
「ちょ、ちょっと乱馬!」
「何だよ」
「あんたねえ、もう少し言い方選びなさいよ!」
「別におかしなことは言ってねえだろ。稽古だよ稽古」
「その前提を共有してるの、あんたと七瀬さんだけなんだってば!」
はるかは教室のざわめきを聞きながら、ほんの少しだけ口元を緩めた。
「ふふ。乱馬にはまだ早いかな」
その一言で、さらにざわめきは増幅する。
「今『まだ早い』って言った!」
「完全に経験者ムーブだろ」
「高校一年でその余裕は怖い」
さらに追い打ちをかけるように、はるかは何気ない調子で続けた。
「あれは帯刀だから耐えられた愛の鞭だし」
「ぶっ!」
教室の何人かが、文字通り吹いた。飲みかけのジュースが前の席に飛び、ノートに「愛の鞭」が水玉模様で刻まれる。
「い、今、愛の鞭って言ったよな」
「鞭プレイの自己申告来たぞ」
「九能先輩、昨日の夜いったい何本受けたんだ」
「本数で数えるのやめろ!」
女子の頬は一斉に赤くなり、男子は男子で妙なテンションになっていく。
「九能先輩のあのやつれっぷり、そういう意味だったのか」
「人生の階段どころか断崖絶壁を転がり落ちた感あるな」
「くそ、先輩のくせに」
「嫉妬ポイントが迷子だよアンタ」
当の乱馬は、相変わらず話についていけていない。
「愛の鞭?何だそれ。木刀でしばかれたのか?」
「大枠では間違ってない気もするわね……」
あかねが頭を抱えた。
「ねえ七瀬さん、本当に誤解を解く気ある?」
はるかは肩をすくめてみせる。
「事実をそのまま言っているだけよ。帯刀にはたっぷり愛情を込めて、正しいフォームを叩き込んだ。熱湯と冷水も活用したし」
「その説明が一番誤解を増やしてるって分かってる?」
クラスメートたちの妄想は止まらない。
「熱湯と冷水とか、完全にそっち系のワードだろ」
「体を鍛えるための温冷交代浴……だよね、多分」
「多分ってつけるのやめなさいってば」
黒板の前で巻き起こる騒ぎを遠目に眺めながら、なびきは机に頬杖をついた。
『七瀬はるかと九能帯刀の夜の真実』特集、小冊子三千円。写真が手に入ったら五千円コースね
頭の中の電卓はフル回転だ。商人としての反応速度は、はるかのステップに負けていない。
その一方で、教室の隅では乱馬が腕を組み、ひとりだけ真面目な顔をしていた。
どんな特訓だろうが関係ねえ。あの七瀬をいつか超えりゃそれでいい。
◇◇
「関係ねー! 疲れてようが何だろうが、俺は戦いたいんだよ。さあ構えろ、七瀬!」
乱馬は机に片足を乗せそうな勢いで身を乗り出す。拳を握り、今にも廊下へ突っ走る準備完了だ。
はるかは鞄のチャックを閉めながら、目だけ動かして乱馬を見た。
「話はさっきしたはずよ。疲れているから、今日はやめておく」
「やめねー! 今この瞬間にやるから意味があるんだ!」
乱馬がその腕をつかもうとした瞬間、背後から伸びた手が首根っこをつかんだ。かなり慣れた手つきだ。
「いい加減にしなさいよ、乱馬」
あかねである。乱馬の襟をがしっとつかみ、そのまま後ろへぐいっと引っ張った。乱馬の足が床を滑り、さっきの勇ましい姿勢から一気に情けない体勢に変わる。
「ぐえっ!? 首が締まるって!」
「はるかさんが疲れてるって言ってるでしょ。迷惑だって分かんないの?」
あかねはちらりとはるかに視線を送り、すぐに乱馬へ睨みを戻した。眉間にしわ、右手には校内最強クラスの握力。
「お前には関係ねーだろ。俺は武道家としてだな……」
「関係あるわよ。クラスの迷惑になるからやめてって言ってるの。本当にデリカシーがないんだから」
あかねはぐいっとさらに力を込める。乱馬の足先が少し浮いた。
「う、うっせーな! お前こそかわいくねーんだよ。色気より食い気の筋肉女が!」
「な、なんですって!」
あかねのこめかみに青筋が浮かぶ。掴んでいた手に力が入り、乱馬の首がきゅっとしまった。
「痛い! 窒息する! 殺す気かよ!」
「ちょうどいいわよ。そのまま少し反省してなさい!」
いつものパターンに入った瞬間、周囲の生徒たちは自然と距離を取り始めた。机をじりじりと後ろへ引き、前列の数人はすでに避難完了だ。
「朝から夫婦喧嘩」
窓側の席から誰かがぼそっとつぶやく。
「こないだも英語の時間にやらかして、先生にチョーク投げられてたよな」
「もう先生も『またか』って顔してるし」
クラスの半分くらいは、この光景に慣れている。黒板の上に「本日の天気」と書きかけていた誰かが、本日の乱馬とあかねと書き換えようとして、隣に止められた。
はるかは、そんな教室の空気を端から眺めていた。机に腰をおろし、あくびを一つ隠してから、隣の席の女子に小声で話しかける。
「ねえ、あの二人、いつもああいう感じなの?」
女子はノートの端に落書きを続けながら、ため息まじりに返事をした。
「ほぼ毎日よ。一応、許嫁なんだけどね」
「許嫁?」
はるかの目がわずかに輝く。興味という単語がそのまま瞳に浮かびそうな勢いだ。
「そういう話になってるの。家同士の事情でね」
「ほう……許嫁、ね」
その一言の後で、はるかの口元がニヤリと歪んだ。悪戯を思いついた子どものような笑顔だが、視線は妙に冷静だ。
なるほど。これはいい素材を見つけた
教室の真ん中では、乱馬とあかねの言い合いがますますヒートアップしている。
「誰が筋肉女よ!」
「誰でも知ってる事実だろ。やたら力持ちで、すぐ殴るし、腹もよく鳴るし」
「うるさい! アンタになんか心配されたくない!」
「こっちも頼んでねーし!」
机が揺れ、椅子がひっくり返りそうになる。そろそろ教師の介入か、机ごとの退避か、どちらかが必要になりつつある。
そのタイミングで、はるかがすっと立ち上がった。さっきまでの観客モードから一転、舞台へ上がる側の表情に変わる。
「はい、そこまで」
はるかは二人の間に滑り込むように入った。肩と肩の間に身体をねじ込み、両手を軽く広げて二人を制した。
予想していなかった乱馬とあかねは、そろってぎょっとする。
「な、なんだよ七瀬。止めんなよ!」
「そうよ、今いいところなんだから!」
声がぴったり重なったことで、周囲から笑いが漏れる。
「ほら、やっぱり夫婦」
「息ぴったり」
はるかは二人を見比べ、小さく息を吐いた。
「乱馬」
名を呼ばれ、乱馬は反射的に姿勢を正した。
「あかねちゃんは、乱馬のことを心配して止めたの。そんなに怒らなくていい」
「はあ? こいつが俺を心配?」
乱馬はあかねを指さし、信じられないものを見る目を向けた。あかねは「見ないでよ」と言いたげに顔を背ける。
「そして、あかねちゃん」
今度はあかねの方へ視線が向く。はるかは、少しだけ優しい声色に変えた。
「乱馬の今の焦りは、強くなりたいという気持ちの表れ。武道家にとって大事な向上心よ。将来の妻になるなら、そのあたりの男心も大事にしてあげないと」
「なっ……」
あかねの顔が一瞬で赤くなった。耳まで真っ赤だ。
「つ、妻ぁ!? は、はるかさん、私、乱馬のことなんて全然……」
否定の言葉が口から飛び出すより早く、はるかがじっとあかねの顔を覗き込んだ。瞳と瞳が近距離でぶつかる。
「口ではそう言ってるけどね」
はるかはニコニコしたまま、指で自分の頬をつつく。
「顔に書いてある」
「か、顔に?」
「『乱馬が他の人と戦って怪我するのが心配』『私の前で他のことに夢中にならないで』『大好き』」
教室の空気がもう一度弾けた。
「え、ええええっ!? そ、そんなの書いてない! どこにそんな文字が!」
「ここ」
はるかは、あかねの額の上あたりを指さした。
「ここ一面に、行間たっぷりで」
「行間とか使わないで!」
周りから笑い声が上がる。
「行間読みの達人だ……」
「心の声が字幕付きなんだな」
乱馬はニヤニヤしながら腕を組み、あかねを見下ろした。
「へえ〜〜。そーなのかよあかね。素直じゃねーな。俺のこと好きなんだな?」
「う、うるさい! 誰がアンタなんか!」
あかねは拳を振り上げるが、その拳が振り下ろされる前に、はるかの視線が今度は乱馬へ向いた。
「で、乱馬の方もね」
「は?」
「『あかねに構ってもらえて嬉しい』『本当は止めてくれてホッとしてる』『あかねが好き』」
はるかは淡々と読み上げた。教室の温度が一気に上がる。
「ぶふっ!!」
乱馬は咳き込んで机に手をついた。さっきまでの余裕はきれいさっぱり吹き飛んでいる。
「だ、誰がだよ! そんなの書いてねー!」
「いいや、でかでかと書いてある」
はるかは乱馬の胸あたりを指でつついた。
「この辺一帯に、特大フォントで」
「フォントとか言うな!」
あかねは、耳まで真っ赤なまま固まっている。クラスの面々は、二人を見て、はるかを見て、また二人を見て、勝手に納得していた。
「ああ、やっぱりそうなんだな」
「知ってたけど、第三者から言われると説得力が違う」
「プロの解説入り夫婦喧嘩だ」
はるかは二人を交互に眺め、やれやれと肩をすくめる。
「好きなら好きと素直に言えば済むのに。どうしてわざわざ喧嘩という手段を選ぶのか、不思議ね」
「い、いや別に好きとかじゃねーし!」
「そうよ! 全然!」
否定の声がハモった。教室のあちこちで、机を叩いて笑う音がした。
「ほら、声までそろってる」
「やっぱり夫婦」
はるかは黒板の方へ歩き出しながら、背中越しに言葉を投げる。
「高校生にもなって、中学生レベルの恋愛ごっこ。まあ、見ている側からすれば分かりやすくて助かるけど」
「ちゅ、中学生レベル……!?」
乱馬とあかねは、同時にその場で固まった。頭の中に、中学時代の自分の姿が浮かぶ。ジャージ姿で廊下を走り回り、給食のおかわりを取り合い、同じテンションで怒鳴り合っている絵面だ。
「なんか、妙に刺さるわねその表現……」
あかねはぎゅっと拳を握りしめた。
「お、おいあかね。俺たちってそんな子どもっぽいか?」
「アンタは十分子どもっぽいわよ!」
「お前もだろ!」
再び言い合いになりかけたところで、クラスの前方からパチパチと拍手が起こった。誰かがふざけ半分で始めた拍手が、連鎖していく。
「七瀬さん、よく言った」
「代表してくれてありがとう」
「クラスの総意だな」
はるかは席に戻り、頬杖をつきながら小さく笑った。
「こちらこそ、いいものを見せてもらっているし」
そうつぶやき、窓の外へ視線をやる。朝の光が差し込み、校庭では準備運動をする姿が見える。
退屈だけはしなさそうね
心の中でそう結論を出し、はるかは再び乱馬とあかねの方へ視線を戻した。二人はまだ顔を赤くしたまま、お互いに何か言いたげに睨み合っている。
ここ風林館高校での生活は、どうやらかなり面白い日々になりそうだ。
はい、お疲れさまでした。
今回も全力でカオスでしたね!
さて、ここで読者の皆様へ質問です。
あなたが今日、一番笑ったポイントはどこ?
・干物九能
・「激しい運動(誤解MAX)」
・はるかの行間スナイプ
・乱馬の鈍感量産機発動
・あかねの耳まで真っ赤モード
・なびきの小冊子ビジネス立案
ぜひ教えてください。
作者はそれを糧に、次の話でさらにカオスを加速させます。