百合の影から覗いて   作:細雨

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オリンピックの訪れ〜炎のゴブレット篇〜

「忘却術」。それはギルデロイの1番の得意魔法にして彼の罪の象徴でもある物だ。しかしながら、この3人の中でその使い方を1番熟知しているであろうに、改まって相談とは何かあったのだろうか。

「相談事って?」

「どこから話せば良いか……実は先日までの休暇中、孤児院に挨拶に行った後は聖マンゴにいましてね」

「あら、旅行と言っていなかった?」

「ええ、まあ、それは孤児院へ行くという事でして……あそこは随分辺鄙な所にありますからね……それに、やはり私は贖罪の途中ですから、聖マンゴでカウンセリングをやっていたんです。そこで、『忘却術』を自分に使ってくれと1人の患者から強く求められてしまって……」

「わざわざ『忘却術』を?何故?」

クィリナスと私が首を傾げると、ギルデロイは一瞬躊躇った後「……トラウマを忘れたい、と」と暗い口調で呟いた。

「そのトラウマのせいでろくに仕事にも就けず、日常生活もままならずに時折聖マンゴに入院する程だと。忘れさえすれば、普通に暮らせるのにと泣いていました」

「癒者は何と言っているのですか?」

「患者の事を考えると『忘却術』を使うのが最善であろうと。度々入院していて私も何度もカウンセリングしているのですが、やはりそれだけでは限界がありましてね」

「特定の期間の事を忘れたいの?それとも出来事を?」

「どちらとも言えます。そして、恐らく私にはそれができるのです」

ギルデロイの言う通り、彼であれば可能だろう。本を出版して名声を得てもなお、「忘却術」を使って他人の成果を横取りしていたとは被害にあった本人含めてほとんどの人間が気付いていなかったのだから。

「貴方の気持ちはどうなの?『忘却術』を使ってあげたいと思う?」

魔法はイマジネーションだ。成功率すらそれに抗えない。火事場の馬鹿力という訳ではないが、危機的状況でそれまでできなかった魔法が成功したり効果が大きく現れたりする事があるのだ。

だからこそ、この場合は魔法を掛ける側であるギルデロイの思いが重要となる。もしも迷いながら実行すれば中途半端な結果になるだろう。

ギルデロイは少しの間黙った後、ゆっくりと考えながら口を開いた。

「……忘れる事で楽になり、患者が幸せになるのなら、『忘却術』を使いたいと思います。それに……」

「それに?」

「……もし、もしもですが、特定の出来事や期間を忘れる事でそれ以前のその人に戻れるとしたら──ロングボトム夫妻を始めとする、精神的に内に籠ってしまった人々の救いになるかもしれません」

「!」

私は思わず息を呑んだ。脳裏に過ぎるのは怯えて肩を丸めるネビルの後ろ姿。ロングボトム夫妻の事は、彼らが受けた拷問は私でさえ知っている。ネビルが休暇の度にお見舞いに行っている事も。

「何度か、ロングボトム夫妻の所に行った事がありましてね。カウンセリングというか、ほとんど私だけが話しているのですが、最近ようやく指先だけですけど多少の反応は返してくれる様になってきたのです。ロングボトム夫人──アリスの方が反応がほんの少し多いですかね。だから、こちらの声は届いているのだと思います。反応が表に出にくいだけで。彼らの意識がきちんとそこにあるのなら──そして『忘却術』が記憶の中の苦痛に対して有効であるのなら──試す価値はあるのではないかと、私は思います」

「もちろんご家族等の関係者の同意は必要でしょうけどね」とギルデロイは付け加えた。

一休みとばかりに紅茶を口に含むギルデロイだが、かなりとんでもない事を言い出しているのを分かっているのだろうか。

特定の期間、出来事、もしくは記憶の中の痛みを忘れさせるなんて離れ業が可能なら、正しい事にも悪い事にもいくらでも応用できてしまう。彼自身の「忘却術」の腕の価値が上がり、身の危険すら高まるかもしれない。けれど──きっと、両親が目を覚ましたらネビルは、臆病でおっちょこちょいで、でも芯のあるあの子はきっと、泣いて喜ぶのだろう。もちろんあの暗黒の時代の被害を受けたのはネビルだけではない。「忘却術」だけで全てを救える訳ではない。それでも、希望が見えたのは確かなのだ。

「ギルデロイ」

緊張の色が乗った声音は、自分の物の筈なのに妙に固く感じる。

「はい」

「それが完全にできる様になれば、貴方が危険に晒される可能性があるわ。けれど、それ以上に多くの人の救いになると思う」

「そう、ですね、ええ、私もそう思います」

「とても神経を使う、かなり集中力が必要な治療になると思う。それでも、貴方がやると言うのなら、私は協力を惜しまないわ」

「私もです、ギルデロイ」

クィリナスも即座に賛同してくれた。

「メリルが言う様に、そんな風に『忘却術』をより精密に扱える様になれば、貴方を利用しようとする輩が必ず出てくるでしょう。何かあった時のために私ができる限り身を守る術を教えます」

「それはとても心強いですね」

ギルデロイがニコリと笑うと、クィリナスは照れた様に小さく笑った。

「聖マンゴに『忘却術』による治療について手紙を送ります。返事が来たらお知らせしますので、本当に実施するとなったら一緒に聖マンゴへ行ってもらっても良いですか?」

「もちろんです」

「もちろん良いわ」

クィリナスに続いて私は頷いたが、「けれどね」と続けるとギルデロイはキョトリと首を傾げた。

「ちゃんと休みは取りなさいね。学期中の週末にも聖マンゴにカウンセリングに行っている事、私は知っているのよ?」

「これはこれは、流石ですね!」

「ギルデロイ?」

「茶化している訳ではありませんよ、ええ。休みは取ります、ご心配なく」

「私も時折確認する様にしますね」

「クィリナス……」

クィリナスの言い分にギルデロイは苦笑した。彼の罪の意識がそうさせるのかもしれないが、休み無しで人は動き続ける事はできない。良いパフォーマンスは良い休暇から、なのだ。

クィリナスもそれが分かっているからこその発言なのだろう。

「聖マンゴから返事が来たら教えてちょうだいね」

「ええ。またよろしくお願いします」

「もちろんよ」

私達は3人で互いに微笑み合った。しっかり話し込んでしまったため、夕食の時間には少し遅れてしまったがご愛嬌という物だろう。

次の日、ハグリッドに迷路に設置する魔法生物の選定をお願いし、私は午前中はフリットウィック先生、ポモーナ、クィリナスと迷路についてまた話し合った。全体図とそれぞれどこに何を設置するか、選手のスタート位置とゴール位置をどこにするかを決定した。迷路にはそれぞれ点数の低い者からスタートし、ゴールは迷路の真ん中に設定した。優勝杯をゴールに置き、それに触ればスタート位置に戻って来るというポートキーの様な物にする事とした。そうしておけば誰が優勝したか一目で分かるからだ。迷路全体には霧をかけ、幻惑・幻覚魔法を混ぜる事とした。ミネルバに危険過ぎると判断されれば、霧を濃くするだけでも充分だろう。迷路の準備は競技までの間に綿密に行い、実際の作成は課題まで猶予期間に一気に行う予定だ。

昼食後にミネルバに確認してもらおうとクィリナスと共に席を立つと、ゴホン、とわざとらしい咳払いが背後から聞こえた。振り返るとセブルスが意味ありげにこちらを見ている。

「ミネルバに確認をもらうだけなので私だけで充分ですよ。メリルはここにいてください」

「え、ええ、ありがとう、クィリナス」

ダンブルドア先生を挟んで向こう側の席でポモーナが微笑ましそうな顔でこちらを見ていたが、あえて気付かなかったフリをした。

「どうしたの、セブルス?」

ちょっぴり眉を顰めている男に近寄ってそう聞くと、彼は一瞬の沈黙の後「……お茶でもどうかね」と低く呟いた。

「ええと……そうね……」

チラッとポモーナの方を振り向くと、彼女は盛大に何度も頷いていた。セブルスとお茶をしてきても大丈夫な様だ。確かにほとんど話し合うべき事は終わったから、問題無いといえば無いだろう。ミネルバから大きな変更を求められない限りは、だけれど。

「大丈夫よ、後でそちらに行きましょうか?」

「いや、私が出向こう」

「分かったわ」

午後の約束を交わして、私は大広間を出た。頬が多少なりとも熱くなっている自覚は大いにあった。

何だかソワソワしてしまって実験室の方で薬草達の様子を見ていると、扉が慎重にノックされた。いそいそと扉から顔を覗かせると、先程よりも眉間の皺が幾分か和らいだセブルスがそこに立っていた。

「こんにちは、セブルス。どうぞ入って」

「ああ」

細い隙間からスルリと中へ入り込んだ男は、私の後を付いて私室の扉を潜った。

用意していたお茶とお菓子を呼び寄せるのと同時に「どうぞ座って」とセブルスへ着席する様に促すと、彼は小さく頷いて大型ソファの片側へ腰を下ろした。

すぐにテーブルにお茶とお菓子を置いて私も横に座ると、お菓子を見たセブルスが小さく笑った。

「どうかしたかしら?」

「いや……君は本当にここのクッキーが好きなのだな」

「え?」

驚く私の目の前でクッキーを1つ摘んだセブルスは、そのままそれを口に入れた。

「何度も食べた味だ、ここで」

「!」

カッと頬が熱くなる。

──私の事を見ていくれていた!

想いが通じ合ってもう1年になるのに、それだけの事がとても嬉しい。長い間、彼の横顔や背中だけを見ていたから。

セブルスの言う通り、今日出したお菓子は私が何度もふくろう通販で購入している物だ。しかし箱のまま出した事は無い。つまり、見た目や味をセブルスは覚えている事になる。それだけ私に対する感情が──愛があるのだと感じられて、胸がぽかぽかと温かくなる。

照れて何にも言えなくなってしまった私は、紅茶に口を付けるしかなかった。

クッキーを咀嚼し終え、紅茶を飲んだセブルスは「さて」と小さく息を吐いた。

「ルーピンから連絡があった。次の宿が見つかったとな」

「あら、そうなの?良かったわね」

人狼は受ける差別が激しく、家を借りる事すらままならない場合が多い。そんな中で腰を落ち着ける場所が見つかったのはリーマスにとって僥倖だろう。それにそろそろ脱狼薬を飲み始めなければならない時期だ。間に合って本当に良かった。

「どこに部屋を借りたの?」

そう問うと、何故かセブルスは沈黙した。言いたくなさそうな気配がひん曲がった口元から感じられる。

「セブルス?」

場所を教えてもらえなければ脱狼薬を送れない。それが分かっている筈なのに、セブルスは中々その口を開かなかった。

しばらく無言でジッと見詰めていると、ついに根負けしたのか、彼は大きな溜息を吐いた。

「……口頭では説明できない場所にある、と。案内するから予定の空いている日を教えて欲しいとの事だった」

「そんなに田舎なの?ふくろうが分からない程?」

「行けば分かるだろう」

「それはそうね」

その場所をセブルスが知っている様な気もしたが、どうせリーマスに会えば場所は分かるのだ。私はいくつか空いている日をセブルスに伝えた。会うのはできれば早い方が良いだろう、もう月が半分より膨らんできているから。

「脱狼薬の調合は明日にでも始める?」

「そうだな」

話しながら自然にソーサーを取り上げられ、そのまま手を握られる。優しい温もりに、先程とは違う熱が私の身体全体を覆った。

指を絡めると握り締めてくれる感触に嬉しさが込み上げ、どうしても口元が緩んでしまう。

「貴方と調合できるのが楽しみで仕方ないわ」

「……調合だけかね?」

「えっ?」

気が付いた時には、持っていたカップはテーブルにあるソーサーの上。空になった手の平はセブルスの大きな腕に引っ張られ、ようやっと馴染んできた香りが鼻腔を満たした。

「セ、セブルス……っ?」

ぶわりと全身が熱くなる。真っ赤な私の耳元に口を寄せたセブルスは、そのままビロードの様な声で囁いた。

「……君との時間全てが好ましいと、愛しいと感じているのは、私だけかね」

「そ、そんな事はないわ……!」

耳に触れる吐息が擽ったくて身を少し捩りながらも否定すると、セブルスはクツクツと喉の奥で笑った。

「なら良いのだ。……メイ、君がいれば、それで良い」

グッと、私の背に回ったセブルスの腕に力が籠る。その声に含まれた感情の色に、私は胸が詰まってギュッと彼を抱き締め返した。

私だけで良いなんて、関係としては不健全だ。それは1歩間違えれば依存となる。けれど、そう言われて嬉しいと思っている自分がいるのも事実なのだ。セブルスに1番求められているのが私なのだと、そう感じられるから。

貴方がいれば他はいらない、なんて口が裂けても言えないけれど、その想いに見合いたい。

「セブルス、愛しているわ」

「……私もだ……」

この暖かな幸福がずっと続けば良いのにと、強く願った。

翌日の朝食後、脱狼薬調合のために魔法薬学教室を訪れた私を出迎えたのは、仏頂面のセブルスだった。

「どうかしたの?」

私が側に寄って問い掛けると、セブルスは1通の手紙を突き出した。「読め」という事だろうか。素直にそれを受け取って中身に目を通すと、差出人はリーマスからだった。内容は、「今日会えないだろうか」という物。

「……今日?」

「随分と急いでいる様だ」

ハッと鼻で笑いながらも、その手元には脱狼薬の材料が完全に揃っている。

「私達の予定が空いていて良かったわね。お茶にも誘われているみたいだから、お茶菓子でも持って行くべきかしら」

「奴が急に言ってきたのだ、要らん」

「そうかしらね」

念の為、ポーチの中には後でこっそりお菓子のセットを入れておこう。

昼食後にホグワーツを出るにしても、時間がたっぷりある訳ではない。私達は早速調合を開始した。最早手慣れたそれを、しかし油断しない様に手順と分量を確認しながら行っていく。毎回材料やその量の配合を微妙に変えているためだ。

「──これで後は煮込むだけね」

「ああ」

グツグツと煮立つ鍋の前で微笑むと、セブルスは小さく頷いた。今回は臭いはそれ程酷くはない。効能もある程度元のレシピの物に近いだろう。味を変えるとなると効能が落ちやすい傾向である事が分かってきたため、臭いも味も両方を向上させるのは難しいかもしれない。どちらかに絞れば、もう少し材料も手の入りやすい物に変更できる可能性もある。

「まだまだ改良の余地ありね……」

これまでの実験結果やこれからの予定を纏めた羊皮紙を眺めながら言うと、セブルスは「そうかね?」と返して来た。

「随分と材料や分量は絞れてきたと思うが」

「そうかしら?貴方がそう言ってくれるなら心強いわね」

「何を言う」

セブルスはこちらまで歩み寄り、そっと私の腰に手を回した。彼の黒の瞳は私を見詰めて柔らかく揺らぐ。

「君がいるからこその結果だとも。材料についてもその配合も、君の発想のお陰で幅広く実験できている」

「ありがとう、セブルス。そんな風に高く評価してくれてとても嬉しいわ」

「君は時に自己評価が低いと感じる。もう少々評価を修正する事をお勧めしよう」

「そうかしら……」

首を傾げる私に小さく笑い、セブルスは「そういう所だ」と囁いた。吐息が耳にかかって擽ったい。笑いながら「そろそろ大鍋を火から降ろさないと」と言うと、セブルスは渋々私の腰から腕を離した。

完成した脱狼薬を以前ナルシッサから貰った瓶に詰め、昼食を取ってから私達はホグワーツを出発した。

待ち合わせ場所はキングズ・クロス駅前。お昼時という事もあり、人通りは多い。子供達が夏期休暇なのはマグルも魔法使いも同じなのだ。

セブルスも私も変に目立たぬ様にマグルの服装をしている。セブルスは相変わらず黒のシャツとスラックスを、私は紺色のエンパイアワンピースを身に纏っている。気に入っているワンピースの1つで、同色の花の刺繍が裾に入っているのだ。

「メリル、それにセブルスも。待たせてしまってすまない」

待ち合わせ時間から少し遅れて、リーマスが歩いて現れた。部屋を借りられたという割に、古びたシャツを着ている。仕事が見つからないのか薄給なのか、少し心配になってしまう。

「少し前に来た所だから大丈夫よ」

「ありがとう。少し歩くけど構わないかい?」

「ええ」

私達が頷くと、リーマスはホッとして「それじゃ、行こう」と先立って歩き出した。

「少し久しぶりだね。元気そうで良かったよ」

「ええ、ありがとう。仕事は無事に見つかったのかしら?」

「お陰様でね。何と言うか、住み込みで仕事ができる事になって」

「あら、そうなの?部屋も仕事も得られるなんて助かるわね」

「本当にそうなんだ。私も驚いたよ」

話しながら歩いていると、駅から離れて住宅街に入った。周りはタウンハウスばかりで、ひとを雇ってくれる所なんてあるのかと訝しくなってきた時、リーマスはある場所で立ち止まった。

「リーマス?ここなの?」

「ああ。正確には少し違うけど」

「どういう事?」

首を傾げると、リーマスはいたずらっぽく笑って「ここの番地は分かるかい?」と言ってきた。

「ここ?グリモールド・プレイス11番地、よね?」

「そう。そしてこっち側は13番地だ」

リーマスが正面の2つの家の片方を指した。私か11番地と言ったのはもう片方の家の様だ。

「番地が飛んでいるのね」

「……飛んではいない」

それまでずっと黙っていたセブルスが急に口を開いた。しかしその内容の意味が、私にはすぐには理解できなかった。

「どういう意味かしら、セブルス?実際に飛んでいる……いえ、待って、まさか──」

「そう、そのまさかだ」

思い至った可能性に驚いてリーマスの方を振り返ると、彼は軽くウィンクして見せた。

その瞬間、11番地と13番地をグイッと押し退ける形で美しい家が姿を現した。まるで最初からそこにあったかの様に堂々と存在感を発揮し始めたそれは、魔法使いの家らしくそこかしこが魔法で溢れている様だ。

「ようこそ、2人共。と言っても、私の家ではないけどね」

そう言いながらリーマスがドアノッカーを叩いたその瞬間、

「我輩はここで失礼する」

とセブルスが唐突に吐き捨てた。

「セブルス、待って。どうして?」

「ここに来た時点で目的は達している。後は薬さえ渡してしまえば良い。……今すぐにでも立ち去りたいくらいだというのに」

「セブルス、私の顔を立てると思って少しばかり我慢してくれないか」

「貴様に対する義理など無い」

「それはそうだけど……」

今にも本当に歩き去ってしまいそうなセブルスを苦笑するリーマスと2人かがりで引き留めていると、サッと玄関の扉が開いた。

「どうしたリーマス、何かあった……げっ!」

「……やはり貴様か」

「シリウス?」

顔を出した途端にセブルスを見付けて思い切り顔を顰めたのは、きちんと身なりが整えられたシリウス・ブラックその人だった。今やその姿は手配書とは似ても似つかず、この男の事を良く知らない人間が手配書と本人を見比べたら別人だと思うだろう。

「やあ、メリル、ようこそ我が家へ」

こちらに顔を向けたシリウスは、先程とは打って変わってパッと顔を輝かせた。その反応に、目の端でセブルスの眉間の皺が深くなったのが見えた。

「まさか、リーマスの雇い主は貴方なの?」

「そうだ。詳しい事は中で話そう。バックビークも待ってる」

シリウスの招きに応じてリーマスと共に宅内に入ると、背後でシリウスがセブルスの前に立ち塞がった。

「……何の真似だ」

「お前は帰りたいんだろ?遠慮無くもう行ったら良い。私が用があるのはメリルだけだ」

「貴様の様な人間がいる所に彼女を1人放り込む訳がなかろう」

「何だと?」

正に一触即発。リーマスの方をチラッと見ると、彼は困った様に苦笑していた。私は溜息を吐いて「シリウス」と呼び掛けた。

「リーマスがセブルスを招いて、私はセブルスに誘われた形でここに来たのよ。招いた側の家主がその態度なのは問題があるんじゃないかしら」

「それにシリウス、私も予め言っておいただろう?脱狼薬を作ってくれる人『達』を招待すると」

どうやら、リーマスは中々に策士の様だ。セブルスが来るとハッキリと言ったら、シリウスは必ず反発するだろう。それをせず迂遠な言い回しにしたのは、リーマスなりに2人の間を取り持とうとしているのかもしれない。

「それはそうだが……」

「なら、これ以上押し問答しなくても良いよね?」

リーマスがニッコリ笑うと、シリウスは心底不満そうな顔で渋々脇に退いた。不服げな表情でいえばセブルスも負けてはいなかったが、こちらは無言でシリウスを睨みながら玄関の扉を潜った。

外観こそタウンハウスだが、宅内は検知不可能拡大呪文をかけられているのか広々としている。巨大な傘立ての横を通り、虫食いだらけの両開きカーテンの前を通り過ぎて応接室に通された私達だったが、「お茶を持って来よう」と立ち上がったシリウスが部屋の扉を開けた途端に

「こんな所で何をしている」

と酷く冷たい声で言い放った事で注目がそちらに集まった。

「また何か盗もうとしてるんだろう」

「シリウス、そんな言い方は無いんじゃないか」

リーマスが苦い顔で宥めるが、シリウスは溜息を吐くばかり。どういう事かと立ち上がって扉に寄ると、シリウスの足元に随分と年老いた屋敷しもべ妖精がいる事に気が付いた。

「一体何事なの?屋敷しもべ妖精が勝手に家の物を盗むとは思えないわ」

「こいつは耄碌してるからな。掃除のフリをして部屋に入り込んで、勝手に物を自分の部屋へ持って行くんだ」

シリウスはそう言うが、屋敷しもべ妖精の一般的な生態を鑑みても、例外が無い限り勝手な事をするとは思えない。何か事情があると見るのが普通だろう。

それに、そう、この屋敷しもべ妖精には何かある様な気がしてならない。彼が現れてから、服の下のネックレスが仄かに熱を持っているのだ。彼自身に悪意は無い筈だが、気にはなる。

「一体何が狙いだ?」

シリウスがそう吐き捨てる様に問うと、屋敷しもべ妖精は丁寧に頭を下げて、

「クリーチャーめはお茶をお持ちしたのでございます」

と低い声で答えた。確かに彼の震える両手にはお盆が握られており、その上には美しい陶磁器のティーポットとソーサー付きのカップが乗せられていた。

「ご主人様がまたどなたかを迎え入れた様でしたので、まさか狼人間が増えるのかと確認したのでございます。奥様がご覧になったら何と仰せになる事か。この屋敷に純血の人間以外が、しかも狼人間が滞在するなど、ああ、お可哀想な奥様。この方がどんなに奥様を失望させたか──」

屋敷しもべ妖精らしくブラック家の当主であるシリウスに仕えているものの、関係性は悪そうだ。こんなにも屋敷しもべ妖精が嫌悪感をあからさまにしているのは初めて見るけれど、それ程シリウスが気に入らないのだろう。それはシリウスの側も同様に見える。

「いい加減にしろ。もう茶は受け取った。さあ、立ち去れ」

お盆を引ったくったシリウスが冷たく言い捨てると、クリーチャーは慇懃にお辞儀をして踵を返した。

「アズカバン帰りがクリーチャーに命令する。ああ、お可哀想な奥様。……さっきのは新顔の女だ、何者だろう?クリーチャーは知らない……」

ブツブツと呟きながら去って行く小さな丸い背中に、私は思わず「クリーチャー」と声を掛けた。ゆっくりと振り返った彼に、私は小さく微笑んだ。

「メリル・ヴァレーよ。よろしくね」

「……クリーチャーめにその様な挨拶は不要でございます、お嬢様……」

戸惑った様に少し瞳を左右に揺らしたクリーチャーは、またお辞儀をして今度こそ立ち去った。

「あんな奴に挨拶なんて要らないだろう」

顔を顰めるシリウスに「考え方は人それぞれでしょう」と返して、私は元のセブルスの隣の席に戻った。

クリーチャーが持って来てシリウスがやや乱雑にテーブルに置いたお茶は美味しかったが、室内には沈黙が落ちている。原因はセブルスとシリウスが睨み合っているせいで、リーマスも私も何とも居心地が悪い。

私は小さく息を吐き、あえて口を開いた。

「リーマス、先に脱狼薬を渡しておいて良いかしら?」

「あ、ああ、もちろん。ありがとう、本当に助かるよ」

「どういたしまして」

私はウエストポーチ──マグルからはワンピースのベルトにしか見えない様にしてある──から脱狼薬の入った瓶を取り出してリーマスに手渡した。

「1日分かな?それにしても少ない気がするけど……」

「中に検知不可能拡大呪文がかかっているの。ゴブレット1杯分を3日分入れてあるわ」

「なるほど」

自分の手の平程の高さの瓶を軽く振ったリーマスは、得心がいった様に何度も頷いた。

「満月が過ぎて落ち着いてからで良いから、またレポートを提出してね。以前も言ったけれど、ホグワーツにいた時より詳しく、ありのままの所感を書いてちょうだい」

「ああ、分かったよ」

リーマスは微笑んで瓶をジャケットの内側に仕舞った。

「足りない時はまた頼んでも良いかい?」

「ええ。この家にふくろうは着くのかしら、シリウス?」

「ああ、大丈夫だ。心配なら、リーマスがホグワーツに手紙を出す時にはうちのふくろうを使おう」

「それなら助かるわ」

これで確実に脱狼薬は届けられるだろう。ふくろうが迷子になる事は少ない──それが初めて行く宛先でも──が、万が一という事もある。脱狼薬を飲まなかったリーマスがどんな状態になるのか、あの夜に目の当たりにしたのだから、彼には今後は必ず薬を飲んでもらわなければ。ここは1歩外に出ればマグルの住宅街の只中なのだから。

「そういえば、リーマスはいつからここに?」

ホグワーツを出る時には、まだ家も仕事も決まっていなかった筈だ。

私がふと問い掛けると、リーマスではなくシリウスが「つい先日だ」と紅茶を1口飲んだ後答えた。

「メリル、君からリーマスが城にいないと教えてもらってから、すぐに探し出した。ノクターン横丁ギリギリのかなり狭い部屋を借りる寸前だった」

「私みたいな人間は部屋を借りるのもままならないから、借りられる所が見付かっただけでも嬉しかったんだけど」

リーマスは苦笑し、「でも正直助かったよ」と続けた。

「次の仕事は見付かっていなかったし、ホグワーツでの給料があるとは言え、ぼんやりしていたら路頭に迷う所だった」

「リーマスはここで何の仕事を?」

「主に書類仕事と片付けかな」

肩を竦めたリーマスはチラッとシリウスと扉の方を見た。

「さっきの通り、クリーチャーはかなり年寄りでね。片付けもままならないみたいで家中ほぼ放ったらかしにされていて、シリウスの家族の持ち物とかこれまでの色々がそのままになっていたんだ。だからその片付けと、シリウスのブラック家当主としての仕事の手伝いをしてる」

「まるで秘書の様ね」

「良く言えばね」

リーマスは少し照れた様にはにかんだ。

室内の空気が若干緩んだが、そんな中でセブルスはカップの中の紅茶をグイッと飲み干した。

「もう用は済んだろう」

「いや、私はまだメリルに用がある」

セブルスの言葉に半ば被さる様にシリウスがそう言った。

「お前には用は無いから帰って良いぞ」

「先程我輩が言った事をもう忘れたのか?彼女を置いて行くなどありえない」

「そうかよ」

そう言葉を交わした次の瞬間には、セブルスとシリウスは互いに杖を突き付けあっていた。

「セブルス!」

「シリウス!」

私とリーマスが声を上げるが、2人は自分の杖先からパチパチと火花を散らしながら微動だにしない。

「ここで暴れる気なの?昔とは違うでしょう、セブルス。座ってくれるかしら」

「せっかく解放されたのに、魔法省から小言を貰いたいのかい、シリウス。外はマグルの住宅街なんだよ。君も座るんだ」

2人分の諌める言葉の後は痛い程の沈黙が室内を支配した。何かあれば止めなければとリーマスと私が固唾を呑んで事態を見守っていると、やがてセブルスとシリウスは未だ睨み合ったままではあるものの杖を仕舞ってどちらからともなく着席した。その事にリーマスと私はホッと安堵の息を吐いた。

「それで、私に用というのは何かしら?バックビークの事?」

私がそう聞くと、シリウスは気持ちを切り替えるためにか息を短く吐いてから「それもある」と頷いた。

「訴えが取り下げられたのは聞いたよ。バックビークは中庭で過ごしてる。飛んで行かれると困るから普段は鎖をつけてるが、俺と散歩に行く時は俺を背中に乗せて飛んでるよ」

「バックビークのためだと言って何度も書類を放り出してるんだ。シリウスにもバックビークにも気晴らしは必要だけど、仕事が進まないのは困るね」

リーマスがチクリと小言を言うと、シリウスは肩を竦めてノーコメントを貫いた。バックビークをホグワーツに連れ帰っても、抜け出すのは止めない気だろう。それがリーマスも分かっているから、あえて言っているのだろうけれど。

「今日にも連れて帰るか?」

「そうね。早く会わせてあげた方がハグリッドも喜ぶし、バックビークも自由に過ごせるから」

「分かった、後で案内しよう」

頷いた後、シリウスは「それでだ」と続けた。

「ハリーの事なんだが……」

「ハリーがどうしたの?」

シリウスは深刻そうな顔になって声を低くした。

「額の傷が痛んだと手紙が届いたんだ。何か知ってるか?」

「いえ……残念だけれど、ハリーと個人的にやり取りはしていないの。私は初耳だわ。セブルスは?」

私の問い掛けに、セブルスは心底どうでも良いという様な顔をして鼻で笑った。

「我輩が知る訳がなかろう。目立ちたがりのポッターの事だ、大方貴様の気でも引きたかったのではないか?」

「ハリーはこんな事で嘘をつかない。……やっぱりここで暮らした方が……」

「ダンブルドア先生は、ハリーはまだダーズリー家にいるべきとお考えではないかしら」

ブツブツと呟き出したシリウスに向かって、私はダンブルドア先生の名前を出してみた。以前、ポッター家の顧問弁護士であるMr.トーマスが面会を希望しても保留した先生の事だ、ハリーが夏休みの間に魔法界に関わるのを避けている可能性がある。

「シリウスの裁判の後も、そんな話はなさらなかったんでしょう?」

「ああ、そうだ。ハリーと暮らしたいと考えていると話したが、明言は避けていた」

「だったら、やっぱりハリーにはダーズリー家にいるべき理由があると考えるのが妥当ではないかしら」

「確かに。ハリーをわざわざマグルの家で育てさせたのも同じ理由かもしれない」

リーマスが納得した様に頷きながらそう言った。彼が自分の味方でなかった事が意外だったのか、シリウスは何度か目を瞬かせ、「……そうか」と独りごちた。

「色々考えるよりもハリーに手紙で聞いてみたら良いのではないかしら?その方があの子も嬉しいと思うわよ。それに、貴方がハリーの名付け親なんでしょう?」

「!……ああ、ああ、そうだ、私が名付け親だ。そうだな、本人に聞いてみるよ」

パッと顔を輝かせたシリウスに、もう私ができる事はないだろうと判断し、

「バックビークの所に案内してくれるかしら?」

と問い掛けた。

「ああ、もちろんだ。あいつも喜ぶだろう」

鷹揚にこの家の主人が頷いたので、私はほんの少し残った紅茶を飲み干して席を立った。セブルスとリーマスもそれに続き、シリウスは皆の先に立って歩き出した。

少し陰気な廊下を進み、ステンドグラスの嵌め込まれた豪奢な扉を開けると爽やかな風が私達を出迎えた。

「この中庭も、マグルからは見えないのかしら?」

「ああ。空からでも、ここにこの家がある者しか見えない」

「とても大掛かりで繊細な魔法ね」

私としては褒めたつもりだったのだが、シリウスはちょっぴり眉を顰めて肩を竦めた。そのまま歩みを進める彼の後ろで、リーマスが苦笑しながら補足してくれた。

「シリウスは家族と馬が合わなくて家出していてね、あまり家の事も好きではないらしいんだ。だから、メリルの言葉で気分を害した訳じゃないよ」

「そうなのね、良かったわ」

「相変わらずの異端ぶりだな」

「どういう事?」

セブルスの言葉に首を傾げると、「ブラック家は生粋の純血主義だ」と低く返ってきた。

「レギュラス──あ奴の弟も両親も、その上の一族も純血主義だ。あ奴だけがブラック家の中では浮いている」

「あら……それは確かに、シリウスは変わり者扱いでしたでしょうね」

「変わり者どころじゃないよ。最終的には勘当されていたからね」

リーマスがそう言った。

「勘当?それで家出を?」

「いや、家出したのが最後のひと押しだったんだと思う。休暇になる度に『あんな家に帰りたくない』って言ってたから」

──もしかしたら、シリウスは家族から受けられた筈だった分の愛をジェームズから貰っていたのだろうか。そして家族に向けられる筈だった愛は、ジェームズに向かっていたのかもしれない。

そしてそれにジェームズが共鳴していたのならば、確かに魂の双子と呼び合う程の仲にもなろうというものだ。

「おーい!何をやっているんだ?こっちだぞ」

しばらく行った所で私達が付いて来ていない事に気付いたシリウスが、片手を上げて呼び掛けてきた。それに応え、私達はバックビークの寝床へと歩みを再開した。

バックビークは飛び回っていないせいか少しだけ肉付きが良くなってはいたものの、概ね健康だった。私の事を覚えていた様で、お辞儀をしあった後は軽く擦り寄ってきてくれた。

「さて、どうやって連れ帰る?姿現しするのか?」

「バックビークと一緒だと少し不安だから、私が乗ってホグワーツまで戻るわ」

「大丈夫なのかね?」

セブルスが眉を顰めて言った。どうやら心配してくれているらしい。

「問題無いわ。いざとなれば自分で飛ぶから」

「そうか」

私はバックビークの鎖を外してシリウスとリーマスを振り返った。

「お招きありがとう。脱狼薬は今後ここに届ける事にするからよろしくね。バックビークの事も、匿ってくれて世話してくれてありがとう」

「こちらこそありがとう」

「役に立てて良かったよ」

私は2人の後ろにいるセブルスにも声を掛けた。

「じゃあ、セブルス、また後で」

「ああ」

バックビークの背に横乗りして、彼の首に繋がる鎖をしっかりと握る。それから私は明るい声でバックビークに「帰りましょう」と呼び掛けた。

「ホグワーツへ!」

1度地面を掻いたバックビークは、首を軽く振りながら翼を広げて、助走を始めた。

「また会おうメリル!」

シリウスがにこやかに手を振るのを見たのを最後に、私の全身は空中に躍り出た。

急いで目眩し魔法を自分とバックビークに掛け、私は存分に空の旅を楽しんだ。もちろん防寒魔法も忘れずに。

雲のすれすれを飛んでみたり、左右に揺れてみたりと遊びながら飛ぶバックビークも、久方ぶりにホグワーツに帰れるとあって気分が高揚しているらしい。時折鳴き声を上げながら猛スピードで空中を進んでいく。

ロンドンからホグワーツまではかなりの距離がある筈なのだが、バックビークの背に乗っていると楽し過ぎてあっという間だった。

ハグリッドの小屋の側に降り立つと、小屋から家主が飛び出して来た。

「ビーキー!帰ってきたんだな!おお、無事で……!」

大粒の涙を流しながら、ハグリッドはバックビークの嘴を丁寧に撫でてやった。バックビークも嬉しそうな声を出している。

「ヴァレー先生がビーキーを匿ってくれとったんですか?それに訴えは……」

「訴えは取り下げられたのよ、ハグリッド。バックビークは自由の身なの。あと匿っていたのはシリウスよ、私ではないわ」

「そうかそうか……シリウスが……」

ハグリッドは感慨深そうに何度も頷き、「良かった、良かったなぁ」とバックビークに何度も話し掛けていた。

「バックビークのお世話はお願いしても良いかしら、ハグリッド?」

「もちろん、ああ。こいつの背に乗って飛んできたのは大変だったろう、ゆっくり休んじょった方がええです」

「ありがとう、そうするわ」

防寒魔法のお陰で寒くはなかったが、乗り慣れないためにお尻が少し痛むのだ。鎖をしっかり持ち過ぎて手もかじかんでいるし、夏だが熱いシャワーに入りたい。

私はハグリッドに手を振ってホグワーツへと戻ったのだった。




オリンピック「待ち焦がれた再会」

49話目です。

時間が進みませんね!前回のキャプションでワールドカップ直前まで書くみたいなことを言ってましたが全然無理でした 

作中では夏期休暇が始まってから2週間も経ってませんね……。夏期休暇の話だけでどれだけ話数行くのか今からちょっぴり恐ろしいですw

甘々な時間を隙間があれば入れていきたいのですが、書きたい事もたくさんあるのでなかなか2人の仲が進展しませんね……こっちがやきもきしてます。
次回も隙間隙間で甘さを入れていけるように頑張ります!
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