悪役令嬢のヒーローアカデミア   作:めめ師

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第十一話です。話が進んでいくにつれ展開どうしようと悩んでる部分を決めなきゃ行けない期日が迫ってきている感覚がして、夏休みの宿題を思い出しました。


雄英体育祭 トーナメントバトル 第2、第3回戦

第1回戦全試合が終わって、緑谷は第2回戦に出場するため、通路を移動していた。

そこで、緑谷はフレイムヒーローエンデヴァーとかち合った。

 

「おぉいたいた。」

「エンデヴァー...何でこんなとこに...」

「君の活躍を見せてもらった。素晴らしい個性だね。指を弾くだけであれほどの風圧...パワーだけでいえばオールマイトに匹敵する個性だ...」

 

そう言って緑谷に指を指す。

ヒーローオタクの緑谷がNo2ヒーローに対してここまで緊張しているのには理由がある。

ひとつはオールマイトに似ていると言われたこと。緑谷の個性はオールマイトから受け継いだもの、それ知るのはごく一部のはずであったためだ。実際はエンデヴァーはこのことを知らないため杞憂で済んだのだが、もうひとつ。

体育祭の途中で緑谷は轟から彼の家庭事情を聞いていた。

曰く、自身はエンデヴァーがオールマイトを越えさせるために個性婚によって産んだのだと、それゆえ幼少より個性の訓練を繰り返してきて、実の父親であるエンデヴァーを恨んでいるのだと。それによって緑谷はエンデヴァーと言えどもいつものようにオタクムーブをする気にはなれないのだった。

 

「何を...何を言い...たいんですか...僕もう行かないと!」

「ウチの焦凍には、オールマイトを超える義務がある。君との試合はテストヘッドとしてとても有益なものとなる。くれぐれもみっともない試合はしないでくれたまえ。

言いたいのはそれだけだ。直前に失礼した。」

 

それに対して緑谷はエンデヴァーの方を振り向かないまま呟いた。

 

「僕は...オールマイトじゃありません。」

「そんなものあたりまえ...」

「当たり前のことですよね...轟くんもあなたじゃない!」

 

そう言って緑谷は試合のためにステージへ向かっていった。

そんな緑谷とエンデヴァーのやり取りを影から聞いていたものがいた。第1回戦最終試合で怪我をした麗日を心配して控え室へ向かっていったミーチアであった。

 

(今の会話は...轟さん...そういう事情がありましたのね...)

轟家の家庭事情、形は違えどミーチアは前世の経験の中で嫌という程知っていたものだった。

家格を上げるために王族との結婚を、そのために自分のやりたいことも出来ずに親から、家庭教師から指導を受け続ける日々。ミーチアにとっては完全に嫌な思い出として残っているものだった。普段から轟の言っている左は使わないという発言、彼の左側はエンデヴァーから受け継いだ炎。轟がエンデヴァーを相当に憎んでいるであろうことは嫌でも察せられた。ミーチアはその事実に...自分が経験した嫌な思い出を現在経験している友人がいるという事実にモヤモヤしながら選手控え室へ向かっていくのだった。

 

この後ミーチアは選手控え室から聞こえてくる啜り泣く声に、中に入ることなくそのまま引き返すのだった。

 

『今回体育祭、両者トップクラスの成績!正しく両雄ならびたち今!緑谷!(バーサス)!轟!スタート!!!』

 

その合図と同時、まずは轟が緑谷の射程範囲外から氷を放ち、拘束を試みる。対して緑谷は右手の中指を弾いてそれを吹き飛ばした。

 

『おおお!破った!』

 

同じ攻防が再度続く。

 

『また破った!』

 

その時A組観客席に離れていた切島が戻ってきた。

 

「ゲッ始まってんじゃん!」「お!切島2回戦進出やったな!」

「そうよ!次、おめーとだ爆豪!」「ぶっ殺す」

「ハッハッハやってみな。とか言ってもおめーも轟もミーチアも強烈な範囲攻撃ポンポン出してくるからなー...」

「ポンポンじゃねぇよ、ナメんな。筋肉酷使すりゃ筋繊維切れるし走り続けりゃ息切れる。個性だって身体機能だ。やつにも何らかの限度はあるはずだろ。」

「考えりゃそうか。じゃあ緑谷は瞬殺マンの轟に、耐久戦か...」

 

試合の方では最初と同じような攻防が数度繰り広げられ、緑谷は自傷により右の指4本と左腕を負傷していた。

 

「あぁまた...自分の体を残弾のように扱って...」

『圧倒的に攻め続けた轟!トドメの氷結を...』

 

緑谷は迫ってくる轟の氷を既に壊れたはずの右手の指で再度弾いたのだった。

 

「震えてるよ、轟くん。個性だって身体機能の一つだ!君自身、冷気に耐えられる限度があるんだろう!?

で、それって左側の熱を使えば解決できるもんなんじゃないのか!?

皆.........本気でやってるんだ!勝って!目標に近づくために!1番になるために!半分の力で勝つ!?また僕は君に傷1つつけられちゃいないぞ!

全力でかかってこい!!」

「...何のつもりだ...クソ親父に金でも握らされたか?イラつくな...」

 

そう言って轟が近接戦を仕掛けようと緑谷に突っ込んでいくが、同時に緑谷も前に出て轟の腹に1発入れた。それによって轟が吹き飛んでいく。

 

『モロだあー!生々しいの入ったあ!』

 

「なんでそこまで...!」

「期待に応えたいんだ!笑って応えられるような...カッコイイ(ヒーロー)に!なりたいんだ!!

だから全力でやってんだ!皆!

君の境遇も君の決心も僕なんかに測りしれるもんじゃない!でも...全力も出さないで1番になって完全否定なんて、ふざけるなって今は思ってる!」

 

その言葉に轟も怒りを露わにする。

 

「うるせぇ...!」

「だから...僕が勝つ!君を超えて!」

「...親父を...」

「君の!力じゃないか!」

 

その瞬間轟から炎が吹き出した。

 

『これは...』「使った...」

 

「勝ちてぇくせに...ちくしょう...敵に塩を送るなんて、どっちがふざけてるって話だ...

俺だって...ヒーローに...」

 

その時観客席から大声が聞こえた。

 

「焦凍オオオ!!やっと己を受け入れたか!そうだ!いいぞ!ここからがお前の始まり!俺の血を持って俺を超えていき!俺の野望をお前が果たせ!」

 

その声に轟は聞こえていないかのように無反応だった。

 

『エンデヴァーさん急に激励か...?親バカなのね。』

 

ステージの方では緑谷と炎を纏った轟がぶつかる寸前だった。

 

「緑谷...ありがとな...」

 

その声とともにステージ上では轟音と共に大爆発、突風が起こっていた。

 

『何今の...お前のクラスなんなの...』『散々冷やされた空気が瞬間的に熱され膨張したんだ。』『それでこの爆風ってどんだけ高熱だよ!ったく何も見えねぇ!オイこれ勝負はどうなって...』

 

煙が晴れた時、ステージ上には轟が、そして入場入口のそばで緑谷が倒れていた。

 

「緑谷くん...場外...轟くん3回戦進出!」

 

それからステージ修復の時間が設けられ、その間にミーチアは数人のクラスメイトとともに保健室に来ていた。

 

「「「「緑谷!」君!」ちゃん!」さん!」「デクくん!」

 

保健室ではリカバリーガールと負傷した緑谷、そして骸骨のような風貌のスーツを着た男がいた。

 

「びっくりした...」「?はじめまして」

「みんな...次の試合は...」

「ステージ大崩壊のため、しばらく補修タイムだそうだ。」「怖かったぜ緑谷!あれじゃあプロも欲しがんねえよ!」「塩塗り込んでいくスタイル、感心しないわ。」「でもそうじゃんか」「全く...また自分の身体を雑に扱いましたわね...」

「うるさいよホラ!心配するのはいいがこれから手術さね!」「「「シュジュツーー!!?」」」

 

それからステージ修復が終了して第2回戦が再開した。

最初は塩崎対飯田だったが、これは試合開始と同時に飯田が塩崎の背後に周りそのまま場外に押し出したことで、飯田が3回戦進出となった。

 

次はミーチア対芦戸の試合だった。

 

『続いては雄英体育祭にゃ珍しい女子対決!君強すぎ!魔法ガールミーチア!(バーサス)!酸を匠に操る動きで相手を翻弄する!ダンシングチアガール!芦戸!

スタート!!』

「風よ、吹き荒れなさい」

 

試合開始と同時にミーチアが相手に向かい風を送った。

酸を飛ばさせないためである。

 

「うっわぁ!もう近接戦仕掛けるしかないじゃんか!」

 

そう言って芦戸がミーチアに向かって突っ込んでいくが...

 

「激流よ、流し去りなさい!」

 

どこからともなく現れた大量の水が芦戸を飲み込んでしまった。

 

「芦戸さん場外!ミーチアさん3回戦進出!」

「もーミーチアに勝てるわけないじゃーん!!」

 

勝負は一瞬にしてついたのだった。

 

その後、切島対爆豪の試合。

硬化によって爆破をものともせず爆豪に対して格闘戦を仕掛け続ける切島だったが、爆豪はずっと同じところを攻撃することで硬化を綻ばせてその隙に絨毯爆撃を浴びせて切島をダウンさせたのだった。

 

『爆豪、えげつない絨毯爆撃で3回戦進出!これでベスト4が出揃った!』

 

第3回戦

第1試合 飯田 ー 轟

第2試合 ミーチア ー 爆豪

 

『準決!サクサク行くぜ!お互いヒーロー家出身のエリート対決だ!飯田天哉!(バーサス)!轟焦凍!

スタート!!』

 

試合開始の合図とともに轟が氷結攻撃を仕掛け、飯田はそれをエンジンで飛び上がって回避、そのまま轟に向かっていった。飯田が轟に蹴りを浴びせるが、轟がしゃがみこんでそれを回避する。しかし、飯田はその場で一回転、しゃがみ込んだ轟に上から蹴りを浴びせたのだった。

 

「すげぇ!早すぎだろあの蹴り!」「だいぶ重そうなの入ったぞ!」

 

そのまま轟を引っ張って飯田が場外に向かっていくが、その途中で飯田のエンジンが完全に止まってしまった。

飯田の足から生えるマフラーを轟が氷で詰まらせていた。

 

「いつの間に!」

「蹴りん時、範囲攻撃ばかり見せてたからこういう小細工は頭から抜けてたよな。

警戒はしてたんだがレシプロ...避けられねぇな流石に。」

 

そのまま飯田は全身氷漬けにされてしまうのだった。

 

「飯田くん行動不能!轟くん決勝進出!」

 

『続いて難なくここまで突破!ミーチア!(バーサス)!そのヒールっぷりは生まれつき?爆豪!

スタート!』

 

試合開始と同時にどちらかが仕掛ける...こともなく爆豪がミーチアに話しかけた。

 

「魔法女、テメェ今まで本気出してねぇだろ。」

「いえ、わたくしは常に本気ですわよ」

「チッ!余裕たっぷりですってか!その余裕俺が剥がしてやんよ!」

 

そう言って爆豪が突進をしかけてくる。

 

「大地よ!」「邪魔だァ!」

 

ミーチアが大地を隆起させ爆豪の進行妨害をするが爆破によって一瞬で壁が崩れ落ちた。

そのままの勢いで爆豪がミーチアに向けて爆破を放つがミーチアはバリアでそれを防ぐ。

 

「大地よ!まだまだ行きますわよ!」

 

そう言ってミーチアはステージの至る所から、コンクリートを爆豪の行動の阻害になるように動かし続ける。

 

「テメェ何のつもりだぁ!」「ただの作戦ですわよ!あなたも言っていたでしょう。個性が身体能力、使えば使うほど疲労していくと。」

「チッ気づいてやがったか」

 

そう言ってミーチアはコンクリートの操作を辞め、爆豪も痛む両手をグーパーしながら両者睨み合う。

 

『さあ両者睨み合う!これからどう動く!ミーチアはまだひとつの魔法しか見せてないが、なにか裏があるのか!?』

「良いぜ!乗ってやるよ!互いの最大火力で決着だ!」

 

爆豪はちまちまとした攻防をやめ一撃で蹴りを付けようとう言い出した。

(そういう意図ではなく消耗して爆発の威力を弱めてくれればと思っていたのですが...)

 

爆豪はステージの端に歩いていくとそのままミーチアに向かって爆発で回転しながら突っ込んでいく。

 

『こりゃ互いに一撃でケリをつける気か!?』

「ハウザー...インパクトォ!!!」

 

爆豪はそのままミーチアに自身の最大火力の爆発を浴びせた。

 

『麗日戦で見せた特大火力に勢いと回転を加えまさに人間榴弾!対してミーチアからは何もしていなかったように見えた!ステージはまたも煙に包まれたが結果は果たして...!?』

 

煙が晴れるとミーチアはその場から動かないまま立っていた。

 

「わたくしの勝ち...でしょうかね?爆豪さん、あなた用に開発した爆破特化の結界ですわ。大地よ。押し流しますわよ」「...は?」

 

ミーチアはそのまま最大火力の反動か、動かない爆豪をコンクリートごと場外に運び出した。

 

「爆豪くん場外!ミーチアさん決勝進出!」

「おいてめぇ待てや!ふざけんな!」「...え?」

 

試合が終わったにも関わらず、ミーチアは爆豪に突っかかられて困惑の色を示した。

 

「最大火力って言ったよなぁ!テメェ防御なんかしやがって!舐めプすんのも大概に...」

「ストップよ爆豪くん。試合は決着したの。」「.........チッ」

 

お互いの全力を持って決着を付けようと言うロマンはミーチアには分からない感覚であったため、爆豪の最大火力をノーガードで受けるという愚策を取らなかっただけなのだが、まあそれが爆豪の琴線に触れてしまったらしかった。

 

何はともあれ決勝戦

轟 ー ミーチア




まあ、爆豪の最大火力って描写見るにこの時でもヤバそうだし、それを防御するっていうのが普通だよね。うん...。ましてや爆豪用に爆破特化バリアなんて作ったんだからそれを試したいのもわかる...うん...。
でもさミーチアちゃん...そうじゃないんだ、そうじゃないんだよ...!
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