悪役令嬢のヒーローアカデミア   作:めめ師

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第十二話です。決勝戦、vs轟です。バトル描写ほんとむずいね。下手なのは許して。


雄英体育祭 トーナメントバトル 決勝戦

決勝戦開始前、選手控室にてミーチアは轟の待つ控室をノックする。

 

「...何だ?」

「失礼しますわ、試合の前に少し話したくて」

「...あぁ」

 

ミーチアは控室の中に入って轟に話す。

 

「まずは...申し訳ありません。少し前に、緑谷さんとエンデヴァーさんが話していたところを聞いてしまいまして、轟さんの家庭環境について、予想がついていますの。」

「...あぁ...」

「そのことについて少し話したかったのですわ。まず...轟さんはまだ左側を使うのを躊躇していらっしゃいますよね?」

「そうだな...まだどうしていいのかわかんねぇ」

「わたくしも...過去、家族に政略の道具として扱われたことがありますの。自分のやりたいこともできずに、自分を肯定もしてもらえずに、ただ家のためにと。ですので、轟さんの苦しみも少しは理解できる部分はあると思うのですわ。

だからこそ...もし轟さんがこのまま自分の左側が憎いのだとしても、御父上を許せなかったとしても、貴方は貴方のために、やりたいことをしていいのですわよ。わたくしは...A組のみんな(わたくしたち)はそれを肯定いたしますわ。」

 

ミーチアは学園の中で、後の王妃として扱われていた。そのうえ魔術に関しても優秀で常にトップの成績を収め続けていた。故に周りに集まってくるのはそれに取り入ろうと全力で媚を売ってくるもののみ。真の意味で友達と呼べるような存在などいなかったのだ。そのことをミーチアは、ずっと後悔していた。「わたくしの魔術を正しく肯定してくれる、友人が欲しかった」と。今度はミーチアがその立場になる番、轟を友人として肯定してあげられる、そんな人になってあげたかった。また、A組のクラスメイトも皆心優しい者ばかりだということも、もうわかっている。だからこそみんなで轟を肯定してあげようというミーチアの優しさからの言葉だった。

 

「お前も...敵に塩を送るのか...」

「敵ではなく友人としての言葉ですわ。...そろそろ試合でしょうし、ステージに行きましょう。」

「......おう」

 

『さあいよいよラスト!雄英一年の頂点がここで決まる!

決勝戦!轟!(バーサス)!ミーチア!今!!スタート!!』

 

試合開始と同時、轟が前方に第一回戦ほどではないが、大氷壁を繰り出す。

 

『いきなりかましたあ!ミーチアに何もさせねぇってか!?』

「炎よ、すべて焼き払いなさい」

 

その大氷壁に一瞬で穴をあけるほどの炎を噴出してミーチアが出てくる。

 

『ミーチアものともせずに出てくる!』

「ミーチアさんはこれくらいじゃびくともしない...でもUSJの時みたいに限界はあるはずなんだ...だとしても、強力な魔法を使いまくってるのに...」

「単純にキャパが膨大なだけやないん?」

「だったらUSJのときはなんで...」

 

クラスメイトが観客席でミーチアの個性(個性ではないが)について考察をしていた。

 

「激流よ!押し流しなさい!」

「氷に水は悪手だろ」

「そうでもありませんわよ?」

 

そういって周りの水すべてを凍らせる轟だったが、轟の周りのステージが半身ほど高くなり、且つ地形が複雑になってしまった。そんな中でミーチアは氷の礫を轟に向けて放つ。

 

「氷よ!礫となって降り注ぎなさい!」

「チッ...」

 

しかし轟は炎を使わず、自力でそれを回避しようとする。足場の不安定な中でいくつもの氷をよけていたが、ついに足に当たってしまい、その動きを鈍らせた。それを皮切りに轟は何度も被弾してしまった。

その時観客席から緑谷の声が響く。

 

「負けるな!!頑張れ!!」

 

その瞬間轟が体から炎を噴出し、周りの氷も、礫も、一瞬にして溶かしてしまう。

ミーチアは観客席の緑谷をちらりと見てほほ笑む。

(えぇ、轟さん、大丈夫ですわよ。あなたを肯定してくれる方はこんなにも多くいるんですもの。)

そしてそのままミーチアが魔術で攻め続けた。

 

「大地よ!襲い掛かりなさい!電撃よ!駆け巡って!」

 

轟は襲い来るコンクリートを氷でその動きを止めた後ジャンプして地面を走る電気から逃れた。

 

『攻め続けるミーチアに轟は防戦一方か!?てかミーチアおまえ限界とかねぇのかよ!?』

「アイツマジですげぇな!どんだけ火力たけぇんだよ!」

「轟が防戦一方になるって相当だぜ!しかもでっかい氷は既に破ってるとなると...もう打つ手ねぇんじゃねえか!?」

「いや...まだ緑谷君との試合の時のような超爆風が残ってる。それを打てるのかが問題だが...」

 

その時、轟が瀬呂戦で見せたほどの規模の大氷壁を()()()()()()出現させた。

 

(これは...緑谷さんとの時の攻撃ですわね!それなら()()の出番ですわよ!)

 

そのまま炎を吹き出そうとする轟にミーチアは取り寄せた魔力石を()()砕き、試合開始からずっと準備していた空中の魔方陣に魔力を流した。

 

『轟が大氷壁を後ろに出した!これは緑谷ん時のあれか!?対してミーチアは空を指さして...って何だアリャァ!?』

「神代に根差した十の神罰!そのうちの一つがこれなりや!後の世に理は消えども、其の威光は未だ消えず!これこそは!原初の女神の大いなる導きである!!」

 

その瞬間ステージ上にそれから光が降り注ぎ、衝撃波を生んだ。観客の荷物が飛ばされそうになったり、一般客に気絶者が出たりと騒然とするが、ステージ上は再び煙に包まれており状況は見えない。

 

『...またこれ?ほんとおまえのクラスおかしーよ...』『これは...まァ否定できんな』

 

数秒経って煙が晴れた時、ミーチアは損壊したステージ上に、轟はステージの外で大量の氷の塊に包まれながら倒れていた。

 

「轟君場外!よって...ミーチアさんの勝ち!!」

 

その声に会場は再び歓声の嵐に包まれたのだった。

その時ミーチアは別のことを考えていた。

(轟さん...最後に炎を収めましたわね...まだ、受け入れられませんか...

でも、最初の一歩は踏み出せた。あとは自分で認めるだけですわよ。)

 

『以上ですべての競技が終了!!今年度雄英体育祭一年!優勝は――

A組、ミーチア・リダー!!!』

 

 

 

「それではこれより!表彰式に移ります!」

 

表彰台の前に並んだ生徒一同は表彰台の上の状況に困惑を示していた。

 

「何アレ...」「なんかずっとああらしい。突っかかって行ってないだけまだましな方...なのか?」

 

1位の台に立つミーチアのことを爆豪がものすごい顔(目の角度が80度くらいまで吊り上がって歯を食いしばっている)でミーチアをにらみつけており、ミーチアはそれから全力で目をそらして反対側を見ているのだった。

 

「三位には爆豪君ともう一人、飯田君がいるんだけど、ちょっとおうちの事情で早退になっちゃったのでご了承くださいな」

 

ミッドナイト先生はそんな表彰台の状況を気にせずカメラに向かってポーズを決めていた。

 

「さぁ早速メダル授与よ!今年メダルを想定するのはもちろんこの人!!

 

「私が!メダルを持ってk...」我らがヒーロー!オールマイトォ!!!」

 

オールマイトの登場とミッドナイト先生の紹介が被ってしまい何とも言えない空気になる。オールマイトは悲しそうな表情でミッドナイト先生を見ていた。

 

「爆豪少年、おめでとう!(顔すげぇ...)伏線回収とはいかなかったが、どれも見事な試合だったよ。」

優勝以外(こんなもん)いらねぇよ!俺はトップじゃなきゃ認めねぇ!!つーかあの魔法女!あんな隠し玉持ってるくせに俺に舐めプしてやがった!」

「まあ、戒めとして持っておくといいさ。まだチャンスはあるんだ。それを糧に成長したまえよ」

 

そういってオールマイトは爆豪にハグをした。

 

「轟少年、おめでとう!決勝で左側を収めてしまったのには、わけがあるのかな?」

「緑谷戦できっかけをもらって、ミーチアに肯定してもいましたが...まだ、ダメでした。あなたが緑谷を気にかける理由が少しわかった気がします。おれも、貴方のようなヒーローになりたかった。ただ...俺だけが吹っ切れてそれで終わりじゃだめだと思った。清算しなきゃならないモノがまだある。」

「...顔が以前と全然違う。深くは聞くまいよ。今の君ならきっと精算できる。」

 

そういって轟にハグをするオールマイト。ミーチアはその様子を横から眺めていた。

(...お優しいのですね。あなたなら...きっと大丈夫ですわよ)

 

「ミーチア少女、優勝おめでとう!本当に強いな君は!最後の何かは私でも対処できなかったかもしれない。」

「買い被りですわよ。」

「そんなことないさ。君はきっと...もっと強くなるのだろうな。でも、教師(我々)も君たちのために全力でやれることをする、きっと君の力になってくれるさ」

「えぇ、わたくしも存分に頼らせていただきますわ」

 

そういってオールマイトは右手を差し出し、ミーチアと握手をした。

 

「さぁ今回は彼女らだった!しかし皆さん!この場の誰にも()()に立つ資格はあった!ご覧いただいたとおりだ!競い!高め合い!さらにその先へと登っていくその姿!!次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!

てな感じで最後に一言!皆さんご唱和ください!せーの!!

 

 

おつかれさまでした!!!」「「「「「「プルスウル...」」」」」えっ!?」

「そこはプルスウルトラでしょオールマイト!!」

「ああいや...疲れたろうなと思って...」

 

こんな閉まらない感じで雄英体育祭は幕を閉じたのだった。

 

 

 

「おつかれっつうことで...明日明後日は休校だ。プロからの指名等をこっちでまとめて休み明けに発表する。ドキドキしながらしっかり休んでおけ。じゃ、解散」

 

そう残して相澤先生が教室を出ていきほとんどのクラスメイトがミーチアの机の周りに集まった。

 

「いやー、おめでとうミーチア!圧倒的だったな!最後のなんか意味わかんなかったしな!!」「ミーチアほんとすごいや!最初っから最後まで隠し玉多すぎるでしょ!!」「ミーチアちゃんおめでとうよ。さすがだったわ」「轟の氷に対応しきったのは流石だわ!俺なんか一瞬で終わりだったのに!」

「皆さん、ありがとう存じますわ。」

 

そうやってミーチアはクラスメイトに囲まれながら思うのだった。

(やはりわたくしは...このクラスが大好きですわね。)

 

 

それから家に帰って。

 

「ただいま戻りましたわ」

「ミーちゃああん!!!おめでとーーー!!!」

「ミーねぇかっこよかったぞ!!」「お姉ちゃんやっぱ最強だよ!サイン頂戴!学校で自慢する!」「ファン一号は私だからね!!私にもサイン頂戴!!!」

 

家のみんなからクラッカーと共に出迎えられて、過去一番の笑顔をこぼすのだった。

 

「皆...ありがとう存じますわ!!」




ミーチアちゃん優勝です。おめでとう。今回の大魔法は1人発動+術式の効果で威力を相当に弱めてます。ガチの全力でやったら魔力石2個なんかじゃ全く足りないし、スタジアム所か、雄英校舎所か、日本が消し飛ぶ。
ちなみに最後の大魔法のシーン。さすがにまずいと思ったセメントスが止めようとしていますし、何なら相澤先生も、個性を使いました。轟のほうは自分から収めたからまあ関係なかったけど。
何でミーチアちゃんのほうは止められなかったんでしょうねぇ。
今回の詠唱は過去一時間使った分自信あります。しかも他に流用可能。やったね私!考える時間減らせるかもよ!
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