雄英高校会議室にて
「実技総合成績出ました。」
「救助ポイント0で一位とはなあ!仮想敵は標的を捕捉し近寄ってくる。後半他が鈍っていく中派手な個性で寄せ付け、迎撃し続けた。タフネスの賜物だ。」
「対照的に敵ポイント0で8位。あれに立ち向かったのは過去にもいたけど...ぶっ飛ばしたのは久しく見てないね。」
「思わずYEAH!って言っちゃったからな」
「しかし自身の衝撃で負傷、まるで発現したての幼児だ。妙な奴だよ。あそこ以外はずっと典型的な不合格者だった」
「そして2位の彼女、試験開始前に何か地面に書いてたと思ったら開始直後にそれから岩が飛び出して、会場内の敵に向かっていった。あれだけで一気に30体も倒してる。そのあとにも他を助けながら行動し続けてるね。
あとは試験終了後だったけど、他者をけがを癒したらしい。」
「正に何でもできる個性だな!すげえや!」
「次は...」
雄英高校の入学試験終了から一週間、自宅である施設にてみーちあはここ一週間の間ずっと落ち着かない浮島院長に苦笑いをこぼしていた。
「浮島院長、さすがに落ち着いてはいかがですの?」
「落ち着いていられないよ!ミーちゃんの合格が確定するまでもう...怖い!!」
そういって足をバタバタさせる浮島院長を紅茶を飲みながら眺めていると、弟が帰ってきた。その手に一つの封筒をもって。
「ミーねぇ、なんか来てたよ。雄英高校からって」
その声にいつもはおっとりしているはずの浮島院長は今まで見たことないほどの俊敏性を見せつけ封筒をミーチアのもとに持ってくる。
「早く開けよ!早く!」
「もう...落ち着いてくださいまし...」
そういって封を開けると中から手のひらサイズの機械が出てくる。それをテーブルの上に置くとブオン!という音と共に映像が映し出された。
『私が投影された!』
「「えっ、オールマイト!?」」
筋骨隆々という言葉がふさわしいその体格に、威風堂々とした佇まい。そしてアメコミのような他とは違う画風。ヒーローに興味のないミーチアですら知っているNo.1ヒーロー、オールマイトがそこに映った。
『ミーチア少女!初めましてだね!なぜ私が投影されたのかって?それは私がこの春から雄英の教師として勤めることになったからさ!さて、それでは早速君の合否の発表だが...
文句なしの合格だ!筆記試験はなんとほとんどの教科が満点!私もやってみたがかなり難しかったね!HAHAHA!
そして実技試験!敵ポイント45!それに加えて我々がひそかに見ていたもの!他者を助けるその精神を評価して救助ポイント30!合計75ポイント!合格者の中でもトップクラスの成績だ!
ミーチア少女!あらためておめでとう!雄英で待っているぞ!HAHAHA!!』
高笑いとともに消えた映像、その勢いに呆然としていると浮島院長が抱き着いてきた。
「うわあああ!ミーちゃん良かったねぇ!!合格!それもトップクラスの成績だって!!」
「オールマイトが先生になんの!?ミーねぇいいなぁ!」
このあとも帰ってきた兄弟姉妹たちにもみくちゃに祝われながら夜は更けていくのだった。
――そして時間は流れ、春。
「ミーちゃん、忘れ物ない?大丈夫?」
「ええ、もう確認は済ませてありますわ」
「そう...ミーちゃん...いってらっしゃい!」
浮島院長からのその言葉にミーチアは笑みをこぼして言う。
「行ってまいりますわ」
雄英高校1-Aクラスの教室前にて
(ドア...大きいですわね...)
その扉の大きさに驚嘆しながら扉を開けて入っていく早めについたためそこまで人はいなかったが、これから学友となる人たちに視線を向け自分の席を探していると、後ろから声をかけられた。
「あの...ミーチアさんだよね。会えてよかった。」
そこには実技試験の時に知り合った少女、耳郎響香がいた。
「あら、耳郎さんでしたわね。無事合格できたようで良かったですわ。」
「おかげさまでね。あらためてありがと。」
「わたくしは自分のためになることしかやってませんわ。合格したのは貴女の実力があってこそ...ですわよ」
「あはは...ほんとありがとね」
そういってミーチアと耳郎が話していると教室の外から声が聞こえた。
「お友達ごっこしたいなら他所へ行け。ここは、ヒーロー科だぞ」
そこには黄色い芋虫がいた。
(何で寝袋??)
困惑しているとそれから一人の大人がヌーっと出てくる。
「ハイ。静かになるまで八秒かかりました。時間は有限、君たちは合理性に欠くね。」
突然出てきた大人の罵倒にクラス全員が困惑する。
「担任の相澤消太だ。よろしくね。
早速だが
そういってそそくさと出ていく担任に困惑しつつついていく。
更衣室内にて、着替えながら耳郎と話すミーチア。
「何か...強烈な人だったね、担任の先生」
「ええ、あの登場はびっくりですわ」
そこに別の少女が加わった。
「変な人だったね~。あ、私葉隠透!見ての通り透明人間だよ!」
「うちは耳郎響香。よろしくね」
「ミーチア・リダーですわ。よろしくお願い致します」
「外国人!?日本語上手!」
「ええ、4歳から日本におりますので」
本当は外国どころか異世界出身なのだが、そんなことを言ってもまあ信じてもらえない。今までもそういう設定で通してきたのだ。着替えてグラウンドに出ると、担任の相澤から告げられる。
「これから個性は把握テストをやる。」
「個性把握...テストぉ!?」
「入学式は!?ガイダンスは!?」
「ヒーローになるならそんな悠長な行事出る時間ないよ。雄英は自由な校風が売り文句。そしてそれは先生側もまた然り。
ソフトボール投げ、立ち幅跳び、50m走、持久走、握力、反復横跳び、上体起こし、長座体前屈。中学のころからやってるだろ?個性禁止の体力テスト。国はいまだ画一的な記録をとって平均を作り続けてる。まあ文部科学省の怠慢だよ。」
そういって相澤は一人の生徒に話しかける。
「爆豪、中学の時ソフトボール投げ何mだった?」
「67m」
「じゃあ個性使ってやってみろ。円からでなきゃ何してもいい。はよ。おもいっきりな」
爆豪はそういわれると円に入り振りかぶる。
「死ねぇ!!!」
(((((.......死ね?)))))
これが初めてクラス一丸となった瞬間である。
「まず自分の最大限を知る。それがヒーローの素地を形成する合理的手段。」
そういって相澤が見せた機械には705.2mと表示されていた。
「なんだこれ!すげー面白そう!」
「705mってマジかよ!」
「個性思いっきり使えるんだ!さすがヒーロー科!」
クラスのみんなが口々に言うがそれを聞いた相澤の雰囲気が変わった。
「面白そう...か...。
ヒーローになるための3年間、そんな腹づもりで過ごす気でいるのかい?」よし、トータル成績最下位のものは見込みなしと判断し、除籍処分としよう。」
「「「はあああ!?」」」
「生徒の如何は先生の自由。ようこそこれが、雄英高校ヒーロー科だ。」
髪をかき上げた相澤が笑いながら生徒にそう声をかけたのだった。
「最下位除籍って...入学初日ですよ!?いや初日じゃなくても...理不尽すぎる!」
そう抗議するクラスメイトに相澤は当たり前のように返す。
「自然災害...大事故...身勝手な敵たち...いつどこから来るかわからない厄災、日本は理不尽に塗れてる。そういう
放課後マックで談笑したかったならお生憎。これから三年間雄英は全力で君たちに苦難を与え続ける。
”Plus Ultra”さ。全力で乗り越えて来い」
(だとしても横暴が過ぎるのではありませんこと?)
「さて、デモンストレーションは終わり、こっからが本番だ」
第一種目:50m走
ミーチアは風魔術、筋力増強魔法での補助で走り抜けた。
「風よ、わたくしに従い走り抜けなさい」
記録は5秒35
クラスメイトの一人、鳥の頭をした少年がじっとこちらを見ていた。
第二種目:握力
筋力増強魔法を使う。
記録は93㎏
第三種目:立ち幅跳び
風魔術で空を飛び続けると相澤から声がかかる。
「...それ、いつまで飛んでられる?」
「魔力が尽きるまでですわね。これ一つだといつまでもですわ」(そういえば50m走、競技名に引っ張られて走りましたが、飛べばよかったですわね...)
記録は∞
「無限とかあんのかよ!すげー!!」
第四種目:反復横跳び
筋力増強魔法で。
記録は62回
第五種目:ボール投げ
立ち幅跳びのように風魔術でボールを飛ばす。
「...いつまでもか?」
「そうですわね」
記録は∞
「もっかい出たぞ!?」
ミーチアの後、緑髪のクラスメイトの番となる。ミーチアの前で二人のクラスメイトが話している
「緑谷君はこのままだとまずいぞ...?」
「ったりめーだ、無個性のザコだぞ!」
「無個性!?彼が入試時に何を成したのかしらんのか!?」
その会話にミーチアも疑問を持った。
(無個性であの入試を突破したんですの?まあ個性なしでも単純に筋力があれば突破はできそうですが...失礼ながら彼がそれをできるようには見えませんし...)
緑髪のクラスメイトが投げるが
「46m」
「な...確かに今使おうって...」
彼の困惑する声に相澤が近づきながら言う。
「個性を消した。つくづくあの入試は...合理性に欠くよ。お前のような奴も入学できてしまう。」
「消した...!あのゴーグル...そうか...!抹消ヒーロー、イレイザーヘッド!」
その声に近くにいた耳郎が話しかけてくる。
「ミーチアさん知ってる?」
「...存じ上げないですわ」
個性を消す個性。かなり強力なものだったが、ミーチアはそれとは別のところで焦っていた。
(まずいですわ...!わたくしの魔術が個性でないことがばれる可能性があるのではなくて!?)
それから緑髪のクラスメイトにいくつか小言を言った相澤が離れていった。
彼はソフトボール投げ二回目を投げる。その時
「SMASH!!!」
今まで記録が伸びなかったとは思えないような記録705.3mを記録していた。
「あの痛み...程じゃない!先生...!まだ...動けます!」
彼のソフトボール投げ終了後、爆豪が彼に突っかかっていこうとしたが相澤がそれを止めた。
その後ミーチアは彼のもとに近づき話しかける
「失礼しますわ。」
「え?」
「その指、けがをしているでしょう?わたくしが治療いたしますわ」
そういって彼の指に手を当て回復魔法をかける。
「さすがに損傷がひどいので全快とはいきません。同じような負傷は避けるようにお願い致しますわ。」
「あ...ありがとうございます」
それを見た相澤からミーチアに声がかかった。
「ミーチア、治療は結構だがあまり世話をかけてやるなよ。負傷しても治ると思われたらたまらん。」
「了解しましたわ。...ということで治療はこれきりですわ。残りの競技も頑張ってくださいまし」
第六種目:上体起こし
筋力増強魔法と風魔術の補助で行う。
記録は42回
第七種目:長座体前屈
これは普通に魔術なしで。
記録は37cm
第八種目:持久走
風魔術で飛び上がり、そのまま空中を走り抜けた。
記録は2分15秒
これで全種目が終了した。
「んじゃパパっと結果発表。トータルは単純に各種目の評点を合計した数だ。口頭で説明すんのは時間の無駄なので一括開示する。
ちなみに除籍は嘘な。君らの最大限を引き出す合理的虚偽。」
そういって記録を映像で映し出しながら鼻で笑う相澤だった。
「「「「「はーーーーーーー!!!!???」」」」」
「あんなの嘘に決まってるじゃない...ちょっと考えればわかりますわ」
(いや、見込みなしと判断して除籍と言っていましたし、見込みがあると思われただけではありませんこと?おそらく見込みがなければ本気で除籍にするつもりでしたわよ...それも最下位以外でも)
「そゆこと。これにて終わりだ。教室にカリキュラム等の書類あるから目ぇ通しとけ。
緑谷、治療はしてもらったんだろうが一応
こうして個性把握テストは終了したのだった。
ちなみにミーチアは一位だった。
50m走と持久走、転移魔法を使えるようにするかどうか迷いましたが、まあそれ持ってると後々何でも出来すぎて困りそうなので止めました。私前作で主人公強くしようとして困った経験あるから自重します。