悪役令嬢のヒーローアカデミア   作:めめ師

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第二十五話です。年末年始の間お待たせしました。今日から再開します。
文化祭前にオリジナルストーリーに入っていきます。


不穏な気配

「ソニア姫、今日は貴女が女神様に認められるための儀式が行われる日だ。今日というめでたい日を存分に祝おう!」

「ありがとうレオン!私とっても嬉しい!」

 

玉座の間にて、荘厳な衣装に身を包む男女が話し合っていた。そこに衛兵が入ってきて大声をあげる。

 

「国王陛下!お待たせ致しました!儀式の準備全て完了となります!」

「ああ待ったぞ!よしソニア姫、参ろうか」

「ええ♡」

 

それから儀式の間にて、ソニアと呼ばれた女性が1人、魔法陣の上に立って目を閉じて祈っていた。

そこに天から声が響いた。

 

『ふむ...聖女ソニアよ...貴様は心が汚れておるな...昔はそうではなかったハズだが?何かきっかけが?

いや、それよりだ。今の貴様を国を導く者としては到底認められんな。以前の婚約者であれるミーチア・リダーであればなんの憂いもなかったのだが...』

 

聞こえてきた女神の声にソニアは大声を上げた。

 

「ハァ!?ふっざけんなよ!私はヒロイン!主人公なのよ!?そんな私を認めないとか頭沸いてんのか!

っつーか死んだやつの名前出すんじゃねーよ!」

『彼女は死んでなどいないが?既にこの世界には居ないが、別の世界で元気に生きている。

...なんにせよ、貴様が認められることはない。即刻この儀式の間から出ていくが良い。』

「チッ!私にお前らの力なんて関係ねーんだぞ、後から後悔すんなよ!」

 

そう言ってソニアは乱暴に扉を閉めて部屋から出ていったのだった。

それから再び玉座の間にて。

 

「どういうことだ!?ソニア姫が女神様に認められないとは...女神様は気でも狂ったか!」

「レオン聞いて!女神様に、ミーチアさんよりも魔術で劣っているからダメだって言われちゃった!連れてくるならミーチアさんを連れてきてって!」

「やつは死んだはずだろう?王宮魔術師よ!どういう事だ!」

 

その質問に王宮魔術師が少し考えて言葉を紡ぐ。

 

「彼女は今、魂が別の世界にあるようですな。恐らくそれによって生きていると考えられるかと」

「チッ!使えんな!俺が直々に手を下してくれるわ!

ソニア姫、しばし待っていてください。すぐに終わらせます。

おい!俺をその世界に送れ!魔力の供給も忘れるなよ!四六時中だぞ!」

 

 

 

緑谷たちがインターンを終えて10月に入った頃、ミーチアたちはもうかなり慣れてきた必殺技開発の授業を受けていた。

 

「それでは今日も、各自必殺技の向上に努めていきましょー。以前課した最低ふたつの必殺技、できてない人は開発を、出来てる人はさらなる発展を。」

 

ここ最近の必殺技開発の授業の中で、ミーチアは魔術書を持ち込んで新しい魔法の開発を行っていた。

と言うのもミーチアの魔法の威力は基本、そこに込める魔力に依存する。

数少ない例外においても術式の内容で威力を調整するもの。練度を高めて必殺技を向上させるというものではなかった為である。

なおその様子を、数日前に3度の爆発に立ち会った芦戸、上鳴、八百万がハラハラと眺めている。

そこにエクトプラズム先生の分身がやってきた。

 

「今ハドウイッタ魔法ヲ開発シテイルンダ?」

「今は指向性を持つ攻撃の流れを変える魔法ですわね。ただ乱雑な流れを揃えるような魔法よりも元々揃ったものの流れを変えるだけですので、術式がかなり簡略化出来るのですわ。」

「フム...指向性ヲ持ツ攻撃トイウトドウイウモノガ該当スルンダ?」

「例えば瀬呂さんのテープやセメントス先生のセメント操作ですわね。逆に轟さんの炎、氷はいずれも空気中の温度に干渉してそこに氷や火を起こすものですので、場所を狙っていたとしても指向性があるとは言えませんわね。

物理的な攻撃には基本的に聞かないのが難点ですが、そこは別の魔法で補いますわ。」

 

ミーチアの説明にエクトプラズム先生は納得したように首を縦に振った。

 

「フム、君ノ戦闘スタイルカラシテ得意ナ分野ハ遠距離戦ダロウ。ソレヲ補強スルトテモ良イ魔法ダナ。」

「ありがとうございますわ」

 

ミーチアはそのまま開発を進めていくのだった。

なお授業の終わり、爆発しなかったことに芦戸、上鳴、八百万はホッと息を吐いていた。

 

「ミーチア最近必殺技開発の授業中ずっと座りっぱなしだよね。アレなにやってんの?」

「魔法の開発をしているのですわ。わたくしの魔法は練度で威力の変動するものではありませんので、必殺技をドンドン増やして言った方が良いのですわ。」

「開発ってすごいよねー、どんなのかは分かんないけど前見せてもらった本とかまじで分からんかったし、そんなんを自分で作ってなると私なら気が滅入っちゃう」

「まあわたくしは昔からやっている事ですので慣れたものですわね。」

 

次の日、ヒーロー基礎学の授業でA組一同はUSJに来ていた。

前に立つ相澤先生が授業の内容の説明を始めた。

 

「えー今日行う授業だが、個性無しでの訓練を行ってもらう。敵に俺みたいなやつが現れないとも限らないからそういうやつも相手できるようにな。

じゃ、始めてくぞ。」

 

相澤先生の説明に緑谷、切島、麗日、蛙水はあることに気づいた。

 

((((これは...個性消失弾に対応するための授業か...))))

 

個性消失弾とはその名の通り、そのたまに撃たれると体内の個性因子を破壊し、その人の個性を使えなくしてしまうというもの。

彼ら4人は先日のヒーローインターンにおいて、その存在を知っていたのだった。

 

一方相澤先生は説明が終わったあと、(当然、お前もだぞ?)とミーチアに視線を向けた。

その視線に気づいたミーチアは(分かっておりますわよ)と視線を返した。

 

それから個性無しで山岳ゾーンを登りきるところから始まったのだが...

 

「ハァッハァッ...キッツイですわ!!」

「ミーチア体力ないのね...個性無しでやることなんてなかったから知らんかったな...」

「私とかこういうの今まで個性全然関係無かったから慣れてるけど、ミーチアちゃんはこういうの全部個性で解決できたもんね。」

 

ミーチアは山岳ゾーンの3分の1に到達する前から、誰よりも早く息を切らしていた。

ミーチアは普段魔術で自身の身体能力を底上げしていたため、周りには気づかれなかったが、彼女は昔から部屋にこもって魔術の開発ばかりやってきた。

当然、素の体力なぞあるはずもないのだった。

 

そしてミーチアは汗だくになりながら他のみんなの倍以上の時間をかけてようやく登りきったのだった。

 

「こういう系でミーチアが1番にいない所か最下位なの新鮮だな...」

「いっつも独走してるもんね。」

 

「ミーチア、お前普段そんな個性に頼りきりだったのか...改めろよ。何が起こるかわかんねぇんだ。俺みたいな個性持ち相手に何も出来ませんじゃ話にならんぞ。」

「...ハァッ...ハァッ...分かり...ましたわ...」

「よしじゃあ次行くぞ。次は水難ゾーンだ。」

 

ミーチアは絶望して地面に倒れ伏したのだった。

即行相澤先生に捕縛され、無理やり移動させられたが。

 

その後授業が終わり、ミーチアは教室で机に突っ伏しながら周りに集まるクラスメイトに愚痴を言っていた。

 

「もうあんなの懲り懲りですわ...大体相澤先生のような個性なんてそうそうないでしょうに...」

「まあまあ、もしもの話とはいえ、有り得なくはないし?」

「そうよミーチアちゃん。相澤先生という前例がいるのだから、そういうこともあるわ」

 

個性消失弾の存在を知っている麗日と蛙水はミーチアずっとを慰めるのだった。

 

「轟はそもそも身体能力だけで言うならクラス1だし、爆豪は才能マンだし、今日の授業躓いてたのミーチアだけだったな...」

「うるさいですわよ!わたくしには魔法があるからいいんですわ!」

「それが出来ない時の訓練だろ。」

 

ミーチアは上鳴のつぶやきに怒りを露わにするが速攻で論破されて黙り、再び机に突っ伏したのだった。

 

それから放課後、皆で共有スペースでニュースを見ていた時のこと。

 

『本日15時頃、○○市一帯で約30分の間、個性が使えなくなるという事件が発生しました。

原因は以前不明、現在警察が調査を進めているところで...』

「なんこれ?今日の授業の内容とそっくりじゃね?」「うむ、さすが雄英高校!先見の明があるな!

ミーチアくん!実際にこういう事件が起きたのだ!ちゃんと相澤先生の言うように基礎体力の訓練を行うのだぞ!」「分かっておりますわよ!」

 

あまりにもタイムリーなニュースの内容にA組一同は困惑をしていた。

うち4名は別のことを考えていたが。

 

((((地域一帯で同時に...個性消失弾じゃない?))))

 

個性消失弾とはあくまで弾丸。影響を及ぼすのは個人のみで広範囲に作用するものではなかった。さらに個性消失弾の劣化版である個性の消失に時間制限のあるタイプについても、そこまで量産化されているようなものではない。

ヒーローインターンに参加した4人はこの事件が個性消失弾によるものではないことを確信し、新たに現れた重大な事件の予感に不安を覚えるのであった。

 

 

 

「クソッまだ30分程度か...まだダメだ...もっと...もっとあの不気味な力の源の濃い連中を...」

 

とある雄英生徒に向けられた悪意は日増しに大きくなっていく。

 

 

翌日、朝のHRで相澤先生が話を始める。

 

「昨日のニュース見たな?個性が使えなくなる戦闘...それが現実味を帯びた。今日からは個性禁止での訓練を増やしていくぞ。」

 

その声に教室中の視線はミーチアに集まった。

ミーチアは全く動くことなく身体が白くなっていた。

 

「気絶してる...」「よっぽど嫌だったんだな...」

「若干1名消えかけているが、もう授業が始まる時間だ。じゃあコスチュームに着替えてグラウンドに集合するように。以上解散。」

 

ミーチアは相澤先生に縛られて更衣室の中へと雑に捨てられた。

 

「よしじゃあ今日は基礎体力づくりだ。既に基礎の出来ているものはそれを強化していく。

...ミーチアはひたすら走り込みだ。現状、基礎体力所じゃないからな。お前だけは無理して貰うぞ」

「......お手柔らかにお願いしますわ」

 

それから訓練を終えて放課後、ミーチアは共用スペースのソファで横になっていた。

 

「ミーチア?大丈夫?」

「もう動けませんわ...動きませんわ。」

「えぇ...ご飯どうするのさ?」

「持ってきて食べさせて下さい」

「えぇ、まあ良いけど...」

 

その日、A組の寮内では耳郎に介護を受けるミーチアのの姿があったのだった。

そんな中垂れ流しにされていたテレビがひとつのニュースを告げた。

 

『最近、○○市で異形型の個性を持つ者を狙ったと思われる誘拐事件が起きています。

これを受けて地元のヒーローが子供の通学に立ち会う事となり、付近の住民からは不安の声が多く上がっています。』

「○○市って...個性使えなくなったっていうとこだよね?なんか物騒だな...色々怖...」

「次は大根をお願いしますわ。」

「はいはい。」

 

 

○○市外れの廃倉庫内にて

 

「やはり人外共は力の源が多く採取できる。完成するまであと少しだ...

待っていろミーチア・リダー...」




魔法なしの時は相当貧弱なミーチアちゃん。まあずっと籠ってばっかだもんねきみ。
ミーチアちゃんの居た元の世界について、構想はありますし描写はしますが特に詳しく説明する予定はありません。裏設定ってやつです。
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