悪役令嬢のヒーローアカデミア   作:めめ師

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第二十九話です。文化祭良いよね...私も学生時代に色々楽しんだものです。文化部だったので特に楽しかった思い出。


文化祭出し物練習

文化祭の出し物とその役割が決定してから、週末の土曜日。A組はそれぞれ役割に別れて練習をしていた。

ミーチアは寮の外でダンス練習だ。

 

「緑谷ちがーう!もっとこうムキッと!ロックダンスのロックはLOCKだよ!」

「う、うん...」

 

ダンスに慣れておらず体の硬い緑谷や飯田はぎこちない動きで練習をする。飯田に至ってはほぼロボットダンスだ。

 

「ミーチアちがーう!もっと動き早く!社交ダンスじゃないんだよ!」

「こ、こうですの?」

 

ダンスを経験しているとはいえ、パーティでドレスを着て踊るような社交ダンスが身についてるミーチアにとってはロックダンスの様な動きの激しいダンスは初めてで、なかなか苦戦している。

 

そんな中、影からその様子を眺めるふたつの影があった。

 

「フフフ...まだ誰も気づいてないようだ...

どうれ、登場一発ギャグでひと笑いかっさらって...」

「あ!通形先輩!」

 

緑谷にバレてしまった。

 

「って...エッ!エリちゃん!!」

「デクさん。」

 

隣で通形が草むらからお尻だけを出して「桃がなってるよ!」と一発ギャグをしていた。

...雄英内に子供がいるということでみんなそちらに目を向けていて誰もその様子を見ていなかったが。

 

「え!?何何、先輩の子供!?」

「素敵なおべべね。」「かっかっ可愛〜!」

 

みんながエリちゃんの元に集まる中、いつの間にか来ていた相澤先生が説明をする。

 

「校長から許可が下りた。びっくりしてパニックを起こさないよう、1度来て慣れておこうって事だ。」

「エリちゃん...インターンの子か!俺は飯田!よろしく!」「10年後が楽しみだ。オイラ峰田。」

 

不穏な事を言い出す峰田の頭をシバきながらミーチアもエリちゃんの元に近づき、しゃがんで話しかけた。

 

「子供に何を言ってるんですの。

わたくしはミーチアですわ。よろしくお願いしますね、エリちゃん。」

 

そう言ってミーチアは手元に部屋の中に置いてあるクマのぬいぐるみ(クラスメイトとゲームセンターに行った時に取ったもの)を転移させてエリちゃんに渡す。

 

「わっ...」

 

どうやら好評だったようでエリちゃんはクマのぬいぐるみを受け取りそれを抱きしめて、ハッという表情を見せると通形の後ろに隠れてしまった。

 

「照れ屋さんなんだよね。」「照れ屋さんか」

「というわけでこれから俺、エリちゃんと雄英内を回ろうと思うんだけど、緑谷くんもどうだい!?」

 

そこに寮の入口の扉を開けて切島が顔を出した。

 

「おーいダンス隊!ちょっと話が...ってエリちゃん!?

オッスオッス!って俺のことは知らねーか!」

「じゃあちょっと休憩挟もうかァ!ティータイム!」

 

緑谷は通形とエリちゃんと一緒に雄英内散策に向かった。

 

「ミーチアちゃん子供の扱い上手なのね。」

「まあわたくし孤児院で子供の世話を何度も経験しておりますので。」

「えっ孤児院!?ミーチアちゃんってもしかして...」

「ああ、実家は孤児院ですわ。4歳の時に拾われたんですの。

...いえ、そんな顔なさらなくてもこの世界にやってきた直後の話ですので気まずい話でもなんでもありませんわよ。それより、わたくしの淹れた紅茶はどうです?」

「うめー!ヤオモモの淹れた紅茶にも引けを取らねぇ!」

「良かったですわ。初めて皆さんにお出しするのでお口に合うか不安だったのです。」

 

それから休憩が終わり、戻ってきた緑谷も含めて再びダンスの練習を始めたのだった。

 

それから夜になって、ミーチアは共同スペースの端で常闇と隣合って座り、話していた。

 

「それでは今日は献身の女神様の話を致しましょう。」

「ああ、よろしく頼む」「ヨロシクナ!」

 

ミーチアは最近こうして常闇と前世の神話について話すことがよくあった。常闇が神話に興味を持ったことがきっかけだった。

 

「献身の女神様はその名をステニア様と呼びます。先日のレオニダス陛下に加護を与えた女神様ですわね。

かの女神様は人類を観測し、その名の通り観測した人の行いに応じてその手助けをするのですわ。陛下が危機を逃れたのはそれによるもの、それを破るのは同等の女神様の力が必要になるほど強力な加護ですわ。これ程強力な加護を人間に掛けるのはステニア様くらいですわね。」

「フム、献身...此方でもそこまで個人に寄り添う神様は珍しいものだな。」

「そしてステニア様はその昔、世に戦争が続く中でとある王国の田舎生まれの少女に目を付けたのですわ。その少女は後に聖女と呼ばれ――」

 

それからもミーチアの異世界神話語りは続く。

ちなみにこの間、ミーチアは手慰みにダークシャドウをずっと撫でていた。精神的には周りよりも上とはいえミーチアもしっかり女子、可愛いものには目がないのだった。

 

そしてその様子を影から眺める影が2つ、目を光らせていた。

 

それから1週間後、ミーチアは演出隊のみんなと話をしていた。

 

「序盤で青山にミラーボールになってもらうんだけどさ、客に飽きられないように途中から上下左右に動かしたいんだよ。ミーチアの風でどうにかできね?」

「風では無理ですが、予めプログラムしたように動かすくらいなら可能ですわ。青山さん、最初はダンス隊でしょう?予め描いた魔法陣の上に立っていただければ、あとはプログラム通りに動いてくれますわ。」

「おーし、じゃあ青山はそれで決定な。動きは後でまとめておくわ!」「ええよろしくお願いしますわ。」

「そういやミーチア、お前は演出って何やんだ?」

「そうですわね...色々出来ますが、前に耳郎さんに見せていただいたドームでのライブを再現できるように空間を広げてみせる幻術を使おうかと考えていますわね。あとはそれに合わせて観客がいるように見せかけたりとか。他にも盛り上げるような演出があればやりますが...」

「あぁ、それならオーロラ何かどうだ?こないだの仮免補講で幻術の個性持ってるやつがやってたんだが。」

「なるほど、そういうのも良さそうですわね!

演奏する曲からして、中盤にオーロラ、最後のサビで青空に変えるような形にいたしましょう。」

「おお〜オシャレ!良いなそれ!」

 

それから1週間後、ミーチアは切島に渡された資料とにらめっこをしていた。予めプログラムしておくにしても、体育館の大きさと青山の動き、始動位置やほかの演出メンバーの動きも含めて様々なことを考慮した上で術式を組まなければいけないためミーチアは悩んでいたのだ。

 

「うーん...これだと轟さんの氷を巻き込んでしまいますわね。」

 

実はミーチアの物体を操る魔法はその輪郭を正確に捉えないとそのまわりの物体を巻き込むようになってしまう。一定の空間を動かす様な魔法のため、その空間に別のものが入ってくるとそれも一緒に動かしてしまうのだ。

しかし輪郭を正確にすればするほど青山が身動きを取れなくなってしまう。空中にいるため青山も全く動かないということも難しいのだ。ミーチア自身、この魔法で人を動かすような経験だと無くどうすればいいか考えていた。

ミーチアがリアルタイムで動かすのなら全て解決できるが、ダンスをしながらはさすがに無理である。

 

「どうした?悩んでいるのか?」

 

そこにバンド隊の休憩に入った常闇がやってきた。

ミーチアが現状を説明すると常闇は少し考えると言葉を話す。

 

「それならひとりで無理に青山を動かすのではなく、麗日に無重力にしてもらった後に動かせば良くないか?軽いものを動かすための力を産む位なら幾分か楽だろう?丁度麗日もダンス隊だ。ハイタッチのような形で発動させる機会も作れるだろう。」

 

常闇の提案を聞いたミーチアはパッと顔を明るくさせ、常闇の手を取ってブンブンと振り叫んだ。

 

「そっ、それですわ!ナイスアイデア!ありがとうございますわ、常闇さん!早速相談してきますわ〜!!」

 

ミーチアはテンションを上げてピューッと走って出ていく。取り残された常闇は少し顔を赤くして自身の手を眺めながら呟いた。

 

「...女子に手を取られるのは...久方ぶりか...」「照レンナヨ!」「...うるさいぞ、ダークシャドウ。」

 

そしてその夜、共同スペースの端でミーチアと常闇がいつも通り話していた。もちろんミーチアはダークシャドウを撫でている。

 

「では本日は死の女神様のお話を致しましょう。」

「死の神...これまでの善神とは打って変わったな。」「フミカゲノ好キナヤツダナ!」

「わたくしの世界に善神悪神という区別はありませんでしたわ。そういう二分は可能ですが、どの女神様も等しく人類や世界を想って行動をしているものですので。

特に死の女神、ネス様は死した者をその人生で抱えた想いに比例して死後の幸福や贖罪を与えるのですわ。」

「こちらで言う閻魔だな。天国、地獄を同一の存在が管理しているのか。」

「そうなりますわね。ネス様の最も有名な逸話としては――」

 

そして話は文化祭の練習に移り変わっていた。

 

「そういえば常闇さん、演奏の方は順調ですの?」

「ああ、コード進行は全部覚えたがやはりまだ指が慣れんな。混乱するのもそうだし、何よりずっとやっていると指が悲鳴をあげる。」

「押さえるだけでも結構大変ですものね。ここはひとつ、回復魔法を掛けてあげましょう。」

 

ミーチアはそう言って常闇の左手を取ると指先に触れて回復魔法をかけた。

そんな2人の談話に目を光らせる影が2つ、今日も覗く。

 

そして翌日、ようやく相澤先生からの許可が下りた体育館を使用して全員で動きの確認をしていた。

 

「...じゃあ次、ミーチア、麗日、緑谷が左で青山、梅雨ちゃん、葉隠が右から出てきてステップ開始。8回ステップ踏んだら緑谷、青山の見せ場、みんなで2人に視線を促す。そっからミラーボール青山の開始、緑谷がまずぶん投げて終わったら尾白が受け止める。あとは麗日ハイタッチして無重力になったら舞台裏の魔法陣の上で待機ね。そっから演出部隊の準備時間、でサビに入ったら演出隊の本領発揮!そっから女子は峰田のハーレムパートまで、男子はサビが終わるまで自由に!ただしちゃんとラスサビ前までには戻ること!その辺の動きはまだ定まってないから今日は臨機応変に!

とりあえずここまで流しで!じゃあ行くよー!」

 

その日の夜、共同スペースで峰田が嘆いていた。

 

「ミスコンがあっただなんて...聞いてない!今からでもウチから1人出すべきだ!八百万とかミーチア辺りから!」

「そうなって出し物が疎かになるだろうから伝えなかったって相澤先生が言っていたではありませんか。もう諦めなさい、わたくし達にはライブだけでも十分ですわよ。」

 

どうやら文化祭ではミスコンが開催されるようだった。A組のみんなは相澤先生の判断により伝えられていなかったが。曰く、出し物決めるだけでもあんなに非合理的だったのにさらに新しい企画なんかやらせられるか、との事。出し物決めに手間取ったのは事実なのでみんな何も言えなかった。

 

それから2週間後、文化祭本番の前日夜11時半頃、数人の生徒が共同スペースで駄弁っていた。

 

「寝れねーー!!」「静かに!寝てる人もいるから!」

「皆、盛り上がってくれるだろうか...」「さすがに緊張してきましたわね...」

「そういうのはもう考えない方がいいよ、恥ずかしがったりおっかなびっくりやんのが1番よくない。舞台に上がったらもうあとは楽しむ!」「お前めっちゃ照れ照れだったじゃねぇか!」「あれはまた違う話でしょ!」

 

少し離れたテーブルで緑谷と青山が小物の点検を行っていた。

 

「耳郎さんの話、色んなことに通じるね。」「ウィ☆誰が為を考えると結局、己が為に行き着くのさ。」

「あっ、これ口田くんのハトが咥える用のロープが結構傷んできてるな...」

「八百万に作ってもらえば?」

「ヤオモモもう寝てるよ!便利道具扱いしないの!」「俺のことは充電器扱いするじゃん!」「これが男性蔑視。」

「わたくしが直しましょうか?それくらいならすぐですわよ。」

「いやいいよ。僕、明日朝イチで買ってくるよ。朝練もあるし、ついでに買いたいものもあるから。」

「いやいや、俺ら10時からだぞ店ってだいたい9時からじゃん。」

「雄英から15分くらいのとこにあるホームセンター、あそこなら8時からやってるんだよ。」「けっこーギリじゃん」

 

そんな中芦戸が声をあげる。

 

「そろそろガチで寝なきゃね。」

「おう、そんじゃまた明日やると思うけど、夜更かし組!一足お先に...絶対成功させるぞ!」

「「「「「おーー!!」」」」」




ミーチアちゃんは絶対子供の扱い上手いし子供好きだね。私が言うんだからそうだ。きっとそうだ。あの頃のエリちゃんが心を開いてくれるかは別として、子供に好かれるようなことは無意識でもやってそう。

作中の異世界神話はもうほぼ裏設定みたいなもんなんでガン無視で構いません。女神の名前とかも大体全部適当なアナグラムです。深い意味は無い。

ミーチアちゃんのいた世界の設定とかって出して欲しい?

  • 欲しい(ストーリー上で)
  • 欲しい(ストーリーとは別で)
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