全員のコスチュームや運動場の乾燥を終えて自陣に入ったミーチアは思案する。
(さて...皆さんはどうでしょう...先程と同じ戦略だとそのまま突破されかねない...A組には常闇さん、爆豪さん、緑谷さん、轟さん、飯田さん...火力の高い方々が多くいる...
やはりやるなら量より質でしょうか?
個々を相手するだけなら楽ですが...)
『位置に着いたわね。第七試合、スタートよ!』
そこで試合開始の放送が入った。
「あまり考える時間はありませんわね。意味は薄いですが、様子見と致しましょう。」
そう言ってミーチアは魔法を発動させた。
時は遡って数分前、A組スタート地点に移動中、みんなが作戦を話していた。
「よーし、相手はミーチア、向こうは4人も捕まえなきゃいけない、こっちはミーチア一人捕まえればいいわけだけど...
...無理じゃね?」
「ちょっ、キツイのはそうだけどいきなり諦めんのはなしでしょ!」
「いや、そうは言うがよ!さっきの見てたろ!?あんなんされたら手も足も出ねーよ!」
「ミーチアさんがどういう作戦で来るかは分からないけど、もしさっきみたいに物量で攻めてくるならこっちは広域せん滅なら得意分野の人が多い。逆に量より質を選ぶんだったらみんなで協力すればいい...
1番怖いのが質の高いものを大量に持ってこられることだけど、正直ミーチアさんならやってきかねないよね。」
「そうね。ミーチアちゃんならやってくると思うわ。火力も数も索敵も相手は高水準、こっちの勝つ手段は...やっぱり心操ちゃんによる搦め手じゃないかしら?」
「やっぱそんなやばいのか...俺としては未だにさっきの衝撃が抜けて無くて頭回んないんだが...」
「それなら作戦はこちらで考えますわ。警戒するミーチアさんを如何に喋らせるか...まだ何も思いつきませんが...」
「いや、心操くんを使った搦め手は確実に警戒される。だからそれを囮にして逆に真っ直ぐ行こう。」
「囮にするって言ってもどうやって...」
その時ミッドナイト先生からの放送がなる。
『位置に着いたわね。第七試合、スタートよ!』
「よし、移動しながら説明する!心操くんを真ん中にして動こう!」「「了解!」」
その時、相手側方向から轟音と共に地面を泳ぐサメが周囲のパイプを破壊しながら5匹突っ込んできた。
「さっきの試合でも出てたやつだ!多分地面に潜ってる時は意味ないから出てきた瞬間を狙うよ!」
「てめぇが指図すんじゃねぇ!分かってんだよ!」「何キレてんだ!心入れ替えたんかと思ったら全然変わってねぇ!」
爆豪はキレながら地面から最初に出てきて自分に突進してきた土のサメに爆破を浴びせる。それによってサメの体の半分が吹き飛びそのまま崩れ落ちた。
残り4匹が他のクラスメイトに飛びかかるが全員が咄嗟に避ける。そこに轟が地面を凍らせたが、サメはそれを簡単に削り取り地面に潜んでしまった。
それから何度もサメが旋回しては飛び込んできてを繰り返すがみんな少しずつ反応を返しだす。しかしこの時間が1分に満たないとしても、大空に浮かぶ魔法陣は少しずつその形を完成に近付けて行く。その事実に少しずつ焦りを滲ませていく。
「機動力を持つ方々はお先に進んでください!ここは私たちが受け持ちますわ!」
八百万が声を上げてそれを聞いた爆豪、轟、緑谷、常闇、飯田、瀬呂、蛙水、尾白、心操が飛び出した。
それから少し進むと、先行した9名の元にドラゴンを象った炎がやってきた。
それを見た轟がドラゴンを丸々飲み込む程の大氷結を放つが、今度は大氷結の中から氷を象ったドラゴンが出てきた。
「吸収した!?」「氷になったなら殺せんだろ!」
爆豪が氷のドラゴンに大規模爆破を浴びせかけたが、今度は爆破によって氷が剥がれたが部分が爆発によって発生した炎を纏う。しかもその炎によって溶けた氷はすぐに後ろの大氷結からどんどん補充されていく。
「やはり吸収される!だが打撃ならどうだ!?」
飯田と尾白、緑谷が氷の部分に打撃を加えて氷を剥がしていく。が、それも大氷結から補充されてしまった。
「ムゥ...!吸収するものがない状態で決定打を与えんと意味は無さそうだ!」「これダメだ!相手するだけ無駄だろ!」
「いや、これなら...!轟くん!1度全部溶かして最小限に凍らせられる!?ほかの打撃が不得手なみんなは先に行って!」
その言葉を聞いた爆豪、瀬呂、蛙水、常闇、心操が横を抜けていく。緑谷の意図を理解した轟はドラゴンの相手をしやすい様に1度大規模な炎で後ろの大氷結諸共一気に溶かしきった後に、全身が炎になったドラゴンを丁度いいくらいの大きさで包み込むように氷漬けにした。吸収するものがない状態で打撃が通るようにドラゴンを氷に切り替えた後に先に向かった面々に続くのだった。
飯田、緑谷、尾白の打撃組が残ってドラゴンの相手をする。
尚、ここまでで試合開始から約5分、先程試合開始から10分で大魔法を発動させたところから、どんなに遅く見積もっても残り制限時間は5分がいい所だろう。
機動力の高い組が抜けてきた為、移動に時間は食わないが、如何せん相手が相手。抜けた6人は先を急ぐのだった。
一方ミーチアは試合開始から1歩も動かず魔法陣を描くことに集中していた。そこにクラスメイトの声が届く。
「よぉやくご対面だなぁ!ミーチアァ...!!」「見つけたわよミーチアちゃん、大人しく捕まりなさい。」「マジで頼むから捕まってくんね?もうだいぶキツイんだわ...」「宿命だな、最終決戦と言ったところか...」「悪いがこっちも必死なんでな、加減できるかはわかんねぇぞ。」「マジでやばいなお前...オールマイトでも敵わねぇんじゃねぇの?」
やってきた6人のセリフを聞いてミーチアは心操を警戒していたため口には出さなかったが心の中で思った。
(え...わたくし、悪役ですの?)
それから数分、ミーチアvs5人の戦いは壮絶の一言であった。
前提として、ミーチアに強力な魔法を発動させない為に全員で絶え間無く攻撃を繰り返している。
轟、爆豪の大規模攻撃をそれぞれに合わせて軌道変化や炎、水でいなしていくミーチア、その隙間をぬって蛙水の舌や蹴り、瀬呂のテープ、心操の捕縛布が突っ込んでくる。ミーチアはそれすらも風魔術による高機動戦で躱してみせる。その攻防の中で心操は何度も声を変えながらミーチアに語り掛けていたが、ミーチアは当然何も応えない。
もはや大魔法もいつ完成するか分からない状況、5人は焦りを見せつつも冷静にミーチアの隙を伺っていた。
が、ミーチアが空に飛び上がり天に手を向けて叫ぶ。
「これで終わらせますわ!
神代に根差した十の神罰!そのうちの一つがこr...!?」
その瞬間ミーチアの背後に巨大な影が差した。
ミーチアは咄嗟に振り向く。するとそこには林間合宿で暴走した時以上に巨大化したダークシャドウの姿があった。
「スマンな、お前に勝つ方法がこれくらいしか浮かばなかった。
ミーチアは咄嗟にバリアを貼って光を放つが迫り来る大質量攻撃には、もはや手遅れだった。
そのまま常闇の纏ったダークシャドウの拳は振り抜かれ、地面に激突する。それによって発生した砂煙が晴れた時、そこには気絶したミーチアの姿があったのだった。
それからミーチアは蛙水に連れられ、目を覚ますことなく牢屋の中に入れられた。
『第七試合、一方的になるかと思われたけど、下馬評を覆して1-0でA組合同チームの勝利!』
ミッドナイト先生の放送にA組はおろか、B組まで沸き立った。
それから相澤先生がミーチアを起こし、講評に入っていく。
「まずA組合同チームだが、初手のサメは爆豪が初手で対応しきってたんだからもっと爆豪を上手く使うべきだった。頼りすぎんのも良くないが適材適所だ。次のドラゴンについて、((((ドラゴン!?))))動きが大振りなのはわかってんだから3人も残す必要はなかったな。
最後だが、畳み掛けて真の狙いを悟らせないのは良かったがブラフが少なかったな。ミーチアが焦ってなかったら悟られてたぞ。」
その言葉にA組のみんなはミーチアの方を向く。
「え、焦ってたの...?」
「ええ、皆さんわたくしの予想以上に強かったですわ。咄嗟の対応も、個々人の力も。何より結束力ですわね。序盤中盤終盤全てにおいて皆さんの連携を崩せませんでしたわ。」
ミーチアの言葉を聞いてA組のみんなは互いを見やってハイタッチをした。
「ミーチアは自分でわかってるな?様子見にしても雑すぎた。ドラゴンの方も対応されたのなら別の方法に切り替えるべきだ。何より最後、発動すれば勝ちの魔法に焦ったな。お前の相手なら全員それを警戒してるんだ。勝ちきるまで油断するなよ。
あと、気づいてるかは知らんがお前は相手のレベルに合わせて使う魔法をセーブする癖がある。キャパシティの関係だろうが、抑えすぎると今回みたいになるぞ。最初から本気でやればそもそも誰も接近させないことも出来たはずだ。改めろよ。」
「えぇ...そうしますわ。」
こうしてA組、B組対抗戦は幕を閉じたのだった。
その日の夜A組寮の方にB組の生徒が何人か反省会と交流を兼ねて遊びに来ていた。
そこで鉄哲がミーチアに質問を飛ばす。
「なあ、お前のあれが個性じゃねぇってのはわかったんだが、じゃあ結局なんなんだ?」
「わたくしのこれは魔法、個性ではなく技術の一つですわ。わたくし、この世界とは別の世界からやってきましたの。魔法はそこで学んだ技術ですわ。」
ミーチアの言葉にB組のみんなが口をあんぐりと開けて、固まってしまう。
「え...と...ごめん。整理しきれないわ。」
「まあそうよね。私たちも最初はそうだったわ」
それからB組のみんなが落ち着くまで待って、B組も交えて夕食を終える。
その後B組の女子は全員来ていた為、芦戸の提案により女子みんなが女子棟の共同スペースに集まって女子会をしていた。
「祝!AB合同女子会〜〜!!」「「「「いえーーい!!!」」」」
「さあさあ女子会といえば!恋バナですよね!!
この中で好きな人がいる人!!!」
テンションの上がった芦戸の声にみんなの視線は麗日に集まった。
「えっ、私!?」
「まあそりゃあ、ねぇ?」「うん。分かりやすいし...」
「B組の私らから見ても分かりやすいね。今日とか講評の時真っ赤になってたし。」
「ほらほら〜ゲロっちゃいなよ〜」
「う、うぅ...こ、これはしまっとくの!!」
麗日は顔を真っ赤にしながら毛布を全身に被って隠れてしまった。
「えぇ〜、もっと聞きたい!教えてよ〜!!」
麗日は毛布に包まったまま浮き上がって飛んでいく。
その様子に芦戸は話してくれないだろうとあきらめ、次の標的に狙いを定めた。
「ムゥ〜...じゃあ次だ!ミーチアちゃん!!さあ吐け!!」
「エッわたくし!!?」
完全に予想外だったミーチアはびっくりして飛び上がる。そこに葉隠も近付いてきた。
「当たり前じゃん!!最近ずっと常闇くんと一緒にいるでしょ!!夜もよく話してるし!!」
葉隠の言葉にB組女子の目も光った。
「え、いや、あれは常闇さんがわたくしの世界の神話を知りたいって言うから...それで話しているだけで...」
「いやいやそれは通らないよ!今日もずっと一緒に話してたし、文化祭も二人で回ってたよね!?」
「えっと...それはその...よく一緒にいるから、なんだか心地いいと言いますか...」
完全にパニックになって墓穴を掘った。それによって芦戸、葉隠、小森、取蔭がヒートアップしていく。
「キャア〜!それでそれで!?」「もうこれ完全にそうじゃん!」
「えっいやあの...えっとその...」
ミーチアは顔を真っ赤にして言葉を探すが何も出てこない。彼女の頭の中は今、常闇の姿が占領していたのだ。
実際これまでミーチアは常闇を意識していたという訳ではなかったが今回1度異性として、一緒にいて心地のいい相手だと認識してしまったらそこからは早かった。
(え!?わたくし常闇さんを...えぇ!?)
ミーチアの頭の中を常闇が占める。その思考もはや止まらず、いくらその想いを誤魔化そうと頭を回すが、考えれば考えるほどにミーチアの中で常闇の存在が大きくなっていった。
それからミーチアが顔を赤くしている内に八百万が止めに入ったのだが、もはやミーチアにはそれすら見えておらず気付けばみんなは解散していて共有スペースにはミーチア1人になっていた。さらに夜も更けている。
ミーチアは一人自室に戻りベッドに入っていく。まあそのあとも眠ることはできなかったのだが。
vsミーチアちゃんはほぼレイド戦です。勝敗はギリギリまで悩みましたが、ミーチアちゃん負けになりました。
勝たせるのはいくらでも出来るけど負けさせるのムズい。
そして次回から恋する乙女ミーチアちゃんの登場です。恋愛描写なんてしたことないですが頑張って書きます。
アンケート競りすぎじゃない???
ミーチアちゃんのいた世界の設定とかって出して欲しい?
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欲しい(ストーリー上で)
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欲しい(ストーリーとは別で)
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いらない