悪役令嬢のヒーローアカデミア   作:めめ師

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第四十話です。地獄が加速していく...ハッピーエンド大好き勢としてはお辛いものがあります...


ミーチア・リダー:オリジン

あれから、A組のみんなは各地域に未だ残り、避難場所に指定されている雄英高校に避難していない人々に避難を促しながら緑谷の捜索を続けていた。

 

「ここは危険ですわ、どうか雄英高校内に避難をしてくださいまし。」

「フン、学生をよこそうと無駄だよ。俺らはヒーローを信用しない。自衛で生きていくと決めたのさ。」

 

強情に動かず、傍らに携えたサポートアイテムに手を触れる一般人にミーチアは、それでも語りかける。

 

「ヒーローを信用してくれとは言いませんわ。わたくし達が守るから大人しくしていろとは言いません。ただ、ここは危険なのです。せめて安全な場所で、少しでも楽にして頂きたいのです。

これはわたくし達のエゴです。どうか、雄英高校に避難して頂けませんか?」

「ハッ!大人にそう言えって言われたか?無駄だ、平行線だよ。」

「...雄英高校はあなた方の住居も用意しておりますから。」

 

『そっちはどうだった?ミーチア。』

「やはりダメですわね。強情な方々のようで...取り返しのつかなくなる前に、どうにかして避難していただかなくては...」

『そうだよね〜、やっぱヒーローの信用がないって思われちゃってるから...』

 

葉隠との通信に応えているとそこに轟音が届いた。

 

「...!!失礼しますわ!どうやら敵が出たようで!」

『わかった。近くの人に連絡入れとくから!』

 

そのままミーチアは轟音の鳴った方向に飛んでいく。

そこは無人と化してしまったスーパーであり、その中を敵と一般人が戦っていた。

 

「激流よ!押し流して、凍りなさい!」

 

ミーチアは即座に敵側に向けて水を流して凍らせ、敵を拘束する。そのまま警察に通報をし、回収を待つ間に戦っていた一般人に説得に入った。

 

「...今しがたわかったでしょう?ここは危険なのです。加えて物資も多く残っているであろうことは明白、敵の襲撃がたまたまでもないことはお分かりでしょう?

ここでなくとも、雄英高校であれば物資は潤沢にあるのです。どうか、避難をお願い致します。」

 

そう言って頭を下げるミーチアに彼らは冷めた目を向ける。

 

「あんた、体育祭優勝した子だろ。良いよな、なんでも出来る強個性に恵まれて。そういう奴だから弱いやつを守れる気になれてるんだ。...守れてる気になってるんだよ。

いいか、お前らヒーローはもう信用を失ったんだよ。取り戻すのなんざもう無理だ。信用出来ないから、自分たちで戦ってるんだよ。そんなにヒーローを気取りたいなら勝手にやってろ。俺らはもう支持しねぇよ。」

「...信用していただきたいのではなく、傷ついて欲しくないのですわ。どうか、避難を。」

「無駄だ。さっき言った通りだよ。いい加減帰れ。」

 

こうなってしまっては最早てこでも動かないだろう。

以前、粘った結果武器を向けられたことすらあった。ミーチアはそのままスーパーを出ていくのだった。

 

それから寮に帰ったミーチアはダークシャドウを撫でながら常闇に愚痴を言っていた。

 

「やはり皆さん避難してくださりませんわ。

皆さん口を揃えてヒーローに信用がないと...わたくし達は信用が欲しいのではなく、怪我をして欲しくないと言うだけですのに...」

「あぁ、こっちも似たようなものだ。説明も聞かず門前払いばかり...ままならんな。

世間じゃ、ヒーローに対する懐疑の声ばかりだ。

それを受けて引退するヒーローも少なくない...むしろ多いと言った方が正しいか...」

「やはり脱獄敵の増加に加えて世間の不満が全てヒーローに集中しているのが負担になってしまうのでしょうね...」

「そうだな...ヒーローが減ってしまった分ほかのヒーローの負担が増え、不満もそこに集中する。まさに悪循環だな。」

 

ミーチアは唐突にダークシャドウを撫でる手を止め、常闇をまっすぐと見据えながら問う。

 

「常闇さん、わたくしがヒーローという職業の存在しない世界からやってきたからなのでしょうか?

わたくしには、異様に映るのです。王族でもないのに...個人に全ての責任を負わせて、糾弾する世の中が。

これが、ヒーローなのでしょうか?

これが...英雄なのでしょうか?」

 

目に涙を溜めながら常闇に問うミーチアの顔を見た常闇は息を飲む。

 

(ミーチアにも...限界が近づいているのか...)

 

常闇はミーチアの質問に対する解答を持ち合わせていなかった。むしろ俺が聞きたいくらいだとさえ思うほど。

 

しかし、常闇は悟る。ここだけは絶対に間違えては行けないと。

様々な考えがよぎり、まとまらない思考ながらもこれだけは正しいと言える言葉を常闇は必死に選び...数秒の沈黙の後、口に出す。

 

「ヒーローがどういうものか...俺にも分からない。

だが、お前がヒーローを目指す理由、皆の思いに応えたいという願いは間違っていないはずだ。それだけは...間違っていてはいけないんだ。」

 

常闇の言葉にミーチアは目を見開く。

 

(わたくしの...願い...)

 

きっかけは何だったか、家庭訪問でオールマイトと相澤先生に言った言葉からか、林間合宿で相澤先生に言葉を貰ってからか、それよりももっと前か。

 

⦅ミーちゃんヒーローを目指すの!?...うん!良いよ!いいと思う!私、応援してるから!!⦆

⦅ミーねぇなら絶対かっこいいヒーローになる!⦆⦅先にサイン貰っとこうかな?⦆⦅私ファン一号!⦆

 

家族の期待に応えたい。

 

⦅お前が応えたいと思うように、お前の周りもお前に応えたいと思ってる。もっと皆の信頼に、応えてやれよ。⦆

 

先生の信頼に応えたい。

 

⦅ウチにとってはミーチアはとっくにヒーローだったんだよ...今度はうちに助けさせてよ。⦆

⦅ミーチアのことはびっくりだったけど、私ら仲間じゃん!一人で抱え込まないで頼ってよ!⦆

 

仲間と共に歩んでいきたい。

 

⦅俺も、好きだ。俺と付き合ってくれ、ミーチア。⦆

 

好きな人と、生きていきたい。

 

思えばこの世界にきて、多くの願いを持った。

元々王妃となるために育てられてきたミーチアには願望などほとんどなかった。唯一あったものと言えば、師から教えられた魔法への探求心くらいのもの。

そんな彼女が多くの仲間に恵まれて、皆に肯定されて、多くの願いを持つことができた。

 

ミーチアが疑念を持ったヒーローの在り方は答えられずとも、彼女の願いは正しいものだと、目の前の想い人が肯定してくれた。

 

「常闇さん......ありがとう...ございます...」

 

ミーチアは涙をこらえきれなくなり、そのまま常闇に抱き着いて泣き出すのだった。

常闇はドギマギしながらもダークシャドウと一緒にミーチアをやさしく包み、泣き止むまで静かに待っていた。

 

 

数日後、緑谷を除くA組のみんなは全員共同スペースに集まって話し合っている。

 

「それ...本当?」

「推測でしかねぇけど...」「十中八九エンデヴァーたちといる!あのクソナード!!」

 

轟と爆豪の言葉に飯田が疑問を返した。

 

「推測?連絡をして確認をとったんじゃないのか?君たちの師に...」

「何度も試しましたわ。」「だが電話には出なかった」「ジーパンも」

「親父もだ。忙しいとはいえ不自然だ。俺たちに隠し事をしてるとしか思えねぇ。」

「たしか...オールマイトも戻ってないんだよね。」「らしい。」

「授業は停止、進級も留め置かれている。ヒーロー科生徒は基本、寮待機と周辺の警備協力、避難誘導。細かい情報を得にくい環境だ。」

 

状況を整理した皆に爆豪が肯定を返す。

 

「あぁ。ジーパンとヘラ鳥は病院でデクに接触してる、オールマイトとも。

...この手紙、雄英に近づくことすらビビってんならだれがコソコソ真夜中、ドアに挟みこんだ?

オールマイトしかいねぇ。あいつらきっと組んで動いてる!」

「...大人といるんならむしろ、安心していいんじゃなウィ☆?」

「トップ3のチームアップしかニュースはないぜ?オールマイトは入ってない。」

 

爆豪は破った手紙の破片を握りしめ、それを眺めながら言う。

 

「だからだよ。俺はエンデヴァーたちより、デクの事も、オールマイトの事も、知ってる。

...多分考えうる最悪のパターンだ。」

 

その様子に切島が立ち上がった。

 

「じゃあ、連絡手段をどうするか!!だな!!」

「......エンデヴァーって雄英卒だよね...強引に行こう」

 

 

 

それから数日後、校長室に呼び出されて来たエンデヴァーとA組のみんなが邂逅した。

 

「校長、嵌めましたね...!?」

「彼らの話を聞いて対話の余地があると判断した。私は常にアップデートするのさ。」

 

頭を抱えるエンデヴァーに轟が詰め寄る。

 

「なんで俺のことスルーした?燈矢兄を一緒に止めようって言ったよな!?」

「焦凍、その気持ちだけで俺は救われているんだ。」

「俺は救われねぇよ!緑谷だけは例外か!?

エンデヴァー。デクとオールマイト二人にしてるだろ。」

 

エンデヴァーは答えないがそれが逆に轟達を確信させる。

 

「っぱな。あぁ、正しいと思うぜ。概ね正しい選択だよ。

......デクの事、わかってねぇんだ......。

デクは...イカレてんだよ頭ぁ、自分を勘定に入れねぇ。だいじょうぶだって。

オールマイトもそうやって平和の象徴になったから、デクを止められねぇ!

エンデヴァー!二人にしちゃいけない奴等なんだよ!!」

 

爆豪の言葉を聞いたエンデヴァーが静かに懐から何かの端末を取り出した。

 

「それ、GPSのやつっすか?」

 

瞬間、全員がその端末を受け取ろうと飛びだした。

 

「こっこれ!!借りていーすか!?あのっ!俺!たまたま同じクラスになっただけスけど!」

「僕も...一年一緒に過ごしただけ、だけど」

「ワン・フォー・オールの悩みを打ち明けてくんなかったのも、あんな手紙で納得すると思われてんのも、ショックだけど...」

「我々A組は、彼について行き、彼と共に行動します。

ワン・フォー・オールがどれだけ大きな責任を伴っていようが、緑谷君は友達です。

友人がいばらの道を歩んでいると知りながら、明日を笑うことは出来ません。」

「...外は危険だ、秩序がない。お前たちまで...」

 

エンデヴァーの言葉をさえぎって校長先生が話し出す。

 

「大人になったね、轟くん...!

私は...敵の目的である彼が、雄英に戻りたがらないことを踏まえ、チームアップを是とした。でも、いいのさ、戻っても。

合格通知を出した以上は、私達が守るべき生徒さ。」

「しかし避難者の安全が...!彼らの中にはまだ...」

「何も敷地面積だけで指定避難所を受け入れたわけじゃない。彼らには何とか私から伝えよう。文化祭開催に伴い強化したが結局出番のなかった、セキュリティ”雄英バリア”。その真価と共にね。

いいんだよ!オールマイトだってここで育った。君たちの手で...連れ戻しておくれ。」




この場面、誰がミーチアちゃんを晴らすか悩んでました。それ故のミーチアちゃんのパートナーアンケでした。他の候補は耳郎とかがいました。

ミーチアちゃんのいた世界の設定とかって出して欲しい?

  • 欲しい(ストーリー上で)
  • 欲しい(ストーリーとは別で)
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