「いたぞ、てめぇら」
真っ先に飛んで行った爆豪の言葉にみんなが飛びだす。
緑谷は脱獄敵に操られた一般市民に取り囲まれていた。脱獄敵は爆豪が真っ先に仕留めている。
「ダツゴク確保!やりましたねバクゴーさん!」「大・爆・殺・神ダイナマイトじゃ!」
「失礼しましたわ!」
操られていた一般市民は体の自由が利くようになったことで散り散りに逃げだした。
緑谷はその様子を眺めた後皆に向かって話し出す。
「みんな...なんで...」
「心配だからだよ」
「僕は...大丈夫だよ。だから...心配しないで、離れて...」
「そいつぁよかった!さすがワン・フォー・オール継承者様だぜ!んで、てめーは今、笑えてんのかよ?」
「......笑うために、安心してもらうために...行かなきゃ...だから...どいてよ、皆...!」
緑谷がボロボロになったマスクをかぶり構える。
「どかせてみろよオールマイト気取りが!」
「緑谷君が変わらないのは知ってる。やるぞ諸君!」「うん」
「...ありがとう。来てくれて。」
緑谷は小さく言うと辺りに煙幕を噴出した。すぐさま爆豪が爆風を起こし、晴らして飛び上がった緑谷に向けて言う。
「話もしねーでトンズラか。何でもかんでもできるよーになると、周りがモブに見えちまうなぁ!?」
飛び上がった緑谷にハトやカラスの群れが飛び掛かる。
「戻ってきて大丈夫だって!緑谷君!校長先生が戻っておいでって!ね!?だから逃げないで!」
緑谷は黒鞭を使い近くのビルに飛ぼうとするが伸びきったそれを瀬呂が掴んで動きを制限する。
「
そこに耳郎が音波をぶつけようとするが緑谷は一瞬でビルに飛び立ち避けてしまう。
「はっやぁ...緑谷!どーでもいーことなんだけどさ!文化祭の時にノートのまとめ方教えてくれたの、かなり助かったんだよね!些細なことだけど、すっごい嬉しかったんだよね!」
緑谷が飛んで行ったビルの屋上から尾白が飛び出し、しっぽで緑谷を捕まえる。
「体育祭の心操戦覚えてるか!?お前が俺のために怒ってくれたこと、俺は忘れない!
お前だけがボロボロになって戦うなんて見過ごせない!」
「...僕がいると、皆が危険なんだ...!オール・フォー・ワンに奪われる...!だから離れたんだ...!
緑谷が無理やり尾白の尻尾から抜け出そうと力を籠めるが、常闇が突っ込んできてビルにたたきつける。その先には拘束装置があった。
「はじめは一同、貴方について行くつもりでした。今はエンデヴァー達と協力の下、個性を行使しています。
緑谷さんの安全を確保するという任務で。」
「もう、構わなくていいから...!僕から...離れてよ!」
緑谷は拘束装置を無理やり破壊しながら歩を進める。そこに上鳴が肩を組んで語り掛ける。
「やなこった!緑谷!ワン・フォー・オールだかも大事だと思うけど、今のおまえにはもっと大事なもんがあるぜ!全然趣味とかはちげーけどお前は友達だ!だから無理くりにでもやらせてもらうぜ!」
そこに障子が腕を伸ばして上鳴ごと緑谷に巻き付いた。
「絶縁テープを巻いてある。八百万産のな。...このメンツならオールマイトだって怖くない、合宿襲撃時にお前が言ったセリフだ。
さらにその上から巨大化したダークシャドウが巻き付く。
「ここは暗くていい...ダークシャドウ、
ダークシャドウの攻撃力を防に利用するのは、お前のアイデアだったっけな、緑谷。」
「お前にとって俺たちは庇護対象でしかないのか?」「とりあえず風呂はいろな!?緑谷、風呂行こ!!」
「うぅ...うああああ!!」
緑谷は常闇たちの拘束を無理やり剥がし、ビルから飛び出す。
「うう!やめてくれよ!だから...離れてよ...!頼むから!僕は!大丈夫だから!!」
緑谷が飛び出す先に唐突に轟の氷壁が出てくる。
「何だよその面。責任が...涙を許さねぇか。その責任、俺達にも分けてくれよ。」
「行かせないわ。もうオロオロ泣いたりしない。大切だから、怖いときは震えて、辛いときには涙を流す私のお友達。あなたがコミックのヒーローのようになるのなら...
緑谷は氷壁を砕きながら抜け出そうとするが、轟がさらに氷を重ねながら言う。
「緑谷!今の状態がオール・フォー・ワンの狙いかもしれねぇだろ。そのすきに雄英を狙ってくるかもしれねぇ!そんなナリになるまで駆け回って見つかんねぇなら、次善策も頭に入れろ!
大切な雄英を守りてぇってんなら!離れず側にいるって選択肢もあるだろ!
俺たちも一緒に戦わせろ!!」
「...できないよ...!これはワン・フォー・オールとオール・フォー・ワンの戦いだから、皆は...ついてこれない!」
ついに氷壁から抜け出した緑谷は飛び上がる。そこに蛙水が舌を振るう。緑谷は避けるが舌の先には峰田がいた。峰田は数珠つなぎにしたもぎもぎを緑谷にくっ付けて緑谷に近づいていく。
「お前の
緑谷は峰田を黒鞭で引きはがして、ビルの間に黒鞭をいっぱいに張る。
「行かせてたまるか!デク君!あん時とはちゃう!私わっ...」
止めに入ろうとした麗日を超えて緑谷がものすごい速度で飛んで行った。
そこに轟が作り出した氷の坂を芦戸の酸による被膜で保護された轟、爆豪、飯田が飛び上がった。
轟の膨冷熱波と爆豪の爆速ターボ・クラスターによる加速を受け、飯田がぐんぐんと緑谷に追いついていく。
(君はいつだって俺の先を行く...!)
「だから!だから俺はいつだって!君に挑戦するんだ!!」
飯田がついに緑谷の手を掴んだ。
「そんな...ダメだ...離して...!」
「離さない!どこへでも駆け付け、迷子の手を引くのがインゲニウムだ。余計なお世話ってのは、ヒーローの本質なんだろ!」
飯田の言葉を聞いた緑谷から力が抜けた。
そのまま地面に落ちていく飯田と緑谷を先回りしていた切島が受け止めた。
「倒...れねええええ!!
緑谷ぁ!俺昔な!とある話に打ちのめされた!同い年の奴がダチ助けるために駆け出したって!あれ、お前なんだろ!?
特別だとか力だとか関係ねぇ...あんときのお前が...今の俺たちの答えだと思うぜ。」
そこにミーチアの風によって移動してきたみんなが追い付いた。芦戸が息を切らしながら前に出る。
「緑谷...!もう誰かいなくなんの嫌だよ!一緒にいよう!?またみんなで授業受けよう!」
ミーチアがゆっくりと前に出ながら言った。
「緑谷さん、わたくしの魔法をよくノートに取っていたあなたならわかるでしょう?わたくしがその気になれば、貴方を捕えることなど容易いと。
それでもわたくしがやらなかったのは...わたくしと同じように、自分ですべてを背負って出ていこうとした貴方に...貴方がどれだけ思われているかを実感してほしかったから。そして、わたくしは、わたくし達は、貴方に自分の意志で戻ってきてほしいからです。
どうか、戻ってきていただけませんか?」
「...そうしたいよ...けど、恐いんだ!雄英には...!たくさんの人がいて...!
爆豪が前に出てきてゆっくりと話し出す。
「死柄木にぶっ刺されたとき、行ったこと覚えてっか?」
「...覚えてない。」
「”一人で勝とうとしてんじゃねぇ”だ。続きがあんだよ...体が勝手に動いてぶっ刺されて...言わなきゃって思ったんだ。
...てめぇをずっと見下してた...無個性だったから。俺よりはるか後ろにいるはずなのに、遥か先にいるような気がして...嫌だった、見たくなかった、認めたくなかった。だから遠ざけて虐めてた。
否定することで優位に立とうとしてたんだ。俺はずっと敗けてた。...雄英入って、思い通りに行くことなんて一つもなかった。てめぇの強さと自分の弱さを理解してく日々だった。
言ってどうにかなるもんじゃねぇけど、本音だ。
今までごめん」
そういって爆豪は緑谷に頭を下げた。
「ワン・フォー・オールを継いだお前の歩みは
けど、今お前はフラフラだ。理想だけじゃ超えられねぇ壁がある。
お前が拭えねぇもんは俺たちが拭う。理想を超えるために、お前も雄英の避難民も街の人も、もれなく助けて勝つんだ。」
「...ついてこれないなんて...ついてこれないなんて酷いこと...いってごめん」
足を踏み出そうとして倒れかけた緑谷を爆豪が支えた。
「わーってる」
緑谷のもとに集まっていく皆から離れたところで麗日、八百万、ミーチアが話していた。
「とりあえず第一関門はクリア...ですわね。ここからはより険しいですわ」
「うん。」「えぇ...そうですわね...もしもの時は...わたくしも...」
それから緑谷を連れて、皆で雄英高校に戻ってきたとき。
「その少年を雄英にいれるなー!!」
「噂されてる”死柄木が狙った少年”ってそいつだろ!」
「おい...校長の説明があったじゃないか....我々の安全は保証されるって...」
「納得できるか!できたのか!?安全だと言われたから家を空けて避難してきたのに!なぜ爆弾を入れるんだ!!」「雄英じゃなくていいだろ!」「匿うなら他でやれ!」
その声を聞いて後ろを振り向いた緑谷の手を麗日が掴んだ。
「大丈夫」
勢いを増していく抗議の声にベストジーニストが前に出ながら言う。
聞き入れ難い話だろう。こと教員からでは。
提言したのは私だ。
校長から説明があったように!雄英は今最も安全な場所でありあなた方の命を第一に考えている!我々は先手を打つべく緑谷出久をおとりに敵の居場所を突き止める作戦をとった!だが、十分な捜査網を敷けず成果はごくわずかしか得られなかった!緑谷出久は敵の狙いであると同時にこちらの最高戦力の一角!これ以上の摩耗は致命的な損失になる!
たしかに最善ではない!事前に他ならない!不安因子を快く思わないことは承知の上で、この最も安全な場所で彼を休ませてほしい!いつでも!戦えるように!彼には万全でいてもらわねばならないのです!」
「...あんたら失敗したから...そもそも今日本は無法になっちまったんだぞ。んでまた失敗したから、しわ寄せを受け入れろって...あんたそう言ってんだぞ...!?」
「「ふざけるな!それでヒーローのつもりなのか!」」
再び激昂した避難民を見たミーチアが前に出ようとする。
それを八百万と常闇が止めた。
「ダメですわ」「お前まで被る必要はない」
「ですが...」
ミーチアが言おうとした続きはメガホンをもって飛び上がった麗日によって止められた。
『デ...緑谷出久は特別な力を持っています...!』
「だからそんな奴が休みたいからってここに来るなよって話だろうが!」
『違う!迷惑をかけないよう
彼の力は...!あの...特別で!オール・フォー・ワンに打ち勝つ為の力です!
だから狙われる!だから行かなきゃいけない!そうやって、出ていった彼が今どんな姿か見えていますか!?
この現状を一番どうにかしたいと願って、いつ襲われるかもわからない道を進む人間の姿を、見てくれませんか!?』
避難民の視線が緑谷に向いていく。
『特別な力はあっても!特別な人なんていません!!』
「...ぼろぼろじゃん...」「弱そう...」
「...見たら何だよ...!?まさか...俺たちまで泥に塗れろってのかぁ!?」
『泥に塗れるのはヒーローだけです!!泥を払う暇をください!
...今!この場で安心させることは......ごめんなさいっ、出来ません!!
私達も不安だからです!皆さんと同じ隣人なんです!だからっ...力を貸してください!共に明日を笑えるように!
...皆さんの力で!どうか!彼が隣でっ!休んで...備えることを、許してくれませんか!?緑谷出久は、力の責任を全うしようとしてるだけの...まだ学ぶことがたくさんある...普通の高校生なんです!!
ここを!!彼の!!ヒーローアカデミアで、いさせてください!!!』
そのとき、緑谷のもとに光汰と一人の女性が飛び出してきた。
「緑谷兄ちゃん!!ごめんね...!僕っ...怖くて動けなかったんだ!ごめんよ!ごめん!でも!あのお姉ちゃんが頑張って話してて、僕行かなきゃって...!兄ちゃんみたいにならなきゃって...!だから僕...来たよ!だからもう泣かないで大丈夫だよ!!」「光汰くん...!」
「雄英の人だったんだね。異形は入られないって...何か所か避難所断られちゃってね。結局雄英がいいって事になったの。でも君にまた会えたから、ラッキーだ。あの時はありがとう、泣き虫ヒーローさん」
その様子を他の避難民も静かに見守っていた。
「ヒステリックに糾弾する前に、話ぐれぇ聞いてもいいんじゃねぇのか?その兄ちゃんはここに常駐するってわけでもねぇんだろ!?物資も人材も足りねぇ今、兄ちゃんがすり減ることなく休めるのが
「ええ。」
「士傑じゃダメなのか!?同党の設備なんだろ!?」「でも...そしたら士傑でおなじことが...」
「俺ぁこうなるまで気づかんかったよ。俺は客で、ヒーローたちは舞台の上の演者だった。
かつてオールマイトっつう不世出の男がヒーローを示したよ。みんなそいつをなぞった!囃し立てた!そうしてく内に、いつの間にかみんな、そこに込められた魂を忘れちまってたんだ。
だが舞台は取っ払われちまった。失敗を重ねて、金も名誉も望めねぇ、ヒーローと呼ばれた大勢の人間が投げだした。そん中で今、残って戦う連中は、なんのために戦ってるんだ?
今戦ってる連中まで排斥していって、俺たちに何が残る!?どうやってこれまで通りに暮らす!?つれぇのはわかる!けど冷静になろうや!
俺たち、いつまで客でいるつもりだ?」
一人の男に問いに、その場のだれも答えない。答えられない。
「......ふ、複数の個性を操る...ボロきれのような男が噂になってる...敵の先導役とも、真のヒーローともいわれてる...
答えろよ...お前がここで休んだら、俺たち元の暮らしに戻るのかよ?」
緑谷は涙を流しながらもまっすぐに避難民を見つめてしっかりとした口調で返した。
「皆が、一緒にいてくれるから...全部、取り戻します。」
麗日の説得の前、ミーチアも自分のことを話してヘイトを分散しようとしました。ミーチア的には緑谷の負担が減ればという善意からでしたが、余計にミーチアが糾弾されるだけだと八百万が、仲間のためだとしても身代わりになるような真似は止めて欲しいと常闇に止めに入ってもらいました。
ミーチアちゃんのいた世界の設定とかって出して欲しい?
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欲しい(ストーリー上で)
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欲しい(ストーリーとは別で)
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いらない