雄英高校学生寮にて、AFO捜索から一時帰還した生徒たちがその身を休めようとしていた。
「つ...疲れた...」
「捜索範囲が広すぎるぜ...」
「こうもヒーローが減ってるとは...深刻だな。」
「速やかに就寝しよう。俺たちの強みは若さだ。一挙手一投足が全て力に繋がる。」
「皆さんお帰りなさい。晩御飯が届いておりますので召し上がってください。」
そこにミーチアがみんなを出迎える。
ミーチアは1人、AFO捜索に出向かず、最終決戦に向けて魔法の開発に尽力していたのだ。これはミーチアから頼んだこと、ミーチアは最終決戦で必ず必要になるであろう魔法の準備をしていた。
そんな中寮の扉を開けてオールマイトが入ってくる。
「私が!毎日のように来た!」
「ちゃす...元気っすね」
「逆にな!」
そのうしろには塚内警部と校長先生の姿もあった。
「塚内さんに校長先生まで...?」
「青山さんの件でしょうか...」
「更にその先だ。現在、限られたものにのみ、概要を伝えている。
第2次決戦の最終プラン、その協議を行うぞ。」
その翌日、A組メンバーみんなは雄英高校の校門に集まって、避難民から見送られていた。
「皆さん、ありがとうございました!」
緑谷が礼をいいみんなで頭を下げると光汰が前に出てきた。
「兄ちゃん!雄英を出るって本当!?」
「うん。泥を払う暇は、もう十分にいただきました。」
それからみんながそれぞれの家族や関係者に挨拶をする。
「ミーちゃん...どうか無事で帰ってきてね。」
「ミーねぇ...」「お姉ちゃん...」「ミーチアお姉ちゃん...」
「えぇ、必ず。...みんなもそんな心配そうな顔しなくても、わたくしは必ず戻りますわ。約束ですのよ。」
そう言って小指を差し出したミーチアの周りにみんなが集まった。
「約束だよ!」「絶対帰ってきてね!」「待ってるから!」
「えぇ。弟達との約束ですもの...必ず。」
「ミーちゃん...行ってらっしゃい。」
「えぇ...行ってまいりますわ。」
それからおよそ30km離れた場所に寮の代わりとなる施設が建てられていた。
「仮設要塞、トロイア。
セメントス、パワーローダー、そしてエクトプラズムがいるからこそ超短期施工が可能、雄英にはとても及ばんが堅牢だ。各自、部屋に荷物を運び、準備を。」
「ハイツアライアンスリスペクトだね。」「親切」
「...終の住処にならねーといいけど」「おやめなさい。」
それからミーチアは自室の準備(自室と部屋を繋げる魔法の発動)を終えると部屋の中で常闇と話していた。
「いよいよ...なんですのね...」
「あぁ...そうだな。いざその時となってみるとあまり実感の湧かないものだ。...無事に終わるといいが...」
「終わりますわよ。きっと...終わらせましょう。」
「あぁ...その通りだ。」
ふたりは笑顔を向けあって拳を合わせた。
「ところで前に言っていた魔法の方はどうだ?」
「えぇ、もう大詰めと言ったところですわ。今日明日にも完成させてみせますわ。」
「ホゥ...文献も残っていないところを一からとなるともっと時間がかかると思っていたが...流石だな。」
「ありがとう存じますわ。えぇ...みんなの為ですもの。努力は惜しみませんわよ。」
数日後、ついに作戦決行の時、残存するヒーローの多くは1箇所に集まって待機をしていた。
そこから遠く離れた場所でこれから青山、緑谷の両名がAFOと接触する。そういうふうに誘導する。
そこからAFOはその場に仲間を呼び出すだろう。それに対するカウンターとして、こちらも捕らえた黒霧の個性をコピーした物間のワープゲートによってそこに向かう。完全に総力戦であった。
待機中ミーチアと常闇は話していた。
「わたくし達、付き合ってすぐにこんな状況になりましたので、あまり恋人らしいことも出来ませんでしたね。」
「...まるでこれで終わりみたいに言うな。」
「いえ、まさか。これからでしょう?まだやりたい事も行きたいところも、話したいことも...幾らでも浮かんできますもの。
...絶対に、勝ちましょう。」
「あぁ、俺もまだやり足りないことばかりだ。...絶対に、勝とう。」
それから緑谷と青山が合流し、AFOが現れたという報告が入った。
それに合わせてミーチアが魔法を発動させる。
「古の女神がもたらす祝福をここに!これより祝福を受けた者は自らの進化を知ることになろう!その先を照らす光こそが献身そのものである!!
ステニア様、力をお貸しください!!
...皆様どうかご注意をわたくしの魔法が無力化された瞬間この魔法は機能しなくなります。どうか前に出すぎないよう!」
女神の加護を再現した魔法によって周りの熱気が勢いを増す。ミーチアの言葉は聞こえただろうが、誰も返事を返さない。最早みんな、覚悟を決め前だけを見ているのだろう。
...これから始まる最終決戦だけを。
それから間もなく、待機中のみんなの前にワープゲートが開かれた。全員が息を合わせたように足を踏み出し、ワープゲートに入っていくのだった。
ワープゲートを通った先、視界が晴れるとその先には数多くの敵がAFOの周囲で彼の泥ワープによって転送されていた。まっさきに突出してきた荼毘の炎を轟が止める。
ミーチアは周囲に視線を巡らせ、自信が最も警戒するべき少女、聖女を探していた。
しかし転送されてきた中にその姿は見当たらなかった。
それならそうで好都合だとミーチアは意識を切り替える。
他の敵が暴れ出す前に敵集団の地面が剥がれ、そこから壁が盛り上がり、それぞれ複数の塊に閉じ込めてしまった。これこそがヒーロー側の作戦の1つ目、分断。
その檻をみんなで押し出す。その先には複数のワープゲート、それが送られる先は全てそれぞれ離れた戦場であった。
檻自体はすぐに破壊されて敵たちが出てくるが、最早それでも遅い。
ミーチアの飛んだ先は群訝山荘跡地。
AFOはここに飛ばされた。
早速先で待っていたホークスがAFOを切りつけるが彼の被るマスクによって弾かれた。
「群訝山荘...なるほど。」
「サーセンエンデヴァーさん。やっぱ俺の力程度で割れるようなもん被ってこないすよ。」
「安心しろ、期待しとらん。
お前の持つ泥のワープが黒霧の劣化版だということは神野の戦いで割れている。転送距離は大幅に短く、自身は転送できない。雄英バリアもそれに合わせて強化されている。全てお前の自惚れと自業自得の結果だ。」
「僕らを分断し各個撃破。実にいいプランだ、勝てる可能性を考慮しなければだがね。
ヒーロー人口大幅減の上戦力を分ける為とはいえ、やはり君は酷い男だエンデヴァー。OFAは弔に充てたか?危ない橋だし、それに...最も残酷な采配だと思うぜ?
辛い立場の末子に尻拭いを押し付け、長男への虐待を続けるとは!」
余裕綽々とエンデヴァーを煽りだすAFOにホークスが薄ら笑いを返して言う。
「そんな悠長に喋ってていいんすか?
こっちにはツートップと...そんな俺らでも敵うか分からない学生が居るってのに。」
「大地よ、唸りなさい!雷撃よ、降り注いで!激流よ、飲み込みなさい!」
AFOは後ろから聞こえた声に咄嗟に振り向き、バリアの個性を発動させたが前方からの滝のような水、大空からの落雷、地面から伸びる土の塊の突進の全てを防ぐには至らず被弾し、一瞬でそのマスクにヒビを入れた。
肉体へのダメージは肉体強化に類する個性を持っているのか、聞いていない様子だがマスクへのダメージは塞ぎきれない、これこそがAFO打倒作戦の第2フェーズ。AFOの身につける生命維持装置も兼ねたマスクの破壊であった。
「うおっ、いきなりか!やっぱここ待機はドロシーの方が良かったんじゃ!?」「ほかのヒーローへの強化も兼ねてると説明があったろう!このまま畳み掛けるぞ!」
エンデヴァーが炎の拳をAFOに叩きつける。ホークスが羽で作った刀でマスクを切りつける。ミーチアが土の塊や、雷、氷塊を操り打撃を与える。
AFOに何かをさせる隙を与えず畳み掛けていた時のこと。
『ショート、荼毘確保ォ!!』
「やりましたね!轟さん!」「ショートくん、やったか!」
「.........」
オールマイトの音声で流された荼毘確保の報告に2人が喜ぶ中、エンデヴァーは攻撃の手を止め少し悲しそうな表情を見せていた。
「その顔はなんだ?
「聞いちゃダメですからね、エンデヴァー!」
「燈矢くんを見ずに焦凍くんに押し付けた!君の選択だろう!?どうせこうやって正当化しているんだろう!?"ヒーローは守るものが多い"って。
だから負けるんだぜNo1!」
その言葉と共にAFOは個性を発動させる。
刃の様なもの、液体金属のようなもの、肉体の内側から生えてくる口の付いた肉塊。それらをそれぞれ3人によこした。
飛んでくる刃をエンデヴァーが炎の壁で撃ち落とす。ホークスがAFOを切りつけようと接近し、刀を液体金属に止められる。押し寄せる肉塊をミーチアが土の塊で阻み、雷撃で黒焦げにする。
そのままホークスが離脱しエンデヴァーがAFOに向かって突っ込み、炎の拳で畳み掛けた。AFOは熱耐性を持つ個性も持っているらしく、決定打にはなっていない。
「エンデヴァー、やけに攻撃が雑じゃないか!?みんな、己の役目を果たすために戦っているよ。若輩の誰も眼前の戦いに懸命なのに、なぜ君だけが心をよそにやれる?
傑作が失敗作を処分してくれたんだろう!?喜べよ!」
「黙れ!」「乗るな、エンデヴァー!神野のオールマイトを思い出せ!」「全く...悪趣味ですわね!」
「僕はね...前々から君の力への歪んだ希求にも注目していたんだよ。僕ってやつは、いい土を見ると踏まずにはいられないんだ。燈矢くんの身体、見つからなかっただろ?」
それはつまり、荼毘の誕生にすらAFOの息がかかっていたという事だった。
それに激昂したエンデヴァーが無理やりAFOに突っ込む。その隙をAFOは見逃さず、肉塊とそこから生える棘でエンデヴァーの腹部を抉った、ハズだった。
「本当に悪趣味ですのね貴方。いい加減その口を閉じなさいな。これ以上は、加減出来なくなりますわよ?」
ミーチアがバリアを貼り、AFOの攻撃を防ぎきったのだった。
「君もいたな...無個性の身でそんな過ぎた力を操る少女...周囲から気味悪がられただろう?超人社会ですら理解の及ばない存在だからね、君は!」
AFOは口撃の対象をミーチアに切り替えそのまま突っ込んでくる。だがその間にエンデヴァーとホークスが入り込んだ。
「スマン!ドロシー、助かった!」「ドロシー、こっちは気にせず魔法の完成を急ぎな!」
「えぇ、そうしますわ...AFO、貴方は隙を見出すために口撃をしていたのでしょうけど、わたくしには効きませんの。わたくし、仲間に恵まれておりますので。
それに、そんな悠長に喋っていたらこちらも準備が出来てしまいますわよ?」
そう言ってミーチアが指を向けた先、上空には今にも完成しそうな魔法陣がでかでかと光を放っていた。
「はぁ...鬱陶しい!!」
急に叫び出したAFOの声とともに周囲一帯に黒いトゲが飛び出す。
それはミーチアのバリアを貫通し、3人にダメージを与えた。
「全く、どちらがラスボスだか。僕でも理解の及ばないその技術も、いずれ全て魔王である僕のものになる。早く諦めてくれないか?」
「魔王...わたくしの世界にもかつて居りましたわ。魔族を束ねる弱肉強食の王。原初の女神に排された悪の象徴。確かにあなたにはピッタリの言葉ですわね。えぇ、かつての魔王もこの神罰に沈んだ。次は貴方の番でしてよ?
神代に根差した十の神罰!そのうちの一つがこれなりや!後の世に理は消えども、其の威光は未だ消えず!これこそは!原初の女神の大いなる導きである!!
疑似神話・勧善懲悪!!」
その声と同時、空に広がる魔法陣が光を放ちAFOに向けて衝撃波が放たれる。
AFOは咄嗟にバリアを何重にも貼り、衝撃反転の個性を発動させたが、その何れもを破った衝撃波はついにAFOに届いた。
衝撃波は生命維持装置であるマスクを瞬く間に粉々に破壊し、AFOに致命的なダメージを与え、その意識を刈り取ったのだった。
「どうですか?世に蔓延る悪を根絶やしとする女神の一撃。まぁ、女神様のそれとは違いただの劣化版にはございますが、それでも十分な威力でしょう?
さぁ、ホークスさん、エンデヴァーさん。残りは掃討戦ですわ。回復して差し上げますので今一度踏ん張ってくださいな。」
「ハァ...ハァ...ドロシーありがとう、助かるよ。」「あぁ、助かった。」
しかし次の瞬間、意識が無いはずのAFOの方から声が聞こえてきた。
「この総決算に、僕がなんの準備もなくノコノコ現れるとでも?
この身体は僕にとってもう用済みで捨て去るだけ、だからこそ試せることもある。
捨て身が
3人が咄嗟にAFOの方向を見るとこちらを向くAFOと
「前回の戦いでは防戦一辺倒で何もさせて貰えなかったと聞く。今回は違う。
ヒーローとは禦ぐ者であり、敵とは侵す者。僕らは夢に向かって突き進む!
誇るといいミーチア・リダー!まさか学生相手にこの切り札を使うとは思ってもいなかった!」
そこにいたのは今までのように顔のない怪物ではなかった。
「若返っていく...全盛の肉体...!」
「戻ったところで魔法陣はまだ残っておりますのよ!!」
そう言ってミーチアが再び大魔法を発動させようとした時、戦場に新たな乱入者がやってきた。
「やっと追いついたぞクソ女ァ!!
てめぇこんな距離移動しやがって!いい加減死ねやぁ!!!」
天空に浮かぶ紋様はその姿を消し、ミーチアは空を飛ぶすべを失い、そのまま地面へ落下していくのだった。
エンデヴァー主軸だった戦闘はミーチア主軸になりました。まあ普通そうなるよね。エンデヴァー並の火力は流石にないけど、ここまで強いんだもん。
ぶっちゃけミーチアvsAFOのタイマンはAFO側に心操みたいな搦め手個性がない限りミーチアちゃんの圧勝になります。
唐突ですが、アンケート締め切ります。最終的に何故かめっちゃ競ってたので別話で裏設定的なのを解説する話を作ります。別に見なくてもいいやつです。
ミーチアちゃんのいた世界の設定とかって出して欲しい?
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欲しい(ストーリー上で)
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欲しい(ストーリーとは別で)
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いらない