最終決戦終結から約1週間、ようやく再開した学校にみんなで登校していた。
そして本来の卒業から約2ヶ月間、留め置かれていた卒業式が開かれた。
『続きまして卒業証書、授与。カモンヌァ!!』
「そつぎょうっ、したっ!」
「「「「「波動ねじれ先輩悲しいよぉ!!」」」」」
DJプレゼントマイク先生による卒業式にはまるで似つかわしくないビートとともに卒業式は進行していた。
『いっけぇ!!』
「「「「「イエェエアァァ!!!」」」」」
(((((卒業式のグルーヴじゃねぇ!)))))
「泣きイベントだろが...!」「まるで祭りだな!」
「なんか涙引っ込みましたわ。」「同感よ。」
全員の卒業証書授与の後、在校生代表挨拶を終え、次は卒業生代表挨拶の時間になっていた。
『素敵な
それでは次だ
ルミリオンa.k.a通形ミリオォ!!』
「本日はお忙しい中、私たちのためにご臨席いただき誠にありがとうございます!」
「「「「「ギャグせんのかい!!」」」」」
通形のいつもの開幕一発ギャグを期待していたみんなが椅子ごと後ろに倒れた。
ちなみに数名、(A組はミーチアや八百万など)倒れずに周りを見渡してわたわたと椅子を倒して周りに合わせる生徒の姿があった。
「喪ったものは多く、得たものはない。ヒーローの戦いってのはいつも、だいたいマイナスをゼロに戻すためのものです。
普通科、サポート科、経営科。それぞれがこの学び舎で培った経験を駆使し、一丸となって戦いました。今だゼロには戻っていません。
私たちの3年間はこの先のためにあります、ゴールは今日じゃない。
ユーモアなき世に明るい未来はない。たくさんの人が笑って過ごせるプラスの世界、そこが私たちのゴールテープです。
私たちは今日、スタートするのです!在校生の皆さん!じゃあね!!」
その言葉と共に壇上の通形が制服を残して急に消え、後ろの壁にヒビが入ったかと思うと、文化祭ミスコン時の絢爛崎の顔面車と共に通形が飛び出してきた。
こうして最高の盛り上がりの中、卒業式を終えたのだった。ちなみに最後の壁を破壊するド派手な演出は雄英高校卒業式の伝統らしい。
それからみんな教室に戻ると、そこに相澤先生が入ってきた。
「例年なら担任は持ち越しじゃないんだが、まァ事情が事情だ。もう一年よろしく。」
「「「「「良かったあああ!!」」」」」
「相澤先生が嬉しいよぉ!相澤先生で良かったよぉ!」「泣いちゃった...」
「立派なヒーローになるまで見るというお約束ですものね。良かったですわ。」
「これで一段落か。」「お前入院してなくていいのかよ。」
「安静にしてりゃいいってよ。今日は全員揃ってなきゃダメだろ。」「爆豪がまともなこと言い出したぞ。」「あぁ!?」「安静に...!」
「オイ」「「「「「はい。」」」」」
「...これも久しぶりですわね。」
それから相澤先生の案内によって青山が教室に入ってくる。
「改めて
「青山...!やっぱ気持ちは変わんないの?」「お前のおかげでAFO達を分断できたのに!」
「先生も塚内さんも残っていいと仰ってくれたよ。けど、僕自身がケジメをつけたいんだ。AFOの思惑が絡んだ入学で、今日のような卒業を僕は迎えられない。
罪を償ってもう一度...ヒーローの道を目指す☆平気さ!
だって僕は君たちの手をとったんだもの!」
「...うん!」
「またいつか...必ず、胸を張ってみんなと並び立つからね!」
「青山おめぇ...マジで誰より男だよ!」「そうですわね、皆待っていますから。」
青山の言葉にみんなの目に涙が浮かんだ。それを見た青山が天井に向けていくつも小さなレーザーを回りながら発射して言った。
「泣かないで皆!湿っぽくなるのは嫌さ!」
「眩しっ!文化祭の時よりさらに精密なコントロールを...!」
「だからここでサプライズ!
A組の新メンバーさ!!」
青山が手を向けた先、心操が何やら気まずそうな顔をしながら教室に入ってきていた。
「「「心操オォ!!」」」「わ!」
「A組に来たかぁ!」「編入だぁ、A組なんだァ!」「すげぇー!仮免は正式発行されたの!?」
みんなが心操の元に集まって色々聞いていると複雑な顔をした青山再びレーザーを天井に射出しながら叫んだ。
「送別会とかの話題になっても良くない!?」「確かに」
「わ!青山くんストップ!ストップ!また個性バグってるみたいで!見えちゃう!!」
そう叫ぶ葉隠の方をみんなが見ると葉隠の個性が変な挙動をしたらしく、薄いながらも葉隠の透明化が切れかけていた。
「わー素顔!!キューティー!」「そのようなお顔でしたのね!可愛らしいですわ!」「ごめん☆」
「やめて〜!恥ずかしい!」
他所で峰田が葉隠に飛びかかろうとして相澤先生に捕まっていたが、最早通常運転であった。
「オイ、連絡事項はまだあるんだが。」
それから新3年生の代表、不和真綿がやってきた。
「ヒーロー科2、3年はこっから当分の間再建活動に当たります。私が代表で陣頭指揮ば取ります。
今行われとる復旧活動に加え、治安悪化防止のために全国ば回ります。
オールマイト引退後、そして言うまでんなく蛇腔戦後のごつ、教科書に乗るごたる戦いの後には必ず、教科書には乗らん混乱があります。」
「象徴の不在、AFOもそういう混乱の中、生まれたわけだしな。」
「オッケー?イレ先。」「あぁ」「イレ先!?」
「あぁ、私一応元イレ先クラスとよ。君らは除籍喰らってないっちゃろ?羨ましいわ。
甘えとう私らに一回死を味わわせるってねぇ...怖かったー。」
「オイ不和、もういいよ行け。」
「やけどそのおかげで何のためにヒーローんなるかわかった。君らも頑張りや。」「...どうも...」
それから他の連絡事項を終え、放課後になった。
「いやー新入生かぁ俺らも明日から先輩かぁ!」
「バタバタと進んでいく。」「忙しくなるな。」「けど休む暇は貰ったし。」「擦らんでいーからもう瀬呂くん!」「良くないですわよ。」「ちげぇってかっけぇと思って!」
「...麗日さん。」
「デクくんまで!てゆか怪我でそれ剃ったんだよね?はよまた伸びるといいねぇ!」
「イメチェンといえば常闇とミーチアだな!」
「違うが気に入っている。」「わたくしも別に違いますわよ。」
「いやーその翼は無理あるって!個性変わった!?って思われるぜ!」
「確かにもう魔術師ヒーロー、ドロシーは似合わなそうですわね。思い切って変えてみましょうか?」
「良いんじゃない!?」
翌日、朝にみんなが始業を待つ間に喋っていると廊下から大声が聞こえてきた。
「キャアアアア!!轟先輩ィィ!!」「ダイナマイト先輩ィィ!!」
「連絡先良いですかぁ!!」「写真撮ってくださあい!!」
皆が廊下を見ると教室に走ってくる轟、爆豪とその後ろを追いかけてくる後輩たちの姿があった。
その後その一年生たちを飯田がなだめている間ミーチアはクラスメイトと話していた。
「...かなり強烈な印象を受けますわね。」「なんかタイミングもあって相澤先生思い出すな。」
「あの芋虫ですわね。懐かしいですわ」「芋虫って...w」
その日の学校は授業ではなく、地域の復旧作業の手伝いであった。そこにはプロヒーローも多くおり、皆で瓦礫の撤去から家屋の再建を進めていくと、お昼時になって地域の人たちから声がかかった。
「おーい君たち、これお昼。」
そう言ってたくさんのおにぎりやおかずが用意されたテーブルに案内された。
「うわぁーおにぎり!いいんですか!?」
「うちの土地は今回の戦いで吹っ飛んじまったが...」「ごめんなさい...」
「いや!責めるつもりで行ったんじゃねぇ、ワリィ
...君たちの頑張ってる姿を見たら俺達もクヨクヨしてられねーって思ったんだ。任せっきりじゃなく自分たちでまたいくらでもやり直すさ。」
それからみんなでご飯に手を伸ばした。
ミーチアはその輪から外れて、地域の方々に話しかけていた。
「お昼ごはん、ありがとうございますわ。」
「君は食べないのかい?」
「いえ、いただきますわ。ですがその前に...」
『あなた方の善性に感謝を。どうか、その善さをいつまでも大切に持ち続けてください。その気持ちが報われますように...』
手を合わせて、身体から淡い光を放ちながら祈るように言うミーチアに地域の人たちは茫然とこぼした。
「...君、まるで女神さまだな。」「なんだいあんた、こんな若い子をナンパしよってからに!」
「そんなんじゃねぇよ...ただ、奇麗だなって...」「それをナンパってんだよ!!」
彼らの言葉にミーチアは笑みをこぼしながら言う。
「えぇ、そう思っていただけて光栄ですわ。何せまだまだ新米なもので。
...ではおにぎり、わたくしもいただきますわ。あたらめてありがとうございますわ!」
8年後、プロヒーローとなったミーチアは常闇の事務所でサイドキックとして活動をしながら、魔術教習所を開いていた。そう、魔術。
ミーチアはプロ入り後、自身の過去と魔法についてや異世界についてのことを公表した。
世間に受け入れて貰えたかどうかは分からないが、教習所に生徒が幾つかいる所を見るに信じてくれてる人もいるのだろう。
「ミーチアせんせー!これ読み終わったから次のやつ貸してー!」
「あらいらっしゃい。早いですわね。持って行っていいですわよ。」
「ありがとー!!」
そう言って図書室の奥に走り去っていく生徒を眺めながらミーチアは笑みを零した。
未だ生徒の中で魔力の発動どころか知覚に成功した人はいないが、みんなモチベーションは高く魔術の知識をどんどん蓄えていっていた。
そこにパトロールを終えた常闇がやってくる。
「ミーチア、順調か?」
「おかえりなさい、常闇さん。えぇ、皆さん頑張ってくれておりますわ。」
「それは良かったな。俺も学んでみたかったが...やはり時間が足りないな。」
「仕方ないですわよ。プロヒーローはやはり大変ですから、事務所を持つと尚更...
そういえば同窓会...今日ですわね。そろそろ準備致しましょうか。」
「あぁ、そうだな。」
それから夜、元A組のみんなは久しぶりにみんなで集まって同窓会を開いていた。
「えーでは、
「「「「「カンパーイ!!」」」」」
前に立つ上鳴の音頭で乾杯をし、同窓会が始まる。
「わりぃな、皆都合をつけてもらって。」(エアコンヒーロー、ショート チャートNo2)
「いーのいーの!口実口実!」(スタンガンヒーロー、チャージズマ No44)
「そう、だったのか...」「言葉の綾だぜ!祝う気前提だよ!」
「44位が2位に何してんだよー!」(テーピンヒーロー、セロファン No36)「やめよそういうの!」
「そうだよ瀬呂君、上がることはもちろん立派だが、チャートも拡張と細分化が進み以前ほど絶対的ではないんだ。」(ターボヒーロー、インゲニウム No13)
「そうですわ。最近ではあまり拘るものではなくなってきています。」(万物ヒーロー、クリエティ No19)
「確かにな。だが、めでたいことなのは間違いない。おめでとう、轟。」(触手ヒーロー、テンタコル No9)
「「立派だ...」」
「言葉は刃物だぞ、扱いに気をつけろ...!」(モギタテヒーロー、グレープジュース No108)
「108って十分上だよ...」(ヒアヒーロー、イヤホン=ジャック No30)
「まあまあ落ち着きなって」(リドリーヒーロー、ピンキー No28)
「独立組は大変だね。」(ふれあいヒーロー、アニマ テンタコル事務所サイドキック)
「積極的に露出する感覚わかんない」(ヒプノシスヒーロー、ナイトハイド チャート圏外)
「ね!!」(ステルスヒーロー、インビジブルガール No39)
「それにしても、みんな集まれてよかったわ。」(梅雨入りヒーロー、フロッピー No34)
「そうだね、皆都合ついたんだ。」(無重力ヒーロー、ウラビティ No24)
「敵犯罪も年々減ってるしね。」(武闘ヒーロー、テイルマン No32)
「なくなりはしないが、減らすことは出来る」(漆黒ヒーロー、ツクヨミ No17)
「ウィ☆」(キラメキヒーロー、can't stop twinkling インビジブルガール事務所サイドキック)
「そうだね。僕は皆と立場は違うけど、もっと頑張らなきゃだ」(デク 雄英高校教師)
「てめー俺の誘い断っておいて、んなこと言ってんのか!?」(爆烈ヒーロー、大・爆・殺・神ダイナマイト No15)
「緑谷ニブいもんなー。そもそも気づいてなかったし!」(剛健ヒーロー、烈怒頼雄斗 No12)
「その会話だけで何があったのか察せますわね...緑谷さんも相変わらずのようで...」(女神ヒーロー、ミーチア ツクヨミ事務所サイドキック 旧魔術師ヒーロー、ドロシー)
それからみんなでワイワイと話していると遠くから黄色い声が聞こえてきた。
「えぇ~!!本当!?黒色くんと希乃子ちゃん、付き合ってんの~!?」「マジっす!」
「前チームアップしたときはそんな感じなかったのに!!」
「あの辺は相変わらずあー言う話好きだね...」
「あの話に乗っかるけど、君らはどうなんだい☆?」
青山が質問を飛ばした先はミーチアと常闇。それを受けてミーチアは顔を赤くして常闇は誇らしそうな顔をする。。
「実は先日...プロポーズを...」「そういうことだ。」
「マジで!?お前ら結婚すんのか!!学生ん時からお似合いだったもんな!!」
「次にまた集まる口実ができたね。みんなで祝わせてよ☆」
そうこう話していると突如皆の携帯の警報が鳴りだした。
『南区二丁目ガレキ通りで盗難車を追跡中!個性による妨害が激しく大事故につながる恐れがある!』
それを聞いた全員が一斉に外へと駆け出した。
「被害がなくてよかったな。しかし出来心とは...またたちが悪いというか芯がないというか...」「閑古鳥が鳴くのはまだ先だな!」「ウム」
「短かったけど今日はお開きにするか!」「えーー」
「また集まれるよ!今度は常闇とミーチアの婚約祝いで集まろ!」
「えー二人結婚すんの!?おめでとー!!」
「あ、店俺が払っといたからこのまま解散でいいぞ」「ハァ!?主賓が何してんの!割り勘に決まってんの!!」
それから割り勘会議が終わり、なんとなくその場に残っていたミーチアと常闇はお互いに向き合う。
「...さて、帰ろうか。」「えぇ、そうですわね...皆さんお元気そうで何よりでしたわ...」
それから隣り合って歩いていると、ふとミーチアが歩みを止める。
「ミーチア?」
「常闇さん、何度も伝えてきたことですが、これからも伝えさせてください。
わたくしを認めてくださって、ありがとうございます。
わたくしを信じてくださって、ありがとうございます。
わたくしと...共に歩んでくれて、ありがとうございます。
大好きですわ、常闇さん。これからも、よろしくお願いします。」
「こちらこそだ。俺を選んでくれて、ありがとう。」
そうして二人はまた並んで、寄り添いあって、彼女らの家に向けて歩みを進めるのだった。
願わくば、2人のこれからが幸福に溢れんことを。
ここまで読んでくださり、誠にありがとうございました。
私個人としては書きたいことを存分に書けたかなと思っております。
他の作品もどこかで書く予定ですので縁があったらまた会いましょう。
改めましてありがとうございました!!