『スターーーーーート!!!』
プレゼントマイク先生の開始の合図に生徒が一斉に走り出す。
が、スタートゲートが狭く作られており、通路内があっという間に生徒で埋まってしまった。
「風よ、私と共に参りましょう。」
ミーチアは通路の上の方を風魔術で飛んでいた。
『さーて実況していくぜ!解説アーユーレディ!?ミイラマン!』『無理やり呼んだろうが』
実況、解説をそれぞれプレゼントマイク先生と相澤先生が担当するようでマイクを通して話していた。
そんな中でいち早く通路を抜けた集団、その先頭にいる轟が「最初のふるい」と呟きながら地面を凍らせて、後続の妨害をする。
だが、轟のことを知っていたA組の生徒は、あるものは個性で空を飛び、あるものはジャンプで氷を回避する。
轟は以前トップを独走しながら振り向き、「クラス連中は当然として、思ったより避けられたな...」と呟いた。
「轟の裏の裏を書いてやったぜ!ざまあねぇってんだ!喰らえおいらの必殺...グエッ!」
そう言って頭のモギモギに手をかける峰田だったが、突如横からロボットが現れて峰田を殴り飛ばしてしまった。
『ターゲット...大量!』
「入試の仮想敵!?」
そう言ってロボットに驚愕する一同だったがその先にさらに大きな影が動いていた。
『さあいきなり障害物だ!まずは手始め!
第1関門!ロボ・インフェルノ!!』
「入試の時の0ポイント敵じゃねぇか!?多すぎて通れねぇ!」
「まじか!ヒーロー科あんなヤツと戦ったの!?」
「一般入試用の仮想敵ってやつか」
「どこからお金が出てくるのかしら...」
当然その敵のターゲットはトップを独走する轟に向く。
しかし轟は一瞬にしてロボットを凍らせてこれも難なく突破した。
「あいつが止めたぞ!あの隙間、通れる!」
そう言って轟の後に多くの生徒が着いて行ったが...
「やめとけ、不安定な体勢ん時に凍らせたから...倒れるぞ。」
轟の言葉と共にロボットが倒れ、その隙間を通ろうとした人達の頭上に降り注いだ。
『1-A 轟!攻略と妨害を一度に!こいつぁシヴィー!!
すげぇな!1抜けだ!あれだな、なんかもう...ズリぃな!!』
「そんなに前でもないのになんだか懐かしいですわね...
あの時は回避する対象でしたが...壊せと言われればやれますのよ!
雷撃よ!突き穿ちなさい!」
ミーチアの声に0ポイント敵がそちらを向くが、奥にいる仮装敵も含めて一直線に雷撃が走り抜け、その部分を焼けつかせた。それによって崩れた仮想敵が、その隙間を通り抜けていた生徒たちに再度降り注ぐ。
『1-A ミーチア!こいつも妨害!再度仮装敵の雨が降るぜ!こいつもシヴィー!』
(プロも見ている場ですのでできるだけ派手に動くのは悪くないでしょう。それに何より浮島院長やみんなにかっこいいところを見せてあげるのですわ!)
『さあ第1種目は障害物競走!この特設スタジアムの外周を一周してゴールだぜ!「おい」ルールはコースアウトさえしなきゃなんでもありの残虐チキンレースだ!各所に設置されたカメラロボが興奮をお届けするぜ!?「俺いらないだろ」』
実況席の横に控える相澤先生が文句を言いながらも競技は続いていく。
そんな中第1関門では
「おい、誰か下敷きになったぞ!」
「死んだんじゃねぇか!?死ぬのか!?この体育祭!」
凍って動けなくなったロボットに潰された生徒がいるようで、それを周りの生徒から心配する声が上がっていた。が、ロボットの一部から突如人が生えてくる。
「死ぬかぁーー!!」
『1-A 切島潰されてたー!!』
「轟のヤロウ、わざと倒れるタイミングで!俺じゃなかったら死んでたぞ!」
その時横から声が聞こえてきた。
「A組のヤロウは本当嫌なやつばっかだな...俺じゃなかったら死んでたぞ!」
「B組のやつ!」
『B組 鉄哲も潰されてたー!ウケる!』
切島は隣の鉄哲の個性が自身と同じく体を固くするものだと理解してしまった。
「個性ダダかぶりかよ!!」
そう言って切島は涙ながらに走り出したのだが、その直後ミーチアの壊した仮想敵が再び降ってくるのだった。
「「またかよ!!!」」
一方爆豪は残ったロボットに攻撃をすることなく、その頭上を飛び越えて突破していた。
『1-A 爆豪、下がダメなら頭上かよ!クレバー!』
「おめーこういうの正面突破しそうな性格してんのに、よけんのね!」
「便乗させてもらうぞ。」
爆豪の続き、瀬呂、常闇もロボットの頭上を乗り越えていた。
『一足先に行く連中はA組が多いなやっぱ!』
後ろの方ではロボットが八百万の作り出した大砲によって吹き飛ばれていた。
「チョロイですわ!」
『オイオイ第1関門チョロイってよ!んじゃ第二はどうさ!?落ちればアウト!それが嫌なら這いずりな!
ザ・フォール!!』
第二関門は大穴の中に点在する足場にロープが繋がれているアスレチックだった。
先頭を走る轟にミーチアが追いついた。
「お先に行きますわ、空を飛ぶわたくしには関係無いですので」
「チッ...待てよ!」
「いいえ、待ちませんわ。炎よ!溶かしなさい!」
轟がミーチアを妨害しようとその正面に氷を出現させるが即座に炎で氷を溶かしてしまった。
「てめえら俺を置いてトップ争いしてんじゃねぇよ!」
ミーチアのように空を跳んで移動する爆豪もそれに食らいつく。
『さあここで先頭が変わった!1-A ミーチアがトップに踊り出たぜ!空を飛ぶし、雷に、炎になんでもありだなアイツ!』
その頃第2関門の入口ではなんとサポート科の生徒が、自分で開発したサポートアイテムを駆使して足場から足場へ飛び回っている。
一方中腹では飯田がロープの上に両足を乗せて両手を広げながらバランスを取ってエンジンでまっすぐ進んでいた。
「おそらく兄も見ているのだ!かっこ悪い様は見せられん!」
『カッコ悪いぃぃぃぃ!!!』
『実に色々な方がチャンスを掴もうと励んでいますね。イレイザーヘッドさん。』
『何足止めてんだあの馬鹿ども...』
『さあ先頭は難なく1抜けしてんぞ!』
先頭を飛ぶミーチアがそのまま第三関門へ向けて進むが、何度も轟が妨害のために氷を目の前に出してくる。
「させねぇよ」
「あーもう!いい加減にしてくださいまし!ずっと邪魔ですわよ!」
「その為にやってんだ」
『先頭ツートップ、ミーチア、轟!妨害し合いながらもなお他を圧倒する!』
観客席にいるプロヒーローからも彼らを賞賛する声が飛んでいた。
「トップのふたりすげぇな、圧倒的だ。」
「あの男の方、個性もすげぇが素の身体能力と判断力がずば抜けてる」
「そりゃそうだろ。あの子フレイムヒーローエンデヴァーの息子さんだよ」
「ああー...道理で!オールマイトにつぐNo2の血か...」
「しかしそれをトップでずっと相手取ってる女子の方もすげぇな!あれなんの個性だ!?」
「空飛んでんのは多分風だろうな。あの子の周りだけずっと風が強い。それに雷に炎に...自然現象全般って感じか!?」
「なんだそれ!強個性すぎるだろ!」
『先頭ツートップが一足抜けて下は団子状態!上位何名が通過するかは公表してねぇから安心せず突き進め!
そして早くも最終関門!隠してその実態は...
1面地雷原!怒りのアフガンだ!!
地雷の位置はよく見りゃわかる仕様になってんぞ!目と脚、酷使しろ!
ちなみに地雷!威力は大したことねぇが...音と見た目は派手だから失禁必至だぜ!』
『人によるだろ。』
そんな最終関門を前にミーチアは飛ぶのをやめて立ち止まった。それを見た轟から疑問が飛ぶ。
「何のつもりだ?」
「いえ、お気になさらずお進みになって?」
「...気味わりぃな」
その時後ろから爆発音と共に爆豪が前に出てきて、トップを走る轟に叫んだ。
「ハッハァ俺は!関係ねーーー!!
てめぇ宣戦布告する相手を間違えてんじゃねぇよ!」
ミーチアは地雷原の前で立ち止まって自身の足元に魔法陣を描いていた。
(どうせあのまま轟さんと一緒に進んでも妨害され続けるだけですわ...であればここは一気に走り抜けるのが正解ですのよ)
『ここで先頭が変わったー!ツートップに食らいついていた爆豪が今トップに躍り出る!喜べマスメディア!お前ら後のみの展開だ!
...ところでミーチアは何してんの?休憩?』
『あいつなりの考えがあるんだろう。あいつのやれることは未だ未知数だ。何してくるかわかんねぇぞ。』
先頭の轟、爆豪2人が足を引っ張り合いながら進んでいるおかげで後続もだんだん追いついてきていた。
最終関門の入口では未だ魔法陣を書いているミーチアと少し離れて地雷を必死に集めている緑谷の姿があった。
少し早めに目的の地雷を集め終わった緑谷が第1関門からずっと背負ってきていたロボットの鉄板を盾に地雷の塊に飛び込む。
それによって巨大な爆発が起き、それを推進力に緑谷が前方へ吹き飛んで行った。
「あら、考えることはおなじですのね。」
『A組 緑谷爆風で猛追!つーか...抜いたーー!!』
一気に前に出てきた緑谷に対し轟、爆豪は走り抜けることに集中した。
『元・先頭の2人足の引っ張り合いを辞め緑谷を追う!
共通の敵が現れれば人は争いを止める!争いは無くならないがな!』『何言ってんだお前。』
緑谷は失速した隙に自分を追い抜いた轟、爆豪の2人に対して鉄板を使い足元の地雷を爆発させ、妨害をする。
『緑谷間髪入れず後続妨害なんと地雷原即クリア!イレイザーヘッド、お前のクラスすげぇな!どういう教育してんだ!』
『俺は何もしてねぇよやつらが勝手に火ィつけあってんだろ。』
『さぁさぁ序盤の展開から誰が予想でき...ってなんだァ!?』
そのまま最後の通路に入っていった緑谷が1位でスタジアムに戻ってくると期待した瞬間。
「神速の馬よ、共に戦場を翔ける栄光を私に!」
最終関門入口からゴールまで、突如として人が簡単に吹き飛ばされるような突風が吹き荒れた。
「かなり早く描きあげましたのにそれでもギリギリなんて...緑谷さん流石ですわね」
最後の通路を走っていた緑谷の耳元に声が届いた。
『おおおおお!!?
誰もが1位は決まったと思ったその瞬間!最終関門の入口でずっと牙を研いでいた少女がその姿を表した!
第1種目、障害物競走!その頂点に輝いたのは!
1-A ミーチア・リダー!!!』
ミーチアは観客に向けて一度お辞儀をするとその後すぐにスタジアムに入ってきた緑谷に話しかける。
「ここまで個性を使わずに進んできたのですね。怪我をしないようにとは言いましたが...個性をそもそも使わないとは思いませんでしたわ。その上ここまでの結果を残すだなんて。」
「ぼ、僕なんかよりもミーチアさんの方がずっとすごいよ...最後のなんか...抜かされたの全くわからなかった。」
「準備に時間がかかるから今まで使いませんでしたが、まあ1番いいところで出せましたわね。」
レースの様子を見ていた観客席の経営科生徒が議論を交わしていた。
「どう思う?」
「元々ヘドロ事件、エンデヴァーの息子で有名だったふたりは置いておいて、ミーチア、緑谷の株価は急上昇だね。ミーチアは個性の多彩さで、緑谷は個性を使っていないからどっちともまだ底が見えてないね」
「事務所経営を請け負ったとして、緑谷はどうやって売り出していく?」
「彼は見た目じゃまず無理だね、実力面や彼なりのアーティスティックなこだわりがあればそこをおし出せるけど。しかし材料が少ないことにはなんとも言えないね。」
「一方でミーチアの方は分かりやすいね。第1に個性のインパクトも強いし、顔もいい、スタイルも抜群とくればどの方向からでもアプローチできるね。あと最後のお辞儀もめっちゃ綺麗だった。喋り方もそうだし、彼女良い家の出なんだろうな。」
スタジアムの方では次々と生徒がコースから戻ってきていた。
『さあ続々とゴールインだ!順位などは後でまとめるからとりあえずお疲れ!』
戻ってきている生徒を眺めていたミーチアの元に耳郎と葉隠が近寄ってきた。
「ミーチア地雷原の後ろでしゃがんでたじゃん...何したのさ?あの突風もどうせミーチアでしょ?」
「そうそう!私飛ばされそうんなって大変だったんだから!」
「あら、それは申し訳ありませんわ。緑谷さんがもうゴールしそうだったのでわたくしも焦ってしまったのですわ。」
それから生徒全員が帰ってくるとミッドナイト先生が声を上げた。
「ようやく終了ね。それじゃあ結果をご覧なさい。」
ミッドナイト先生の隣のモニターにはレースの上位42名の名前が映されていた。
そこにはヒーロー科A組B組それぞれの生徒と普通科 心操人使、サポート科 発目明の名前があった。
「予選通過は上位42名!残念ながら落ちちゃった人も安心しなさい!まだ見せ場は用意されているわ!
そして次からいよいよ本戦よ!ここからは取材陣も白熱してくるよ!気張りなさい!!」
そう言ってミッドナイト先生が隣のモニターに手を向ける。
「さーて第二種目よ!私はもう知ってるけど〜〜〜何かしら!?
言ってる側から、コレよ!」
モニターには騎馬戦と表示されていた。
今回も詠唱を考えるのに時間をかけてしまった。私もしかしてこの作品書くの向いてない???
どうせオリジナル何だから幾らでも後出し出来るんだけど、実際のやつと被せないようにするのが難しい。
次回の騎馬戦、チーム分けどうしようか...
ミーチアちゃんの性能的に騎馬がいいんだけど、先の展開とか色々絡めるとなるとね...