悪役令嬢のヒーローアカデミア   作:めめ師

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第九話です。個性ありとはいえ騎馬戦って描写されてるほど機動力持って動けなくない?ヒロアカ世界がおかしいの?それとも私が貧弱すぎるだけ?


雄英体育祭 騎馬戦

「騎馬戦...!」

「個人競技じゃないけど、どうやるのかしら?」

「参加者は2~4人のチームを組んで騎馬を作ってもらうわ。基本は普通の騎馬戦と同じだけど、ひとつ違うのが...先程の結果に従い各自にポイントが割り当てられること!」

「入試みたいなポイント稼ぎ方式か、分かりやすいな。」「つまり組み合わせによって騎馬のポイントが変わってくると!」

「あんたら私が喋ってんのにすぐ言うね!」

 

説明の途中で騎馬戦の内容を口々言う生徒たちにミッドナイト先生が怒ってしまう。

 

「えぇそうよそして与えられるポイントはしたから5ずつ!42位が5ポイント、41位が10ポイント...と言った具合よ。そして...

1位に与えられるポイントは、1000万!」

 

その言葉に周囲の視線が一気にミーチアに集まった。

 

「...さすがに雑ではなくて???」

 

「上位の奴ほど狙われちゃう、下克上サバイバル!

上に行く物にはさらなる受難を。雄英に在籍する以上何度でも聞かされるよ。これぞPlus Ultra!

予選1位通過のミーチア・リダーさん!持ちポイント1000万!」

 

一言も発さずにミーチアを見つめる周りの生徒達の視線が一気に鋭くなる。

 

「制限時間は15分。振り分けられたポイントの合計が騎馬のポイントとなり、騎手はそのポイント数が表示されたハチマキを装着!終了までにハチマキを奪い合い保持ポイントを競うのよ!

とったハチマキは首から上にまくこと、とりまくればとりまくるほど管理が大変になるわよ!そして重要なのが、ハチマキを取られても、また騎馬が崩れてもアウトにはならないってところ!」

 

その説明に戦略を考える生徒たちが口々に言う。

 

「てことは...」「42名からなる騎馬10から12組がずっとフィールドにいるってことか。」「しんど☆」

「一旦ポイント取られて身軽になっちゃうのもありだね。」「それは全体のポイントの分かれ方を見ないと判断しかねるわ。三奈ちゃん。」

「個性発動ありの残虐ファイト!でも...あくまで騎馬戦!悪質な崩し目的での攻撃などはレッドカード!1発退場とします!

それじゃこれより15分!チーム決めの交渉タイムスタートよ!」

 

みんながチームを決めるために様々な人と話し合いをしている時、ミーチアの周りからは人が離れていた。

ミーチアは1000万ポイントという膨大なポイントを持っているからこそ、避けられているということはわかっているが、それでも友達から避けられるという現状に体育祭ということを忘れてショックを受けていた。

そんな落ち込むミーチアに1人の生徒が声をかけた。

 

「私と組みましょ!1位の人!」

「...わたくしでいいんですの?」

「ええ!私はサポート科の発目明!あなたのことは知りませんが利用させてください!」

「そういうことなら信用ができますわね。えぇ、よろしくお願いいたしますわ。」

「ありがとうございます!あなたと組むと必然的に注目度が上がるじゃないですか!?そうすると必然的に私のどっ可愛いベイビーが注目されるのです!大企業の目にとまるのです!

そして、貴女にもメリットがあるんですよ!サポート科はヒーローの個性をより扱いやすくする装備を開発します!私、ベイビーが沢山いますのできっとあなたに見合うものがあると思うんですよ!」

 

急に饒舌になってペラペラと話し始める発目の言葉を右から左へ流しながら考える。

(ベイビー...開発したアイテムのことでしょうか?わたくしの魔術はほとんどが個人で完結しておりますのであまり必要そうには思いませんが...

というより、目下の問題はあとは誰と組むか...ですわね。周りを見るにほとんどペアが決まっているようですわ...ある程度逃げ回れそうな人がいればいいのですが...)

 

そこにふたり、余った生徒が話しかけてくる。

 

「ミーチアさん、まだチーム決まってないよね?僕たちと...どう?」

「あら緑谷さんに...麗日さん。」

 

そのメンバーを見たミーチアは口角を上げ承諾する。

 

「もちろん、良いですわよ。」

 

それから作戦会議後チーム決めの時間が終わった。

 

「さて、15分たったわそれじゃあいよいよ始めるわよ。」

『さあ起きろイレイザー!フィールドに12組の騎馬が並びたった!』『なかなか...面白ぇ組が揃ったな』

 

『さあ挙げてけ鬨の声!血で血を洗う雄英の合戦が今!狼煙をあげる!』

 

開始時点での暫定1位チーム、ミーチアのチームは、騎手がミーチア、騎馬の前に緑谷、左右に発目と麗日という構成だった。

 

『よぉーし!組み終わったな!?準備はいいかなんて聞かねぇぞ!行くぜ!残虐バトルロイヤルカウントダウン!

 

3!2!1!スターーーート!!』

 

スタートの合図と同時、ミーチアの騎馬に向けて、正確にはミーチアの頭に巻いてあるハチマキを目掛けて多くの騎馬が突っ込んできた。

 

「実質1000万(それ)の争奪戦だ!」「ハッハッハ!ミーチアちゃん、いただくよ!」

 

「まあそうなりますわよね!炎よ、壁となってください!」

 

ミーチアは周りに向けて炎を吹き出し騎馬の進撃を止める。が、その瞬間地面が沈んだ。それを見て緑谷が指示を出す。

 

「沈んでる!あの人の個性か!麗日さん、みんなを浮かせて!ミーチアさんお願い!」

「えぇ、風よ!飛び上がりますわよ!」

 

風で4人まとめて飛び上がる。その上ミーチアは発目のジェットパックを背負っており、それによってさらなる推進力を得ていた。

 

空へと逃げたミーチア立ちに向けて空中への打点を持つ生徒たちが攻撃を仕掛ける。

ミーチアは騎馬の周りにバリアを展開させてそれら全てを防ぎきった。

 

「着地するよ!」

 

麗日の声に合わせて地面に足をつける瞬間、麗日の履いているブーツから空気が噴射され、着地の衝撃を和らげた。

 

「どうですかベイビーたちは!可愛いでしょう!?可愛いは作れるんですよ!」「すごいよ発目さん!機動性バッチリ!」

 

『さーーーまだ2分もたってねぇが早くも混戦混戦!

各所でハチマキ奪い合い!1000万狙わず2位~4位狙いってのも悪くねぇ!』

「アハハハ!奪い合い?違うぜこれは...一方的な略奪よお!」

 

ミーチアたちの元に1人走り込んできた。障子だったが、騎馬戦の場には似つかわしくなく、ひとりで走り回っている。

 

「障子くん!?あれ!?1人!?騎馬戦だよ!?」

 

走ってくる障子から距離を取ろうとするが、麗日の履くブーツが地面に引っ付いて動かない。足元を見ると峰田の個性であるもぎもぎの玉が張り付いていた。

 

「峰田くんの!?どこから...」

「ここだよ緑谷ァ...」

 

声のする方向を見ると障子が背中でテントのように組んでいる腕の中から峰田が顔を覗かせていた。

 

「なァァ!?それアリ!?」「アリよ!」

 

残念ながらミッドナイト先生の判定が下った。

さらに次の瞬間そのテントの中からミーチアの頭目掛けて長いものが伸びてきた。ミーチアは咄嗟に身体を捻って避けた。

 

「ちょっ!危ないですわ!」

「さすがねミーチアちゃん」

 

障子のテントを見ると峰田の隣から蛙水が顔をのぞかせていた。

「蛙水さんもか!すごいな障子くん!」「梅雨ちゃんと呼んで。」

 

ミーチアたちは再び風魔術でその場から飛んでいき難を逃れるが、空中にいる時、爆豪が襲ってきた。

 

「調子乗ってんじゃねぇぞ魔法女!」

「危ないですわね!」

 

ミーチアが咄嗟にバリアを貼ったことで爆発を受けずにそのまま着地した。

 

『騎馬から離れたぞ!いいのかアレ!?』

「テクニカルなのでオッケー!地面に足ついてたらダメだったけど!」

 

騎馬戦の趣旨から外れる爆豪の行動に実況席からも疑問が飛んだが、ミッドナイト先生が許可を出した。それを受けてミーチアも思案する。

 

「...皆さん、わたくしも1人飛んで逃げ続けるのって、ありだと思います?」

「ひとりがずっと逃げ回るだけのワンサイドゲームはミッドナイト先生の好みには合わなさそうだから無しかな...」

「まあそうですわよね...」

 

『やはり狙われまくる1位と猛追を仕掛けるA組の面々共に実力者揃い!現在保持ポイントはどうなっているのか!7分経過した現在のランクを見てみよう!』

 

そう言ってモニターに現在の保持ポイントのランキングが表示されるが、ミーチアチームを除く上位四チームをB組の騎馬が占めていた。

 

『ちょっと待てよコレ!A組ミーチア以外パッとしてねぇ...ってか爆豪アレ!?』

 

モニターに表示される爆豪チームの保持ポイントが0ポイントになっていた。

フィールド上では爆豪がミーチア達に目を向けている隙にB組の物間が爆豪のハチマキを奪い取っていた。

 

「単純なんだよ、A組。ミッドナイトが第1種目と言った時点で予選段階から極端に数を減らすとは考えにくいと思わない?だからおおよその目安を仮定しその順位以下にならないよう予選を走ってさ、後方からライバルになる者たちの個性や性格を観察させてもらった。その場限りの優位に執着したって仕方ないだろう?」

「クラスぐるみか!?」

「まあ全員の総意って訳じゃないけど、いい案だろ?人参ぶら下げた馬みたいに仮初の頂点を狙うよりさ。」

 

物間はそのまま離れるかと思ったが少し振り返って爆豪に言った。

 

「あ、あとついでに君有名人だよね?ヘドロ事件の被害者!今度参考に聞かせてよ。年に1度敵に襲われる気持ちってのをさ。」

 

物間の煽りは物の見事に爆豪にきいたようで、爆豪は作戦を変えて物間を狙うようチームメイトに告げたのだった。

 

『さあ残り時間は半分を切ったぞ!』

 

そのアナウンスとともにミーチアチームの元に新たな刺客が現れた。それは作戦会議中最も警戒するべきと名前の上がった轟チームであった。

 

「そろそろとるぞ」

『B組隆盛の中果たして1000万ポイントは誰に頭を垂れるのか!?』

 

轟チームが仕掛けてきたことに対して騎馬の前から緑谷が声をあげる。

 

「時間はもう半分!足とめずに行くよ!仕掛けてくるのは...1組だけじゃない!」

 

ミーチアチームに向けて多くにチーミングが突っ込んでくるが、次の瞬間轟チームの上鳴が周囲に放電をし周りのチームを怯ませた。自分たちは八百万が電気を地面に流して無事である。その上、轟が周囲を凍らせ他のチームの足を止めさせた。

 

『なんだなんだ!?群がる騎馬を轟、一蹴!』

『上鳴の放電で確実に動きを止めてから凍らせた。流石というか...障害物競走で結構な数に避けられたのを省みてるな。』『ナイス解説!』

 

ミーチアチームは放電と氷を食らい、足と止められた上に発目のサポートアイテムが故障してしまうも、即座にミーチアが氷を溶かし、動けるようにはなっていた。

1000万ポイントを奪い取ろうと轟チームが周囲のハチマキをとった後に突っ込んできたが、ミーチアがそれを迎撃しようとする。

 

「させませんわよ!風よ!吹き荒れなさい!」

 

ミーチアが轟チームに向かい風を吹かせ移動を制限する。

 

「緑谷さん、如何なさいます?」

「もちろんいちばんの脅威は轟くんの氷、そして上鳴くんの放電も厄介。だけど上鳴くんの放電はノーモーションだと味方を巻き込むから相手をよく見ていればこっちもミーチアさんの魔術で躱せる!轟くんの方も...左を使わないなら十分に勝機はある!」

 

 

 

『残り時間約1分!フィールドをサシ仕様にし、そしてあっちゅーまに1000万奪取!!とか思ってたよ5分前までは!ミーチアチームなんと5分間この狭い空間を逃げ切っている!』

 

ミーチアたちは緑谷の指示で轟が使うつもりのなかった左、炎の方をキープし続け氷を喰らわないように立ち回ることで逃げおおせていた。

そのまま終わるかと思われた時轟チームの飯田が言う。

 

「皆、残り数十秒、この後俺は使えなくなる。頼んだぞ。しっかり捕まっていろ!

取れよ轟くん!トルクオーバー!レプシロバースト!」

 

その瞬間轟チームが一瞬にしてミーチアチームの横を通り抜け、何とか轟がミーチアの頭にある1000万ポイントのハチマキを掴んでいた。

 

「...え?」

『なーーー!?何が起きた!?速っ速ーーー!!飯田、そんな超加速があるなら予選で見せろよーー!!!

ライン際の攻防、その果てを制したのは...轟チーム!そしてミーチアチーム、急転直下のゼロポイント!』

 

「不味いよミーチアさん!他に行こうにもポイントの散り方を把握できてない!奪い返すしかないよ!」

 

残り20秒、轟の作ったフィールドの外から爆豪が入り込んできて轟の1000万ポイント奪い取ろうと襲いかかった。ここでミーチアがチームメイトに向けて言葉をこぼす。

 

「いえ、もういいでしょう。行きますわよ。風よ、舞い上がりましょう。」

 

ミーチア達は0ポイントのまま魔術で空を飛んで会場中央に飛んでいった。

 

『そろそろ時間だ!カウント行くぜエヴィバディセイヘイ!10!9!8!7!6!5!4!3!2!1!

 

TIME UP!!!』

 

ここで騎馬戦終了の合図がなった。

 

『早速上位4チーム見てみようか!

 

1位!え...!!?』

 

 

 

―――時は少し遡って騎馬戦開始前。

ミーチアたちは少し離れたところで作戦会議をしていた。

 

「まず言っておきますがこの競技、わたくしが最初に最高ポイントを持っている以上わたくしの勝ちは揺らぎませんわ。」

「えぇ!?」「ものすごい自信だ!」「予選1位は伊達ではないってことですか!」

「発目さんは知らないでしょうし、まず説明しておきましょう。私の個性は【魔術】。ロジックさえ理解すればなんでも出来ますわ。...自分の持ち物をこの手に取り寄せることも。」

 

そう言って手を広げたミーチアの手に魔術書が出現する。

 

「そうか!ハチマキを取られても最後の最後に取り返せば!」

「そういうことです。ですが、わたくしの個性はみんな知っている。そういうことをできると教えてはいませんが、当然予想されていると考えて動くべきでしょう。ですので最初は全力で逃げ回って時間を稼ぎます。そして取られたのなら取り返そうとする動きを、最後には1000万ポイントに集まるであろう一団から離れてポイントを取り返せば終わりですわ。」

 

ミーチアの説明にチームメイトの3人は顔を輝かせた。

 

「やはりあなたと組んで正解でした1位の人!約束された勝利とはこのことですね!」

「ミーチアちゃんほんとに個性強いね...」

「そうか...魔術は自分の持ち物を取り寄せることまでできるんだ...自分の持ち物の対象は自分の認識次第?効果範囲は?どれくらいのものまで...?場合によっては...ブツブツ」

「緑谷さんストップですわ。」

 

 

 

『1位!ミーチアチーム!?なんで!?最後取られてただろ!!』

「申し訳ありませんわ、轟さん。全部茶番でしたのよ。」

 

そう言って轟の方を向き舌を出すミーチアを見た轟は、自身の首にかかっているハチマキを見る。が、1000万ポイントが無くなっていた。そしてミーチアの掲げた手にはしっかりと1000万ポイントのハチマキが握られていたのだった。

 

『2位!轟チーム!3位!爆豪チーム!4位!鉄て...アレェ!?おい!心操チーム!!いつの間に逆転してたんだよ!

以上四組が、最終種目へ...出場だぁーーー!!!』




ミーチアちゃん最強!ミーチアちゃん最強!
私、過去の作品で主人公強くしすぎて困ったから自重しようって思ってたんだけど我慢できんかった。ていうか我慢せんかった。
やっぱ自分で生み出したキャラクターには愛着が湧いてしまうのです。愛着が湧いちゃった以上活躍して欲しいのです。
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