トロフィー『呪祓の王』獲得RTA   作:もちゃもちゃの玉ねぎ

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独白初めて書きました。これでいいんかな?
いつの間にかお気に入りが500人超えてました。嬉しすぎます!
日刊9位もびっくりすぎる!本当にありがとうございます!


九十九由基の独白

あの子を見た時にはびっくりし過ぎて顎が外れかけたよねぇ〜

まず特筆すべき点はその呪力量。特級である私の呪力量を遥かに凌ぐ程強大なそれ。それに呪力をしっかりコントロールして蝿頭を祓っていた。もう私はその時点であの子の才能の虜になっちゃった訳。

それでとりあえず声を掛けて私の代名詞であるセリフ

「どんな女がタイプだい?」

って聞いたんだけどさ、その時の返答がもう面白いのなんのって。

あの子なんて言ったとおもう?気になるよねえ〜?えぇ、そんなに?じゃあ教えてあげるよ。あの子はね、お姉さん!!って言ったんだよ。これまた予想外で大爆笑したよね。もう可愛いのなんのって、まだ10歳にもなってない子の初恋奪っちゃった系美女に私はなっちゃった訳よ!

やっぱり私って罪な美女だよねぇー!

 

まあそんなことは置いといて、私はあの子、焔瀬統弥の才能の虜になっちゃった訳さ。この子は鍛えたらどの次元まで飛躍するのか、そんな未来を夢想せずには居られなかった、それほどの才能をあの子は持っていた。

 

あの子に私の弟子になるか提案したら二つ返事で了承してくれたよ。

ほんとに可愛かったなぁ。ほら、あの子すんごいイケメンじゃん?ちっちゃい頃はそれにあどけなさも加わってさながら兵器だったよ。特級美貌統弥くんだったよ。

え?聞いてない?ごめんごめん。

 

それであの子を弟子にしてから最初に教えたのは基礎中の基礎。

「呪力の流れ」「効率的な呪力の操作方法」「結界術の概念」他にも呪術師家系なら必ず教わる基礎をあの子に伝授した。

 

驚いたのは、私が教えたことを、あの子はその場ですぐに完璧に再現するんだ。まるで、その知識が最初からあの子の脳内に刻まれていたかのように。他の術師達が数ヶ月をかけて習得するようなことを、あの子はたったの数日で我が物にした。

まさに才能の権化、呪術の神童。

非術師家系の出身とは思えないほど、あの子は術師としての才能に溢れ、呪いを祓う為に産まれてきたような子だった。

そしてあの子の術式もあの子と同じように特別で強大なものだった。

 

術式『禍火却纏』私が名付けたその術式は強力過ぎた。

その名の通り禍いを火を纏いて焼却する。あの子が初めて発動したその美しい炎に私は魅せられた。

しかしその術式にはどうしようもない欠点があった。呪霊を葬る為に産まれたようなその術式は発動中、使用者すらも焼き焦がすのだ。

私はあの子に術式の使用を禁じた。

そりゃあそうだろう。未だ10歳にも満たない小さな小さな身体。未成熟で未完成な弱々しい肉体。その身体で術式を使用したならば、あの子は良くて重症、最悪の場合死に至る。少し考えればすぐ分かる事実だった。

 

当然術式の使用を禁じた時にあの子は不満そうにしていたよ。あの子は何故か呪霊を祓うことに固執していたからね。

あの歳でそこまでの覚悟を持つに至った理由を私は理解出来なかった。その時はあの子の親も健在だったから、呪霊によって肉親を失って復讐に走っていた訳でもない。

逆に復讐に走っていた方が分かりやすくて良かったかもね。理由が分からない方がこちらからしたらよっぽど怖いからね。

だから私はあの子に課題を出して術式から目を逸らす事にした。

『簡易領域』の取得と、『呪力強化』の修練。このふたつを持ってあの子の術式への執着を少しは減らせられたと思っていた、んだけどなぁ、

まあ私が甘かったんだよ。あの子は私の目を盗んで術式の修練をしていたんだよ。

ほんと師匠失格だよねぇ〜、

だって私がそれに気づいたの、あの子が中学に上がってからだもん。

海外での情報収集から帰ってきたら、普通じゃありえない呪力の奮起を感じ取ったんだよ。そこに私は急いで向かった。だってここいらで呪力を操れるのなんてあの子しかいないからね。

そして辿り着いた先で見ちゃったんだよ。

使用を禁じた筈の術式を使用している姿をその時は柄もなくブチ切れかけたけどね。

でもその炎は最初に見た炎とは少し違った。完全とは言い切れないまでもしっかりと制御されていたんだよ。反動の火傷もほぼ0だった。

後に拡張術式『燻』と名付けたそれは、私が伝授し、あの子がたった数日で会得した簡易領域を応用して習得したものだった。

ほんとうにあの子の才能には驚かされるよ。威力は落ちるけどその分反動を抑えられる。だから私は『燻』に限り術式の使用を許可した。

これ以上抑圧するのは返ってあの子の反発を引き起こすと思ったからね。

それからもあの子はほとんど休まずに呪霊を祓いまくっていた。呪霊を祓う為だけに街を出るくらいにね。狂ってるよね〜

そんな時だったんだ。あの子の両親が呪霊に殺されたのは。

ちょうどあの子が街を出ていた時にあの子の両親は殺された。あの子にとっても衝撃だっただろうね。街の呪霊を祓いきったから街の外に出たのに、新たに産まれた呪霊に両親を殺されたんだから。だから私は対症療法じゃなくて原因療法を探しているんだけどね。呪霊を祓って祓っても結局はまた際限なく産まれてくるんだから。

それからあの子は両親が生きていた頃よりもずっと多くの呪霊を祓い始めた。

あの子なりの贖罪なのか、復讐なのかは分からない。でも私はそれを止めることは出来なかった。

 

あの子は着実に成長していた。中学生時点で既に1級の上澄み以上の実力を誇っていた。元々のポテンシャルが凄まじいってのもあったんだけどやっぱり実戦の量が半端ないってのが大きいんだろうね。

その才能に魅せられていた私がその才能を更に輝かせる行為を止められる筈が無かったんだよ。

これもまあ、師匠失格なのかもね。後悔はしてないけど

 

いや、上のは言い訳だね。

止められなかった、なんて言い訳はやめておこう。止めなかったんだ。

あの子の行動は、あの子がこの残酷な呪いの世界で生きていくのに必要なことだったから。

両親の死は確実にあの子を死へと近づけた。それは間違いないよ。

普通側の存在だった両親が消えたことであの子は自由になった。普通側の存在である両親はあの子の枷だったから。その枷から解き放たれたことであの子はより飛躍する。その才能を十全に発揮し、私すら超えるだろうさ。

私はあの子の本当の目的を知りえない。だけど師匠として弟子の夢を肯定し、応援するのは当然だろう?

だから私に後悔はないよ。

 

あっ!1個後悔してることあった。

高専に入れたことだよ!私高専嫌いだからさぁ〜

まさか目を離した隙に特級呪霊を祓って高専にスカウトされるなんて聞いてないよ。

でもさでもさ、あんなカッコ可愛い顔でお願いされたら良いよって言うしかないじゃないか!

全然会えなくて美女師匠は寂しいよ。ぜーんぜん連絡もくれないんだから。

まあほんとに寂しくなったらこっちから会いに行くんだけどね。

 

じゃ!またね。私はもう行くよ。

願わくばあの子の未来に祝福を。

 

 

え?あの子の性格?

まあろくでなしの女好きクズ男だよね。

ほんと誰に似たんだかね。

じゃ!由基ちゃんは華麗に去るよ、

ばいば〜い

 

 

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