ある日――
「んー! おいしい!」
私、ガンマは今酸賀さん(お父さん)に買ってもらった塩の焼き鳥を頬張っている。二人で買い物に来たのは数カ月ぶりでテンションが上っている。
「あっ次はあれ食べたい!」
目にうつったのはクレープ屋さんだった。ふわふわのクリーム美味しそう‥‥‥!
少し後ろを歩いている酸賀さんの腕を引っ張ろうと振り向くと酸賀さんは渋い顔をしていた。
「あーガンマちゃん、かれこれ一時間ぶっ続けで食べてるけど夜ご飯入る?」
「う、うぐっそ、それは‥‥‥」
ベータの夕飯が食べれないの流石につらい。というかあんなに美味しい料理やクッキー作るベータも悪いような‥‥‥言ったら絶対一日はご飯抜きにさせられるから心の中だけだけど。
「じゃじゃああとあのクレープだけ! それで最後だから!」
「はい、はい。それで最後だからね」
「やったぁ!」
ガッツポーズをとりいち早くクレープ屋さんに駆け出す。
「ッ!?」
「!?」
その途中、クレープに夢中になりすぎて人とぶつかった。
「大丈夫か?」
「あいたた、大丈夫です。ご、ごめんなさい!」
「大丈夫ガンマちゃんって絆斗くん?」
「酸賀!? この子は一体?」
ぶつかってしまった相手はあの辛木田絆斗だった。思っていたより男前な顔で惚れ惚れして、し、まう‥‥‥ってまずいって!? 会うの駄目なのに!?
「ええっとわた、私は‥‥‥」
「この子は俺の姪っ子でガンマちゃんって言うんだ。あれ言ってなかったけ?」
立ち上がってしどろもどろしてる私の肩を優しく叩きながら酸賀さんはフォローしてくれた。あ、ありがとう酸賀さん!と心の底からそう思った。本当はお父さんと言いたいけどそうすると酸賀さんになんか厳しい目で見られるんだよねぇ、うん。
「そうなのか、俺は辛木田絆斗だ。よろしくな?」
「酸賀ガンマです。よろしく」
握手を交わした。絆斗さんの手は思ってたより案外鍛えられていそうな感じであった。
「買い物か?」
「ま、そうだね。絆斗くんは取材かな」
「ああ。‥‥‥酸賀、グラニュートを倒す力はできそうか?」
「もう少しでね。ガンマちゃんも手伝ってくれて思ったよりはやくできそうだよ」
「そうか。‥‥‥じゃあまたな」
「うんまたねー」
私に聞こえないくらいの声量で絆斗さんと酸賀さんは会話を交わしたあとに絆斗さんは足早に去っていった。私耳いいからその声量でも普通に聞こえてるんだよなぁっていうのは秘密にするとして確かに酸賀さんの言う通りベータよりは圧倒的に素直で確かに‥‥‥
騙しやすそうーニコッ♪
◇◇◇
さてと場面は変わり買い物を済ませ家に戻る。
「ベータ、元気にしてるー?」
昨日傷はついてないけど一般バイトとの戦いで腕が一日使い物にならないから多分適当に羊羹でも食べてるでしょ。
‥‥‥大丈夫、今回私はベータの羊羹を食べてない。怒られない、うん。なんでだろうな、何もしてないはずなのに手が震えちゃう。ベータのせいベータのせい、そう自分に言い聞かせながら階段を降りていきひょこと顔を出す。
そこにはあと少しの状態で食べ終えられる羊羹とコーヒーを放置してショットガンやスナイパーライフルを手入れしているベータがいた。
「…………え?」
何やってんのあの
「ちょいちょいなーにやってんのベータくん?」
「帰ってたのか。二エルブから依頼を受けたからその準備だ」
準備って……いや、え待って。ベータがスナイパーライフルほどの威力が出る武器を用意するって依頼のバイトそうとう強いんじゃ?
「なるほどねぇ。その様子だと結構強いの?」
買ってきた袋を無造作に置いてから酸賀さんは質問をした。
「二エルブからの情報だとバイトを何人かとばして、エージェントも数体撃破できる実力ってところだ」
「待って待ってそんなの……ぜんっぜん楽じゃないじゃん!?」
ベータから返ってきた言葉に真っ先に反応してしまったのは私であった。エージェント倒すのすら私結構手一杯なんだけど!?
「いつも楽ではないだろ?」
「それはそうなんだけど……その強さだと私はともかくベータだと怪我おったら完治に時間がかかるんじゃって」
「ガヴをスナイプすればいい、そのくらいわかれバカ」
「なぁにぃ!? 鼻で笑うなっ!?」
分かってますしそのくらい?! 私はただミスってベータが大怪我した場合のことを心配してるだけであって……
「まぁまぁベータ君、ガンマちゃんの心配くらい受け取ってあげなよ」
「……考えとく」
「考えてるならかき氷奢って!」
「嫌だ」
私の質問には即答ですか。そうですか! ……クソが。勢いのまま殴り飛ばしてあげたい。当たったら確実に骨は数本逝かせられるけどなんなく避けれるんだろうな。基本、グラニュートとの戦闘ではベータは一発でも当たったら終わりだからその分【避ける】ということが得意になっている。
料理中、不意に背後からゴムボール投げても簡単に躱されて淡々と投げ返されるし。
「あと酸賀、少し相談があるんだが。今造ってる武器ができたら最初に使わせてほしい」
「んー……」
ベータからの相談に酸賀さんは腕を組み考えていた。珍しい、酸賀さんがベータの相談に即答しないなんて。ま、どうせオーケー出すんだろうけど。
「駄目かな」
「「……まじ?」」
思いも寄らない回答に久々に私とベータの声が重なった。
「マジのマジ」
真剣な眼差し、本当に冗談ではないんだというのがひしひしと伝わる。
「なんでだ? 変身はせずに武器としてだけ使うつもり……」
「そういってベータくんは何度心配かけたかな?」
「そ、れは……20回とかか?」
「52回だよ」
結構いってるー(笑)ではないけどまぁベータ無茶すること確かに多いよね。昔山に遊び(当時の
「それともしあれを変身用に使うとしてもまだまだ負担減らせないしそもそも使うためにはグラニュートの器官入れないとだし」
「グラニュートの器官なら大丈夫な……」
「そういうわけにはいかない。そりゃね多少はなんとかなるだろうけどまだまだ君たちの出番はあと」
「そう、か。そこまで言うなら仕方ない」
おっとこれまた意外な展開。ベータががらにもなく素直に納得してる。あぁけーどそうだなーそんなにベータが苦戦するって分かってる相手なら私が手伝うのはありだよね。
ということで私は手をあげ口を開く。
「んじゃ私が使うのは?」
「「え? ……ダメ」」
おい! どうしてそう言う時だけ意見一致するんだよ!? おかしくない? マジ意味不明なんだけど……
「一応聞いときたいんだけど……なんで?」
「危険だから。そのくらい考えろ」
「ここだけはベータくんと同意見」
「ねぇおかしいでしょ!?」
なんでさっ?! この中で一番強い自信あるんですけど!
「ぐぬぬ……なら他にどうするの!」
「結局振り出しか。あー……なぁ酸賀、あの集まりって次いつだ?」
「うん? 最近あったし二か月後とかかなぁ」
「だよな」
集まりってあぁ、酸賀さんみたいな人たちが集まって研究成果を交換し合うあれね?
大体半年に二、三回くらいあって時折荷物係として同行することもあって材料は知らないものとしておいしいものも売ってるから結構楽しいんだよね。
うん、ホントに材料だけは考えたら負け。
「なら、武器と臓器の安全性は今の実験体に試してもらう、ってことにするのは? 負担が大きかったら改善版を使うしそこまでならそのまま使う」
「……ま、それならいいか。それじゃそのグラニュートの処理は少し待ってね」
「ああ……! 分かった」
! 久々にベータのは満足げな笑みを浮かべた。ベータすましてるけど結局のところ私と同じ酸賀さんの子供だね。血は繋がってないですが。
◇◇◇__洞窟にて
その日の夜、深夜と呼ばれる時間帯。
「なんで俺を助けたんだストマック家。俺はいつでもお前を殺せるのに」
レリヴは傷を抑えながら椅子に座りお菓子を食べているデンテに聞いた。デンテの様子は今すぐにでも殺せるほど無防備でありそれがどうしてもレリブには理解できなかった。
「見た感じお主優しいじゃろ。今、儂をやってないのが何よりもの証拠じゃ」
「それは……」
言葉がつまった。反論が出来なかった。
「お主を見つけた時も子供から守っておったしその前には別のグラニュートの死体があった」
「あれは勝手に身体が動いただけだ。ガキはたまたまそこにいただけであって……だから…その」
また言葉が詰まってしまった。
「そういうとこにしとこう。わっはっはっ……おっと菓子がなくなってしもうたわい。ちとついてきてはくれんか。別にその時に殺してもらっても構わないぞ」
「…分かった、ついていこう」
仕方なくレリヴはついていくこととした。
(やることもない、行く当てもない。ならば何か
自分を優しく鼓舞しベットから起き上がる。
そしてその日、レリヴはあの