現れた2体のナマズのような魔物。私たちの正面と背後から挟み撃ちの形でマグマから陸へとあがってくる。
一体は蜘蛛子ちゃんに任せて私はもう一体に集中する。
するとナマズは口を大きく開けて襲いかかってきた。
ふっ……その程度か
次の瞬間、私はナマズの背後に立っていた。ナマズは獲物を見失ってキョロキョロ私を探しているようですね。
ちなみに私は地面に穴を掘って移動しました。今までは地面を掘る速度が遅くて戦闘に活かせなかった我が特技。群体で行動していた頃に巣の拡張で死ぬほどやらされましたからね!それを中層入る前の特訓と進化により得たこの頑丈で鋭利な体で漸く戦闘に活かせるようになったのです!
『こっちだ……ウスノロ……』
某戦闘民族の息子のセリフを借りて私はナマズに突撃。
あ……こいつ振り返るの思ったより早い!やば……間に合わな——
そのままナマズの口の中へ突っ込むことに……舐めプとかするもんじゃないですね。下手したら負けフラグになりかねない。今みたいに……
ナマズがそこまで強くなくて助かりましたね。とりあえず今は内側から攻撃させてもらいますか。
ナマズの体から外へ出るために地面を掘る要領でナマズに穴を開けていく。
うあー!暴れ回るな……!やりにくいでしょうが……!
というわけで私が外に出た頃にはめちゃくちゃ弱ってました。
トドメでも刺して楽にしてあげましょうかね。えい!
ナマズにトドメを刺して蜘蛛子ちゃんの方を見るとちょうど終わったところだった。おお……口に猛毒を……流石蜘蛛子ちゃん、えげつない。
『やっぱり毒って便利ですね』
ステータス差とかお構いなしに敵を倒せるのは今の私からしたらすごく羨ましい。それさえあれば私が丸呑みにされる事もなかったでしょうに……
『あーちゃんは取得出来ないんだっけ……?』
『膨大なスキルポイントが必要になりますからね。どうも相性が悪いみたい』
『そっか……あんなにスキル持ってるのに……』
こればっかりは相性の問題でしょうから仕方ないですね。
『とりあえず、ナマズ1匹ずつ食べましょうか』
『そうだね』
自身が倒したナマズのところへ行って早速食べ始める。
すると思わず涙が込み上げてきた。
え?何これ、めっちゃ美味しい……!
今まで不味いものしか食べてこなかったのもあって余計に美味しく感じる。こんなに美味しい魔物がいるなんて……!
私は今、猛烈に感動している……!!
『あーちゃん……!』
『蜘蛛子ちゃん……!』
どうやら蜘蛛子ちゃんも同じ気持ちのようだ。そして私たちは同時に叫んだ。
『『ナマズを狩るぞーーー!!!』』
とは言ったもののナマズは基本的にマグマの中にいるため、積極的に狩る事が出来ないんですよねー
相手が陸に上がってくるのを待つしかない。
『『ナーマーズー!
ナーマーズー!
ナーマーズーはーどーこーだー!』』
蜘蛛子ちゃんとそんな事を言いながら迷宮内を徘徊する。
そうして、ナマズを見つけては狩って食べていきました。たまにタツノオトシゴが出てきたりしてガッカリした事もありましたが……
そんなこんなで徘徊していると初めて見る魔物と遭遇しました。
エルローゲネレイブのレベル2。見た感じは鰻によく似ていますね。そしてステータスが高く、低いものでも400以上あり高いものでだいたい900前後くらいある。
この鰻、強くないですか?これでも竜としては中位にあたるみたい……上位の強さとか想像したくないですね。
『蜘蛛子ちゃん、来るよ!』
鰻は火球を吐いて攻撃してくる。タツノオトシゴと同じパターンだが、鰻の『確率補正』のスキルにより命中率が高く、蜘蛛子ちゃんでも躱すのがギリギリになってしまっている。
ちなみに私は速攻で地中に逃げ込んだのでとっても安全です!
『あーちゃん!ずるいぞー!』
このままだと蜘蛛子ちゃんの恨みを買いそうなので動く事にしますか!
くらえ!
あーちゃんの〝あなをほる〟こうげき!
こうかはばつぐんだ!
鰻はマグマの中だが距離的にぶつかった反動で戻って来れる位置にいたためマグマダイブする事なく戻ってくることに成功した。
危なかった……まともな遠距離攻撃が欲しくなってきますね……
そんな事より、今の鰻は隙だらけだ……!
『蜘蛛子ちゃん!』
『分かってる!』
そして蜘蛛子ちゃんが猛毒を投げつけて鰻に炸裂する。
猛毒により苦しみもがく鰻が大暴れし、ついには陸に上がってきた。
私達はその鰻が暴れている範囲から離脱する。
しばらくすると鰻は『生命変遷』のスキルでHPを回復して何とか生き延びたようだ。
生命変遷:SPを消費してHPを回復する
だが後一撃で倒せる。しかも奴は今疲弊している。この隙を逃す私じゃない。
『これで終わり……!』
私は『瞬速』を使って鰻に超高速の突進をする。そのまま近くの岩に衝突し、鰻のHPが尽きた。
すると鰻を倒した事でレベルが一気に上がり、進化可能になった。
『もう進化ですか……何だかすごく早く感じる』
『私も進化出来るし、一緒にやろうか』
『あれ?見張りはどうするんです?』
『あれを使うから大丈夫』
蜘蛛子ちゃんはそう言いながら先ほど倒した鰻に目を向ける。
『あれをシェルターみたいにするって事ですかね……?』
『理解が早くて助かる』
というわけで、鰻の死骸を中央にスペースが残るようにとぐろを巻く。
『これでよし……早速進化しますか!』
蜘蛛子ちゃんは既に進化先を決めているみたい……私はまだ進化先確認してないからちょっと待っててくださいね
てことで、進化先カモン!!
《進化先の候補が複数あります。次の中からお選びください。
キラーアント
ビア・レット》
ふむ……キラーアントはいつも通り体が大きくなるタイプだけど下のやつはなんだ?
《ビア・レット:殺戮の化身と言われ恐れられる、小型の蟻型の魔物。非常に高い戦闘能力と可変性を持つ
進化条件:スモールキラーアントのレベル10。一定以上のスキルとステータスを持つこと。『恐怖を齎す者』の称号》
殺戮の化身……すごい物騒ですね。でもすごく強そう……!しかも小型なのがありがたい……機動力は大事ですからね。よし、これでいきましょうか!
《個体スモールキラーアントがビア・レットに進化します》
そしていつも通り意識が遠くなる……
よーし、進化完了!
姿はあまり変化はなさそうだが、前よりも若干スリムになった気がする。
そして鰻を食べるために蜘蛛子ちゃんと鰻の鱗を剥ぎ取りながらステータスを確認する。
《ビア・レット LV1 名前なし
ステータス
HP:654/654(緑)
MP:550/550(青)
SP:520/520(黄)
:520/520(赤)+37
平均攻撃能力:2016
平均防御能力:3807
平均魔法能力:330
平均抵抗能力:685
平均速度能力:981
スキル
『HP自動回復LV10』『SP回復速度LV10』……
……………… 『万能体』『神性拡張領域LV4』
『毘沙門天LV8』『n%I=W』
スキルポイント:500
称号
『北の守護神』『悪食』『無慈悲』『魔物殺し』
『魔物の殺戮者』『恐怖を齎す者』》
いや防御能力育ちすぎでしょ!何があった……⁉︎そして相変わらず魔法能力は低いのか。残念だ……
そして『適応体』から『万能体』に変わっている。どんな風になったのかな?
『万能体:体がカスタマイズ可能になる。カスタマイズ項目:粘性、伸縮性、弾力性、質感、強度、サイズ、属性付与「斬」「打」「衝」他、耐性付与/強化、ステータス振り分け
また、状況に応じて一時的に特定のステータスが大幅に上昇する(最大2倍)』
うん?何これ……?結構ヤバいこと書かれてないですか?
『ステータス振り分け:一時的にステータスの数値を他のステータスに分ける事が出来る』
あ、これも一時的か……それでもヤバい事に変わりはないですけど
一時的とはいえ、ステータス2倍に振り分けとかあったら今の私なら十分に無双出来る気がするぞ?これ本当にあっていいの?
他のものも見てみたけど基本的にこのカスタマイズは一時的にしか反映されないみたいですね。
となると、警戒すべきは不意打ちかな。でもあれだけの防御力があればそこまで心配はいらないかもしれない。
色々考えているうちに鱗剥がしが終わったので食べてみる。
あ、こいつも美味い……!中層最高!!