特異点P.D. 火継承起始典 ダークソウル   作:藤原エ寿司

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そうさね……

 

 

北の不死院。

 

人々のうちに現れる暗い孔。

ダークリング。

人間性の漏出孔。

呪われた不死の証。

 

だからこの国では、

不死はすべて捕えられ、

北へ送られ、

世界の終りまで、牢に入る。

 

お前もそうなるんだよ(This is your Fate)

 

古い予言だった。

 

 

 

 

不死院に幽閉され数日、あるいは数十年。

投げ込まれた死体から剥ぎ取った鍵は、

牢の扉を開けるものだった。

 

ふと、隣の牢が目に入る。

黒髪の若い男。

肌艶はよく、

きっと多くの人間性を保っているのだろう。

虚空に向かって話しかけるあたり、

どうも正気は危ういようだが。

何の気なしに、鍵を差し込んでみる。

いとも簡単に開く扉。

ここいらの牢は、全て同じ鍵で開くらしい。

物音に気付き、男が振り返った。

 

その手の甲に。

呪われた不死の証。

それは赤い、強い呪いにもまた覆われていた。

 

######

 

どうもこんにちは。

 

俺は人類最後のマスター、藤丸リツカ。

後輩でサーヴァントなマシュとブリーフィングルームに向かい、

内部状況不明な (黒づくめの) 怪しげな特異点の説明を受ける。

状況を整理することに夢中になっていた俺は背後から近づいてくるアクシデント(お約束)に気づかなかった。

急いでレイシフトを敢行し、目が覚めたら……。

なんと牢屋の中にいた。

 

カルデアとの通信も不可能。

同行してもらった筈のサーヴァントとも

やはり逸れてしまったようだ。

 

「聞こえますかー、あー、あー……。だめそうかな」

 

通信は復旧しない。

戦力もなく、

頼れる武器はガンドのみ。

そして何より……。

 

「ア゛ア゛ア゛」

「ウ゛ウ゛ウ゛ン」

「ア゛ー……」

 

あからさまにエネミーである。

体表の干からびた、

話の通じなさそうな人影が右往左往しているのだ。

心の休まる筈もなかった。

 

そして今。

俺の目の前には、

そのエネミーが1人。

半ばで折れた剣を握りしめて、こちらを見ている。

先ほどの物音はどうも扉の開かれる音であった。

絶体絶命である。

 

しかしエネミーは襲ってはこなかった。

どこか知性を感じさせる視線。

しばらく見つめあったのち、

うめき声をひとつ。

それは背を向けて歩いて行った。

 

わぁ。

進路上の他のエネミーを殴り倒して進んでる……。

 

俺はそのエネミーの後をつけることにした。

 

心配してくれているのだろうか?

時折振り返り、

また覚束ない足取りで前に進む。

彼はしばしば地面を覗き込み、

そしてその度に精細な動きを取り戻していった。

 

中庭だ。

眩しくもない曇り空。

目の前には焚き火と、大きな扉がある。

彼はそれを押し開けて中に入った。

追従する。

そこは教会のように見えた。

どんな牢獄にも教会はあるものだろうか?

 

そんなことを思った矢先だった。

巨大な影が躍り出る。

 

#####

 

デーモン!

厄介なことだ。

しかも後ろにはあの妙な亡者もいる。

私が牢を開けてしまった。

どうでもいいが、

巻き込んだと思うと気分の良いものではない。

 

戦えるか?

錆びついた身体の動かし方については、

先達が助言を残してくれていた。

振り下ろされる棍棒を回避する。

そして手にした直剣

……刃はないので直剣かどうかはわからない。

で反撃する。

やはりデーモンの硬い表皮を刻むには不足だ。

刃渡りも鋭利さも何もかもが足りない。

虎の子の投げものを使うべきか?

 

だが着いてきた妙な亡者の姿が見えない。

何処に行ったか、

まさかもう地面のシミかと周囲を見渡してみる。

それは健在だった。

いや、それよりも。

 

——!!——!(こっち!はやく!!)

 

逃げ道を見つけていたか!

すぐさま反転し向かう。

背後から迫る気配。

振り返らず走る。

しかし身体は意思に反し立ち止まろうとする。

なんとひ弱な。

鎧も着ていないというのに!

落ちる巨木の影。逃走の失敗を悟る。

しかし。

 

『ガンド!』

 

力ある言葉。

向けられた人差し指。

質量が私を捉えることはなく、

 

衝撃。

 

勢いよく鉄格子が降りた。

 

 

 

 

 

瀕死の騎士と出会ったのはその先でのことだった。

不死の使命。

選ばれた不死の証。

私たちは、それを知らなければならない。

 

####

 

彼は倒れた騎士と何か話をし、

そしてその力尽きる様を見届けたようだった。

俺も脱力した騎士に近付く。

青白い光。

魔力にも似た何かを感じた。

 

今ならば。

手にした光が、令呪から溢れ出る。

編み上げられたシャドウサーヴァントもまた、

同じ色を纏っていた。

影の弓兵。

心強い味方だ。

その輪郭はどこか儚く、不安定ではあったが。

 

 

 

 

 

 

デーモンとの再戦は、ひどくあっさりとしたものだった。

上階からの重力を味方につけた一突き。

騎士から受け継いだ長剣が、額にばっちり突き刺さる。

 

しかしデーモンも流石の生命力。

すぐさま降り立ったミイラの彼に向き直り、粉々に砕かんと獲物を振り上げ。

 

そこへ再び落ちる影。

今度は短剣とはいえ2本。

堪らず体勢を崩したデーモンの、

今度は胴体深くに突き立てられた長剣は、

間違いなく致命傷を与えた。

 

どうしてアーチャーが落下攻撃をしているのかって?

 

どうしてだろうね……。

かくして三度も致命(・・)的な致命傷を与えられたデーモンは、

その巨体を活かした戦闘能力を見せることなく沈んだのだった。

 

先に降りた二人が手招きをしている。

アーチャーの影の腕の中へと俺も落ちる。

 

ミイラの彼はしばらく周囲を物色し、こちらに何かを差し出してきたのだった。

 

「なんですか? これは」

 

それは二つの、黒い塊だった。

そっくりな形のそれらは、眺めていると何故か人間臭さを感じる。

 

……くれると言うのなら。

今後何かに使えるかもしれない。

貰っておこう。

 

 

 

デーモンの守っていた扉が開く。

遠景に山々。

火の焚かれていた中庭や屋内よりもかなり肌寒い。

そして、

崖際に 、

ひとつ。

鳥の巣があった。

 

 

あの青白い魔力とともに、

流れ込んできた騎士の記憶が蘇る。

 

ごく稀に。

選ばれた不死だけが。

不死院を出て、かの地への巡礼を許される。

 

 

その旅に、しかし騎士は向かうことはできなかった。

 

 

デーモン。あの怪物は番人だという。

あれを討ち倒し、

その先へ向かわなければならない。

 

 

 

我ら(・・)不死の試練。

 

古き王の地。

 

ロードランへ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人理定礎値: --

特異点? P.D.

 

火継承起始典

ダークソウル

 

……人間性を捧げよ。

 




おばちゃん「ダークリングは呪われた不死の証。」
某音楽家(オレの尻を舐めろ)「……なんだって?」

ダクソ本編から大きく逸脱したエピソードン

  • ほんへに組み込んでいいよ
  • 外伝でやれ
  • どっちでもいいよ
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