エターナルフレイム   作:泰丸B

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戦いの前に訪れた、かけがえのない休息。願わくば、この記憶がレリの心を守ってくれますように。


第23章 楽園の休暇

 

天空の都市サレンの朝は早い。

高度が高いせいもあるが、日差しが差し込むのもこの世界では真っ先だ。

さえぎるのものの無い空の下、まばゆいばかりの光が都市の隅々までを照らし出す。

町はにわかに活気を帯び始め人々はその日の活動を始める。

ミラルはカーテンを開け放し、眼下に広がる都市景観を

半ば畏怖の念をこめて眺めていた。

この、高度な繁栄を保っているサレンの国力と、

技術力がみかたについてくれたことはまさに僥倖というべきか。

プロラ王の先見性が、非凡であったというべきか。

 

ベッドの中には未だ目覚めていないレリが眠っている。

ここ二日ほど添い寝をしたせいか、レリが、悪夢で

苦しむことも無いようだ。

 

ミラルは、レリの傍らにより、

 

        その額にそっと口付けをする。

 

その、まだあどけなさの残る顔をいつくしむように眺めていると、

昨日の出来事が頭をよぎる。

それは、15年ぶりの休暇でもあった。

小隊全員とともにサレンの中で楽しく過ごし、久しく忘れていた

人間としての喜びをわずかながら取り戻せたような気もする。

標高4000メートルの常夏のビーチ。

擬似的に作られた環境とはいえ、それは精緻を極めていた。

まさに、魔法のような眺めだった。

日差しは真夏のごとく照りつけ水平線ははるかに広がり、

抜けるような青空には積乱雲まで浮かんでいた。

水は、温かくさえあった。そこで、泳ぎ、砂浜で戯れた。

いろとりどろの水着に身を包み、ビーチバレーに興じる。

バレーのコート際で、レリは、まだ少し、あどけなさの残る細身の体に、

胸元フリルの付いたセパレートの水着をつけいてた。

陽光に輝く金髪と、色白の滑らかな肌が、まぶしい。

アルはその子供の体型に、お子様向けの水着がよく似合い、

レリとはしゃいでいる。

突然、アルが動きを止めて、レリのほうをじっと見つめた。

 

「あれー、レリってまだ胸、小さいんだ」

 

「な・・・、なにいってるの、私はもう・・・その・・・ほとんど大人よ」

 

と、一応胸を張ってみせる。

そこに、クーが現れ

 

「ほとんど大人って言うより、体型的にはほとんど子供だよ」

「クー!!」

 

レリに追いかけられた。

 

「わーっ、だって、大人ってのは、ああいうんじゃないかな」

と指差す先には、ミラルがいた。

 

ミラルはその引き締まった体にタイトなワンピース水着を身につけ、

砂地のコートを駆けていた。

引き締まった腰、形のいいお尻、見事なプロポーションが

くっきりと際立ち、その躍動感は官能的ですらあった。

豊な胸は跳躍のたびに弾みはするが、形の崩れない弾力を持っている。

レリは一瞬その姿に目を奪われ、我を忘れた。

 

アルが、レリとミラルを見比べ

 

「うん、やっぱ、小さいよ」

 

「もう・・・、アルはどうなの?」

 

「私は、まだ子供だし。これからよ、成長の余地十分あるから、いまに

私のサキみたいにでっかくなるもん」

 

「えっ?成長するの」

 

「もちろん、そういうヒューマノイドなの、私」

 

クーが説明をした。

「アルは、エザワイスの第3世代のヒューマノイドなんだよ、

幼児期からの成長を可能としたタイプなんだ」

 

 

ミラルの後ろでは、真っ白な水着をまとったミルが、

グリーンの髪をなびかせボールを追っている。

小柄ながら、形のいい胸をプリンプリン揺らしながら走る姿は

妙に色っぽい。

白の水着に、何か色々透けて見えそうで。

サキの、大柄な体に合う水着はなかったらしく、短くカットしたホットパンツに、

これまた、胸から下を無造作にカットしたTシャツを身にまとっていたが、

水にぬれたシャツはその一際大きな胸にぴったりと張り付いて、形を際立たせている。

そして、重量感のある胸が動くたびにバインバインとダイナミックに揺れる。

同じコートに立っていたジェイは、目のやり場に困っていたが、

彼女は一切気にしていないようだった。

「軍曹、レシーブを!」

サキが声をかける。

ジェイは、少し遅れミラルの強烈なスパイクを取りもらした。

「軍曹、反応が遅いですね」

ジェイは、砂地に腰を落としたままちょっと照れくさそうに目を背けて言った。

「サキ、その軍曹って言うのは休暇中はやめてくれないか」

「はあ、わかりました、軍曹」

「・・・・・・」

思わず周囲から失笑が漏れる。

 

 

ケイがそんな様子をコートサイドから眺め、声援を送っている。

黒の水着に、胸元が大きく切れ込み極端なハイレグがセクシーな水着だ。

胸の谷間が強調され今にもこぼれ落ちそうだ。

 カイは、パラソルの下、書庫から借り出してきた歴史書を読んでいる。

落ち着いたたたずまいのビキニの上に、日よけのパーカを羽織って、

金髪のボブスタイルの髪に幅広の帽子をかぶっている。

 

しかし、バレーボールはヒューマノイドには

いささか、華奢に過ぎたかもしれない。サキは、何個粉砕したやら。

そして、その後に食べた舌をとろかすほどの、あまいアイスクリーム。

レリも気に入り何個もほおばっていた。

 

すべては、つかの間の安らぎかもしれない。

 

しかし、何にも代えがたい貴重な時間だった。

 

ミラルは、出来ればレリにとってもそうであってほしいと

 

           願っていた。




ちょっとだけのお休み、心の傷をいやせたかな
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