エターナルフレイム   作:泰丸B

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「守るために、私は撃つ。」
静かな町に響く銃声と爆炎。
レリの引き金が、運命を再び動かす。
迫る影、燃え上がる決意。
少女の心に宿る炎は、もう後戻りできない。


第26章 迫る影、燃ゆる決意

パトルカの町は、山のふもとに広がる静かな集落だった。石畳の道に沿って

木造の家々が並び、夕暮れの光が瓦屋根を赤く染めている。第一小隊とレリたちは、町外れの古びた宿屋「風の庵」に身を寄せていた。

「ここが……隠れ家?」レリは、宿の軒先で立ち止まり、少し不安げに周囲を見渡した。

「見た目はボロいけど、サレンの手配で、信用していいです。」

ジェイが低い声で言った。

「車両も裏手に隠してあるわ。夜明け前に出発する予定よ」

カイが端末を操作しながら続ける。

レリは頷きながらも、腰のホルスターに収められた王家の銃に手を添えた。

リボルバー型のその銃は、彼女の体温に馴染むように冷たく沈黙している。

あの時の記憶が、まだ鮮明に残っていた。

引き金を引いた瞬間の衝撃、焼けつくような熱、そしてあの少女の兵士の顔。

「レリ、大丈夫?」ミラルがそっと肩に手を置いた。

「うん……ちょっと、考えごとをしてただけ」

その時だった。カイの端末が警告音を発した。

「……来たわ。ギエスの偵察ドローンがこの宿をスキャンしてる。」

「くそっ、早すぎる!」ジェイが舌打ちする。

「全員、戦闘配置につけ!」ミラルが鋭く命じた。

宿の外から、エンジン音が唸りを上げる。ギエスの警察部隊が、装甲車を連ねて

町に突入してきた。町の静けさが一瞬で破られ、住民たちは悲鳴を上げて逃げ惑う。

その先頭に立つのは、真紅の制服に身を包んだニトス・パゴレだった。

長い赤毛が風に揺れ、冷たい笑みを浮かべながら、部隊に命令を下す。

「包囲しなさい。レリ・プロラはこの町にいる。捕獲します。」

「了解!」副官が応じ、部隊が四方から宿屋へと展開していく。

「レリ、下がって!ケイが剣を抜き、宿の玄関を飛び出す。

「でも、私も戦える……!」レリは拳を握りしめた。

「レリ、無理は——」ミラルが言いかけたその時、宿の壁が爆音と共に吹き飛んだ。

「伏せて!」サキがレリを庇い、瓦礫の雨を受け止める。

煙の向こうから、ギエスの兵士たちがなだれ込んできた。

兵士が、黒い装甲に身を包み、無機質な仮面の奥から冷たい視線を向けてくる。

ミラルの号令と共に、第一小隊が一斉に応戦を開始した。

アルとサキが連携し、敵の前衛を蹴散らす。アルの小さな体が翻り、サキの巨大な拳が兵士を吹き飛ばす。

ケイは裏手から回り込み、敵の側面を突いた。剣が閃き、銃声が交錯する。

「カイ、敵の通信をジャミング!」ジェイが叫ぶ。

「やってるわ!」

ニトスは戦場の中心に立ち、冷静に状況を見極めていた。

彼女の指揮のもと、ギエスの兵士たちは巧みに動き、

第一小隊の動きを封じようとしていた。

「レリ様、急いで車両へ!」ミラルが叫ぶ。

だが、レリは立ち止まった。

腰のホルスターに収められた王家の銃が、まるで彼女に語りかけてくるようだった。

——撃て。と・・・。

レリは銃を抜いた。青白い光が銃身に走り、空気が震える。

ミラルがそれを目にして

「レリ様、ダメです! その銃は——」

「でも、私・・・、この銃なら」

レリは、全てを振り払うようにして、銃を構えた。

照準ホログラムに浮かぶ敵車両に向けられ、引き金が引かれた。

閃光が走り、空間が歪む。灼熱のエネルギーが解き放たれ、

車両はエネルギーにのまれ、ギエスの兵士を巻き込みながら爆発した。

爆風が町の一角を吹き飛ばし、炎が夜空を焦がす。

「レリ様……」ミラルが呆然とその光景を見つめる。

レリは膝をつき、手は震え、目には涙が浮かんでいる。

「私……また、壊しちゃった……」

「違うわ、レリ!」ミラルが駆け寄り、彼女を抱きしめた。「あなたは仲間を守ったのよ!」「……ありがとう、ミラル」

戦闘は続いていた。ニトスは爆風の中から姿を現し、

怒りに満ちた瞳でレリを見据えた。

「小娘が……また、あの熱エネルギーね。面白いじゃない」

彼女は腰のホルスターから細身のレーザー銃を抜き、第一小隊へ向けて発砲した。

光線が宿の柱を焼き、壁を貫く。

「全隊、突入!レリ・プロラを確保しなさい!」

「来るぞ!」ジェイが叫び、仲間たちが再び陣形を整える。

その時、弾丸がジェイの肩をかすめ負傷した、が、

ミルが素早く駆け付け、応急処置をする。

ジェイが、ミルに苦い笑顔を向け

「すまんな」と一言。

ミルは、ニマッと微笑み、

「仕事よ」と言い置き、剣を片手に戦闘に戻っていく。ナース服の裾が風に舞い、

緑の髪が炎に照らされて輝く。

「レリ様、車両へ!今なら抜けられる!」

「でも、ほかのみんなは?!」

「大丈夫よ、レリ、あなたが活路を開いたのよ。」

レリは、車両へと走った。

クーが浮かび上がり、道を照らす。

「急げ、レリ!あいつら、マジでヤバいぞ!」

装甲車のドアが開き、レリが飛び込む。ミラルが運転席に座り、エンジンを始動させた。

「全員乗ったわ!出るわよ!」

車両が唸りを上げ、町を離れていく。ニトスはその背を見送り、

通信機に怒声を飛ばした。

「追撃部隊、全力で追いなさい!あの娘を逃がすな!」

その頃、ギエス本国では、格納庫の扉が開き、漆黒の装甲に包まれた人型兵器が立っていた。

「ジン13、出撃準備完了です」

ジン・ネルプは、そのボディにいとおし気に触れた。

「もうあんな惨めな姿になって帰ってくるんじゃないぞ。装甲も強化しておいたからな。」

ジン13は冷淡に答える。

「私は、何時も最高のパフォーマンスで戦うだけだ。」

次の瞬間、ブースターを轟かせ飛び去って行った。

レリたちの車両は、山道を抜け、広大な平原へと差しかかっていた。

「後方に反応あり。ギエスの追撃部隊です」カイが警告する。

「前方にも……高速で接近する飛行体。これは・・・、識別コード、ジン13!」

「あいつか……!」ジェイが歯を食いしばる。

「強行突破をする」ミラルが檄を飛ばす。

「あのヒューマノイドを何としても撃破するんだ!」

夜の帳が下りる中、光の尾を引いて走る装甲車。

その前後に迫る影が、再び、レリに襲い掛かろうとしていた。




ヒロインたちを追い詰める兵士たち、窮地を救うのはなにか、
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