エターナルフレイム   作:泰丸B

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空を裂いて舞い降りたのは、かつての仲間。再臨の刃が、戦場の運命を切り拓く。


第28章 再臨の刃、王家の銃声

ついに、再び、ギエスの警察部隊との戦闘に突入した、その時、黒煙を引いて、

空から何かが落ちてくる。第一小隊とレリを挟み撃ちにしようと迫るジン13だ。

しかし、その背後に閃光が走った。

「……あれは……!」

ケイの瞳が見開かれる。戦場の喧騒の中、彼女の心臓が一瞬だけ跳ねた。

もう閉ざされてしまったと思っていた、リンクが再接合される。

エルの存在、感覚が、心に流れ込んできた。

「エル……?」

黒髪を刈り上げた少女が、空を裂いて舞い降りる。

かつての仲間、エル。

冷静沈着で、剣技において右に出る者はいなかった戦闘用ヒューマノイド。

だが、あの戦いで彼女は……。

「エル……生きてたの……?」

ケイの声は、戦場の轟音にかき消された。

しかし、彼女の胸の奥で、何かが確かに溶けていく。

冷たく凍りついていた感情が、再び流れ出すように。

エルは無言のまま、ジン13の前に立ちはだかった。

「また会ったな。」

「生きていたか。だが、前と同じ結末を迎えるだけだ。」

ジン13の声は冷たく、機械的でありながら、どこかに怒りと焦燥が混じっていた。

「それは、どうかな?」

エルの声は静かだったが、その目には揺るぎない意志が宿っていた。

次の瞬間、二人は刃を交える。

ジン13の長大な剣が、鋭く空を裂いた。

「消えろ!」

その声と同時に、彼女の身体が閃光のように突進する。

空間が歪むほどの加速。だが、エルは一歩も引かず、腰の剣を抜き放った。

「ふっ」

金属がぶつかる音が、雷鳴のように響いた。

一撃、

二撃、

三撃——。

剣と剣が交差するたび、火花が四散し、

地面に焦げ跡が刻まれていく。

ジン13の攻撃は正確無比。

一切の無駄がなく、殺意だけが研ぎ澄まされていた。

しかし、

「お前は、以前とさほど変わらんな!」と、エルは考える。

エルは低く構え、ジン13の斬撃を紙一重でかわす。

すれ違いざまに放った斬撃が、ジン13の左肩をかすめ、装甲を裂いた。

「早くなっているな、お前」

ジン13が舌打ちし、距離を取る。

だが、エルは追撃の手を緩めない。地を蹴り、風を裂いて迫る。

「これは、私たちの未来のための戦い……!」

エルの剣が、ジン13の右腕を狙って振り下ろされる。

ジン13は咄嗟に引き戻した剣で受け止めるが、

その衝撃で足元の地面がひび割れた。

「重い!この私が押されているのか!?」

ジン13は跳躍し、空中で体をひねって反撃の斬撃を放つ。

エルはそれを見切り、剣を横に弾いて受け流すと、

逆にジン13の腹部に蹴りを叩き込んだ。

「ぐっ……!」

ジン13が地面に叩きつけられ、土煙が舞い上がる。

だが、すぐに立ち上がり、顔を歪めて笑った。

ジン13の中に新たな感情が生まれた。

それは、歪んだいびつな喜悦だった。

「面白い……!」

再び、二人は激突する。

剣戟の音が連続して響き、周囲の兵士たちが思わず距離を取るほどの激しさ。

斬撃が風を裂き、地を穿ち、空気が震える。

ジン13の剣がエルの頬をかすめ、赤い線を描く。

だが、エルは怯まない。

逆にその隙を突いて、彼女の胸部装甲に深々と剣を突き立てた。

「これで……終わりよ!」

エルが力を込めると、剣がジン13の身体を貫いた。ジン13の瞳が見開かれ、

口元から火花が散る。

「なぜ……私が……!」

「つまり、あなたは、ただの機械よ。私は、仲間と共に生きるために戦ってる。」

ジン13の身体が崩れ落ちる。その瞬間、戦場に一瞬の静寂が訪れた。

エルは剣を引き抜き、血のように赤く染まった刃を見つめた。

だが、彼女の表情に安堵はなかった。

戦いは、まだ終わっていない。

仲間たちが待っている。

レリが、ケイが、ミラルが——。

エルは剣を納め、振り返った。

「さあ、次へ行こう。」

その背中に、ケイの心が再び強く引き寄せられていくのだった。

 

一方、戦場の中央では、レリが王家の銃を手にしていた。

「また……これを使うの……?」

彼女の手が震える。

この銃を撃つたびに、心が削られる。

命を奪うたびに、自分の中の何かが壊れていく気がした。

「でも……みんなを守るためには……!」

レリは唇を噛みしめた。目の前では、ミラルが指揮を執り、

その叫びと同時に、第一小隊の面々が一斉に応戦する。

サキが前線に躍り出て、巨大な盾を構えながら突進する。

彼女の一撃で、警察部隊の先頭の兵士が吹き飛び、

背後の兵士ごと地面に叩きつけられた。

「どけぇぇぇっ!!」

その声は、戦場の喧騒をも突き破る。

サキの拳が地面を砕き、破片が飛び散る。

その隙を突いて、アルが素早く駆け出した。

「サキ、右から来てるよ!」

「了解っ!」

魔道端末を手にしたカイが前に出ようとしたとき、銃弾を受け足をすくわれてしまう。

咄嗟に、アルにそれをパスして、

「敵の通信のジャミングお願い」

「了解、カイ」

アルの小さな体が、敵の死角を縫うように走り抜け、

手にした魔導端末から光弾を放つ。

敵の通信機器が一斉にショートし、混乱が広がる。

「通信妨害完了!」

「ナイス、アル!」

カイが即座に反応し、戦況を解析。

敵の配置を瞬時に把握し、仲間たちに指示を飛ばす。

「左の高台に狙撃手! エル、援護を!」

「了解。」

エルがジン13との戦闘を終えた直後、息を整える間もなく、

再び剣を構えて駆け出す。高台に跳躍し、

狙撃手の背後に回り込むと、無音の一閃でその動きを止めた。

 

もはや狂気ともいえるニトスの高笑いが、戦場に響く。

「あなたたち、すごいわよ。さあ、もっと楽しませてちょうだい! レリ・プロラ!」

レリの中で、何かが弾けた。

「……もう、仲間を傷つけさせない!」

彼女は銃を構える、照準ホログラムが現れターゲットをロックオンする。空気が震える。

心の引き金を引く。

閃光が走り、轟音が響く。幾分強くなったビームが一直線に飛び、

警察部隊の装甲車を貫いた。

爆炎が巻き起こり、ニトスの部隊が一瞬、動きを止める。

「今よ! 全員、撤退!」

ミラルの声が響く。第一小隊は一斉に動き、

レリを守るようにして装甲車両へと駆け込む。

「レリ、急いで!」

ケイが手を伸ばす。レリは銃を握りしめたまま、その手を取った。

装甲車両が走り出す。ギエスへ向けて、希望と絶望が交錯する道を。

ニトスは、爆煙の中から姿を現した。制服は焦げ、髪は乱れていたが、

その目には狂気の光が宿っていた。

「ふふ……面白くなってきたじゃない……。レリ・プロラ……次は逃がさないわよ……!」

彼女は無線機を手に取り、冷たく命じた。

「全軍、追撃を中止。」

走り去るレリたちに、ねばりつくような視線を向ける

「あの娘は……必ず、私のものにする。」




危機を脱したレリたち、しかし、執拗な執着を持つ敵将。その手に落ちるのか?
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