エターナルフレイム   作:泰丸B

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現れた、敵部隊、愛する娘王女レリの脱出をなすため、父は命を懸けての、戦いに挑んでゆく。たとえそれが、自らの破滅に至ろうと、構いはしないと、、、、


第3章 脱出の戦い

そのころ、ギエスの警察部隊は、ポテ市を離れ隠れ家のまじかに迫っていた。

軍用車両の列は、あたりを睥睨し、周囲を圧殺するがごとくその威容を誇示しながら、

穏やかな田園風景の中を進んでいる。

指揮官は、指揮車両上であたりを確認しながら部隊に命令を下してゆく。

 

「チーフコマンダーだ、目標まで後5分だ。各小隊は作戦どうり展開を開始せよ。

抵抗するものは排除して構わん」

 

 彼の目には、積年の恨み辛みがやどり、その言葉は呪詛にも聞こえる。

 

「やっと、追いつめたぞ。レリ・プロラ。10年以上もの間よくも隠れおおせたものだ。

小賢しい盾どものおかげで時間を食ったが。それもこれまでにしてやる。」

 

通信機にギエス本国からのホットラインを示す赤いランプがともる

 

「チーフ、本国の長官より連絡です。」

 

チーフは、緊張した面持ちで、部下に命じる。

 

「繋げ」

 

とたんに、直属上司の声がヘッドホンに響いてくる。

「どうだ、状況は」

 

「はっ。未だ何の抵抗も受けておりません。奇襲が功を奏したかと」

「奴等には、何度も煮え湯を飲まされてきたからな。油断するなよ。

 必ず頑強な抵抗をするはずだ。

 しかし、レリ王女は何としても生け捕りにするのだぞ。」

「は、わかっております。お任せください。」

「よい知らせを、まっているからな。」

 

簡単な通信を終え、彼は思った。

 

「言われるまでも無い、これまでの恨みを一気に晴らしてやるわ。

 盾どもを蹴散らしレリ王女をこの手に

 入れてくれる。」

 

ダクのもとに連絡が入った。

 

「連中がお出ましだ。四分隊に展開している。その家を包囲するつもりらしい。」

 

ダクの目には、もう迷いは無かった。

一指揮官として、目の前の状況を打破する作戦を実行する。その一点に

全ての力を注ぎ込む覚悟を決めていた。

 

「そうか、仲間を西側に集めてくれ。そこで派手に攻撃を仕掛ける。

 敵の注意を引き付け時間を稼ぎ、東側から車を出す」

「了解」

「頼んだぞ。」

「奴等を、痛めつけてやろうぜ」

 

 ムメは、レリをバックシートに座らせ、プロテクトコードを起動し

安全を確保してからコクピットの座席に自らを固定した。

コントロールモジュールにプラグを差し込んで行く。

車体が自分の体のように感じられてくる。

通信装置からは逐一外部の状況がモニターできる。

後わずかの時を置いて始まる。

全てはこのために準備してきたと言ってもいいかもしれない。

 

 外部レーダーをオンにする。周囲の映像が意識の中に入り込んでくる。

走行上の障害物をプロットして行く。

ムメの頭脳、陽電子分子回路がフルに活動を始める。

走行ルートをプログラムして行く。

回避運動によるイレギュラーの可能性も高いが、

その時はその場で判断するしかないだろう。

マイクロセコンドの決断が迫られる。

 

 始動エンジンをスタートする。チャージャーがうなりをあげ始める。

メインエンジンにつぎ込む反物質を生成するためだ。

姿勢制御用ジャイロが静かに回転し始める。

前方および後方警戒レーダーが起動する。

 

 集中制御コンソールを手にして一瞬躊躇する。

しかし意を決したかのように瞳を閉じて装着する。

頭部は完全に覆われてしまうが、すべての情報は直接回路に入力されることになる。

それと共にすべての感情が消えて行く。喜びも、悲しみも・・・・。

そして再び取り外すまでは、

一個の操縦マシンとなるはずだった。

 

 しかし、わずかなきらめきが意識の中に残った。

 

ダクの通信機が着信を伝える。矢継ぎ早に報告が入ってくる。

 

「大佐、建物の西側1キロの地点に部隊を配置しました。」

「よし」

「チェック1、敵は今建物の周囲500メートルに展開を終了した模様」

 

ダクは、次々と決断を下し、命令を発してゆく。

 

「西部隊へ、目の前の連中を徹底的に叩くんだ。

敵の応援が駆けつけたら車を1台南へ走らせろ。」

「陽動作戦ですか」

「ああ、うまくやれよ」

「残りは、北側へ回り込みあいての背後を突け、攻撃の合図は私の発砲だ。」

 

いよいよメインエンジンの点火準備だ。

強制冷却装置が働き始める。

超伝導点火回路が開く。

ムメはカウントダウンを開始した。

 

ダクはざっくりとしたジャケットを羽織り、家の前のテラスでゆったりと、

ポーチに腰掛け前方をにらんでいる。

 

そこへ、1台の軍用車が止まり、警察部隊の人物が降りダクの前へやってきた。

 

「ギエスの警察部隊だ、レリ・プロラを即刻引き渡していただきたい。

抵抗すれば直ちに排除する。」

 

ダクは、相手を見るとも無く、返事をした。

 

「何のことやら、さっぱりなんだが」

 

ダクには、ギエスの兵士の、苛立ちと緊張の高まりが手に取るようにわかった。

 

「逆らうのはためにならんと言っているのだ」

 

ジャケットの中で突撃用拳銃を握る手がじっとりと汗ばんでくる。

 

「きさま、わからんようだな・・盾の一味か?」

 

ギエスの兵士ははホルスターの拳銃にに手を掛けようとしたが、

ダクは落ち着いた声で言った。

 

「確かに、そのとおりだ。」

 

そして、ジャケットの中の突撃用拳銃が火を噴いた。

目の前の男は、胸に拳大の穴を空け、

後ろに5メートルほど吹っ飛び地面に叩き付けられた。

 

 

 

 右手から、派手な砲撃、銃声が上がった。

ダクは、家の中へ飛び込んだ。建物は一斉に集中砲火を浴びる。

ガラス、窓枠、壁、柱が粉々になりながら飛び散る。

雨のように降り注ぐ破片。

だが、火線が次第に西側に寄り始める。

銃声と、着弾音、建材の飛び散る音の中、通信機が着信を知らせる。

 

「大佐、上手く行きました。連中はこちらに集中してきています。」

 

匍匐前進しながら、大声で怒鳴る。

 

「次の、作戦に移れ。」

 ムメはカウントダウンの最終段階を迎えていた。

チャージャーから火室へ送られる反物質によりエンジンは、

回転数をあげ、車体がふわりと浮かびあがる。

車輪は格納され、衝撃吸収装置が始動する。

すべてのウインドウが閉まる。

車内生命維持装置がその能力を発揮し始める。

 

 

西側に展開していたギエスの分隊の隊長は

、盾の兵士たちの想像以上の攻撃に驚いていた。

「エザワイスの残党ども、全員始末してやる。」

 

とは言ったものの、そう簡単な状況ではなかった。

このままでは人数でおしきられてしまう。

やむなく、本隊指揮官に増援を要請する。

 

「応援を頼む、西側に主力部隊がいるようだ」

 

ギエスのチーフコマンダーは、やむなく兵員の配置を変えざる得なかった。

 

そこで、盾の南部隊の指揮官はダクの作戦を実行する機会を得た。

 

「いまだ、南へ向けて、走れ。できるだけ敵の注意を引きつけるんだ」

車はけたたましいホイルスピンを起こしながら。発進する。

 

ギエスの対地レーダのオペレーターが指揮官に報告する

 

「チーフコマンダー南へ向かう車を発見。かなりのスピードです。」

 

チーフは、敵の意図を探るべく思索をめぐらす。

 

「ターゲットでしょうか」

「ふむ。罠かも知れんな。しかし万が一・・」

 

一抹の不安が、よぎったが決断の遅れは取り返しの付かない事態を招くかもしれなかった。

 

「E小隊、南へ向かう車を追跡し、ターゲットの有無を確認せよ」

東側のエアーバイク部隊をさいて追跡させる決断をした。

「東側が手薄ですが」

「やもうえん、あの雑魚どもを先に片づけんと、動きが取れん。」

 

東側に回ったダクは、バックヤードに残って警戒についている5人の兵士を見つけた。

家の反対側では派手な銃撃戦をしているが、ここには不思議な静けさがあった。

 

「ムメ、後何秒ある?」

「30秒で発進です。」

 

感情を欠いた、平板な声が答える。

 

「時間がない」

レリの脱出を目撃されるわけには行かない。

わずかな時間でも稼いでおかないと

作戦の成功が難しくなる。

いまから仲間を呼んでも間に合いそうにも無い。

 

     「・・・ならば・・・」

 

     ダクは、決意を固めた、

 

 目前の状況を改めて確認してみる。

2人は遮蔽物のない中央付近、1人はその後ろ、

右にやや離れ1人、そして草むらに1人が座り込んでいる。

3人までは易しそうだ。4人目からは・・。

しかし、考えている余裕はない。

銃を構えると、一気に撃ち始める。

 

最初の一人は造作ない。

 

2人めも仕留めた。

 

しかし3人目から反撃が始まる

 

移動しながら、遮蔽物のない位置にいる1人を倒す

 

後2人、しかし相手の高速貫通弾が大腿部を撃ち抜く。

 

苦痛にうめきながらも移動する。

 

 ・・・まだ死ぬわけには行かない・・・

 

 

    2弾目が肩を撃ち抜く。

     

      骨が折れ、

 

        飛び散る音がする。

 

しかし、相手も狙うためにに立ちあがっていた。

 

ばかめとおもいつつ苦痛に霞む目を見開き、撃つ。

 

相手の頭が消し飛ぶのがスローモーションのように見えた。

 

後1人は、草むらに伏せ位置が分からなかった。

 

   ダクは無謀にも立ち上がった。

 

   すかさず、ヒットされる

 

   胸、腰、腕、手当たり次第だ。

 

だがおかげで相手の位置は分かった。

 

   彼は、その方向へ突撃する。

 

      最後の死力振り絞った

 

        ウオークライ

 

パニックに陥った相手は狙いが定まらない。

 

そして・・・・・・、ダクはぼろぼろになりながらもそいつの前に立った。

 

あいては、信じられないと言う表情で目を見開いている

 

が、一瞬の後その頭も消え去った。

 

    ダクの脳裏にレリの姿がうかぶ。

 

      澄んだ秋空の元、畑の中で爽やかな風を感じながら、

      レリと、ムメが語らいながら楽しげに働いている。

      やがてその光景は、まばゆい光に包まれ消えていった。

 

ダクは、ゆっくりと倒れた。

 

・・・・・・その目にはもう生きた光はなかった・・・・・・。

 

 




激しい戦闘の末、命を落とす父。ただ、任務を全うしただけか?その心の底には、家族への
深い愛情があったのではないか、命を懸けて守に値する。
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