レリは、やわらかい母親の腕の中で
眠っている夢を見た。
暖かな日差しの中、
母は、幼いレリにミルクを与えている。
空にたわむれる、小鳥のたちのさえずりが聞こえ
木々の間をそよぐ風は、さわやかな香りを運ぶ
・
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しかし
・
・
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やがて
その鳥の歌声が
耳障りな騒音になり
そして・・・ついに
銃声へと変わった!
レリは、それでも微笑みつづける母に、
危険を知らせようとするが、なぜか声が出ない。
そして
次の瞬間
にこやかな母の額に
銃弾が・・・
「きゃーあああっ!!」
・・・レリは悲鳴をあげて目覚めた。
「レリ様大丈夫ですか。
何か恐ろしい夢でもご覧に?」
ミラルが心配げに覗き込む。
どうやらミラルの胸元に抱きついたまま
眠ってしまったらしい。
心臓は高鳴っているが
頭はややぼっとして・・・
見つめて・・・
顔を埋めるそれは、
やわらかく
・・・暖かで・・・
・・・豊かな・・・
「は・・・、ご・・・ごめんなさい、」
レリは、驚いたように身を引いた。
「お疲れがひどかったのでしょう。」
レリは顔を赤らめどきどきしてしまった。
「ええ・・・、その・・・あの・・・ありがとう・・・」
「レリ様、早くここを移動し安全なところへ
お移ししたいのですが」
「はい、私、ミラルさんの言うことなら従います」
ミラルは、にっこり微笑んだ後、
「クー」
「なんだい、ミラル」
「現在この町のセーフハウスは?」
「ビーリカの宿だよ」
「ではレリ様、行きましょう」
レリはミラルを見つめた。
まっすぐな
無垢で素直な視線だ。
・・・ミラルにはそれが、
まぶしかった。
「ミラルさんは、私の保護者になるの?」
「はい、そうガードを命じられております。」
「保護者といえば親も同じ・・・だよね」
「はあ、そうと言えなくも無いですが」
「じゃ、レリ様って、様つけるの止めてほしいな。
レリって呼んで。
レリ出かけるよって。
わたしもミラルって呼ぶからね。
いいでしょ」
「はあ、レリ様がそう望むのでしたら。」
「またあ、様つけるう」
「分かりました、レリ、そうしましょ。」
「はい、ミラル」
ここから、ビーリカまでは町の中を
横切ってゆくことになる。
ぼろぼろの身なりの女と、少女
無防備な印象を回りに与えている。
中ほどまできたところで、
目つきの悪そうな連中7,8人が
後をつけ出した。
「レリ、次の路地を回ったところで
壁際のくぼみに身を寄せていてね。
出ちゃだめよ。」
「え・・・? はい」
「クー、レリをお願い」
「わかった、ミラル」
ミラルは、回り込んだとこでレリを潜ませ
自らは後ろに向き直る。
そこへ悪党どもが駆け込んできた。
いずれも屈強そうな大男、
それぞれ手にはナイフ、
一人は旧式な拳銃を持っていた。
レリが小声で
「ミラル・・大丈夫??」
クーは
「見てなって、すごいから。
でも、 あんまり派手なのは
まずいなあ」
「・・・?」
ミラルは道の真中に立った。
5,6歩離れたとこで、銃を持った男が、
ミラルに向かってわめいた。
「おい、どきな。
乞食野郎!
てめーに用は無いんだよ。
金になりそうなお嬢ちゃんに話があるんだよ。」
ほかの男たちがじりじりと、間合いを詰めてくる
「それはだめね、死にたくなかったら
おとなしく帰ったほうがいい」
「ばかかあ?こいつあ!」
「てめー、これがみえねーのかよお!」
と、銃を構え撃とうとしたが・・・
男の視界からミラルがふっと消え
何か鈍い音がした。
銃は魔法のように目の前から消え
ついでに腕のひじから先もなくなっていた・・・
いや、真下に折れ曲がっていた。
男が激痛に悲鳴をあげようとした瞬間
強烈な蹴りが体側に入り
壁まで吹き飛ばされ昏倒した。
ほかの男たちが呆然とそれを見ていると・・・
ミラルは銃を無造作にその男たちの前に投げ与え
「次は誰?・・あんたかい?」
視線を投げかけた。
目の合った男はその場で腰を抜かし
ミラルの瞳の中に、
それは底知れぬ
紅蓮の炎を・・・見た。
「ひ、ひーぃ!!
・・・死・・・死・・・死神・・・死神だあ!!!!」
正気を失ったかのように必死で逃げてゆく。
ほかの仲間の姿はすでに無かった。
物陰から出てきたレリが、ミラルに駆け寄った。
「ミラル、なんともない?」
「はい、それよりああいった連中は弱い者に集る
ハイエナみたいな存在ですから。
これからも注意は必要です」
「ミラル、すごく強いのね、・・・」
「必要な能力ですから
・・・でも誇れるようなものでは
ありません。」
クーが
「でもすごいよ、長い封印の後とはおもえないねえ、
反応速度も、筋力もぜんぜん衰えてないよ。」
「さび付いてしまっては、
戦士として機能できないからよ。
それより、先を急ぎましょう。」
何とか、守ってもらえそうな人にたどり着いたレリ、その人も、なんか大変ですが。
危ない展開はまだまだ続くようです。