エターナルフレイム   作:泰丸B

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偽りの安宿、その奥に隠された真実の安らぎ
ミラルの背中に刻まれた傷、それは過去と誓いの証 そして
“もう決して一人にはしない”──その言葉が、レリの心に灯をともす。


第9章 宿

 

路地を抜け、2ブロックほど進むと傾いた

 木の看板が見えた。

 

 かすれてはいるが 「ビーリカ」 と何とか読める。

 どうにか、ドアとして機能している入り口を抜けると

 粗末で、埃じみたロビーがあり、2,3の客がくたびれた

 ソファーに腰かけ、酒をすすっていた。

 

さらに進むと、カウンターに足を乗せ座り込んでいる

 フロントの男がおり、

 レリたちはその前に立った。

 するとその男は、読んでいた雑誌越しに、

 胡散臭そうに目の前の三人連れをじろりとみる

 ミラルが、それにかまわず口を開いた。

 

「タギの荷物が預けてあるはずよ。」

 

 男は雑誌に目を戻しながら、

「これだ。」

 

 無造作に鍵を渡された。

それは、2階の部屋であった。

 中に入るには宿の鍵だけでは無理である。

 キーに登録されているDNAコードと所有者が合致しないと

 いけない。

ミラルが鍵を開けると、がちりと古風な音とともにドアが開いた。

中は、何の変哲もない安宿の部屋。

 ベッドにバスにトイレ

 つきそうにもない受像機、

 粗末なドレッサーと、

 ほこりじみた床

 そして、傾いたテーブル。

だが、ドアを閉め鍵をかけると、

 部屋の様子が一変する。

 清潔で、機能的なベッドがあり、身体のメンテナンスも可能だ。

 高度な通信機能をそなえた3Dスクリーンに、

 外科医療も可能なバスとトイレ。

 どんな偽装も可能なスタイラー。

 完全防音装置にシールド機能。

 装備保管庫。

 無影照射の照明装置。

 これらのものが巧みに偽装されていたのだ。

 魔法科学のなせる業。

 レリはこの変化に目をみはった。

「すごい部屋ね。こんなのがあるなんて。」

「これはね、平和な時は、王族や外交官のサポートをする

目的で大陸各地に作られたんだけど、

王国崩壊前に、ギエスへの抵抗戦争のために

軍事用に改造した施設なんだ。

だからここには戦闘用の装備類も完備してあるんだよ」

ミラルが、

 

「レリ、先にバスを使っかてください、疲れが取れますよ」

 

「ミラルこそ、先に使って・・・」

 

「私は、その・・・、汚染度が高いので

・・・先に入られたほうが」

 

「そうだ、一緒に入ろ。ね、背中流してあげる。

ね、ね、私ね、よくお母さんの背中流して・・・」

 

見つめる、レリの瞳は、

 まっすぐで無垢な光を宿しているが、

 思いつめたような色があった。

 

ミラルは、その中に耐え難いほどの

 寂しさと、悲しさを見た。

 

レリの心は、

 癒える事などできないほどの

 大きな傷を負い血を流し続けている。

 しかし、今は

 必死にそれを覆い隠し、耐えている。

 それは、あまりに切なく、つらいことだった。

 

  ミラルは言った。

  「そうしましょうか」

  「・・・うん」

 

 

 

レリが、脱衣所で着ていたものを脱いでゆく。

 

ミラルは身にまとっていたぼろを

 脱ぎ去り、ダスターへ放り込みふたをする。

 瞬時にして分子にまで分解され外へ廃気される。

 

レリは、、ブロンドの髪が輝き

 染みひとつない白い肌が眩しい。

 大人の女性と子供の間の可憐な体型。

 

ミラルはと言えば、

 本来の肌色が分からないほど、

 積年の汚れが染み付いていた。

 しかし、引き締まった腰と

 がっしりした肩、

 広い背中。

 逞しくも、丸みを帯びたヒップ。

 筋肉質だが女性的な魅力にあふれる体だ。

「ミラルって背が高いのね、・・・その髪の毛・・・何色なの?」

 

「そうね、きれいに洗浄してみないと

 自分でも思い出せないくらいです」

 

「はっ、・・・大変だったのね・・・。

 私・・・どうすれば・・・」

また、目にうっすら涙がにじむ。

 

ミラルは、レリに向き直り、

  腰を落とし手を握り

  レリの瞳を見つめながら言った。

 

「レリ・・・レリ、自分を責めないで。

 私は、レリに出会いたくてあそこで待っていたの

 そしたら、レリが会いに来てくれた。

 だから、今レリと一緒にいられるのが嬉しいの。

 悲しまないで、レリ。

 これからは、私がレリを守って一緒に生きて行きます。

 もう決して一人にはしないから・・・。ねっ」

「う・・・うん、ありがとう、ミラル」

 

「あの~僕もいるんですけど」と、クー。

レリが、

 

「そうよね、私が小さいときから一緒だったもんね」

レリの顔に久しぶりの笑みが戻る。

「ミラル、背中流してあげるからお風呂使お。」

 




やっと、一息つける宿に到着、
お風呂に入る二人が気になりますが。何もないと・・・おもいますが、
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