絶対に死んでしまうオリ主 vs なんとかして生かしたい士官学校 作:六角ランチ
お気に入り28件ありがとうございます!!!!!
「クイナ、これを受け取って欲しい」
「せ、先生…」
木々が葉を茂らせ、色とりどりの花々が咲き誇り、小鳥の囀りと燦々と照らす太陽が眩しいここガルグマク大修道院。
「お願いクイナ。これが、今の私の精一杯なの」
「気持ちは嬉しいんです!嬉しいんですけど…」
今僕こと、クイナ=アルビオンは大修道院の庭園で……
「クイナにはこれが1番なの!!」
「錆びた剣なんていりません!!」
逆カツアゲを食らっていた。
こんなことになったのは、数刻前がきっかけだった
◆
金鹿の学級に入り、クロードくん主催の歓迎会が開かれ、みんなでお茶菓子を持ち寄って談笑したりとした僕だったが、かなりの時間が経ち、お開きとなると、リシテアさんやクロードくんと何かを確認しあっていたベレス先生に呼ばれた。
何か追加の確認事項でもあったのだろうか?たしか書庫には近付いてはいけないと大司教さまに口酸っぱく言われたが、あったとしてもあの場で大司教さまに伝えられていたはず。
もしかして……決闘?
ベレス先生は傭兵から教師になったと聞くし、かなり腕が立つらしい。それに、他クラスの腕が立つ生徒を引き抜いているとも聞く。まだ教師になって2週間もしていない、士官学校としては僕と同期なのに既に大差が着いている。
僕とは性能が違う先生の事だし、腕試し的なものかもしれない。そう考えると震えが止まらない。僕は自分の名前と多少の勉学しかできない。も、もしかしたら学級を追放されちゃう…???*1
僕は止まらない震えからくる大爆笑中の膝を落ち着かせ、ベレス先生の後ろをついて行く。さっきから気になっていたが、あの肩にかけている麻袋はなんだろう?
やはり決闘に使用する武器なのだろうか。
そんなことを思ってついて行けば、どうやら目的地らしくベレス先生は足を止め、こちらに振り向いた。
改めてベレス先生は凄く美人だ。表情が死んでいて何を考えているのか少し分かりずらいけど、目は大きいし、鼻も整っていて肌もすごく潤っている。それにプロポーションだって抜群だ。ただそのタイツだけは意味がわからないが。
「クイナ、これを受け取ってほしい」
「…?これは…剣?見たところ錆びているようですが。それとも、錆びた見た目の普通の剣とかですか?」
「いや、これは錆びた剣だよ」
「…聞き間違えですかね?」
「いや、これは錆びた剣だよ」
「え、あの、つ、つつしんでおことわりします」
「だめ。クイナはこれを持ってもらう」
「あの、いらな」
「いや、これは錆びた剣だよ」
「別に聞いてな」
「だめ。クイナにはこれを持ってもらう」
「………」
もしかしたらベレス先生は性格がかなり悪いのかもしれない。
今思えばこの無表情は僕のことが嫌いだからなのではないだろうか?でなければ錆びた剣を押し付けながらなんどもなんども同じ言葉を繰り返したりはしないだろう。
◆
これで現在に戻る。
「あの、ちなみになんで錆びた剣を?」
「……言えない。言えないけど、お願いだからこれを持っておいて欲しい」
「え、えぇ…。納得できません!」
「……ごめん」
どうやらベレス先生はあまり話す気は無いようだ。
仕方ないのでここは錆びた剣を貰っておこう。それに、嫌いな人と話したくもないのに話すのだって苦しいだろう。ここでベレス先生の機嫌を損ねて、僕を拾ってくれたハンネマン先生に飛び火したら僕は耐えられないと思う。
「ご、ごめんなさい。ベレス先生は、僕のことあんまり好きじゃないですよね。駄々こねてすいませんでした。」
「今なんて?」
僕がそそくさと立ち去ろうとした瞬間、空気が凍ったような気がした。さっきまではまったくの無だったベレス先生の表情は、目元は暗く、目は黒く濁っていて、心做しか殺意まで感じた。
心臓まで剣が突き刺さっているようなトゲトゲした凍えるような視線で、心臓がバクバクいっている。冷や汗もとまりやしない。僕、今日が命日なのかな。
ただ僕は、少しでもこの場を持ち直すために心当たりのあることを謝罪する事にした。正直、舌がうまく動かないし、喉がつっかえる感覚がして自分で言っている言葉を半分認識出来ていない。
「ご、ごめんなさい!あの、い、い、嫌味っぽかったですよね!ごめんなさい!」
「違う。そうじゃない」
「クイナ」
「ぅぁいっ!」
緊張して声が上擦った。
「私はね、クイナのこと嫌いなんかじゃないよ」
気づけば、僕は壁際に追い詰められていて、ベレス先生の顔が目の前だった。これがシルヴァンくんの教えてくれた壁ドンというやつだろうか?!
「クイナ、余所見しないで?今は、私だけをみて」
ふざけたこと考えてる場合じゃなさそうです。下手したらこのままベレス先生のこの凍える視線で死んでしまう。
「私はね、クイナ。クイナの事がとっても、とっても大切なの。大好きなの。」
「あえっ?」
緊張のあまり幻聴が聞こえてくるようだ。
だって、僕、これがほんとうだとしたら、告白されているじゃないか!
ダメだ。ベレス先生の強すぎるお顔と、凄いいい香りのせいで頭がくらくらしてきた。顔に熱が集まってきているのも相まって、まともな思考ができない。
「その何言われたか分かってないみたいな顔もすぐ恥ずかしくなって赤くなっちゃうところも会って数日なのにほいほい着いてきちゃうくらいにはお人好しでチョロいところもそうやって自分が嫌われてるとか勘違いしやすいところも勘違いしてても人には優しくしたりするところもちょっとズレてるけど気遣いができるところとか友達の危機に必死になれるところとか私よりちょっと低い身長とか綺麗な黒髪とか恩に報いようと必死になってるところとか考え事してると上の空になりやすくて口が開いてくるところとか」
「好きなの」
僕は気を失った!
クイナ いきなりの激重感情にへなちょこな脳が耐えれず失神した。起きたらいきなり隣に錆びた剣が眠っていて悲鳴を上げてしまい、ディミトリが顔面蒼白で駆けつけた。
ベレス 我らがベレス先生。ループ全てを完全に記憶しているため、語ろうと思えば3日は語れる。なんど繰り返してもクイナが攫われると荒れるし、ジェラルト団長が死んでしまうと泣く。ループを繰り返している分、もっと泣く
リシテア 可愛い。136週目でどういう原理かクイナの紋章石が暴走を始めて、リシテアに植え付けられた2つ目の紋章であるグロスタールの紋章を奪い去ってしまった。それっきり、寿命云々はなくなった。
今後
-
短編集的な感じ
-
ストーリーを追うように
-
どっちも