絶対に死んでしまうオリ主 vs なんとかして生かしたい士官学校   作:六角ランチ

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ポケモンチャンピオンズとログウィズにハマってたらもうこんなに…
この償いはイグナーツが早すぎることによって贖います


先生!僕には荷が重すぎます!

昼下がりのガルグマク大修道院の黒鷲の学級教室では、傭兵から教員となったベレス=アイスナーが教鞭を取っていた。傭兵だから…というふうに見下す者なんておらず、皆食い入るように聞いている。

 

それは実際に傭兵として灰色の悪魔、だなんて異名を付けられ恐れられた傭兵の話等そうそう聞けるものではない。それも、あの壊刃ジェラルトの娘ときたものだ。

 

そしてそんなベレスの授業を受ける黒鷲の学級の級長にして次期アドラステア帝国の皇帝と目されるエーデルガルトは、内心なんとも言えぬ心情を膨らませていた。

 

(また始まった。それは良いわ…彼を救えるまで私は繰り返すと決めたもの。ただ……)

 

エーデルガルトは教本に落としていた目をあげて、黒板に板書するベレスを見る。傭兵とは団長やそれに近しい立場のものでもない限り、識字率、というのは低いものであるが、ベレスは幾千と繰り返してきたためかその字はハンネマンに匹敵する美しさを持っていた。

 

「なぁおい…あの時々ベレス先生が書く『クイナ』ってなんだと思う…?なんかの用語か?」

「俺が知るかよ…。…そういや金鹿の学級にクイナって名前のやつがいるらしいぞ」

「知ってんじゃねぇか。じゃあそいつで決まりか?」

 

(師…彼が好きなのは分かるけれど、少しは抑えるかなにかしなさいよ…)

 

「そこ、私語は慎むこと」

 

感情の読めない瞳に能面のような表情がひそひそ話していた男子生徒二人を突き刺す。途端に顔を青くしてぴしりと固まった二人はぎこちない動きで教本の字列を眺め出した。

 

ちなみに言えばこの授業中どころか常日頃からベレスの脳内はクイナで九割埋め尽くされている

 

 

(うん。長い間推敲したけど、やっぱりクイナには弓使い…出来ればボウナイトになってもらおう。それかスナイパー。そうしたら、危険は減るはず…。クイナがいちばん長く生きていた時の職業は毎回弓系か勇者…うん。弓を持たせて間違いはないはず)

 

ベレスは逸る脚を極めて冷静に落ち着かせてから、クイナがいる学生寮へと向かう。その背には矢筒と初心者用の鉄の弓二つ、訓練用弓+が三つあった。どう背負っているのかは全く皆目見当もつかない

 

「…あ」

 

ちょうど寮を出て訓練に向かう途中だったクイナと鉢合わせたベレスは、途端に表情が明るく*1なった。

そして少し弾んだ声音で話しかける

 

「クイナ、ちょっと待って」

「はーい…?あ、先生!どうしたんですかっ?」

 

ベレスに呼び止められた時の声が弾んでいたことからなにか良い事だろうと感じたクイナもまた表情が明るく*2なった。そのまま踵を返してベレスの方へ駆け寄る。

 

「これ」

 

背に負っていた弓矢をクイナに突き出す。

脈絡のないその行動にクイナは3秒ほど静止してから

 

「プレゼント…ですか?ありがとうございます!大事にしますね!」

「ん。目指すは勇者。頑張って」

「勇者ですかっ!?僕には荷が重すぎません!?」

「そんなことない。クイナは強い」

 

 

ただ生きるため、自分が育った環境の普通をこなしていれば、いつの間にか『灰色の悪魔』だなんて名前で呼ばれたり、3人の子どもを助けたと思えば、その3人はそれぞれアドラステア帝国、ファーガス神聖王国、レスター諸侯同盟の女皇、次期国王、次期盟主だった。

 

それから、ジェラルトがむかしいた所の後輩だというアロイスさんが駆けつけてきて、私たちジェラルト傭兵団はガルグ=マク大修道院に属することとなった。それと私は、大司教の意向によって教師を務めることとなった。

 

私はディミトリ…ファーガス神聖王国の学級委員たる青獅子の学級の教師となることにした。みんな個性豊かで、初めて話すようなタイプの子たちもいたり、男所帯だった傭兵団とは違ってたくさん女の子がいたから、楽しかった。

 

そんな中でディミトリやシルヴァンに次いで目立っていたのが、クイナ=アルビオンという生徒だった。

たしか得意な武器は魔法槍、剣、斧を満遍なく使えていた。その強さは私にも匹敵するほどで、でも肝心なときは緊張からかミスが多くなってしまう…というような生徒だった。

 

優しくて、強くて、他の人のことなのにその人よりも喜んだり、悲しんだりして、ちょっと間抜けたところがあってそれが可愛くって…

 

私は気付けばクイナが好きになっていた。教師になりたてで慣れない私をよくフォローしてくれたのもあるが、たんに私はクイナがタイプだったのかもしれない。

 

それはさておき、そんなクイナは、ジェラルトがモニカ…ではなくクロニエに殺されると同時期に、忽然と姿を消した。

 

当然私は荒れた。荒れに荒れた。同じくクイナと仲の良かったイングリットやシルヴァン、それからよく模擬戦をしては笑いあっていたフェリクスとディミトリたちのケアをしなければならないと、教師の私は言っていたが、心の中心にある私は、ただ悲嘆と喪失に呻いていた。

 

それから、数年の月日を得てクイナと再会した。

変わり果てた姿で。

 

未だにこの手でクイナの生命を刎た感触は消えない

なんども、繰り返す度に殺したのだ。

 

私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が私が

 

私はまた繰り返す

総ては貴方に許されるために

 

私はまた繰り返す

総ては貴方に会うために

 

私はまた繰り返す

総ては貴方が愛しいから

 

 

まっててねクイナ

*1
当社比

*2
満場一致




【クイナ】
健気なのでちゃんとこのあとは弓の練習をした
途中でクロードがいつのまにやらヤジを飛ばしてきたので練習そっちのけでじゃれてた

【ベレス】
なんで助けるがないんですかね…

【エーデルガルト】
師、慎みを覚えなさい

【クロード】
やーいやーい!そんなんじゃフォートレスの装甲の隙間すら穿てないぞ!

今後

  • 短編集的な感じ
  • ストーリーを追うように
  • どっちも
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