明けの明星:夜明け前に、一際光り輝く星の事。金星。
堕天使ルシフェルの異名としても扱われる。*1
因みにですが、本編が結構ガッツリ戦闘系の作品なので、本作の登場人物のスペックは相当凄い事になっています。
通じるかは分かりませんが、ホロメンの強さをプロムン作品のフィクサーで例えると、最低でも2~3級に相当します。
本編メインメンバーが全力を出せば、弱めの特色に匹敵するレベルです。
天の彼方に響く音色は
2年に進級し、少し経った頃。
心地よい春の日差しに眠気を誘われる、とある日の昼下がり。
ホロライブ学園
「ふぁぁ、眠いのらぁ」
「んなたん、おねむ? 寝てないの?」
「モンハンのオメガがもうちょっとで倒せそうで、つい夜遅くまでやっちゃったのら」
眠そうに
召喚能力と支援能力に優れた頼れる後衛にして、ホロライブ学園でも上位の実力者として広く知られている者の一人。
そして、学園でも屈指のゲーマーとして知られている者の一人でもある。
「あ~、何だっけ。めっちゃムズイんだっけ?」
「どちらかと言うと、ff14の再現をし過ぎたせいで今までのセオリーが通じない。って言うのが大きいですかね?」
「だね。
その隣に座っているのが、常闇トワ。
[魔族]という種族。その中でも特に魔法/魔術の扱いに優れた“悪魔”の少女であり。学園でも指折りの【闇魔法】の使い手。
……そして、『悪魔というよりも天使じゃねぇか』と言われることが多々ある、心優しき悪魔である。
「風真としては、右舷左舷の予告が見えづらいのだけが不満点ですかね。そこさえ改善されれば文句ないんですが」
「右端に表示されるから、オメガの動きに集中してると見えないのらよ。一応音は鳴るけど、もっと分かりやすく鳴らしてほしいのらよ」
「え、何? 予備動作が分からない攻撃とかあるの? やばっ」
机を挟んで向かいに座っているのが、風真いろは。
古流武術『風真流剣術』を修め、1対1の対人戦ならば学園でも敵無しの実力者。
忍者だのタヌキ獣人だの言われているが、実際には純粋な人間のサムライという、少々奇妙な少女である。
「白上は、重い武器はお断り、みたいな動きがちょっと苦手かな。スラアクって
「あ~、確かにあそこまで機敏に動かれると厳しそうでござるな」
「確かスラアクって、無敵技も無かったはずなのらよね?」
その隣に座っているのが、この中で唯一のゲーマーズ部員。白上フブキ。
先日行われた
現在の学園において、特色フィクサーに最も近い人物との呼び声高い、紛う事無き学園最強の一角。その人である。
彼女ら4人は、共通の話題であるゲームについて語っており。
大きな戦いも終わり、やって来た
このまま、何の事件も起こらない日々が続けばいいと……全員が、うっすら心の奥で思っていた。丁度そのタイミングで、ソレはやって来た。
「ん? この足音って、確か……」
「フブキ先輩? 何が聞こえたんですか?」
「ん~……多分、トワ様かんなたんに用事、かな?」
最初に気付いたのは、フブキ。獣人特有の優秀な聴覚で、廊下を駆ける足音をキャッチ。
そもそもゲーマーズの部室は大分辺鄙な所にあり。こんな所まで来るからには、この部屋に用事があると見て間違いない。
その上、その足音が記憶にある
「ん……? あぁ、成程。そういう事ね」
「こんな所まで探しに来るなんて、一体なんの用なのら?」
足音はどんどん大きくなり、フブキ以外にも知覚できるようになり。
足音の主が、明らかに急いでいるという事実。そして、先ほどのフブキの発言から、他の3人も誰がやって来ているのか感づき。
――そして、当然のように足音は部室の前で止まり。
勢いよく開かれたドアの向こうに見えたのは、見慣れた姿――では無く。
「お願い、助けてっ!!」
「かな……た?」
「あれ、本当に天音ちゃなのら?」
「でも……声は確実にかなた先輩ですよ?」
……どうやら、天使だと思っていた友人は堕天してしまっていたらしい。
◇
「え〜っと、つまりかなたんは」
「朝起きたら
「原因も、戻り方も分からなくて」
「どうすればいいのか分からない」
「「「「って、事?」」」」
「そう、その通りッ!!」
この場にいる全員の、共通の友人であり。尚且つ天使だと思っていたら堕天使になっていた少女、天音かなた。
彼女のその叫びには、ここに来るまで相当な苦労があった事が読み取れた。
「それでさ、かなた。本当に心当たりとかは無いわけ?」
「う〜ん、心当たりって言われても、本当に堕天するような事なんて――」
「白上はあるかな、心当たり」
本人だけでなく、相談された皆も何が原因か分からず困っている中。
ただ一人、白上フブキだけは心当たりがあるようで――
「ほら、“王”との決戦の時にさ、使ったじゃん」
「あ〜、確か、ホロぐら……何とか。みたいな名前の」
「そう。
“王”との決戦。
全員の記憶に新しい
特に目覚ましい活躍を見せたのが、鳴神瑞樹・白上フブキ・百鬼あやめの
その中でも、白上フブキと大神ミオの2名が使用した、戦況を大きく変えた一手。それこそが
その効果とは――
「白上の“可能性を拡大する”能力と、ミオの“未来の可能性を観測する”能力を組み合わせてさ。皆に、一時的に『未来であり得るかも知れない、可能性のチカラ』を被せたんだよね」
「わかりやすく言うと、ハンターハンターのアレでござるな。『もうここで終わってもいい』っていう」
「そう、それそれ」
――“可能性のチカラ”を、一時的に投射するもの。仲間たちを、疑似的な
実際、この場にいる全員がその恩恵を受け、“王”の討伐に貢献している。
風真いろはは剣技が極限へと至り。
姫森ルーナは召喚能力がより強化され。強力な
常闇トワは闇魔法が常識を逸脱したレベルまで強化され。得意技の《
そして、天音かなたは――
「そう言えば確かに……思い返してみれば、あの時の力って堕天使のものに近かった気が……」
「光魔法も、闇魔法も。どっちも使いこなす姿は、天使と堕天使のハイブリット!って印象が強かったでござるな」
「まあ、かなり激しい戦いだったし? あの戦いの後遺症って考えれば、朝起きたら堕天してた。ってのも納得できるんじゃない?」
――光と闇を、共に高い水準で使いこなす。天使と堕天使が混じったような力であった。
成程確かに、この時の力と現在の状況。結びつけて考えるには十分な証拠と言えるだろう。
「でも、それが分かれば解決策が……解決策が……」
「原因に心当たりがあったとしても、解決策が分からない事に変わりはないのらね」
「う~ん……黒ちゃんなら何か分かるのかもしれないけど……」
黒ちゃん――黒上フブキ。白上フブキの別人格*1、兼同居人。言わば、『もう一人の僕』的な存在。
魔法/魔術的な知識であれば、
「確か、今はフィクサーの仕事で遠出してるんでしたよね?」
「そうなんだよねぇ。帰ってくるのは、早くても週末になるとか言ってたはずなんだよね」
「週末!? それはちょと困るというか……」
現在、遠出が必要な仕事を請け負っており。週末まで帰って来ないのだ。
普段であれば特に問題は無かったのだろうが……今回は少々都合が悪かった。
「困るって、何が?」
「実は今、光魔法も闇魔法も使えないんだよ。それでさ、明後日は……」
「そっか、明後日はバトロワだったね。参加できないから忘れてたや」
「フブキ先輩は、今年から出場禁止でござるからなぁ」
バトロワ――バトルロワイヤル。ひと月に1回行われる、全校生徒が集い戦うイベント。
上位に入賞するだけで単位が貰えたり、学内の各種施設で割引が受けられたり、といったように数々のメリットが存在する事から、全生徒がこぞって力を入れるイベント。
極致に至った3名は、そんなイベントから“強すぎる”という理由で出禁を喰らうという、前代未聞の事態となっているのである。
「こんな状態でバトロワに参加しても、絶対いい順位にはなれないからさぁ。出来れば今日中にどうにかしたいんだけど……」
「う~ん、魔法的な異常っぽいから、そっち方面に詳しい人がいればいいんだけど……」
「都合よく、そんな人なんて……」
その場にいる誰も、解決のために必要な知識を持っておらず。
手詰まりかに思えた……その瞬間。
「お~っす、暇になったから来たぞ……って、どうしたんだ?」
「「「「「いたっ!!」」」」」
都合よく、
未完結作品の後日談を先に投稿していくストロングスタイル。
こうでもしないと、天音嬢の卒業に間に合わなかったんですよ……
あ、天音嬢卒業までは、出来る限り土曜日に毎週投稿する予定です。