銀狼哀歌 AS   作:LR44(ゆっくり)

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 荒んだ心をヌベスコで回復させたので初投稿です。
 イーヒヒwww(՞ةڼ◔)ヌベヂョンヌゾジョンベルミッティスモゲロンボヨwwwイヒヒヒヒ~wwwww(՞ةڼ◔)

 落ち着ける(1ディス2ドロー)

 因みにですが、急いで書き上げたので多分あとで加筆修正が入ると思います。


やがて夜が明け闇が晴れ

 

「あぁ、もう。どうにでもなれぇぇぇぇっ!!」

 

 白上フブキの放った全力の一撃を前に、ヤケクソ気味にその手を前に伸ばす天音かなた。

 苦し紛れに発動した【闇魔法】の防御術式は、その一撃を止められるだけの強度を持ち合わせておらず。

 もはや万事休す。これから襲い来る痛みを前に思わず目を瞑る――

 

 ――が、しかし。痛みは何時まで経っても襲い来る事は無く。

 恐る恐る目を開けてみると……そこにあったのは、眩い光を放つ障壁。

 

「これって……」

「《天翼の障壁》……って事は」

 

 《天翼の障壁》。()()()最上位に分類される、高位の防御魔法。

 当然、【闇魔法】ではなく【光魔法】に分類される魔法であり。

 

 もしやと思い自らの姿を見れば、金色に光る天使の輪に、インナーカラーの紺碧が特徴的な白い髪。そして何より、背部にあしらうは純白の翼。

 そこにあったのは、堕天使では無い。本来の天使としての姿であった。

 

「これなら……もしかしてっ! 《光弾》!!」

 

 魔力回路の調子を確かめるように放たれた《光弾》は、低級の魔法とは思えない威力と数で。

 それは即ち、彼女本来の戦い方を取り戻した何よりの証左であった。

 

「クダギツネっ、槍!」

 

 対するフブキは、流石に刀のままでは防ぎきれないと判断し槍を口寄せ(エンチャント)

 目の前で回転させることで即席の盾を形成。光弾を全て弾いて見せた……が。

 

「降り注げ! 《天光の裁雨》!!」

 

 追撃として放たれたのは、天より降り注ぐ光の豪雨。

 【光魔法】の中でもかなりの高位に位置する魔法であり、本来ならば対軍を想定して開発された戦術級魔法。その暴が唯一人に向けて放たれた。

 

「《氷の防壁》」

 

 圧倒的な物量を目にしてもフブキは慌てる事無く。

何処か優雅にも見える雰囲気で左手を振るい、自身の周囲を巨大な氷で覆ってしまった。

 氷属性の防御妖術の中でも、中位の術に当たる《氷の防壁》。

 氷の壁で攻撃を阻む()()のソレも、彼女にかかれば大規模妖術に早変わりであった。

 

 しばし経ち、外からの音が鳴り止み。防壁が、無事に攻撃を耐えきった事を理解する。

 それと同時に、ふぅと息を吐き気持ちを落ち着ける。

 普段ならば、このように()()()()()()()()ような守り方はしなかった。かなたが本調子となった事に対する意識の切り替えが出来ていないことを自戒し、次の手を考え――

 

 ――ここで、自らの選択が完全なる失策だった事に気付く。

 

「これっ、まずっ――」

「《変生・大天使化(メタモル・アーク)》!!」

 

 気付いたものの、時既に遅し。

 防壁を突き破り突撃してきたのは、巨大な羽と巨大な光輪を携えた天音かなた。

 防御術式の機動を考えるも……明らかに、突き出された拳が直撃する方が早い。構築が間に合わない。

 咄嗟に両腕を交差させ防御するも、吹き飛ばされ。今度はフブキの方が逆に訓練所の外壁に叩きつけられる事となった。

 

 《変生・大天使化(メタモル・アーク)》。[天使]にのみ許された特別な身体強化術式で。

 その効果は単純明快。『自身の身体能力を、“大天使(アークエンジェル)”相当まで底上げする』というもの。*1

 その強化倍率は、単純計算で2倍。本来格上であるフブキ相手に、身体能力で圧倒出来てしまう、強力な術式である。

 

「これじゃぁダメだ……もっと、もっと……」

 

 フブキを吹き飛ばした直後。かなたは上空へ移動していた。

 目的は単純。()()()()()()()()()()()()()()()

 

 白上フブキは、天音かなたが知る限りでは“最強”の一角に分類されるヒト(獣人)であり。

 そんな彼女を相手に、あの程度の攻撃が通用するはずもない。という()()があり。

 

 故、求めるのは自らが知る限り最強の攻撃。

 “王”との一戦で放った、光と闇が完全に調和し混じりあった、超常の絶技。

 未だ、アレの完全再現には至らないが……アレ以外に恐らく、有効な手は無い。

 

「ぐるんって回る感覚……ぐるんって回る感覚……

 行けたっ!!」

 

 そして、そのためには【闇魔法】が使える状態になる必要がある。

 フブキのアドバイスを思い出し、お腹の辺りに力を込めてみると……これまでの悩みが嘘だったかのように、簡単に堕天使に変わることが出来た。

 軽く魔力回路の調子を確かめると、【闇魔法】も問題なく使用できた。むしろ、心なしか少し調子がいい気までしてくる。

 

「よし、《闇球》! コレを維持しながら今度は天使に……って、結構難しいな……」

 

 生み出した闇の球体を維持しながら、今度は天使に戻ろうとするが……魔法を維持しながらではかなり難しく。

 暫く苦戦しつつも……少なくない時間をかけ、かろうじて天使に戻ることに成功する。

 そして――

 

「ぐっ……コレ、思ったより難しっ……」

 

 追加で《光球》を生み出し、《闇球》と融合させることを試みるが……思ったよりも難易度が高く。

 苦戦しているうちにフブキは体勢を立て直しており。こちらが何をしているのか面白そうに眺めていて。

 

 少しずつ、少しずつ融合が進み。やがて2つの球は1つの球となって。

 

「行っけぇえええ! 《偽・明けの明星》‼」

 

 満を持して放たれたのは、白と黒が複雑に混じりあった巨大な球体。

 速度はそこまで早くない……むしろ遅いくらいだが、内包する魔力量は絶大。さしものフブキと言えど、直撃すればひとたまりも無いだろう。

 

「《雪の障壁》《氷の防壁》《吹雪の城壁》」

 

 対するフブキは、氷系の防御妖術を多重展開。

 あくまでも、避けるのではなく受け止める姿勢を見せる。

 

 最初に展開された《雪の障壁》――雪の結晶を象った障壁は、ソレが基礎中の基礎に当たる術式であることを加味しても、余りにもあっさりと砕け散った。

 次に展開された《氷の防壁》――氷で作られた壁は、先ほどの焼き増しの様に一瞬で砕け散る。

 最後に展開された《吹雪の城壁》――雪で形作られた巨大な城壁は、一瞬拮抗する様子を見せたものの、やはり簡単に砕け散り。

 

 展開された3種の防御術のその全てが、その効果を発揮することなく。

 ついに着弾したソレは、激しい爆発と土煙を発生させ。

 それをみた彼女は、つい()()()()を口にしてしまう。

 

「やったかっ!?」

 

 ――特大の、フラグを。

 

「いやぁ、今のは流石に焦ったよ」

 

 土煙が晴れ、姿を現したのは()()()フブキ。

 しかしながら、その姿が――身に付けた装備が。先ほどまでとは全く異なっていた。

 

 氷の結晶を思わせる装飾をあしらい、裾が水色にグラデーションされた、純白の和服を身に纏い。

 そこからのぞく手足には、氷から切り出したかのように美しい手甲と脚甲が装備して。

 刃から柄までその全てが氷で作られた刀を左手に持ち、元々持っていた刀(ムラサメマル)と合わせて二刀流となり。

 顔の側面には真っ白な狐の面を付け。

 

 これこそが、白上フブキの本気。輝く自我(エゴ)を身に纏う、戦いを生業(なりわい)とする者にとっての一つの到達点。

 その名も――

 

「開花E.G.O::白狐氷装」

 

 ――白狐氷装(びゃっこひょうそう)。彼女の自我の殻(E.G.O)である。

 

「さあ、行くよ」

 

 その声を聴くと同時。かなたは大きく下へと移動を始めた。

 相手はまだ刀を構えただけ。にもかかわらず、自らの記憶は警鐘をならしている。

 下へ逃げろ。このまま上空にいてはいけない、と。

 

 そしてそれは、目に見える結果として現れた。

 

「《武技・次元断》」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 純粋な技術のみを用いて、世界を切り裂く絶技。

 

 これを避けられたのは、単純に()()()()()()()()()()()()()

 知らなければ、回避も防御も(あた)わない必殺の斬撃に切り裂かれ、今頃地に墜ちていたことだろう。

 

「次、行くよ。《模倣:神威抜刀(かむいばっとう)――」

「うっそでしょ!? それは流石に不味いって!!」

 

 神威抜刀。(つるぎ)の極み、神威の一閃。

 いくらか種類はあるものの、その全てに当てはまるのは()()()()使()()()()()()()という事。

 どれだけ手加減したとしても、対戦相手を殺すに余りある性能をしているのである。

 

「大丈夫大丈夫、手加減はするからさ」

「ソレはそういう問題の技じゃないんだよっ!!」

 

 ヤケクソ気味に防御魔法の多重展開を行うが……その顔は諦めに満ちていた。

 なんせ、彼女が知る2種類だけでも『過去に“斬った”という結果を発生させる、不可避即死の斬撃』『無数の《次元断》を降り注がせる広範囲殲滅技』というもの。

 防御術式など役に立つはずも無く……どうにもならないと諦めかけた、その時。

 

「うん、二人ともそのくらいにしとこうか。天音くんが完全に回復したことはよく分かったからね」

 

 二人の間に割って入ったのは、感染していたはずの刀佩石玆。

 よく見ると、禍々しい黒い刀身を持つ刀を――彼のE.G.O右手に携えていた。

 

「た……助かったぁ~」

「さ、流石に冗談だったからね?」

 

 安心した様子でその場にへたり込む天音かなた。

 心配して駆け寄る白上フブキ。

 健闘と、かなたの回復を祝いながら寄ってくる観客席の三人(トワ・ルーナ・いろは)

 

 ドタバタな事件は幕を閉じ、いつもの日常が戻って来た気配がそこにはあった。

 

 ◇

 

「ところでさ、かなたんって単位ヤバかったっけ?

 優等生側だとおもってたんだけど」

「え? いや、別にヤバくは無いですけど。どうしてです?」

 

 模擬戦を終えた後。瑞樹と石玆が訓練場の整備を買って出たために暇になった他5名は、飲食スペースに戻ってきていた。

 

フブキとかなたの二人は椅子に座り休憩しており。

 トワ、ルーナ、いろはの3名は併設された店で適当につまめる物を買うために離席しているタイミングで。

 フブキは、かなたに疑問を投げかけていた。

 

「バトロワで戦えないと困るって事はさ、単位が欲しいって事なんじゃって思ったんだけど?」

「あ~、単位が欲しいってのは、あながち間違ってないんですよね……」

 

 かなたは、ばつが悪そうに頬を掻きながらそう告げた。

 

「実は僕……旅に出ようと思ってるんですよ」

「は? どういう事、かなた!?」

「ト、トワ!?」

 

 そして、タイミングが悪い事にそれを丁度戻って来たトワに聞かれてしまう。

 ある種のお約束、という奴である。

 

「いや、ごめん。秘密にするつもりはなかったんだけど……」

「ちょっと!? 本当にどういう事なのら!?」

 

 一緒に戻ってきていたルーナにも詰め寄られ、たじたじになりながらかなたは説明を始める。

 

「この間の“王”との決戦で自覚したんだよね……僕は力不足だって。

 さっきのフブキ先輩との模擬戦だって、手も足も出てなかったし……」

「いやいやいや、フブちゃんみたいな規格外は基準にしちゃダメでしょ。 」

「そうそう。そうなのら」

「風真はノーコメントで。一応、規格外側って自覚はあるので……」

 

 誰かが、いろはの台詞に思わず笑いがこみ上げ。

 それにつられてみんなが笑い。

 ひとしきり笑った後。かたなは『話を戻して』と切り出し。

 

「だから、武者修行の旅に行こうと思うんだ。

 でも、そんな長期間授業を受けないでいいほど単位に余裕はないから……」

「バトロワで上位に……いや、トップになっておきたい。って事?」

 

 フブキの言葉に、かなたは頷き同意の意を示す。

 それを聞いたトワは、机をドンと叩きながら立ち上がり。

 

「って事は、かなたが1位になるのを阻止すれば、旅に出るのを阻止できる。って事だよね!?」

「そ、そうなるけど……」

 

 それを聞いたトワとルーナは、目を見合わせ。高らかに宣言するのであった。

 

「「そういう事なら、かなた!」「バトロワでは、覚悟するのらよ!!」

 

 

 この後行われたバトルロワイヤルでは、悪魔と姫。それと羊が天使相手に大立ち回りを繰り広げたのだとか。

 勝敗がどうなったのかは……読者の皆様の想像に、おまかせする事にしよう。

 


 

【おまけ】

 

「そういや、旅に出るんだったら妹の……こなたちゃんはどうするの?」

「こなたは何か、当てがあるって言ってたけど……?」

ピロリン

「あっ、黒ちゃんからメールだ……って、え?」

「フブキ先輩?」

「『天音の所のこなたが、私の所に居候するってメール送って来たんだが』……だってさ」

「え!?」

 

*1
正確には、この強化術式を『常時発動』出来る存在の事を“大天使”と呼称する。というのが、拙作世界における“大天使”の定義である





【Tips】拙作『銀狼哀歌』において、卒業生は以下の2パターンに分けられる
    ・プロット作成開始時点で卒業していたメンバー(桐生ココ・潤羽るしあ)
     →直接の出演は無し。ただし、メンバーの口から存在を仄めかすエピソードを作る
    ・プロット作成開始時点では卒業していなかったメンバー(その他全員)
     →本編中は通常通りの出演。ただし、本編終了後、学園を長期的に離れる

 因みにですが、本話執筆中に『規格外』って単語が出てこなくなって小一時間執筆が停止したので……
 筆者(中の人)も、メンタル的に相当来てるみたいですね……クォレハ
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