ダンまちの世界に転生したら不死鳥になってしまった件 作:ヒキニックニク
夜中に抜け出したことがリヴェリアにバレてお説教をくらった次の日。
本当だったらギルドに冒険者登録に行くはずだったのだが、俺はアイズと一緒にお勉強中です。
まぁこの世界の常識とかダンジョンのことを教えてもらえるのは大変ありがたいことなので大人しく勉強する。
「ケンジは真面目だな。それに比べてアイズは落ち着きがない」
「勉強したって強くなれない。ダンジョンでモンスターを倒したほうがいい」
この年でもうそんな脳筋みたいな考えを持ってるのか!
アイズの発言にリヴェリアは深いため息を吐く。
「アイズ、勉強も大事なことだぞ?」
「むぅ。ケンジもリヴェリアのみかたなの?」
「そういうわけじゃない。俺だって勉強は嫌いだ」
「じゃあどうして?」
「いいかアイズ、この勉強でダンジョンのルートを覚えておけば迷わずに早く下の階層に行ける」
「ッ!?」
「ってことは無駄な体力を使わないからその分長くダンジョンにいることが出来る!」
「たしかに!!」
「さらに!モンスターの弱点を知っていれば効率よく多くのモンスターを倒せて経験値ガッポガッポだ!!」
「そうすればもっと強くなれる?」
「そのとおりだ!!ここで色々覚えておけばダンジョンで役に立つ!!」
「うん!わかった!!リヴェリア教えて!」
「あのアイズが勉強をやる気に!!?」
むっちゃ驚いてるんだけどリヴェリア!!
今までどんだけアイズに勉強教えるの苦労してたんだろ。
アイズが勉強にやる気を出したことがよほど嬉しかったのかリヴェリアはイキイキろいろんなことを教えてくれた。
本当は1日中勉強の予定だったのだがアイズがやる気を出したことが嬉しかったらしく半日で勉強は終わった。
勉強を終えて何もすることがないのでどうするか部屋で悩んでいたらアイズがやってきた。
「どうしたの?」
「私と戦って」
ああ、昨日そんなこと言ってたねぇ。
フィンが勝手に明日ならいいよとか言っちゃったんだよね。
まぁやることもないし午前中はじっとしてたから体を動かすにはちょうどいいかもしれない。
「わかった。それじゃ行こうか」
アイズと一緒に中庭まで歩く。
中庭には誰のいなかったのでちょうどいい。
体をほぐして準備しているとガレスが通りかかった。
「何をしとるんだ?」
「これからケンジと戦う」
アイズがそう答えるとガレスはなるほどといった顔をしていた。
「よし、なら儂が審判をしてやろう!」
「審判なんていらない」
ガレスの提案をむくれっつらで断るアイズ。
「しかし誰かが見とらんとお前さんたちがリヴェリアに怒られるぞ?」
「むぅ」
そう言われても納得しないアイズ。
「なに、審判と言っても形だけじゃ。気が済むまでやればよい」
「それならいいよ」
うまくアイズを言いくるめたガレス。
お互いに準備が出来たので間隔を開けて向き合う。
「準備はいいか?」
「「はい」」
「それでは、始め!!」
合図と共に切りかかってくるアイズ。
それを見聞色の覇気で先読みしてかわしていく。
しばらくすると全く当たらない事にしびれを切らしたアイズは魔法を使ってきた。
「テンペスト!!」
「えっ!?魔法ありなの!!」
風をまとって速度を上げて切りかかってくるがザルドたちに比べたら遅いので余裕でかわしていく。
「避けてばっかりじゃなくてケンジも攻撃してきて!」
「なら遠慮なく。剃!」
『剃』を使いアイズの背後に回り込みアイズの頭に手を置く。
「はい、俺の勝ち」
「今のどうやってやるの?教えて!!」
「いいよー」
模擬戦はすぐに終わり、その後はアイズに『剃』を教えることになった。
夕食の鐘が鳴るまでアイズの練習に付き合った。
アイズは出来なかったと頬を膨らませていた。
いや、そんなすぐには出来ないよ?俺でも一週間かかったからね?
膨れたアイズを連れて夕食を食べる。
アイズは俺の真似をしてご飯をいっぱい食べるようにしていた。
夕食が終わり風呂に入ろうとしたらフィンに止められた。
「ケンジ、ちょっといいかい?」
「ん?なんかよう?」
「明日朝一でギルドに冒険者登録にいこう。その後はお試しでダンジョンにもぐる」
「わかった」
「私も行く!!」
いつの間にかアイズがフィンの背後にいた。
「僕はいいけどリヴェリアに許可を取らないとアイズは連れていけないよ?」
「きいてくる」
アイズはリヴェリアのところに行き話をするとリヴェリアと共にこちらに来た。
「アイズから話は聞いた。フィンが一緒なら良いだろう」
「いいのかい?」
「ケンジと一緒ならアイズも色々と学んでくれるだろう」
きっと午前中の勉強の時を思い出していっているんだろう。
「リヴェリアが良いなら僕は何も言わないよ」
明日ダンジョンに行くメンツが決まった。
もう用が済んだと思い部屋にいこうとしたら今度はロキに呼び止められた。
「ケンジ、今ええか?」
「ん?大丈夫たよ?」
「話があんねん。ウチの部屋にきてくれへんか?」
「いいよー」
ロキと一緒に部屋に入る。
部屋の中は空き瓶などが転がっていて汚い。
これが女神の部屋かよ。てかこいつホントに女神か?
この部屋見ると飲んだくれのダメおやじにしか見えないんだけど。
「まぁちょっとちらかってるけどかんにんしてぇや」
「これがちょっとねぇ」
この部屋見たらリヴェリアに怒られんじゃね?まぁ俺には関係ないか。
俺は椅子に座りロキと向かい合う。
「で?話ってのはなんだ?」
「ケンジ、おどれ外で不死鳥になりよったな?」
ロキは真剣に聞いてきた。
「ああ。なった」
「なったやないわ!!お前が不死鳥になったとこあの色ボケに見られたんやぞ!!」
「はっ?」
ロキが何を言ってるのかわからなかった。
あの時は周りに誰もいないことを見聞色で確認したし、オラリオの外だったから見られるわけがない。
「あの色ボケは魅了が強すぎるからバベルの塔から出てこんかわりに鏡をつこうて外が見られんねん!!」
ロキの話をまとめると、フレイヤに俺の秘密がバレてさぁ大変!ってことらしい。
「それで?フレイヤは何か言ってきたのか?」
「あの色ボケはケンジと会わせろって言うてきたわ」
はぁっとため息を吐くロキ。
「断れば俺のことを言いふらすってか?」
「そう言ってくるやろなぁ。ホンマ面倒くさいことしてくれたな?」
うん。今回は俺が悪いね!
まさかそんな方法で見られてるなんて思わなかったもん!!
さて、どうしたもんか。
会いに行っても絶対魅了してきて「私のものになりなさい」って言ってくるよね?
断ったらオッタルたちが襲ってくるに違いない!
「ロキはなんて言ったの?」
「ウチだけじゃ判断出来へんって言うてきたわ」
「じゃあ会う場所も決まってないんだね?」
「せやで」
よし!これならなんとかなるかもしれない!!
「ロキ、明日冒険者登録が終わったらフレイヤに会おう」
「本気か!?何されるかわからへんぞ?」
「大丈夫だよ。会う場所をウラノスのところにすればなんとかなるだろ?」
俺がそう言うとロキははっとした。
「なるほど!あの色ボケもギルドを敵に回したくはないはずやしそれなら良いかもしれへん!」
「じゃあウラノスたちに連絡任せて良い?もしウラノスがごねるようなら俺がバラすぞって言ってたって言えば大丈夫だから」
「おう!まかしとき!!ところでバラすってなんや?」
「それは言えないよ」
俺はそう言ってロキの部屋を出て自分の部屋に戻った。
部屋に入ると何故がアイズが俺のベットで寝ていた。
いやなんで?
これどうすればいいの?
お互い子供だからこのまま寝ても何も言われないかもしれないけど!!
悩んだ末に俺はリヴェリアに助けを求めた。
リヴェリアは俺のベットで寝ているアイズを見てため息を吐き起こさないように抱えて部屋に戻っていった。
それを見送った俺はいつもよりいい匂いがするベットで眠りについたのであった。