ダンまちの世界に転生したら不死鳥になってしまった件 作:ヒキニックニク
「答えてくれないか?ケンジ」
フィンは嘘は許さないといった雰囲気で俺にたずねる。
「確かに俺はゼウスから恩恵をもらいザルドとアルフィアから手ほどきをうけた。けれどお前たちをどうこうしようとは思ってない。ってか興味ない」
俺がそう答えるとフィンとリヴェリアはロキを見る。
嘘かどうかを確認しているのだろう。
「ケンジが言ってるのはホンマや。そうか、あの爺はまだ生きとったんか」
「なるほど。暴食と静寂に鍛えられていたのなら半年でLV4になるのも納得できるよ」
「生きていたのか!暴食と静寂は!!」
二人が生きているのに何をそんなに驚いているのかと思ったが、そういえば二人共病と毒で死にかけてたっけか。
まぁ俺が治したからまだまだ現役でやってるよあの二人。
「ケンジの強さはわかった。けれど僕たちに興味かないとはどういうことなんだい?ゼウスたちに会ったのなら僕たちが何をしたのか聞いているはずだけど?」
「俺がゼウスに恩恵をもらったのは強くなるためだ。何故ゼウスだったのかは近くにゼウスしかいなかったから。何故強くなろうとしたかはわかるだろ?ロキ」
「せやな。そんなおもろそうな力があったら100%アホな神々に狙われるやろなぁ」
ロキがそう言うと納得していたフィンとリヴェリア。
「怨んでいなかったか?静寂たちは」
リヴェリアが俺に聞いてくる。
「アルフィアたちはあんたらのことはなんとも思ってなかったよ。それよかヘルメスから今のオラリオの現状を聞いて「私達を追い出しておいてその有り様とわな」って呆れてたぐらいだったよ」
俺がそう言うとリヴェリアたちは苦虫を噛み潰した顔をしていたが自業自得だと思う。
「ケンジはどう思っているんだい?」
「なにが?」
「君はすべてを知っている。僕たちがゼウスとヘラを追放したことについてどう思っれいるのかと思ってね」
フィンはそう言ってきた。
リヴェリアも気になるのかこっちを見てくる。
ロキはウラノスのところで俺がどう思ってるのか知っているので顔を伏せていた。
「アホだと思ってるよ」
「「ッ!!?」」
俺の答えに二人は目を見開いた。
「だってそうだろう?今まで散々お世話になってたのに追放して一般人を危険にさらしてんだぞ?アホと言われたってしょうがないと思うけど?」
「たったしかにそうだが我々だって全力でやっているんだ!それなのに何故そんなことを言われなくてはならない!!」
「いや、全力でやってるかもしれないが結果が出てなければやってないと同じだから。アンタのそれは自己満足って言うんだよ。なぁフィン」
「なにかな?」
「アンタはいったい何がしたくてゼウスたちを追い出した?アンタのやったことははたから見れば闇派閥に加担したように見えるんだが?」
ゼウスとヘラによる抑止力という名の檻で闇派閥ろいう猛獣を閉じ込めていたのにロキとフレイヤが
「僕たちに力がないばっかりにこんな自体になってしまった。ケンジがそう思うのも無理はないね」
「はぐらかすなフィン!お前は何がしたいだと聞いてるんだ!!」
俺は体から青い炎を出しながら強く言う。
「僕がしたいのは小人族の復興と僕が希望の星になることさ。そのためにはゼウスたちが邪魔だった。だから追放したんだ。ロキと神フレイヤと協力してね」
「ってことはアンタは自分の夢のために関係のない一般人を巻き込んだってことか?」
「ッ!?結果的にはそうなってしまっている。そこは申し訳ないと思ってるよ」
原作を読んだ頃から思ってたけどフィンの夢を叶える方法さ他にないのかよって思うんだよねぇ。
まだフレイヤのヘラが嫌いだから追い出したって方が共感出来る部分があるんだよなぁ。
「矛盾してないか?」
「なにがだい?」
「アンタの夢を叶える方法だよ。今のアンタは一族の復興どころか他の同族に後ろ指を指されるようなことをしてるってわからないのか?」
「ッ!?」
今更気づいたのかよ!!
「アンタの軽率な行動のせいで同族はさらなる窮地に立たされてるんだぞ?そんな奴らがアンタを希望の星なんて思うか?いいや思わない!アンタはオラリオをこんなにした原因として皆に後ろ指を指されることになるんだよ。人ってのは自分で何もしないくせに自分が望んだ結果にならないと他人を怨む生き物だ」
そう、人ってのはそういう生き物だ。
勝手に期待して勝手に失望する。
自分に不都合なことは全部他人や世界のせいにする。
自分の非を認めようとしない。
常に自分が正しいと思い込み生きている。それが人なのだ。
「僕はどうすればよかったんだ?ロキ」
「それはウチにもわからん。ウチもフィンの考えに乗ったんやから同罪や。これから一緒に見つけていけばええ。大丈夫や!フィンなら出来る!!なんたってウチの最初の眷属なんやから!!」
「ありがとうロキ。まずは闇派閥の問題を一刻も早く片付けよう!ケンジも手を貸してくれるかい?」
「俺に出来ることならな」
「ありがとう」
フィンがそういうのと同時に鐘がなる。
「夕食の時間だね。食堂に行こうか」
フィンたちと食堂に行くと団員たちがそろっていた。
「待たせたね。食事の前にもう一度紹介しておこう。新しく家族になったケンジだ。彼はLV4ではあるがダンジョンは初めてだから皆で教えてあげて欲しい」
「ケンジです。よろしくお願いします」
「よろしくー!」
「わかんないことあったら聞いてくれ!」
「その年でLV4ってすごくない!!」
「では食事にしよう。ロキ」
「ほな、いただきまーす!」
「「「「いただきまーす!!」」」」
皆ワイワイ楽しそうに食事をしている。
俺はそれを眺めながら食べているとアイズが隣に腰掛けた。
「なんかようか?」
「うん。どうしてそんなに強いのか教えてほしい」
何故強いのかって?
それはねぇ強くならざる得なかったからだよ?
最強と最凶によるブートキャンプを生き抜くためには強くならないと死んじゃうからね!!
なんて言えないよなぁ。
下手したらアイズがそこに行きたいなんて言い出しかねない。
「好き嫌いせずにいっぱい食べていっぱい遊んでいっぱい寝る。それが一番」
「むぅ。リヴェリアたちと同じこと言う」
「俺はそうやって強くなれたからリヴェリアたちの言ってることは間違いじゃないってことだ」
「そうなの!?」
「そうそう。だからいっぱい食べろ。じゃないと体が大きくならなくて力がつかないぞ?」
「ッ!?いっぱい食べる!」
そう言ってさっきまで手を付けなかったご飯を食べ始めるアイズ。
リヴェリアはその姿を微笑ましく見ていた。
うん。ロキにママって呼ばれてるのわかる気がする。
夕食を終えて用意してくれた部屋に行く。
何故かアイズも付いてきて部屋に居座っている。
「まだ何かようなのか?もう寝ないといけないだろう?」
「まだ聞きたいことがある」
「ん?なんだ?」
「あの青い炎はなに?普通の魔法じゃなかった。精霊のちからでも」
アイズには精霊の血が流れているから不死鳥の力を感じ取ったのだろう。
神でないと違いがわからないのはゼウスで確認済みだ。
精霊は神の分身とも言われているからその血が流れているアイズが感じ取ったのは納得がいく。
「おしえて!あなたはいったいなんなの!!」
はぁ、これは梃子でも動かないな。
「今から見せるのは誰にも言わないって約束できるか?」
「うん!できる!!」
「もし破ったらリヴェリアのお説教と勉強のフルコースだぞ?」
「ッ!?ぜったいにいわない!!」
相当嫌なのかアイズは力強くそういった。
俺はベットのシーツを持ってアイズを担ぐ。
「ここだとリヴェリアにバレたら怒られるから移動するぞ」
俺は窓から飛び出し『剃』と『月歩』を使い屋根伝いに進みオラリオの外に出ると、シーツを袋状に結びその中にアイズを入れる。
アイスは何をしているのか全くわからないって顔をしていた。
準備が出来たので俺は不死鳥の姿になる。
「きれい」
「ありがとな。そんじゃいくぞ」
シーツを脚で掴み大空へと飛び立つ。
「わあぁぁ!!」
ほとんど表情が変わらなかったアイズが目をキラキラさせて笑っていた。
しばらく飛んで地上に戻り、また屋根伝いに部屋に戻ってきた。
「今日のことは二人だけの秘密だかんな?」
「うん!ひみつ!」
「いったいどんな秘密なのか私に教えてくれないか?」
俺とアイズは壊れた機械のようにギギギと声のした方に首を動かすと笑顔(目は全く笑っていない)のリヴェリアがいた。
「さて、二人共覚悟は出来てるか?私は出来ている!!」
それから夜通しお説教をくらい明日は一日勉強と言い渡せれたのだった。