「う、うーん・・・」
起きたら、体の痛みが収まるどころか、痛みが増してる。
全身ギッチギチ言ってる。てか、これ筋肉痛!!
「いったぁ・・・というか、結局ここどこぉ・・・」
目が冷めても、現実はそんなに変わってなかった。
山のように積まれたモブさんたち
・・・もうめんどいからずっとモブタワーでいいかな?
あと、大量の動物たち。
そして、
明らかに鉄の臭いがする赤い水溜まりに、全身に赤を被った得意げな猫ちゃん。
ちょいと、猫ちゃん!!?猫ちゃん、何したの!???
思わず思いっきり立ち上がろうとするけど、体が痛すぎて、それもできない。というか、服!!服が体に食い込んでんだけど!!??
私が痛がってるのを見計らってか、鷲ちゃんが私の服を破ってくれた。
「ありがとー、鷲ちゃーん・・・けど、これ絶対私以外にしちゃだめだかんね?エロエロ罪で捕まるよー?・・・主に私が」
鷲ちゃんは首を傾げる。うん、鷲ちゃん。この世界にはね、飼い主の責任っていうものがあるんだよ。
とりあえず、真っ裸になってしまったわたしだけども、周りには動物以外何もいないので、とりあえず堂々としておくことにする。
・・・それはそれとして後で服探そっか。寒い。
「うーん・・・というか、この船って、多分モブタワーの船だよね?」
割とでかい。けどさー、あの、どう見てもこれ帆船だよね?これ。
・・・この令和の時代にある船じゃなくない???
「んー・・・とりあえず、私の状況を整理しよう!!あれだよ、うん、推理小説のワトソン役を真似すればできるって。しらんけど」
人が居なくなると喋りだす、そんなオタクの特徴を前面に出しながら、私は今までの状況を整理し始めたのでーございます。
「えーっと、なんか、白い箱があってー、それを追いかけてー、んでー・・・なんだっけ?あれ、私転んだ?」
記憶にあるのは、背筋が寒くなるような浮遊感と、異様に近い水面だけ。
「・・・・転んだね、私。うん」
とりあえず、私は転んだ。そして、起きたらここにいた。この、帆船に
「・・・」
頭に浮かぶのは5つの漢字。
『異世界転生』
「いやー、ないないない」
私ももう20才!!オタクでも、流石に現実は見てる。
どれだけ二次小説を作り出そうが!!!
どれだけその中の主人公を自分に似せようが!!!それはそれとしてオタクはちゃんと現実見てんだよ!!!!!
・・・・一部例外はいるけど(ぼそっ)
「えっと、ちょっと待って他に記憶記憶・・・ってあれ、意外とあるじゃん」
私はある小さな小舟でこの大量の動物たちと海に出た。理由は・・・えっと、この「俺から離れろ!!」発言かな?
んで、それからこのでっかい船にぶつかって、その人達にこの船の上に連れ込まれて・・・んで、今の状況ね。
・・・もうなんかツッコミどころあるなぁ・・
まぁ、とりあえず次行って・・・そうそう、私の父親と母親とかはないのかなー?えーっと
「ひゅっ」
一瞬、なにか映像が浮かんだ。
真っ白な髪
赤い瞳
親しげな笑顔
綺麗な人だった、イケメンだった、「オマエ、人の顔の区別ついてねぇだろ」と友達にドン引きしながら言われたわたしでも、一目惚れしてしまいそうなぐらいの。
けど、なんでだろう。
彼を見た時、
『自然災害』という言葉が、頭に浮かんだのは
「・・・もういっか。うん、もう『異世界転生』ってことで」
私は、今の状況にそう結論づけた。
もう、これ以上彼のことを考えたくなかったから。