転生して2日目のある日。
天気は快晴、化け物じみた魚はない、海賊はいないし、海軍もいない。今のところ、順調な旅路だった。
「・・・吐く」
けど、私は、船の上で死んでた。
心配するかのように、背中にマロンちゃんの柔らかい肉球が当たるけど、実際それどころじゃない。
「うっぷ・・・・」
酔った。
完全に、酔った。
頭グラグラ、地面グラグラ。今まで最悪の気分。さっき一回は居てだいぶ楽になったけど、それでも地面が揺れているだけで最悪だ。
いや、けど勘違いしないでよね!(なぜツンデレ)
私は、これでも酔いに強い方だ。
けど、よく考えたら、こんな長時間、こんなおっきい船に乗ったことはなかった。
なんでご都合転生者の皆様方は酔わないんでしょうね!!!
羨ましいわこんちくしょう!!船酔いする海賊ってなんだ!!!
本当になんだ!!!!
「ワコーン・・・?」
「んー・・・・・だ、ダイジョ・・・ウップ・・・」
「ワロローン」
「フーールン」
「フェルルルルー」
「メロンちゃん、りこちゃん、フェンナちゃ~ん、私は大丈夫・・・てか鳴き声が多いよぉ・・・ウップ・・・てか、なんの鳴き声よこれぇ・・・」
動物たちがみんな私のことを心配してくれる。うん、ありがとうー、それはそれとして鳴き声よ。本当に何?君達全員猫だよね???
めちゃくちゃ船酔いしながらも、やっと初めての島についた。
「つ、ついたぜー・・・うっぷ」
あるあるの気持ちいい感じの到着ではまったくなかった。私は、ついた瞬間に地面に倒れ込んだ。
そして、私は2日ぶりの陸と感動の再会を果たした。
「陸・・・陸だ。地面が、地面が揺れてないよぉ・・・!!!(泣)」
「・・・お、お嬢さん。大丈夫かい・・・?」
それを見て、通りすがりのおじさんが心配してくれる。ですよね、私でもするわ。
「うう、グスッ。大丈夫です、ただ、久しぶりの陸と感動の再開を果たしていただけなので・・・」
「君、船は向いていないんじゃないかなぁ・・・」
通りすがりのおじさんにめちゃくちゃ真っ当なことを言われた!!!
「うう・・・知ってるよぉ、こっちだって自分が海賊なんかに向いてないことなんかよおく知ってんだよぉ
・・・それでもやんなくちゃなんねぇんだよぉ。
転生者は海賊か海軍か旅人になるって決まってんだよぉ!!!!!!
どこにワンピースの世界に転生して海に出ねぇ転生者が居るんだよぉおおぉぉ!!!」
「お、落ち着いてお嬢さん!!何を言っているのかが全くわからない!!と、とりあえず・・し、深呼吸してみたら?」
おじさんの言葉にハッとして、胸に手を当てて大きく息を吸う。
「ひっひふーひっひふー」
「それ、妊婦さんがやるやつじゃないかい?」
「これ以外深呼吸の方法知りません!(キリッ)」
そんな感じに、通りすがりのおじさんに助けられた25才(推定)の新米船長ルーナです。
ついた島は、結構普通。いや、服がかなりボロっぽい人が多いけどさ。・・・うーん、というか本当のワンピースってこんな感じなんだね。船はぜーんぶ帆船。建物はボロっちい木造ばっか。つうか、くっせ!!魚くっっさい!!!こんな臭いの初めてだよ!?
・・・うわーん、インターネットが懐かしいよー。助けてー私のWi-Fiちゃーん!!
「えーっと、まずはご飯だよね~・・・って待てやおい。金がねぇやないかーい!!」
そうだ、お金がまずない。と言うか、この世界で合法的にお金を手に入れる方法は・・・
「賞金首だよなぁ・・・」
つーか、そもそも海軍と海賊ぶっ倒さないと海賊って認められないし・・・あ、待って、賞金稼ぎになる手もあったか!?いや、私弱いし無理か・・・
「・・・もう。普通に稼ぐしかないかなぁ・・・」
そもそも私は平和な国の平和な平民。そもそも犯罪を犯してまで金を稼ごうとする度胸も力もなにもない。本当になにもない。
なんで麦わらの一味とかの人たちは普通に金持ってんだろうなぁ
そこら辺の海賊から奪ってんだろうなぁ・・・無理だね。
「・・・私の海賊生活。わりと前途多難だったわ」
・・・とりあえず、バイトしよ。