僕のヒーローアカデミア トライアングルストライカーズ   作:たくtyan

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本当にお久しぶりです。この間にもコネクトイクスの追加、デュアルコレクションの登場などいろいろありましたね。そんなこんなで次話、投稿します。


プロローグ② 「白き鋼鉄」

 「(イクス)」。それは超常社会において一人の人物を指す言葉である。その男はヒーローでも敵でもない所謂「ヴィジランテ」に該当するが、彼に関する噂や都市伝説は多数存在している。曰く、彼は敵に(イクス)マークの傷を刻み付けることからそう呼ばれるようになった。曰く、白銀に光るアーマーを身に付けていた。曰く、彼の傍には赤い翼を背に生やした少女がいたと。曰く、彼は複数の個性を使用して敵と戦っていた。曰く、彼は百年以上前の超常黎明期に生まれていながら、現在も目撃情報が後を絶たないと。様々な情報が飛び交うせいか、彼の存在を詳しく知る者はほとんどいない。だが、彼を知る数少ない人は皆揃ってこう言う。

 

 彼もまた、魔王の支配に抗い続けた一人の英雄であると。

 

――どこかのビル

 

 入口の扉の前で少年が立ち止まる。少年は白を基調とし、所々から赤いラインが入っているパワードスーツを装着していた。

 

『中から複数の熱源反応、個性因子反応有り。やっぱりここに何かあるね、アキュラくん』

 

 少年の側で浮遊している球状のロボットが彼に話しかける。

 

「近頃、この周辺で不審な人間を見るようになったから調査をしてみたが、どうやら俺の予想は当たったみたいだな。間違いない、ここはあの連中の拠点の一つだ」

 

 ロボットからアキュラと呼ばれていた少年が返事をする。

 

『反応を見る限り、人以外にも警備用ロボットとかも沢山いるみたいだね。どうする?』

 

「知れたことだ…突入するぞ、RoRo(ロロ)

 

『了解!ABドライヴ出力安定、ビット展開!いつでもいけるよ!』

 

 RoRoのボディから小さなビットが何個も出てきてアキュラの周囲を回り始める。全てのビットを展開し終えたことを確認すると、アキュラは建物の入口をダッシュで突き抜けていった。

 

――ビル内部

 

「いたぞ!侵入者だ!」

 

 内部にいる敵達がアキュラの目の前に立ちはだかる。彼らの後ろからは、警備用のロボットやドローンが追従するように現れた。

 

「何だよ、警報が鳴ったからビビっちまったが、ただのガキ一人じゃねぇか!」

「やっちまうぞ、お前ら!」

 

 敵達が攻撃を始める。敵の身体から放たれる炎やビーム、毒の液体に加え、ロボットやドローンから弾丸、ミサイルもアキュラを襲うが、

 

「ふっ!」

 

 アキュラはスーツから青白い炎を噴射させてビル内を直線状に高速で移動し、壁や天井に衝突しそうになれば跳ね返って軌道を変えることで攻撃を回避する。縦横無尽な動きに敵やロボットは対応できず、攻撃は一つも命中することは無かった。

 

「ダメだ、速すぎて当たんねえ!」

「チッ、ピョンピョンピョンピョン跳ねやがって!」

「テメェらどけ!」

 

 悪態をつく敵達の中、髪がハリネズミのように尖った敵が他の人間に退避を促す。頭の先をアキュラに向けると、針と化した無数の髪の毛が敵の頭から発射され、部屋全体を覆う。

 

「こういう奴は部屋全体を攻撃しちまえばいいんだよ…って何!?」

 

 だが、針は刺さることはなかった。アキュラの身体が針に接触する瞬間、彼の身体がまるでホログラムの様に変化する。針はそのまま突き抜けていき、部屋の壁に突き刺さった。

 

「な、なんだ、攻撃がすり抜け…グアッ!!」

 

 敵が困惑している間に、今度はアキュラが攻撃を仕掛けた。先ほど回避に利用した高速移動を使って敵に体当たりする。アキュラは敵と衝突して跳ね返った後、スーツから出る炎を地面に向けて噴射して空中をゆっくりと降下しているのに対し、敵は強い衝撃を受けた影響で態勢を崩してしまう。

 

カチャッ!

 

 その隙を見逃さなかったアキュラは空中で持っていた拳銃を構え、引き金を引く。拳銃からはピンク色の光線が連続で放たれ、敵がいる方向に軌道を変える。射撃を全て受けてしまった敵は自分でも何がおこったか理解できないまま倒れた。

 

「クソッ、なんなんだよこのガキ…ってグハッ!」

「お、おい!よ、よくも…ってアギャッ!」

 

 先ほどの敵と同じように体当たりの後、空中での射撃で一人、また一人倒していく。敵もロボットもそうして倒す内に、部屋にいる敵の中に立ち上がっている者はいなくなっていた。

 

「ここは片付いた。上に行くぞ、RoRo」

『了解!』

 

 上の階層へと上っていく。他の階層にいる敵も同じように倒していき、部屋の敵を全て倒す度に、また一つ上の階層へ上る。それを数回繰り返していくうちに、やがて最上階の部屋に辿り着いた。

 

――最上階

 

「お前、よくここまで来たな。」

 

 最上階では一人の敵がアキュラを出迎えた。敵には鼻先に行くに連れて細くなっている頭、腰から生えている尻尾、そして背中と尻尾には丈夫そうな甲羅が備わっており、動物でいうアルマジロに近い姿をしていた。

 

「よくもあいつらをやってくれたなァ。何が目的だお前?」

「探している物があるから此処に来た。そんなことより教えてもらおうか。《バタフライエフェクト》に関する情報を」

「そんなモン知らねぇが、テメェはぶっ潰す!」

 

 アキュラの質問を敵はバッサリと切り捨てる。会話を終えた二人は既に戦闘態勢に入っていた。

 

「俺は他の奴とは一味違う。下の奴らを倒しまくって調子に乗ってるらしいが、俺を倒せると思うな!」

 

 アキュラはそれまでの敵と同じように攻撃を仕掛ける。空中で高速移動した後、射撃でダメージを与えようとするが、攻撃が当たる瞬間、敵は身体を丸めて甲羅以外を隠す。光線は甲羅に命中するが、焼け跡が甲羅に少し付いただけで、ダメージが入ったようには見えなかった。

 

「おいおいなんだそのしょぼくれた銃はァ!痛くも痒くもねえぞ!」

「…見た目通りの頑丈さだな」

「今度はこっちの番だ!」

 

 敵がアキュラを挑発する。甲羅には射撃が効かないことを理解したアキュラは有効な手を考えていたが、そんな時間を与えるつもりのない敵は丸まった身体を転がして突進する。アキュラは咄嗟に移動して回避するが、壁にぶつかった敵は跳ね返ってアキュラの背後を襲おうとする。

 

「死ねぇー!」

 

 勝利を確信した敵だったが、その瞬間、

 

『オービタルエッジ!』

 

 アキュラの周囲に突然二枚の円月輪が現れ、回転を始める。突然降りかかる大質量の物体に敵は対応できず、円月輪は敵に命中。射撃よりも高威力だったのか、攻撃を食らった敵は回転を止めて、その場でよろめいてしまう。

 

『スパークステラー!』

 

 今度はRoRoのビットから青い電流が流れ、敵の周囲を覆いつくす。敵は次から次へと繰り出される複数の攻撃に困惑していた。

 

(輪っかが出てきたと思えば、今度は電撃だと…こいつの個性は高速移動じゃ…)

 

「とどめだ、行くぞ、RoRo」

「わかった、いつものアレだね。オッケー、アキュラくん!」

 

 アキュラがRoRoに合図を送ると、RoRoの姿が変化する。その姿は緑色の髪の少女と言うべき見た目をしていて、服装は白いドレス、そして背中には一組の赤い翼を生やしていた。二人が飛び上がると、スピードを上げて空中を縦横無尽に駆け巡る。彼らが何回もぶつかることで、敵は少しずつダメージを受ける。

 

X-ROSS(クロス)!」『DISASTER(ディザスター)!』

 

 アキュラとRoRoがすれ違いながら同時に攻撃する。これらの連撃がとどめとなったのか敵は仰向けに倒れ、意識を失った。

 

『このビルの敵、全員撃破!今日も調子良いね、アキュラくん!』

「そうか、なら次やることは決まっている。ビルの中を調べるぞ。もしかしたら、バタフライエフェクトの情報があるかもしれない」

『そうだね、それなら探索スタートだ』

 

 そう言って二人は全階層を隅々まで調べた。調査の結果、このビルは違法取引の場所の一つにすぎず、バタフライエフェクトはおろか、重要そうな情報はほとんどなかった。そしてこのビルにいた敵達も、どうやら金で雇われたただのゴロツキに過ぎず、連中にとっては捨て駒と同然であった。

 

『めぼしい情報、何も無かったね。この敵たちはどうするんだい?』

「通報するしかないだろう。だが、警察に姿を見られるのはまずい。さっさと立ち去るぞ」

『そうだね。コハクちゃんたちも待ってるし、早く帰ろうか』

「ああ。帰るぞ、RoRo」

 

 アキュラとRoRoはビルを出る。その後、通報を受けた警察がビルに突入するが、そこで彼らが目撃したのは、破壊された警備用ロボットと拘束された敵達、そして最上階にいたのは背中にⅩの傷跡が刻まれている一人の気絶した敵の姿だった。




アキュラ

 都市伝説で「白き鋼鉄のX」とよばれる少年。「バタフライエフェクト」と呼ばれる物を探している。彼は無個性だが、自分で作った強化ジャケットや他者の個性を模倣するEXウェポンを使い、敵と戦う。実は別作品で書くつもりだったが、こっちにもアキュラくん出したほうが面白そうだったから書いた。

RoRo(ロロ)

 アキュラが開発したバトルポッド。複数のビットを操作する事ができ、相手に合わせて使い分ける。また、個性「電子の謡精(サイバーディーヴァ)」の因子を搭載しており、その力でアキュラをサポートすることが可能。趣味は作曲と歌うことで、ネットに自分で作った曲を投稿している。おそらくヒロアカ世界ではオーバーテクノロジーそのもの。
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