僕のヒーローアカデミア トライアングルストライカーズ 作:たくtyan
―治龍局・オフィス―
保須市で起こった正体不明の敵とヒーロー殺しの騒動から時がたち、きりん達治龍局は以前と変わらずヒーロー活動に勤しんでいた。
「ただいまー」
「ただいま、シロン、BB」
「おかえり! きりん、GV!」
「二人ともお疲れちゃん!」
事務所に帰還するきりんとGVにシロンとBBが返事する。二人は事務作業を一通り終え、オフィスのテレビでゲームに熱中していた。
「それ、新作の格闘ゲームだっけ。二人ともすごい熱中してるようだけど?」
「うん、現実のプロヒーロー達を自分で操作できる2D格闘ゲームだよ!」
ゲームが気になったきりんの質問にシロンが答える。ゲームの画面には二人のヒーローが表示されており、BBの方にはドラグーンヒーロー「リューキュウ」が、シロンの方には忍者ヒーロー「エッジショット」が映っていた。
「よしっ、ゲージ溜まった!」
BBがリューキュウのゲージ技を発動し、個性「ドラゴン」を発動させた巨大なドラゴン形態に変身させる。
「これでジエンドだシロン! えいっ! そりゃっ!」
リューキュウの鋭い爪による連打攻撃がシロンの操作するエッジショット目掛けて繰り出される。エッジショットは機動性に優れている代わりに耐久値が低く設定されているため、ドラゴン形態で攻撃力が上昇した彼女の攻撃を受ければ致命傷は免れない。
「甘いよBB!」
だが、その攻撃をシロンは難なく対処する。リューキュウの攻撃に合わせてコマンド入力することでエッジショットの個性「紙肢」が発動。身体を薄く伸ばすことで当たり判定を無くし、リューキュウの攻撃を回避した。
「まだまだ!」
BBは再度攻撃のコマンドを入力し、シロンを攻撃し続ける。リューキュウの変身攻撃は一度だけでは無く、一定時間が過ぎるまで何度でもドラゴン形態で操作できる仕様であった。しかし、
「そんな攻撃、ボク相手じゃ通じないよ!」
変身状態の彼女の攻撃モーションは発生が遅いという事を知っていたシロンは再度「紙肢」を発動させ、攻撃を難なく回避した。そして回避を続けた結果、彼女の変身の制限時間が過ぎてしまい元の人間の姿に戻ってしまった。
「嘘!? 全部回避とかマ!?」
「変身タイムは終わりだね。今度はボクの番だよ!」
シロンのエッジショットがBBのリューキュウに一瞬で近づく。BBは慌てて防御の構えを取ろうとしたが、彼がコマンドを入力するよりも速くシロンはBBの懐に近づき、必殺技のコマンドを入力した。
「今だ! こっちもゲージ技発動!」
『忍法 千枚通し!!』
細く薄く伸びたエッジショットの身体が音速を超えるスピードでリューキュウ目掛けて何度も刺突する。身体を貫通する度にリューキュウのHPゲージは減少していき、BBはそれを見ることしかできなかった。そして最後の刺突が終わった瞬間にHPはゼロになり、そのままシロンの勝利が確定した。
『1P WIN!!』
「ちくしょー! また負けたー!」
「ボクはこういう格闘ゲームは苦手だけど、流石に初心者のBBには負けないからね!」
「くそ、もう一回だもう一回! って画面が消えた!?」
何度も負けたのが悔しかったBBは再び対戦を始めようとする。だが、彼がゲームを起動しようとした瞬間にテレビの画面が一瞬暗転しニュース速報の画面に変わってしまう。驚いたBBが後ろを向くと、レクサスがテレビのリモコンを持って立っていた。
「何すんだよーレクサス!」
「休憩の時間は終わりだBB、シロン。まだ書類仕事は残っている。二人とも早く自分の机に戻るんだ」
「へいへい、わかりましたよーだ」
「はーい」
二人は自分の作業机に戻り、仕事を再開する。その直後、治龍局の全員が放送されていたニュースに耳を傾けた。
『続いてのニュースです。昨日の午後2時頃、H県K市でパトロール中のプロヒーローへの殺人未遂の疑いで○○歳の男が逮捕されました。男は「ステインの意思を継ぎ邪な欲望を持つ贋物のヒーローを粛清する」と言い、プロヒーローを個性で殺害しようとしましたが、ヒーロー側の抵抗によって拘束。その後警察によって逮捕されました。幸い、ヒーローに怪我はありませんでした。』
「またステイン信者かよ…これで何番煎じだ?」
ニュースの内容を見たBBが呟く。ヒーロー殺しステインの逮捕から数日、彼に影響され犯行を起こす敵が次々と現れ始めており、中々収まらない彼の影響力に治龍局の皆はある意味感心していた。
「今回の事件で六件目だ。ヒーロー殺しの思想が世間に拡散されたあの日から、今まで潜伏していた敵が次々と行動を起こしている。」
「これで六件目とか、どんだけ人気なんだよヒーロー殺し…」
レクサスはBBの疑問に冷静に答える。それを聞いたBBがヒーロー殺しやその模倣犯に呆れているの横目に見ながら、その後もレクサスは話を続けた。
「しかも、ステインはあの敵連合に所属していたという噂も聞いている。これは仮説なんだが、そこを起点に集まった敵達が近いうちに大事件を起こすかもしれん」
レクサスが今後を見据えて話す。あくまでも予測に過ぎない話だが、きりん達は真剣に彼の話を聞いていた。
「最初の事件を皮切りに、新たな敵が次々と決起していく…。僕もその事に関しては心当たりがあるよ」
話を聞いていたGVが過去を思い出す。超常黎明期の頃、かつての自分が能力者の解放を目的に能力者を弾圧、支配していた企業「皇神グループ」を襲撃したことによって皇神の主戦力が失われた瞬間を狙い、新たなテロ組織が次々と日本に現れていたのを。
「それって、もしや《エデン》のこと?」
「よく知ってるね、きりん」
「多国籍能力者連合エデン。皇神崩壊後に日本を襲撃した個性、当時でいう第七波動能力者だけで構成された無個性の人間を排除し能力者だけの世界を作るのが目的のテロ組織の事でしょ。今じゃ歴史の教科書にも載ってる超大物組織、知ってて当然よ」
「彼ら、そんなに有名なんだ…」
GVはきりんの話に驚くと同時に、自分達が戦っていた時代から百年以上時が経っていたことを改めて実感した。
「ま、ステインだろうがエデンだろうが何だろうが、敵が現れたなら倒す! そのために俺たちヒーローがいるってもんだろ?」
「そうだねカミオム。そのためにも、身体も心ももっと強くならないと。あの日みたいに、目の前の敵にビビッて動けなかったなんて事ならないようにね」
傍でトレーニングをしながら話を聞いていたカミオムが放った言葉に、あの夜のステインに対する恐れを思い出しながらきりんが返事をする。
「お喋りは終わりだ。皆、そろそろ仕事に集中するんだ」
レクサスの注意を受けて、きりん達がそれぞれの仕事を再開した。
―???―
ピロリンッ♪
「メール? 一体何処からだ…」
「誰々!? アキュラくんの知り合い!? アキュラくんって知り合いいたの!?」
『コハクちゃん、アキュラ君にも一応何人か知り合いいるんだよ…』
アキュラは腕を前に出してパワードスーツに搭載した通信端末を起動し、メール画面のホログラムを投影する。RoRoにコハクと呼ばれた茶髪の少女は彼にメールを送る相手がいることに驚いた。
「まさか、キミからこんな物を送ってくるとはな…」
「ねえアキュラくん、誰から何貰ったの?」
メールの内容にアキュラは静かに驚く。ますますメールの内容が気になったコハクは彼に詳細を聞いた。
「差出人の名はデヴィット・シールド。俺と同じ科学者だ」
そう言いながらアキュラはRoRoとコハクにメールの画面を見せる。画面には、デヴィット・シールドという人から送られた言葉と共に、何かの招待状らしきものが添付されていた。
「そしてこれは彼がいる場所、《I・アイランド》で開催される《I・エキスポ》の招待状だ」
おまけ トークルーム風会話②「撮影」
「そういやきりんってさっきまでどこ行ってたんだっけ?」
仕事の合間、BBがきりんに質問をする。
「雑誌の撮影よ。保須市での活躍を聞いたっていう出版社の人からオファーが来たのよ。正直断ろうかって思ったけど、その人がどうしてもっていうから仕方なく受けたのよ」
「へーそうなんだ。どうだったのよ、撮影?」
「もう本当に大変だった! 写真一枚撮るのにいちいち指示されなきゃいけないし、かといって気に入らなかったらまた撮影し直すし、しかもそれを何種類もしなきゃだしで本当に疲れたわ…。他の女性ヒーローってよくこんな仕事できるよね…」
「僕から見ても相当苦労してたね…」
きりんが撮影時の愚痴をBBに思いっきりぶつける。撮影中、離れたところからきりんを見ていたGVからもその大変さが口から発せられた。
「ま、お疲れさんきりん。雑誌販売したら買ってやるからさ♪」
「…恥ずかしいからやめて、BB!!」
最近、もっといい小説タイトル無いかなーって考えてます。アイデアあったら感想などに投稿お願いします。
次回、二人の英雄編です。お楽しみに。
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