転生巫女は静かに暮らしたい   作:高町廻ル

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叶えていく願い

 夏休みも中旬に入ったある日の朝。

 

『昨日未明、◯市△町の住宅街で火災事件が発生しました』

「お?」

 

 朝のニュース番組を眺めていた御依は近場で起きていた火災に釘付けになった。

 

「近い…」

 

 車を使えば十五分ほどの距離で見にいこうと思えば行ける。

 

「ねぇお母さん」

「何かしら?」

 

 朝食の用意をしていた都は娘に呼ばれて返事をする。

 

「魔術師協会って怪異が絡んだ事件はどうしてるの?ほら魔術というか式神を使えば不自然な現場が出来ちゃうよね」

 

 前に利人が外から怪異を使って鍵を開けさせていた。あの時もだが基本的に魔力は機密事項になっている。

 都は協会の事務員として勤めていた経歴がある。その手の知識は持っている。

 

「え、そうね…」

 

 娘からの質問に過去の記憶を引っ張り出す。

 

「警察庁の中には協会から派遣された人が何人かいるのよ、良二さんもよく警察の人と調査してるわ。それでその人達が現場に行って怪異か魔術が絡む事件はメディアを通じて情報操作ね」

「情報操作…そんな事する必要あるの?」

 

 母からの返答に何故という疑問が湧く。

 大きな事件だとしても話題になるのは一過性のものでしかない。

 一ヶ月と経てば悲惨な殺人事件も語られなくなるもので、わざわざそんな手間をかける必要があるのかと思ったのだ。

 

「あるわよ。魔力を視認出来ない人が下手に野次馬根性を出して怪異の巣とかに飛び込まれたら危ないもの」

「な、なるほど」

 

 言われてみればその通りで、御依は自分の浅慮に恥ずかしくなる。

 

「じゃあこの火事は?」

「うん、そうね、大々的に情報が出てるから火災そのものに怪異は絡んで無いのかしらね。絡んでたら報道そのものをさせないはずよ」

 

 都はもう魔術師協会との繋がりは殆どない為、経験から来るなんとなくの意見しか出せない。

 それを聞いてもモヤモヤする御依。

 

「どれどれ」

 

 親から借りているタブレットを開いてニュースの件を詳しく調べる。

 既に時刻は六時半で比較的新しい記事が出て来る。

 

 四十代男性の住む木造の一軒家が今回の火災事故の現場。

 火災事件はリビングとキッチン周りの火の手が激しい事から、内側からの火災であると推測される。

 家の周りには大量の下足痕が見られるが、それは普段から友人や近所の人を家に招いているため。

 周りの人からの評判は良く、悪い噂は一切聞かない。

 

「こういうニュースは下世話な特定好きか近所の人が調べてたりリークしてるんだよね」

 

 彼女は他SNSやまとめサイトも調べる。

 男性に家族はおらず、既に他界している両親から家を相続したなどどうでもいい情報がズラリと出てくる。

 

「ッ!?」

 

 そこでふと記事を見ていた手が震える。

 都は目敏くそれに気がつき調理の手を止める。

 

「御依どうしたの?」

「う、ううん。なんでもない」

 

 何とか見かけは平静を装う。

 

(これは…)

 

 事故現場の画像を見たのだがそこに小さい黒いモヤのようなものが写っていたのだ。

 この写真の載った記事がアップされているという事は協会はコレを見逃しているという事だ。

 

 

「ねぇねぇ、あの自転車ってやつ。私も乗ってみたい」

 

 御依は後ろに「自分で運転したいって事ね」と付け加える。

 藍原家末っ子の御依から、ソファーに座りテレビを見てくつろいでいた父親の良二へそんなお願いがされる。

 

「そうか御依もとうとうこの日が来たか」

 

その言葉を聞いた彼はしみじみとした表情で娘に向きあう。

 

「え、なに?この日?」

 

 相手の雰囲気が変わった事に少し驚く。

 学生が夏休みである事を除けば今日は平日だ。

 

「自転車イベントだ」

「自転車イベント?」

 

 何故あの二輪でチェーンを使った人力駆動の乗り物に乗る事に対し、そこまで特別感を出そうとするのか彼女には分からない。

 

「子供なら皆が一度は通る。自分で自転車を漕ぐ日だよ。御依ももうそんな時期か」

「ふぅん…」

 

 父親が熱弁しているが、その熱量に対して御依は何を言ってるんだろうこの人は?と言った感じだ。

 

「ならあれを出そうか」

「あれってなに?」

「ついてきなさい」

「うん」

 

 良二はそう言ってソファーから立ち上がり、娘について来るように言う。

 

 親に連れてこられたのは庭に置いてある倉庫だった。

 

「そういえばここの中身見た事ない」

 

 自分の背丈よりも大きなスチールの塊である倉庫。

 毎日家に帰る時に目にはするが、今思えば中身を見ようとも思わなかった。

 

「どこにしまったかな」

 

 良二はガラガラと少し錆びて立て付けの悪くなった扉を力で開けて中身を漁り始める。

 中身は至って普通で外で使う脚立に工具箱、水回りのホース等の器具ばかりだった。

 

(これと言って魔術絡みの品は無いか)

 

 ちょっとだけガッカリと言った感想になる。

 

「あったぞ」

「何それ?」

 

 倉庫から取り出されたのは一つの段ボールだった。

 

「何が入ってるの?」

「これはだな」

 

 娘からの問いかけに段ボールの上側のフラップを開く。

 中に入っていたのはヘルメット、関節のサポーター、そして自転車の補助輪だった。

 

「何これ?」

 

 御依の中にはこの手を知識はないため質問をする。

 彼女の中で自転車に乗る人はこのような物を持っている記憶はない。

 

「三種の神器」

「はい?」

 

 父親の返答に胡乱げな表情で返事をする御依だった。

 

 

 場所は変わって近所の公園に移る。

 

「……」

 

 姉の自転車(補助輪付き)に跨るヘルメットとサポーターフル装備の御依。ちなみに服装は擦り傷防止の為長袖長ズボンに着替えさせられる。

 先日、理保子から貰ったシュシュが大層気に入っているのか、髪先だけパラつかないように纏めている。

 そして問題のその表情はすっごく不満そうだ。

 

「いいかバランスを取るときはハンドルを焦って大きく曲げずに体を軽く傾けるんだぞ」

 

 良二はノリノリで自転車後方を支えながら教える。

 正直、大人相手なら兎も角子供にする指導としては微妙ではある。

 御依は一応言っている事は理解する。しかし心はどうしても納得ができない。

 

「あのねぇ、私がただのお子様だと思ってる?」

 

 藍原家の末っ子と生きていくことに関しては納得はしている。

 だが流石に前世と合わせて五十年は生きているので、こんな分かりやすい補助器具を付けられるのは流石にプライドを傷つけらるというものだ。

 

「調べたけど自転車は乗り始めるのが早い子でも五歳と聞いてるよ」

「……」

「もう私は六歳だしこんな分かりやすい転倒防止器具なんて要らないよ」

「……」

「小さい子が転倒する理由はハンドル操作とペダルを漕ぐ事、それに加えて周りを見るのを同時にやるのが難しいからだよね?」

「…そうか、ならまずは補助輪付きで一人で漕いでみようか。出来たら補助輪を外すよ」

「わかった」

「手を離すぞ」

 

 その返事を聞いて彼は自転車の後部から手を離す。

 

「よっほっ!あっちょっ!?みぎいっ!!」

 

 すると一瞬でバランスを崩して体が左に流れると慌ててハンドルを大きく右に切る、だがその影響で前輪だけが真横になってしまい車体がその場で横回転してしまう。

 

「ぎゃあ!」

 

 全く可愛くない悲鳴と共に転倒してしまう、しかも補助輪付き自転車で。

 

「……」

「……」

 

 倒れ込んでから立ち上がる気配のない御依を良二はじっと見つめている。

 彼女はむくりと上半身だけを上げて倒れている自転車を見る。

 

「これが…千年かけた人類の叡智…?」

「いや、ただの人力二輪駆動車だよ」

 

 恐れ慄く愛娘に鋭いツッコミが炸裂する。

 

 

「どんなもんじゃーいっ!」

 

 二時間後、御依は何とか自転車を補助輪無しで運転する事に成功する。

 元々技術云々よりも恐怖心を克服出来るのかが上達のコツである自転車において、怪異との命懸けの戦闘をしてきた超強心臓の御依がやって出来ない理由はない。

 

「自転車ごときがしゃら臭いわ!我は魔術の租ぞ!?」

 

 彼女は何度も転んでフラストレーションが溜まっていたのかテンションが高かった。

 

「ところで御依」

 

 そんな娘を見て話しかける。

 

「ん?」

「何で突然自転車にのりたいと思ったんだ?」

 

 そう尋ねられて反射的にブレーキをかけて止まる。

 

「えーっとお…」

 

 どう答えたらいいのか困る。火災現場が気になりますとは言えない。

 

「どこか母さんに知られたくない場所にでも行きたいのか?」

「え…?」

 

 何でわかったの?という表情が答えを言っているようなものだった。

 

「お母さんから『御依が近所の火災現場に興味ありそうだから変な事しないように見張って』って伝言をうけてだな。その感じだと間違ってなさそうだな」

「……」

 

 朝のあの短いやりとりで何を考えていたのかあっさりと見破られていた。

 当然親としては引き止める、御依はそう思っていた。

 

「行くのは構わない」

 

 その予想とは反した父親からの返事。

 

「え、いいの?」

 

 彼女は予想外の返事をもらい驚く。

 

「御依が野次馬をするとは思えない、となると何か引っかかるんだろう?」

 

 良二の中では御依が気になっているとは言え、その現場を一度は協会が目を通しているはずで、魔術または怪異が絡んでいる確率は低いだろうと思っているのだ。

 

「そう、なんだけどさ」

「取り敢えずその現場に自転車の公道練習がてら向かってみるか?」

 

 彼は娘にそう言いながら、その帰りでファミレスなり定食屋でも寄って、そして家に帰ってのんびりテレビでも見ようかなと計画を立てる。

 

「ありがとうお父さん」

 

 ちょっとした遠出程度にしか相手は考えていない事など察しようもない娘は深い感謝を述べた。

 

 

 親子二人でサイクリング。

 

「……」

 

 御依は魔術を使う時よりも深い集中状態で自転車に乗っていた。

 ある程度乗れるようになったとは言え、公園のグラウンドと違い道は整備されていない場所もある。気を抜けば転倒したり大きく車道に飛び出しかねない。

 

(結構神経使うな)

 

 先ほどから思ったよりも御依はスピードを出せていない。結果として何度か止まっては走るを繰り返す事になる。

 視界の先にコンビニが映る。妻から暑さにかなり弱いという話は聞いている。

 

「ちょっと休むか?」

「う、うん」

 

 二人はコンビニの駐車場に停めて一息入れる。 

 

「あちぃ…」

 

 コンビニの中に入っていく父を見ながら愚痴る。

 母親の目を掻い潜る為とは言え自転車での移動は不正解だったと。

 

「ぴぃ!」

 

 突如頬に伝わる冷たさに声が出る。

 振り返ると父親の手にはペットボトルが握られていた。

 

「ほらジュースだぞ。御依は炭酸飲めたよね」

「ありがと」

 

 不意打ちを受けた事にむっすりとしながら受け取る。

 兄といい父といい何故冷たい物を自分に押し付けてくるのか。

 

「そう言えば例の火災事故ってどんな事故なんだ?」

「それはね、携帯貸して」

「ん、ほら」

 

 良二は携帯を取り出して娘に手渡す。

 

「んーっと…」

 

 ぽちぽちと携帯をいじりだす。

 彼は利人と楊が同じくらいの歳の頃はどうだったろうかと考える。

 

「もうそんなに使えるようになったんだね」

「うん、そんなに難しくないし」

「いや、確かにそうだけれど」

 

 平安時代生まれの子がこうも現代社会の機器に適応出来るものなのかと感心する。

 液晶どころか紙すらも満足に使えない時代だったろう。人の探究心や向上心はそんな壁をいとも簡単に壊してしまうのか。

 

「この記事の…」

 

 今日の朝に見つけた記事を見せる。

 消されていないということは協会はまだこの事に気がついていないのだ。

 

「ここ」

 

 写真を拡大して問題の箇所を指差す。

 

「んー?」

 

 彼は受け取り画像を眺めるのだが、一部が黒く焼けた家しか見えない。

 

「どこだ…?」

「え、お父さん見えないの?」

「ぐはっ」

 

 純粋な御依の疑問符が彼の心を切り裂いてしまう。

 

「あ、ごめん」

 

 彼女は利人の影響で感覚が狂っていたが、基本的に藍原家の人間は魔術師としての能力が高くないのだ。

 

「だとしても私はお父さん大好き」

 

 精一杯の作り笑顔でそう答える。

 

「…素直に思ったことを言っていいんだぞ」

「えと…本当に見えないんだね」

 

 これでもかなりオブラートに包んではいる。

 

「それでも本音じゃないだろう」

 

もう既に瀕死だがここで娘が自分をどう思っているのか知りたかった。

 

「…そんなんで魔術師やってるの?」

 

 娘というよりも魔術の租としての発言。

 

「うわ…容赦ないな…」

 

 ギャグ漫画なら一度絶命してからしれっと生き返る程の即死級の一撃だ。

 

「いや、だって怪異って危ないんだよ。今日を乗り切ったからって明日無事とは限らないんだよ。失礼だと思っているけどこのくらいは考えるよ」

 

 半端な力ではこの業界は渡り歩けないのは彼女が一番理解できている。

 

「そうなんだよな、出来ればやめたいんだよ今すぐに」

「ええ?」

 

 こうもあっさりとした反応に肩透かしを食らう。

 もっと落ち込んだりすると思ったのだ。

 

「ただしきたりというか、魔術師界の御家を御依は知ってるか?」

 

 父親からの質問に前に紫雲香織に色々と馬鹿にされたのでそれなりに勉強した知識を披露する事にする。

 

「うん、えーっと…『赤地』『青風』『緑雷』『紫雲』『白海』『黄火』『黒闇』の七つだよね」

 

 丁寧に指を折りながら家の名前を思い出し答える。

 

「そうそれだ、よく勉強してるね」

「千年前から魔術師界を支えてきたお家で、今の魔術師協会を作ったって」

 

 良二はきちんと勉強をしている事に感心する。

 だが御依はとんでもない事を付け加える。

 

「まぁ私がなぶり殺された後に出来た家らしいから詳しい事は知らないけど」

「最古の自虐やめて」

 

 とんでもない事を言う娘だった。

 

「とにかくだ」

 

 彼は少し乱れたペースを取り戻すように話し始める。

 

「その家以外にも魔術師を排出している名家はある。御家から様々な家が枝分かれしていったんだよ。その一つが青風家の分家の藍原家ってわけだな」

「あ、なるほど」

 

 ここで彼女は何を言わんとしているのか理解した。

 

「そう、藍原家は誰かが継がなくちゃいけなかったんだよ。他の兄弟は全員それを嫌がって押し付けられたって事かな」

 

 彼は当時のことを思い出したのか苦笑いを浮かべる。とても酷い押し付け合いだったと。

 

「家ってそんなに継がなくちゃいけないものなの?嫌なんでしょう?」

「俺が嫌かどうかは別として。昨今はそうしきたりも薄れてるけど、ただ藍原家は魔術師の家系だからな。そうもいかない」

「何で?」

「魔術師としての力量が遺伝するのかはまだ結論が付いてない所なんだけど、魔術師から産まれた子供は魔力や怪異を見る目を持ちやすいから、協会や御家が取り潰しを許さないんだよ」

 

 強い魔術師を生み出すために優秀な血統同士で婚姻を繰り返すなんて時代もあった。

 現代のように遺伝子の知識が無いせいで近親婚を繰り返して、結果としてハプスブルク家の様な形で無くなった家もある。

 

「確かに見えるかどうかでかなり違うもんね」

 

 御依はそう言ってペットボトルの中のジュースを飲み込んだ。

 魔力は誰もが持っているがその力を引き出せるかは資質が関わるのは事実である。幼い頃からそれらが見えていれば鍛錬に打ち込みやすいのは間違いない。

 彼女の姉の楊が魔術師としての資質が低いと見られているが、普通に生活をしているだけで怪異や魔力を見れる時点で一般人よりは才気のある方なのだ。

 

「利人が例外なだけで藍原家はまともな一線級の魔術師を百年は輩出してない家なんだよ。実績が無いから他の家よりも地位も格も何もかもが低い、だから誰も家も継ぎたがらない」

 

 自虐気味にそう言った。

 ある程度は吹っ切れているとは言え、自分の力の無さと言うのは堪えるものがあるのだ。

 何より利人と御依という望めば好きなだけの財を手に出来る才を持つ子供がいれば尚更。

 そしてその劣等感は楊が必ず通る道になる。

 

「お父さんはお父さんだよ」

 

 御依は様々な思いを察した上でそう言った。

 

「俺には…魔術師としての力は正直無い…子供達の見本になってやれない」

「そうだね」

 

 彼女は下手な慰めはしない。

 そんな事をしても彼の抱えるものは軽くなりはしないからだ。

 

「でも親として人として手本になる人だと思う」

 

 これは彼女の間違いのない本心。

 その言葉を受けて彼は地面を見て俯いていた顔を上げる。

 

「悪い言い方になるけど私は魔術的素養を持たない側の気持ちは分からないし、持たざる者が持とうと努力する気持ちもあまり分からない。誰もが自衛のために使える手段として魔術を開発したのにね」

 

 彼女は自分で言った事に自嘲する。

 魔術を使う力の源である魔力は誰もが等しく同じ量だけ持つ素養である事を突き止めた。

 だが現実として誰も彼もが魔術又は術式を使えるわけでもなければ、発現する属性もそれぞれ違い、成長速度も異なる。

 その違いこそが平たく言えば才能というやつになる。

 

「藍原良二さん、私、藍原御依又は亜夜鳴は貴方から魔術そのものも心得も学ぶ事はありません」

 

 彼女は少しだけ息を吸って呼吸を整え「ですが」と付け加え。

 

「あの日、私の名前の由来を教えてもらった時。私は神様の生まれ変わりではないけれど嬉しかった。ここにいていいって思えたから」

 

 ここまで話してから恥ずかしいのか顔を背けてペットボトルの中身をあおり始める。

 

「御依…」

「あーいやナシナシ、そういう湿っぽいのは。私六歳児だもん」

 

 亜夜鳴の口調から御依のそれに戻すとそれ以上は語らない。

 

「ありがとう」

 

 いまだに何者なのか掴めない娘。

 だが間違いなく家の長である良二の影響を受けてここを居場所だと思っている。

 魔術がなくても人の心を動かせた、その事実がとても嬉しい。

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