黄金の獣は真なるヒーローを目指す   作:刹那

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今回からは番外編のスタートです!



番外編 結局誰が強いの選手権大会 その1

 

 

とある球技場にて.....

 

 

 

 

ざわ.....ざわ....

 

 

 

サイタマとラインハルトとジェノスは、球技場に進んでいく人だかりを見て呆然としていた。

 

「キングから何かヒーローのバトル選手権みたいなのがあるからって聞いて来てみたが....よく見たら一般人も混ざってるじゃねえかよ!」

「キングは別にヒーロー限定とは言ってないぞ。卿が勝手にそう解釈しただけだ。まあだとしても、見学者含めてもこの人数は異常だと思うがな.....流石に犯罪者とかは居ないがな。」

 

そう言って三人は辺りを見渡しながら進んでいく。今回は主にヒーロー同士のバトルがメイン、おまけ要素として格闘選手や武道者などを混合した大会としているため、悪事を企む輩はいないようだ。すると、白い髪にサングラスをつけた男がこちらに向かって手を振っていた。

 

「ハイドリヒ卿ー!出場者はこちらみたいですぜー!こっちで入場手続きをしていますよ!」

「Dank.すまないなベイ、場所の確保なんかを頼んで。」

「いやいや、ハイドリヒ卿の頼みでしたら、命にかえてでも遂行しますよ。」

 

彼はラインハルトが率いる黒円卓第4位の騎士『ヴィルヘルム・エーレンブルグ』通称:ベイである。今回彼はこの大会の参加者であり、ラインハルトのためにわざわざ苦手な朝の中場所の確保をしていたのである。

 

「サンキューな、ラインハルトの下っ端。それと、お前目のクマが酷いぞ。」

「うっせえよ!誰が下っ端だ.....お前はハイドリヒ卿のヒーロー仲間だから今回は大目に見てやるが、今度言ったら吸い殺すからな。」

 

ベイは明らかに敵意を放ちながらサイタマに向かってそう言った。恐らく苦手な朝日を浴びて苛立っているのと、よくわからない人間が、主人のラインハルトとなれなれしく話しているのが気に入らないのだろう。

だがしかし、今はその気持ちを抑え、ヴィルヘルムは三人を室内へと案内しようとした。

 

「あの....」

「ん?」

「僕、今回開催されるバトル選手権の出場者なのですが....場所は当たってますよね?」

「ほう....卿も選手なのか。」

 

執事服をつけた少年がラインハルトに声をかけてきた。少年は今時の高校生と同じ雰囲気をしていた。ラインハルトは軽く微笑みながら少年の問いに答えた。

 

「然りだ。この球技場が今回の会場だ。卿は....見た所この地域のものではないが?」

「はい、全く別の地方からここにきました!いやぁ、ここは人がたくさんいますねぇ〜。」

「ふふ、気に入ってくれたようで何よりだ。それで、このまま私達と一緒に受付を済ましに行こうかね?歓迎するよ。」

 

ラインハルトはそう言って手を出した。しかし少年は慌てたようで首を横に振った。

 

「お、お気遣い感謝します。でも、僕は一緒にきてる人たちがいますので....場所を教えてくれてありがとうございます。また大会の時に会いましょう!」

「ふふ....そうだな、今度相見える時は、決闘の時かもしれぬな。また会おう、少年。」

「はい!」

「風頼さーん!どこにいるですかー!?」

「あ、咲夜さん!ぼくはここです!」

「全く....場所の確認は取れたんでしょうね?」

「もちろんだよ、レミリア。さあ行こうか。」

 

二人はそう言って、一時の別れを言った。執事の少年は、どうやら仲間達と合流したようだ。その一行は、何やらメイド服や、西洋の貴族のような服をつけていた。

 

「あいつら、何か暑苦しい服つけてんな。」

「そう言えば先生、さっきこぼれ話を聞いたのですが、どうやらこの大会、異世界からもコンタクトを取ってるらしいですよ。」

「なんか趣味の悪いことしてんな....帰れなくなったらどうするつもりだよ.....楽しみだ。」

 

ジェノスの話を聞いたサイタマは、悪態をつきながらも、どこか面白いことをきたかのように少し目を輝かせていた。すると、ベイがあることを思い出した。

 

「あ、思い出したんスけどこの大会はトーナメント形式らしくて、シード枠は4人分あるらしいスよ。」

 

そしてベイが言うには....

 

第一シード:戦慄のタツマキ

第二シード:ぷりぷりプリズナー

第三シード:閃光のフラッシュ

第四シード:ラインハルト

 

と、このような振り分けになっているらしい。ベイは続けて、イラついた様子で話す。

 

「なんか露骨にS級の奴らを贔屓してるのが目に余りますよね。いや、ハイドリヒ卿がシード枠なのは当然なのですが....むしろ、第一シードじゃないのが余計に腹が立つっスよ!」

「私はまだヒーローになって日が浅いから当然だ。むしろ最終シードなのが奇跡なくらいだぞ。」

「ジェノスは中間シードかよ。ファンクラブもあって人気なのにおかしくね?」

「理由は大体ラインハルトと同じだと思いますよ。それよりも、そろそろ中に入りましょ。開会式の時間が迫ってます。」

 

そして彼らは、ベイの引率のもと受付を済まし、会場内へと入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開会式が終わり、ついに試合が始まった。最初は、C級ヒーローと武闘家との戦いが多く、少々盛り上がり掛けていた。だがある試合が始まってからは、一気に観客の感性がヒートアップした。

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉっ!ジャスティスタックルゥゥゥゥ!!!!」

「ブラックホールハンドォォォ!」

 

無免ライダーとタンクトップブラックホールが戦っていたのだ。互いの体からは血が滴っており、いつどっちが倒れてもおかしくはなかった。

 

「ぬぅっ!」

 

メキッ!

 

「がはっ!」

 

 

ドサァッ!

 

 

ブラックホールのブラックホールハンドが、偶然張り手のように無免の顔にぶつかり、それが芯に響いたのか、無免はフラフラと地面に倒れた。

 

「勝者、タンクトップブラックホール!」

「はぁ....はぁ....」

 

 

わぁぁぁぁぁ!

 

 

審判がそう宣言すると、会場内の声が一斉にはじけとび、拍手と賞賛の声が鳴り響いた。

 

「無免ライダー、惜しかったなぁ.....」

「けどよ、B級のブラックホール相手にあそこまで善戦するのはすごくないか?」

「伊達にC級1位は名乗ってないな。」

 

無免ライダーの評判は良く、ほとんどが賞賛の声が聞こえた。そして同じく、無免ライダーの試合を見ていたサイタマ達は.....

 

「無免は初戦敗退してしまったか.....後で見舞いに行くか。ジェノスも一緒に行くか?」

「いえ、行きたいのは山々ですが、彼は先生とのご学友と言うので、水を差すのは悪いので遠慮しておきます。」

「しかし、今の試合無免ライダーは惜しかったな。あそこで顎を狙っていればブラックホールは倒れていたぞ。」

「ラインハルトよぉ、んなたらればの話しても仕方ねぇだろ。言っちゃ悪いが、不器用な無免がそんな器用な真似出来ると思えねえからなぁ....」

 

三人がそう話していると、次の選手が闘技場の中央に入場してきた。よく見ると、そこには先程あった執事服の少年がいた。

 

(あの少年、もう試合か。さて、実力はどれほどのものか.....)

 

ラインハルトはそう思いながら、闘技場に目を移した。

 

 

 

 

 

 

『風頼選手対ダークネスブレイド選手....ファイッ!』

 

 

 

 

「よ...よろしくお願いします!」

「迷える子羊よ、我が無慈悲なる刃をその身に受け、我が糧となるがいい....」

(あ、中二病だこの人。)

 

執事服の少年の名は、どうやら『風頼』という名前らしい。彼はダークネスブレイドの独特なセリフ回しに、若干顔を引きつった。

 

「受けよ!我が必殺技『漆黒の閃光』を!」

 

 

ビュッ!

 

 

ダークネスブレイドは一気に間合いを詰めて、風頼の首元めがけて剣を横薙ぎに振るった。

 

「っ!反符『イージスの盾』」

 

 

ガギィ!

 

 

ダークネスブレイドの突撃に対して、風頼は何か不思議なカードを取り出すと、彼の目の前に巨大なバリアが展開された。

 

 

パリィッ!

 

 

「っ!?がはっ!」

 

剣がバリアと衝突すると、剣はひとりでに割れた。それどころかダークネスブレイドに、その剣撃が倍返しされ、吹き飛んで行った。

 

 

ドサッ!

 

 

「なん.....だと?」

 

 

ガクッ!

 

 

(あ、危なかったぁ〜!不意をつかれたとはいえ、あの人けっこう素早かったな。イージスの盾が間に合わなかったら、ヤバかったかも。)

『勝者、風頼選手!』

 

 

わぁぁぁぁぁ!!

 

 

風頼はそう思いながら安堵の息を吐いた。そして審判からの勝者コールがかかると、観客の歓声が鳴り響いた。

 

「お、おい!今何が起こったんだ!」

「バリアだよバリア!俺、初めて見たぜ!あの執事、バリアを操る能力を持ってるんだ!」

「しかも反射付きだなんて少し反則気味だぜ!」

(ふむ、一瞬でここまでわかるとは....観客の者たちも目が濃くなっているな。)

 

観客の感想を耳にして、ラインハルトは彼らの見る目がけっこう達していることを理解した。そして....

 

(そしてあの風頼という少年....なかなかやるな。あのダークネスブレイドというヒーローは、恐らく剣技自体は素人同然だが、その素早い身のこなしは、達人クラスと見た.....伊達にヒーローはしとらん。そしてその動きに反応し、咄嗟に反射バリアを展開する風頼の行動力....最低でもA級ヒーロークラスの実力者か。まあ、今の段階でははっきりとはわからんな。もう少し見なければ....)

 

ラインハルトは今の試合で、風頼という少年の実力を、そう考えながら考察していた。こうして、初戦はこの調子で山あり谷ありの展開をしながら、トーナメントは進んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『皆様お待たせしました!これより、準々決勝戦を行いたいと思います!バトルのシフトはこのようになっております!』

 

 

 

第一試合:戦慄のタツマキvsヴィルヘルム・エーレンブルグ

 

第二試合:風頼信世vsサイタマ

 

第三試合:閃光のフラッシュvs十六夜咲夜

 

第四試合:ラインハルト・ハイドリヒvsレミリア・スカーレット

 

 

 

『こんな感じでございます。それしても、第二シードのS級ヒーロー、ぷりぷりプリズナー選手がベスト8直前に敗退は誰もの予想を超えていましたねぇ〜。そして、こっから先は、解説役として、S級ヒーローの『キング』様と共に、試合の展開を進めていこうと思います。よろしくお願いします!」

「うむ(帰りたい....)」

 

 

 

 

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 




次回から、ベスト8戦の始まりです。メインキャラの初戦の様子は、大体がワンパンKOなのでカットしてしまいました。
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